サイボウズの「変える覚悟、変わる覚悟」

青野慶久氏(以下、青野):みなさん、おはようございます。サイボウズの青野でございます。今年も始まりました「cybozu.comカンファレンス」。多数のご来場、誠にありがとうございます。

4年前に私たちがクラウドサービスを発売開始しまして、今回で5回目のカンファレンスとなります。もうご覧のとおり、毎回ご来場者数が増えております。この日本のクラウド熱の高まりを実感しております。

今回はゲストも豪華です。今日、この東京会場は夕方に池上彰さんがいらっしゃる予定になっております。その後は少し私とも対談をする予定になっておりまして、大変心配しております。果たしてかみ合うんだろうかと。大変楽しみです。

今回のテーマは、こちらになります。「変える覚悟、変わる覚悟」。覚悟というのは、危険なこと、不利なこと、困難なことを予測して、それを受けとめる心構えをすることだそうです。何かを変えるとき、そこには困難が伴います。それを受けとめて、それでも変えていこうと覚悟を決めること、これが「変える覚悟、変わる覚悟」です。

今日、この基調講演では、みなさんに「変える覚悟、変わる覚悟」を持っていただくと。これが私のゴールになります。大変厳しい基調講演になるかもしれませんけれども、どうぞ気合いを入れて聞いていただけたらと思います。

今年の「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」の候補

このサイボウズがしている覚悟、それが、「チームあるところサイボウズあり」。世界中のチームワークを向上させること、これがサイボウズが覚悟していることであります。もちろん、グループウェアをつくってこれを広げていく、そこでも貢献しますけれども、それ以外にもさまざまなチームワーク啓蒙活動をしておりますので、まずはこちらをご紹介します。

「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」、これはサイボウズが2008年から開催しているイベントになります。この年で一番活躍した日本のチームを表彰しようという、そういうイベントになります。おととしはオリンピック招致委員会チーム、そして昨年はあの『妖怪ウォッチ』の大ブームを巻き起こしました企業間プロジェクトチームを表彰させていただきました。今年も候補が挙がってきております。

右下からご紹介しましょうか。北陸新幹線の開業チーム。開業以来、高い稼働率が続いております。真ん中、Pepperプロジェクト。日本にロボットブームを巻き起こしました。それから、FOVE。これはヘッドマウントディスプレイです。目で操作することができます。今年はヘッドマウントディスプレイ元年になりました。これは福祉分野での応用も期待されています。

それから、なでしこジャパン。今年も強かったですね。ワールドカップ準優勝、すばらしかったです。そして、右上にいきまして、ラグビー日本代表チーム。なんとワールドカップで3勝を上げて、日本中に大きな勇気を与えてくださいました。今月19日、最優秀チームの表彰がありますので、どうぞこちらもご期待くださいませ。

それ以外にも、サイボウズは新しいチームを生み出す、こんな活動もしています。今年も「フューチャーセッション」を開催しまして、スポーツに関するチーム3チーム、それから地域をテーマにした7チーム、合計10チームを生み出すことができました。今もうこのチーム、活動を開始しています。彼らが日本を変えていきます。

それから、中学生・高校生向けにチームワークを教える、こんな活動も開始しました。この夏は高校生を集めまして1日授業を受けていただきました。そうしましたら、東京都さんが興味を持ってくださいまして、もしかするとこのチームワークの授業が東京都の学校で教えられるかもしれません。もう子供たちが学校でチームワークを学ぶ時代が近づいています。

それから、今年は大きな災害もありました。常総市ではこの9月、大きな水害がありまして、まだ避難所生活を続けられている方がたくさんいらっしゃいます。私たちも何か貢献できないだろうかと思いまして、この避難所生活をされている方のアンケート、残念ながらこれはアナログの紙のデータなのですが、これをデジタル化しようと。そのボランティア活動をしました。

東京オフィスのメンバー、松山オフィスのメンバー、あわせて60人が協働しまして、このアナログなアンケートデータをクラウドに上げると。もちろんkintoneです。kintoneにデジタル化して、そして分析をして、課題が設定できるような、こんな仕組みをつくりました。もう私たちが安全に生活していくためのインフラとして、クラウドは欠かせないものになっています。

ワーキングマザー動画に次ぐ、パパの連続ドラマ

青野:それから、ワーキングマザー動画『大丈夫』、これは1年前この場所で初めて公開した動画になります。女優の西田尚美さんを起用しまして、東北新社さんのすばらしいスタッフを迎えまして、この都会で働くママがいかに大変か、リアルに描写したものです。

これを昨年末にインターネットで配信したところ、大きな反響がありました。サブストーリーと合わせて165万回再生されまして、インターネットではソーシャルを中心にたくさん議論が巻き起こりまして、朝のテレビの情報番組で3回もノーカットで再生されたり、日本の有名な広告の賞をいただいたり。

この動画には英語の字幕をつけたんですけれども、そうしましたらアジアの広告賞も受賞しましたり、そしてついにニューヨークの広告賞も受賞しましたり。さらに台湾では、勝手に繁体字の字幕がつきまして、それがインターネットに流れて170万回も再生されたり。大変なことが起きています。

実は台湾は日本よりも出生率が低い、そんな国になっています。このムービーというのは、日本に限らずグローバルに大きな問題提供をすることができたと思っています。ただ、たくさん批判もいただきました。「内容が暗い」「見ていて辛くなる」「パパ、何やってるんだ」「ママしか出てこないじゃないか」と。「サイボウズは何だ、これで終わりにするつもりか」と。

いや、「終わりにするつもりか」って言われましてもね、私たち、始めたつもりもあんまりなくてですね。どうしたもんかなと。確かに、続きをつくりたい気持ちはあったんですけれども、ずいぶんお金もかかりますし、これをつくりましても、グループウェアがすぐ売れるわけじゃないんで、ちょっとこれはどうしたもんかなと私は悩んでいました。

ただ、こういう大きな反響を受けますと、じゃあ、世界の問題を解決するのに、サイボウズが少々赤字にあるとか、どうでもいいんじゃないかと。むしろ、この世界中のチームワークを向上させると、その覚悟をここで試されているんじゃないかと、そんなことを感じまして、続編をつくることを決意いたしました。

今回のテーマは、働くパパです。予算も倍増いたしまして、連続ドラマでご提供いたします。今回パパ役を務めていただきました俳優さんが、こちらになります。田中圭さんとオダギリジョーさんです。すごい豪華ですね。格好いいね。こちらのドラマは12月より順次配信してまいりますので、どうぞご期待ください。

(会場拍手)

俳優・田中圭の娘との時間

青野:そして今日は、このドラマで主役を務めていただきました田中圭さんにお越しいただいております。大きな拍手でお迎えください。

(会場拍手)

青野:ようこそお越しくださいました。

田中圭氏(以下、田中):どうもありがとうございます。

青野:田中さんは今、月9のドラマから映画から、もう大活躍ですね。

田中:いえいえ、ありがとうございます。

青野:今回このドラマを主役を演じていただきましたけれども、何かご感想とかご意見とか。

田中:CMというか、このスペシャルドラマをつくる際に、絵コンテという台本みたいなものがあるんですけれども、その絵コンテを見たときに、「あ、わかるな、共感できるな」っていう……なんていうんですかね? 自分もパパなんで、パパとしてちょっと反省したりとか。

青野:なるほど(笑)。

田中:でも、共感したりとか、くすっと笑えたりという要素がいっぱいあったので、たぶん見てもらえる方々には共感してもらえるんじゃないかなと思って、なるべくリアルに日常として描けたらいいなというのは気をつけました。

青野:そうですね。私も見せていただいたんですけども、もうとてもリアルで、多分共感する方がたくさんいらっしゃるんじゃないかなと。

田中:そうですね。

青野:また、今回オダギリジョーさんも出ていらっしゃってね。あんなセクシーなサラリーマンいるのかっていう(笑)。

田中:実際嗅いではいないんですけど、対面してるだけで何かいいにおいがしそうな。

青野:(笑)。

田中:色気がある。

青野:ちょっとアウトローな感じのオダギリさんと、正統派の田中さんと非常に対照的で、すごくいいドラマになってるなと思いました。普段もパパでいらっしゃいますから、育児もされていらっしゃるわけですけれど、俳優業との両立というのはずいぶん大変かと思うんですけれども、いかがですか。

田中:やっぱり育児を力入れてできるかというのは、なかなか難しくて。ほとんど奥さんに任せ切りになってしまっているのもあります。だいたい夜帰るのが遅くて、朝出るのが早いので。

青野:売れっ子ですもんね。

田中:いえいえ、最近お仕事がちょっと詰まってるので、本当に「起きてる娘に会ってないな」ってちょっと思ってたんですよ。

青野:ああ、なるほど。

田中:それで今日は普段より朝が少し遅かったので、久しぶりに起きてる娘と会ったら、ベッドで起きた娘が僕がいるのを発見して「あ、いる!」「うれしい!」って言って、ゴロゴロ転がって、ずっと横にくっつかれたりすると……。

青野:ああ、いいですね。

田中:なんか、本当はもうちょっと時間つくってあげなきゃいけないんだなとか思いましたけど。

青野:お父さん、田中圭さんだったら、それは娘さんうれしいですよね。

(会場笑)

田中:どうなんですかね。

青野:それはぴったりくっついて(笑)。

田中:それはどうだかわかんないですけどね。

一番身近なチームは家族

青野:今、世の中でイクメンブームみたいなこともありますけれども、ああいうのはどういうご覧になっておられますか?

田中:すごくすてきというか。やっぱり、母親が強いというイメージは、僕自身もまだ持ってますし、旦那さんは外で戦うのもすごい大事なのはわかるんですけど。

やっぱり「2人の子供」というので、ちゃんとコミュニケーションをとりながら、協力して育ててあげられるというのは、すごくいい関係性だと思います。僕はあんまり育児ができてないので、そこまで強く言えないんですけど。

青野:「2人の子供」っていい言葉ですね。生まれた後、「母親が育てるんだ」ではなく、「2人の子供」って言い合える関係ってすてきだなと思いました。時間も残り少ないんですけれども、今回のドラマの見どころとか、今日いらっしゃっている方へメッセージがあれば、いただきたいんですけれども。

田中:サイボウズの青野さんが先ほどから言われている、この「チームワーク」というのが、すごくいい言葉だなと思って、裏で聞いてたんですけど。実際、今ドラマの撮影してるチームワークがいいときって、やっぱり士気が高いし、上がりがよかったりするのがあって。

いいときは喜び合えるし、悪いときは悲しんだり、反省して、じゃあ次どうしようって、みんなでモチベーションが上がっていくんですよね。そういう環境、関係性を築くのに一番何を気をつけたらいいのかなと思ったら、一番身近なチームって家族だなって思ったので。

家族とのコミュニケーションは、このドラマの主人公がそうなんですけど、とれてるようでとれてない……とれてる気ではいるんですけど。そこは自分もやっていて、「もっといろんな家族のことを思いやったり、自分自身とも向き合わなきゃいけないんだろうな」というのはすごく思いました。

それがみなさんに少しでも伝わって、ドラマを観ながら「うちの家族もっと仲いいぞ」とか「うちの家族ももしかしたらこうなっちゃうのかな」とか「子供に寂しい思いさせてないかな」とか、自分の家族を振り返る1つのきっかけになってもらえたら、すごくすてきだなと思っています。

青野:今回のタイトルが「声」で、お互いの声を確認し合って助け合えるような、そんな家族が増えるように私も期待しています。ちょっとお時間になってしまいましたので、女性ファンのみなさん、申し訳ありません。

田中:短い時間でした。

青野:誠に申し訳ありません。今後も俳優として、パパとして、ご活躍されることを祈っております。

田中:はい。

青野:今日はこのカンファレンスにお越しいただきまして、まことにありがとうございました。大きな拍手でお送りください。

田中:ありがとうございます。

(会場拍手)

青野:格好いいですね。今回のこのドラマは全6回、約5分のものが6回、順次配信される予定になっております。ぜひご覧になってください。そして、感じるものがあれば、ぜひ広げてください。1話あたり1人10人に広げてください。私の計算によりますと、それだけで10万回見ていただける計算になっております。

みなさん、いいですか? 今日のテーマは「変える覚悟、変わる覚悟」。みなさんで一緒に、社会を変えていきましょう。「チームあるところサイボウズあり」。サイボウズはこれからも世界のチームワーク向上に貢献してまいります。