全国を講演で回るさかなクンの活動

小林史明氏(以下、小林):(魚や漁業問題に関する)講演を全国にして回ってらっしゃるんですか?

さかなクン:そうですね。私が各地で学ばせていただいたこと、特に漁師さんのお船に乗せていただいたり、実際に自分で海に潜って、目の当たりにした光景、これやっぱりギョ感で得た情報じゃないと、しっかりお伝えできないんですね。

小林:ギョ感……あ! 五感。

さかなクン:五感ですね!

小林:五感ね。

さかなクン:やっぱり文献とかで調べた知識というのもさることながら、自分で得た情報というのをしっかりお伝えしていきたいなと思っておりますので、これからも各地を巡らせていただいて、たくさん学ばせていただき、たくさん吸収して、ギョギョっとギョ紹介できるようにしていきたいなと思っております。

小林:ぜひ、よろしくお願いします。

さかなクン:はい。

小林:時間、あっという間ですね。

さかなクン:ええー!

小林:残り、ギョ(5)分ぐらいになりました。

さかなクン:ギョ分ですか?

小林:はい。

さかなクン:ギョ分! ギョ分で何ができましょう。

小林:これからチャレンジしたいことを聞いて大丈夫ですか?

さかなクン:チャレンジ! そうですね、やっぱり見たことないお魚、潜ったことのない海、乗せていただいたことのない漁場でお船に乗せていただいたり、新たな境地を開いていきたいなというのも思ってるんですが。

小林:なるほど。

さかなクン:だけど、同じ場所で潜ったり、お船に乗せていただいたりして、それを持続してって、どう変化が起こるかっていうのを見つめていくことも大切です。

小林:定点観測しないとわかんないですもんね。

さかなクン:ギョばやし先生は今、注目されてることって、海のこと、お魚のことですとどんなところでしょう?

小林:やっぱり水産の政策をすごい気にしてて、なるべく資源管理を上手にやって、漁業者の方がたくさんお金が得られるような方法っていうのを考えていかなきゃいけないと……。

さかなクン:さすがギョ、これはギョばやし先生に。

小林:別に網屋のためじゃないんですよ。網屋のためじゃなくて。

さかなクン:でも網は大切。

小林:地方の雇用をつくるためにですね。

さかなクン:はい、よろしくお願いいたします。

小林:よろしくお願いします。

地産地消につながる定置網漁法

さかなクン:やっぱり網があって、いろんなお魚ちゃんにも出会えて、私もよく……。

小林:網、持ち上げますね。

さかなクン:ええ、網大好きなんです。

小林:定置網、本当好きですよね。

さかなクン:定置網いいんですよ。海のなかに潜ると、定置網にはたくさんの海藻が茂って、そこに小っちゃなエビやカニが集まってくるんです。網の目が結構大きいので、その大きな網の目を小っちゃなお魚が入っていったり、出ていったりして、遊ぶようにたくさん集まってるんです。

定置網は上げる部分っていうのは、箱網の本当に一部分なんですけど、それ以外の広大な面積というのは、小っちゃなお魚たちが育つ場所にもなり、イカさんが卵を産んだり、まるで環境の一部になってるんですね。

お魚も捕りすぎず、その季節にどんなお魚が捕れるかっていうことも学べますし、本当に地産地消につながるすばらしい漁法だと思います。

小林:すごいですね。定置網の代弁者みたいになって。

さかなクン:定置網、バンザイ!

小林:どこからかオファーが来るんじゃないですか?

さかなクン:本当ですか? よろしくお願いします。また乗せてください。

小林:乗せてください(笑)。

今まで食べた魚は約500種類

小林:これだけ詳しいさかなクンでも、今、食べたことある魚種が何魚種でしたか?

さかなクン:今までいただいたお魚、ギョ百種ちょうどでした。

小林:ギョ百種。

さかなクン:2月のデータですので、今たぶんギョ百18種ぐらいかなと思うんですが。世界のお魚も含めた数字ですので、日本のお魚ですとまだ380種ぐらいでしょうか。

小林:じゃあ、まだ全国の10分の1も食べてない。

さかなクン:そうなんです、日本産4,200種もいますので。そのなかにはたった1匹しか捕まってないクマカサゴっていうお魚もいるんですけど。

小林:1匹しか捕れてないってあるんですね。

さかなクン:あるんです。通常はたった1匹しか捕れないお魚っていうのは、突然変異の可能性もありますし、その地域の特有な形だったりっていうことも考えられるんですけど、クマカサゴというのはヒレの先が全部枝分かれしてまして、ほかのカサゴには全くない特徴ですので、完全に種として認められたという。

日本の海にシーラカンスがいてもおかしくない

毎日底引き網でたくさんお魚が捕られている、東シナ海の海域で見つかったという新種の魚なんですね。だから、ひょっとしたら日本の海のどこかにシーラカンスがいてもおかしくないっていう説もあって。

小林:そうですね。

さかなクン:私はいつか、日本の海のどこかでシーラカンスに出会ってみたいなと。それも海で潜ったときに、ひょっこり会えたらうれしいなと思ってるんです。ギョばやし先生はダイビングはされますか?

小林:したことないんですよ。

さかなクン:もったいない!

小林:気持ちいいですか?

さかなクン:ダイビングはいいですよ。

小林:いいですか?

さかなクン:本当に世界感が広がります! 無重力な感じで、出会うお魚、出会うお魚が、もう新鮮なんです。「いやあ、皆さま、おじゃましてますよ」って、本当によその世界に来た感じですので。

小林:まだ新しい魚が眠ってるんじゃないかっていうのはロマンありますね。

さかなクン:ありますね。いつか新種のお魚を見つけて、それがタイだったらさかなクンダイとか、フグだったらギョギョギョフグとか、そんな名前つけたいんですけどね。なかなか、そういったチャンスに恵まれないんでギョざいます。

小林:大人気ですね。「さかなクンとしゃべりてえー」っていう(視聴者からのコメント)入ってます。

さかなクン:こんなにたくさんありがとうギョざいます。ギョギョギョフグ。ギョギョギョー!!

イラストを描くことでますます魚が好きになる

小林:ずっと触れなかったんで、これ最後触れときたいです。白衣。

さかなクン:はい、白衣。

小林:これは全部、手書き。

さかなクン:そうなんです。私、絵を描くの大好きですので、もう本当にサバちゃんとか、サンマちゃんとか、タコから入ったんでタコもここに。

小林:背中。

さかなクン:タコちゃんですよー! 背中はですね。

小林:背中もあるんですね。

さかなクン:エビスダイ、ギョギョギョギョー! どうも、手を振ってくださってる(人)、エビスダイですね。

小林:表に立ってる人、めちゃくちゃ手を振ってる(笑)。

さかなクン:どうも(笑)。

小林:ということなんですよ。

さかなクン:やっぱり絵を描くと、その描く対象をじっくりと見ますので、いろんなことがわかってくるんですね。

だからやっぱり根本的には、物をじっと見つめて、「うおお、魚!ギョギョギョギョ!」っと描いてくると、ますます好きになってくるんですね。ギョばやし先生、絵は描かれますか?

小林:絵、描くんですけど、ものすごい下手なんです。絵心ないんですよね。

さかなクン:いやいや、そんな。味がある絵をお描きになられるんですね。どんな絵を描かれるんですか? 車とか、物であったり。

小林:物が多いですね。

さかなクン:そうなんですか。

小林:動いてるもの描けないですね。「じゃあそれ、みんなで描こうぜ」って言って描くんです。こういうの描く。

さかなクン:ギョップ(コップ)とか。

小林:そうそう、ギョップ(笑)。

さかなクン:ギョオリ(氷)とか。

小林:言いたかっただけですよね。

さかなクン:ギョみずとか……すいません(笑)。

小林:「お」まで「ギョ」になるんですか(笑)。

さかなクン:だんだん壊れてきちゃいました。

小林:壊れきらないうちに、そろそろ締めたいと思いますが。

さかなクン:ギョギョギョギョー!

小林:最後、ご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

さかなクン:私、お魚大好きですので、各地の漁港や水族館、海や川にたくさん現れますので、もし見かけたらギョギョッと声かけてくださいね。そしてお魚を骨まで愛していただきとうギョざいますね。

小林:というメッセージです。また来てほしいというコメントがたくさんありますので。

さかなクン:本当ですか!

小林:また社長さん、そしてスタッフさんが、お許しいただけたら。

さかなクン:ギョばやし先生、なんとお優しい。

小林:ぜひまた、ギョ登場のほう、よろしくお願いします。

さかなクン:ぜひとも、次回は魚ちゃんと一緒に現れます。

制作協力:VoXT