「私の人生は会社だけのものではない」
不確実な時代を楽しむ、自分に合った副業の見つけ方

“自分に合う副業”ってなんだろう? #1/2

副業JAM 2019
に開催

2019年2月9日、大崎ブライトコアホールにて株式会社マネーフォワード主催によるイベント「副業JAM 2019」が開催されました。テクノロジーの後押しもあり、アップデートされ続ける「仕事」「働き方」「稼ぎ方」。この不確実な時代に、一つの会社に縛られていていいのか? 新進気鋭のベンチャーのみならず、大手企業も含め、時代の流れは「副業解禁」に向かっています。このイベントでは、2019年を“副業元年”として捉え、副業に知見・経験のあるさまざまな登壇者による講演が行われました。本記事では「“自分に合う副業”ってなんだろう?」と題したセッション前半の模様をお送りします。

「自分に合う副業」ってなんだろう?

清水正樹氏(以下、清水):はじめまして、清水と申します。よろしくお願いします。

本日は「『自分に合う副業』ってなんだろう?」というテーマです。それぞれタイプのちがう副業をやっている私とあかしさんから、「副業をどうやって考えて、日々実践していて、みなさまに何かお伝えできることがないか?」というところでお話をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。

あかしゆか氏(以下、あかし):はじめまして、あかしゆかと申します。よろしくお願いいたします。

清水:さっそくなんですけれども、私から簡単に自己紹介をさせていただければと思います。私は1986年生まれで、今32歳です。2008年に株式会社オールアバウトに新卒で入社をいたしました。

そのあと、会社の新規事業で不採算だった部門がスピンアウトしまして、2011年にエンファクトリーという会社ができました。今は取締役副社長という立場で、経営に携わらせていただいているという経緯でございます。

エンファクトリーは、創業の2011年から副業を推奨しております。清水個人として、副業事業を始めたのは2013年からなんですけれども、いろいろやっているという状況でございます。

(スライドを指して)ここに4つの会社が載っていますが、本当に複数の「複」で、副業をやっているという状態です。本業が、エンファクトリーという会社と、エンファクトリーが出資しているロベリアという会社になります。

小売業から専門家のマッチングサービスまで、幅広い副業にタッチ

清水:どんなことをやっているかですが、まず小売事業のECをやっています。物販ですね。(スライドを指して)左側が「スタイルストア」というお店です。こだわりのアパレルや食器や雑貨を扱うセレクトショップで、日本のデザイナーさんや職人さんなど、スモールにやっているメーカーさんたちの作ったアイテムを販売しています。

あと、自社ブランドでいくつか商品を作っています。例えば「Kilka」という、働く女性に向けたノーアイロンで着られるアパレルブランドを、試しに作っております。小さい会社ですが、本当にいろいろな事業があって。1人1事業じゃないんですけど、各自が事業を作っていける会社になっています。ちなみに今日、あかしさんに「Kilka」の服を着ていただいています。

あかし:はい。いただきました(笑)。

清水:やらせです(笑)。

あかし:ははははは(笑)。

清水:そんなかたちで、日々いろいろなものを作って経営をしています。

(スライドを指して)右側は「ロベリア」ですね。こちらはダイエーさんの子会社で、全国に100店舗ぐらいある婦人服の会社を複数社で引きとらせていただき、再成長支援をやっております。「これだけでも手一杯なんじゃないか?」という感じですけれども、それでもいろいろな副業もやっているという状況ですね。

その他に僕らがやっているのは、スモールビジネスを応援する会社です。税理士・弁護士・スポーツインストラクター・心理カウンセラー・恋愛カウンセラーなど、130職種・2万人という、本当にいろいろな専門家さんとネットワークしています。

例えば専門知識を持った方が、いろいろなオウンドメディアの記事の執筆や監修をさせていただく「専門家@メディア」というサービスで、そういった方々とお仕事のマッチングをしております。

みなさんはLINEをされていると思うんですけれども、実はウォレットに「お悩み相談」というボタンがあります。そのお悩み相談ボタンを押すと、心理カウンセラーや恋愛カウンセラーに人生相談ができるというコーナー(「トークCARE」)がありまして、我々が専門家さんをアサインしています。本業では、こんな感じの事業をやっています。

続いて、あかしさんです。

オウンドメディア副編集長の副業活動

あかし:あかしゆかと申します。1992年生まれで、今26歳です。2015年に新卒でサイボウズ株式会社に入社して、この春で5年目です。サイボウズでは「サイボウズ式」というオウンドメディアの副編集長をしていて、その他にも企業ブランディングのためのコンテンツ制作を担当しています。

副業は2018年の1月から始めていて、ちょうど1年ぐらい。フリーランスのライターや編集者として活動しています。本業の仕事をもう少し詳しくお話しできればと思うんですけど、サイボウズという会社をご存知の方はどれくらいいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます。「チームワークあふれる社会を創る」という理念をもとに、グループウェアの開発と販売を自社で行っている会社です。

私のミッションは、「サイボウズを知らない人に、サイボウズが大事にしている価値観を知っていただく」ことです。そのためのコンテンツ制作として、「サイボウズ式」というオウンドメディアの企画と編集をメインに担当したり、今は記事制作のほかにも、夏頃に出版予定の副社長の書籍制作などを担当したりしています。

最近はコミュニティも始めていて、メディア記事だけではない活動をしているところです。そのほかにも、一昨年「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。」というアリとキリギリスの動画を作ったんですけれども、こういうブランディングプロジェクトに期間限定でアサインしてもらったり、そういったメディア以外のコンテンツ制作も担当したりしております。本業ではそんな感じのお仕事をしています。

ニーズは少なくても、持続可能性のある事業は副業に向く

清水:続いて、「本業の次は副業」ということで、清水から「どんな副業をやっているか?」を紹介させていただければと思います。まず、2013年にflascoというシステム提供の会社を作りました。

いろいろなギフトをネットショップで買うときに、「メッセージカードをつけたい」という需要があると思うんですね。例えば、結婚内祝いといったシーンもそうですし、ギフトを手渡しではなく直送するときに、「写真入りのメッセージカードをつけたい」という需要がありました。

ただ、ネットショップのECを作成できる現在のシステムには、この機能がぜんぜんついていなかったんですね。

これは「じゃあ、そこだけを作ろう」というかたちで作ったシステムです。ニッチすぎて、大手システム会社さんが絶対やらないようなサービスです。営業はまったくしていませんが、それゆえに問い合わせをけっこういただいています。

0.3人ぐらいのリソースでやっている会社なんですけれども、例えばRIZAPグループさんやセブン&アイ・ホールディングスさんなど、そういった大手の会社にも取引いただいています。

ということで、「スモールニーズなんだけれども、長く続けられて、きちんとビジネスとして成長し成立するシステムや事業が、副業に非常に向いているんじゃないか」と思っております。

シェアハウス居住者に副業案件をシェア

清水:また、コンサルティングをフリーランスでやっている時期もありました。新規事業を作ることが得意だったので、その手の相談をいろいろな会社さんにいただきました。

まずは信頼してもらうところが大事なので、例えば最初は3時間か4時間ぐらいかけて、無料でコンサルティングさせていただきます。

Webの数字を見て、「このへんを改善したら成長する」というところを1ヶ所だけ提案して、成果が出たら「じゃあ長期的にお願いします」みたいなかたちで、ちゃんとした単価のコンサルティングフィーを頂きつつ、長くお仕事ができるというやり方がおすすめです。

ただ、1人で時間を切り売りをするのはやっぱり限界があります。私は80人ぐらいいる、大型のシェアハウスに住んでいるんですね。寂しがり屋なんで(笑)。

例えば「採用の分野で、求人の広告を作るのが得意ではない」というようなときに、副業のロンダリングみたいなかたちになりますけれども、そこで知り合った方々とチームを組んで、自分が不得意な部分のお仕事を他の方にお願いしています。

かつシェアハウスなので、平日の深夜や休日にミーティングするのが苦にならないというところで、コンサルティングをやっています。

「ドールハウス×ハリネズミ」のコンセプトカフェ

清水:(スライドを指して)あとは、こちらに非常にインスタ映えしそうな画像が出てきましたけれども。

あかし:かわいい。

清水:ありがとうございます。こちらは、ハリネズミと触れ合えるカフェをやっております。都内で遊ぶとなると、もともとカラオケとかボーリングとか、ごはんを食べに行くとか、いろいろあるんですけれども、「もうちょっと体験型で遊べるバリエーションが多かったらいいな」と思っていたんです。

そんなときに、これまたシェアハウスの同居人の1人の若い子が「ハリネズミカフェが流行っているらしいよ、おじさん」みたいな感じで教えてくれたんですね。行ってみたら非常におもしろいし、ビジネスの構造としても「飲食店やマッサージ屋さんに比べると損益分岐点が相当低くて、やりやすそうだな」というところがありました。

ただ、そのままやるのではなく「ドールハウスみたいなものとセットにしたらすごくウケるな」と思いまして。実家は男しかいないんですけれども、男兄弟だけなのに、母親がなぜかシルバニアファミリーにめちゃくちゃはまっていまして、たくさんあつめていたんですね(笑)。

「『ドールハウスを作って、そこでハリネズミが生活している』というコンセプトカフェを作ったら、『動物カフェ×コンセプトカフェ』みたいな感じで流行るんじゃないか?」ということで立ち上げたところ、けっこうヒットしました。

というところで、Webのサービスやコンサルからリアルな店舗まで、本当に幅広く取り組んでいます。……自分の時間は限られているんですけれども、できる方や得意な方を極力巻き込みながら、いろいろ副業してきたという感じです。

不確実なことばかりの時代だからこその「専業禁止」

清水:副業したきっかけについてお話しします。エンファクトリーは従業員が35人ぐらいなんですけど、その6割くらいが副業しています。(スライドに)「専業禁止」と書いていますが、厳しい時代に生まれた会社なので「この会社を使って、自分で生きる力を身につけてくれ。不確実な社会だから、極論、会社は保証してくれないよ。」みたいなことですね。

ただ、副業しているのは6割で10数名ですけれども、今は副業の総売り上げが結果として2.5億円ぐらいになっているんですね。35人いて2.5億円くらいの会社もあるので、世の中に複数貢献しているという意味では、非常に意義のある取組みだと思います。

そして、「副業に活かしている自分のスキル」についてですが、自分はこれまでずっとやってきたWebマーケティングが得意分野です。ハリネズミカフェの例では、1店舗のウェブサイトに月間1万5,000人ぐらいが閲覧しにきていたり、インスタのフォロワーが12,500人ぐらいまできていたりします。

あとは、「メディア受けをするネタがどんなものか?」ということをなんとなく理解しています。開始してまだ1年ぐらいですけど、『王様のブランチ』やWebメディアなど、いろいろなメディアにも出していただきました。延べ50媒体以上に取り上げていただいています。こういうことが、活きているスキルかなぁと思います。

「本業との関わり」としては、例えば副業がきっかけで本業の仕事につながるということがあります。コンサルをやっていると先ほど申し上げたんですが、そこからコンテンツ制作やシステムの受託開発という仕事につながったりするので、シナジーはけっこう出ていると思います。

あとは、「異なる領域の事業経験が活きる」というところでは、ITの会社があまりやることはない店舗を自分でやったことで、店舗さんの悩みがいろいろ見えてきました。この経験が、ご提案をするときにいろいろと役立っていると思います。

ツイッターに届いたDMが副業のきっかけ

あかし:続いて、私の副業をご紹介させていただきたいと思います。去年1月から副業でフリーランスの編集者と、ライターとして活動しています。主にWebメディアでの編集とライティング、書籍の企画編集を担当しています。

具体的に言うと、「Forbes JAPAN」というWebメディアで、写真家の奥山由之さんやサカナクションの山口一郎さんといった、いろいろな方の記事を書いています。

こういった取材系の記事のほかに、自身のコラムも執筆しております。飲みに行くことが好きなので、自分が行ってきた飲食店の連載を持たせていただいたり、「SUUMOタウン」というWebメディアのなかでコラムを書かせていただいたりしています。

この1年、私のなかで大きかったのが、3月16日に発売した『僕たちはもう帰りたい』というタイトルの書籍編集を初めて担当させていただいたことです。

僕たちはもう帰りたい(ライツ社)

世のなかの会社員の「もう帰りたい」と思っている人たちのストーリーを集めて、そういう人たちが「どうしたら少しでも前向きに働けるのか?」ということを、いろいろな方々のリアルな体験談を集めてストーリーに落とし入むといった、企画編集を担当させていただきました。

私はよくツイッターで発信しているんですが、そのツイッターでお声掛けいただいたのが副業を始めたきっかけです。もともと自分が「好きだな」と思っていた出版社の方に、ダイレクトメッセージで「一緒にやってみませんか?」と言われて、それが始めた一番最初のきっかけになります。

サイボウズの仕事は好きだけど「私の人生はサイボウズだけのものではない」

あかし:タイミング的にもばっちりだったのも大きかったです。2年前ぐらいに編集のお仕事を始めるようになったんですけど、本当にスキルがゼロのところからで、まったくもって自信がなかったので、「最初の1年間はすごく学ぶ期間にしよう」と設定をして、いろいろな講座に通っていました。

「編集やライターのイベントがあったら、とりあえず通いまくる」という、自分のスキル充実期間がちょうど終わったぐらいの「そろそろ実践したいな」と思っていたタイミングでお声掛けをいただいたので、「これはやろう」と思った感じです。

サイボウズのお仕事はもちろんすごく大好きだったんですけど、「私の人生はサイボウズだけのものではない」とも思っていたので、「サイボウズ以外のところで自分が『やってみたい』『チャレンジしてみたい』」という自己実現も、目的の1つとしてありました。

あとは、「サイボウズ以外のところでいろいろ知り合ってきたすてきな方々と、一緒にお仕事をしてみたい」という思いも前々からありました。理由やきっかけはいろいろあるんですけど、「副業って流行っているけど、ぶっちゃけどんな感じなんだろう?」という好奇心も大きかったかなと思います。

副業で活かしている自分のスキルですけれども、本業や個人で得た企画や編集やライティングのスキルは、そのまま活きていると思います。

仕事をご一緒した方とは、仲良くなることが多いです。「人としても仲良くなりたいな」と思っているので、そこから飲み友だちになったりして、「人間関係が広がっているな」という感じがしています。

副業で仕事をした人と、本業でもご一緒できる魅力

あかし:本業とのかかわりでは、本業でも副業でも編集をしているというところで領域が似ていることもあり、カメラマンさんやライターさんなど「副業で一緒に仕事をした方々と本業でも仕事ができる」というところが大きいと思います。

サイボウズでは編集、副業ではライターという、似ているけれども立場の違うお仕事をしていたので、両方の立場で考えられるようになったことも、けっこう大きかったですね。あとは、やっているお仕事が増えていくと、1つずつの企画や編集力の質も上がっていったかなと思っています。

清水:そうですね。ツイッターなどSNS系はすごく大事ですよね。

あかし:そうですね。発信したことでできた人脈もたくさんあるので。

清水:そうですよね。私も知り合いが「恐妻家」というFacebookページを作ってふざけて発信していたら、テレビからの取材が来たりとか。あと「激辛党」という、辛いものを食べにいくコミュニティを3人ぐらいでやっていたら、それがきっかけになって仕事が来たりとかもしています。

「ニッチなテーマでも、まずは何か発信してみるだけで仕事になることがあるんだ」といったことが、もしかしたらあるのかもしれないですね。

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