できる人が実践しているすごい人脈の作り方

司会:いつもは会話術、ファッション、電子書籍などいろいろなテーマで開催しているDiscover Book Bar ですが、本日は「できる人が実践しているすごい人脈の作り方」ということで、川下和彦さんをゲストにお迎えいたします。

弊社取締役社長の干場からご紹介をさせていただきます。拍手でお迎えください。

干場弓子(以下、干場):ディスカヴァーの干場です。ようこそ、いらっしゃいました本日はブックバーにたくさんの方に来ていただいて、本当にホッとしました。でも、一番ホッとしているのは、今から紹介する川下さんだと思います。

皆さん、もちろん川下さんをご存じでいらしてると思うのですが、最初は集客の出足が悪くて、「この本(『コネ持ち父さん コネなし父さん』)は嘘かいな」と(笑)。困ったときに助けてくれる人脈はないのかなと思ったら、ぜんぜん告知していなかった。

(会場笑)

干場:告知した瞬間に多数お申込みいただきまして、ホッとしております。さすがだと思っております。

後ほど、一緒にお話しさせていただく機会があるということなので、短くしておきますが、1つだけ言っておきます。

本にも書かれてるのですが、川下さんは本をお書きになる前からよくお会いするようになって、2つ印象的な言葉があるんです。2年くらい前に私が突然25年ぶりくらいに麻雀がしたくなりました。

それで、麻雀ができるスタッフを集めたら、全然いなくてメンツが足りなかった。それで、川下さんにメッセージを送って。

「ひょっとして麻雀できますか? やりませんか? 明日」みたいな。そしたら、「麻雀はできませんが、干場さんのお呼びとあれば、これからマスターします」と。嘘なんですが(笑)。

(会場笑)

干場:それ以外のスタッフは、「僕やりませんよ」と、そういう感じ。見習うように。

もう1つは、やはり人が足りなかったので、また声掛けてお願いした。そうしたら、「僕の辞書に干場さんのご要望にNOという答えはありません」と、これすごいなと。これもまたスタッフに、「ちょっとあんたたちも見習いなさい。社長の私にNOと言い過ぎ」みたいな。

我が社員にとって、川下さんはそういう意味では困った存在かもしれない。それがこの結果だということで、この本は他にもいろいろと書いてありますので、本日はお楽しみください。それでは、よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

なぜコネに目覚めたのか

川下和彦(以下、川下):川下です。こんばんは。

実際に「コネ持ち父さん」とか書いておきながら、今日ぜんぜん人が集まってなかったらどうしようと思ってました。本読んでいただいた方はいらっしゃいますか? ありがとうございます。

本を読んでいただいた方は「本の内容と同じじゃん」と思われるでしょうし、読まれていない方にはネタバレしすぎてもよくないと思うので、今日は僕が本を通じて「これだけは言いたかった!」ということをお伝えできればと思います。

そして、その先はゲストとトークをしながら、1時間丸々僕から一方的に話すというよりかは、なるべく皆さんとの交流の場にしていけたらと思っています。

ところで、大竹さんいらっしゃいますか? あちらが、今回の僕の本を編集してくださった大竹さんです。

大竹:編集部の大竹です。よろしくお願いいたします。

川下:皆さんも今日は花金で、他にも楽しいことがあったと思うのですが、お越しくださって本当にありがとうございます。

まず、僕がなぜコネに目覚めたのかを話そうと思います。

僕は大学生のとき、勉強ができるほうではありませんでした。そうしたら、僕の友人がノートのコピーを持って来てくれたのです。できない僕に対して、(友人が)心配して助けてくれたとき、コネクションがあれば人は助けられて生きていけるのだと思いました。

それと同時に、人との関係を大切にして生きていこうと思いました。

コネは最強のビジネスの武器

この本には「コネを持ったらいいよ」と書いているのですが、「コネを持った時にどんなメリットがあるか」ということが気になりますよね? 「コネより金のほうがいいんじゃないか」という人もいらっしゃると思います。

そんなときに僕がよく思っていることは、コネこそは最強のビジネスの武器で、人生の武器だということです。

僕は大学の先生になりたいと思っていたのですが、大学院生になったとき、「会社員になりたい」と思いました。人が1人でやれることは限られています。しかし、会社という字は「社(やしろ)で会う」と書くように、会社に入れば、多くの人と一緒に一人ではできないことができるようになると思ったのです。

このスライドに「貢献」と書いているのですが、コネクションができると自分だけではできないことをして、人に対して大きな貢献をすることができるようになります。次に「達成」と書いていますが、コネクションを持つことによって、一人でできること以上に大きな達成感を味わうことができるようになります。

さらに、「人は環境の動物」だと言われることがありますが、周りにすごい人たちが集まるようになると、その人たちに恥ずかしくないように、自分をアップデートしていこうと思うようになります。その結果、人は成長していきます。

成長すれば、またいろいろな人が味方に付いてくれるようになり、もっと大きな貢献ができるようになって、もっと大きな達成を味わうことができるようになり、もっと大きな成長ができるようになっていくと思うのです。

コネクションができれば、貢献、達成、成長の喜びを得ることができるようになるので、まさにビジネスは「人・人・人」だと言えるでしょう。それは、ビジネスに限らず、人生に対して言えることですね。

他人のコネを妬んでも意味がない

ところが、「コネ入社」に代表されるように、一般的に「コネ」という言葉にはいい印象がありません。ただ、コネを持っている人に「あいつはコネ入社だから」と言ったところで、コネが増えるわけではないですよね。

お金も一緒だと思います。「お医者さんの子どもは生まれながらにお金持ちだ」「あの人はお金持ちだからいいよな」などと言いますが、ただそれを言ったところで、自分のお金が増えるわけではありません。

そう考えると、「あの人はコネ入社だし」「あの人はコネでプレゼンに勝ったし」などと言って妬んでないでいるくらいなら、頭を切り替えて後天的なコネをつくったほうがいいのではないかと思っています。

この絵は、コネができるといろいろいいことがあるのに、「コネがある人はいいな」とうらやんでいるだけでは幸せにならないことを表現しています。

目的は人脈づくりではなく、人とつながること

僕はこの本の中で、なるべく「人脈」という言葉を使うのを避けました。なぜかというと、「人脈」には「自分が使える人」という成分が多く含まれているように感じるからです。

「俺、人脈あるんだぜ」と言うと、「俺はあの人を自分の人脈として使えます」みたいな感覚があるので、なるべく「人脈」という表現を避けたいと思いました。

それと、「人脈づくり」は「人脈をつくること自体」が目的になっていますよね。名刺をたくさん集めることが目的になってしまうことがありますが、それは子どものポケモンカードのコレクションと同じだと思っています。

ポケモンカードには「レアカード」という珍しいキラキラしたカードがあるのですが、名刺で言えば社長や有名人の名刺がそれに該当し、レア名刺をゲットすれば「俺はあの人の名刺を持ってるんだよ」と自慢をすることはできるかもしれませんが、すごい名刺を持っているからといってその人が助けてくれるわけではありません。

ですので、人脈づくり自体を目的にするのではなく、人とつながる目的を持ってコネをつくることが大切だと思っています。

これは、コネなし父さんが「(自分は)あの人と知り合いだよ」と名刺を見せびらかしているイメージですね。コネ持ち父さんはそのようなことはしません。名刺を持っているか持ってないかよりも、その人と志を同じくできるかどうかを大切にしています。

異業種交流会の落とし穴

では、どのようにしてコネをつくっていけばよいのでしょうか。コネをつくるとなると、皆、まずは異業種交流会が頭に浮かびますよね。僕は、よくある異業種交流会に参加するのはほとんど意味がないと思っています。

なぜかというと、異業種交流会は、まずたくさんの人が参加しています。それに、人脈をつくること自体が目的になっているから、後になって顔も思い出せない人の名刺をたくさん集めることになってしまいがちです。

一方、コネ持ち父さんには、人に会う目的をしっかり持っています。その目的を実現する上で会いたい人を考え、その人に会おうとします。ですから、闇雲に人数が多い会に行くのではなく、開催目的が明確で、人数がある程度しぼられた会に参加します。

コネなし父さんはたとえば200人が参加する会に行って、たくさん名刺を交換しますが、結局ネットワークになりません。

他方、コネ持ち父さんは、1人1人とじっくり話ができるレベルの人数の会で、しかも「教育を変えたい」「ラグビーを盛り上げたい」という共通の目的を持つ人に会って、個々の関係を深めます。

「広く浅く」より「狭く深く」

一般的にコネをつくろうと思うと、「広く浅く多くの人とつながっていこう」と考えると思いますが、僕はそうではなく、人とのつながりは「広く浅く」より「狭く深く」つくるのがいいと思っています。

コネなし父さん(画像左)はこのようなつながりになっていて、コネ持ち父さん(画像右)は、このようなつながりになっています。

コネなし父さんは「1対多」の構造でつながり、コネ持ち父さんは「1対1対多」の構造でつながります。コネ持ち父さんのつながりの構造は、コネ持ち父さんがつながっている1人の向こうに多数がいるということを示しています。

人間関係をつくる際、僕は「時間」と「労力」と「お金」がかかると思っているのですが、仮にそれぞれを500ポイントずつ持っているとしましょう。そうすると、全部で1500ポイントがあると考えることができます。

コネなし父さんはそのポイントを1500人と名刺交換をするために使います。つまり、1500ポイントを1ポイントずつ1500人にばらまく。そうすると、個々の関係が深くなることはありません。

人が本当に仲良くなれる人数は150人

コネ持ち父さんはそれとは違うことをします。皆さんの中に「ダンバーの法則」という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃいますか?

(何人か挙手)

「ダンバーの法則」では、人が本当に仲良くなれる人数は150人と言われています。

1500ポイントを割り振るとき、150人だと1人10ポイントずつ投資することができます。そうすることで、1500人に1ポイントずつ配るよりも、1人ひとりと10倍深い関係を築くことができます。

1対1の関係を深めるようにしていると、コネ持ち父さんが困ったときに、その先にいる多数の仲間が助けてくれるようになるのです。関係を深める人数は150人でも多いほうで、僕は20人、30人でも十分だと思っています。

僕も「人脈」という言葉はあまり好きではありませんが、よくできた言葉だと思うことがあります。それは、人のつながりが「脈」の形をしていることを表現しているからです。

コネなし父さんの関係は脈ではなく放射状になっています。人脈というのは、コネ持ち父さんが築いている人間関係のように、1人の向こうに葉脈のようにたくさんの人がつながっているものなのです。

細いパイプをたくさん持っていても、それぞれからちょろちょろとしか水が流れ込んできませんが、1本でも太いパイプを持っていると、パイプの向こうから大量の水が流れ込んでくるように、いろんな人が助けてくれるようになるのです。

コネなし父さんは1対多数で付き合う

コネなし父さん(表左)は、人脈づくりを目的にし、1対多数で付き合います。そして、直接いろんな人とコネをつくろうとします。その結果、パイプは細くて、多数の人と直接つき合うことになります。ですが、それでは名刺を交換しただけのハリボテのネットワークです。

直接つながったら、やっかいなこともあるものです。「あの、この間、名刺交換させていただいたのですが、今度、人を紹介してくれませんか?」など、皆さんはまだ関係ができていないのに人の紹介をお願いされた経験はないでしょうか?

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