日本がテロの標的にされる可能性

山本太郎氏(以下、山本):続きまして、河野大臣に国家公安委員長として、テロ対策についておうかがいしたいと思います。私は、安倍総理のここ1〜2年ぐらいの発言だったり、行動だったり、政策だったり、日本、そして日本人であることに対するテロのリスクが、格段に高まったんじゃないかと思うんですね。

国内において、テロの標的にされる可能性もあるだろうと……核施設があると思うんです。日本列島を取り囲んでいるのが我が国の現状ですから、有事を視野に入れた原発のテロ対策、これも河野大臣の大変重要な任務だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

委員長:河野国務大臣。

河野太郎氏(以下、河野):原子力発電所に対するテロは、これはもし現実化すれば、甚大な被害を国民生活および経済に及ぼすことになると思いますので、これを未然に防止するというのは、警察としても非常に重要だと思っています。

警察は、もちろんその対応をしておりますし、関係省庁および電力会社、事業者とも緊密に連携をして、これが起きないようしっかりやってまいりたいと思います。

委員長:山本太郎君。

山本:ありがとうございます。どのように対処されるかなと思って、もうちょっと細かい話が聞けるとなあと思うんですけれども。

委員長:河野国務大臣。

政府のテロ対策

河野:まず、こうしたテロ対策は、情報収集が一番大事でございます。テロ情報を早期に集めるということがまず肝要でございますが、その他に全国の原子力発電所にサブマシンガンやライフル銃、耐爆、耐弾、あるいは爆弾や弾に耐える仕様となっている車両を装備した銃器対策部隊を24時間警戒警備にあたらせております。

また、原子炉等規制法に基づいて、原子力規制庁と連携をして、原子力発電所への立ち入り検査などを積極的に実施して、事業者による防護体制をきちんと強化してもらうよう促進をしているところでございます。

委員長:山本太郎君。

山本:ありがとうございます。先ほど藤本(祐司)先生のほうからも、要は警備が薄いところが狙われるんじゃないかというお話が、実際にそういうものがイーグル・サミットでもあったんだというお話があったと思います。

今のお話で、原子、原発の敷地内の警備に関しては、ある程度守りを固めていってる状況なのかな、ということはわかると思うんですけども。次の資料を見ていただきたいと思います。

原発の再稼動につきまとうテロのリスク

この資料は、11月22日に南ウクライナで発生した、クリミアへの送電塔爆破、送電線破壊活動によるクリミア大規模停電の影響で、ウクライナ南部のザポリージャ原発と南ウクライナ原発が外部電源喪失に陥るのではないかと心配された。

もう皆さんご存知ですよね。送電線テロについてですね。送電線爆破現場と原発との位置関係を表したもの、これを外務省資料をもとに事務所で作成していただきました。原発から150キロ離れたところや、230キロ離れたところが爆破されていたと。

放射性物質の漏れ出しはなかったとの報告があるんですけども。恐らくその手前に火力発電所があったということで、外部電源喪失ということにはならなかったのかなと。

でも考えてみますと、我が国にはもう日本列島を取り囲むように原発が山のようにありますから。その送電線までも狙われるということになってしまえば、昨日お聞きしたときには、原発の敷地外はそれぞれの管轄されている警察が守っているとお話を聞いたんですけど。

「これ守り切れるのか?」という話だと思うんですよ。無理な話じゃないですか。送電線まで狙われてて、それぞれの原発敷地、原発、そのサイトを守ることが可能になったとしても、その他の部分が守られなきゃいけないと。

これはある意味、もうほとんど不可能な状況になってるんじゃないかと思うんですね。これをどうやって守っていくんだという話なんですけど、もう無理なんですよ。原発守ろうと思ったら。外部電源喪失させようと思ったら。

それと同時に、原発サイト内にテロリストたちが侵入するというようなことになれば、これは一体どうなるのかという話ですよね。

だから今、欧米と足並みを揃えながら、いろいろなことを調整していってる状況だと思うんですよ。でもこの先に迎えることは何かと言ったら、我が国にはリスクあるものが多すぎて、わざわざ自分たちからその火の粉の中に飛び込んでいく。

この火の粉の中に飛び込んでいくというのは、人員を出したり、お金を出したりということだけじゃなくて。例えば、空爆をしましたということに対して支持を示すことさえもリスクなんですよね。

そういう意味で、我が国でこの原発というものを続けるということも、この国に生きる人々にとっては、テロのリスクにさらされる可能性が格段に上がることだと。

電力は足りていて、何年にもわたって原発無しでやってきたということを、電力会社の経営問題、その他のいろいろな既得権益のことに関して、原発再稼働させていくという姿勢は、この国に生きる人々にとって、そのテロのリスクにさらされる原因の1つになり得るんじゃないかなと思ってしまうんですね。

お聞きしたいんですけれども、現在、中東やヨーロッパで起きているようなテロ、これを未然に防げるっていうようなテロ対策というものが、原発も含めて現在の日本には確立されていると思われますか。

委員長:河野国務大臣。

河野:いろいろな問題提起。ありがとうございます。ご指摘のようなテロ行為が行われることを未然に防ぐために、テロに関する情報収集をしっかりやりながら、電力線もそうでありますし、重要インフラと呼ばれているものを供給している会社としっかり連携をして、そうしたテロを防ぐ最善の努力をしているというふうに承知しております。

委員長:山本太郎君

山本:本当にテロとの闘いというところに、この国の国民を引きずり込んでいくならば、原発、本当に速攻で廃止しなきゃいけないような状況です。どこからでも狙われる。

送電線までもって言われたら、何100キロ離れたところのものも壊されてしまえば、爆発されてしまえば、襲われてしまえば、もうそれは外部電源喪失につながる可能性もあるわけですから、とにかく我が国のがんの1つであると言っても過言ではないと思います。

核燃料サイクル「もんじゅ」は廃止すべき

続きまして核燃料サイクルの無駄について。その先頭を走ってきた河野大臣にお聞きしたいと思います。

皆さんご存知のとおり11月11〜13日まで実施された秋の行政事業レビュー、いわゆる無駄の撲滅ですよね。核燃料サイクル関係も対象になりましたと。

これ民主党政権時代もあったでしょうけれども、安倍政権になってから初めてだと。 核燃料サイクル「もんじゅ」については原子力規制委員会からも厳しい指摘がなされている。

元OBですよね。田中俊一規制委員長でさえも、「もんじゅ」は20年間同じようなこと繰り返してきたと一刀両断です。

もうご存知のとおり、95年にはナトリウムの漏えい事故で14年間と半年運転停止。2010年の5月には試運転再開わずか3ヵ月後、炉内の中継装置の落下トラブル。

4万7,500点の機器のうち、中性子検出器、非常用ディーゼル発電機、最高度の安全性が求められるクラス1の機器55点を含む1万4,300店で点検漏れ。

これ本当に、この国に来ている人々をなめてるとしか思えないような仕事っぷりだと思うんです。「もんじゅ」を運営するJEA、日本原子力研究開発機構の理事長が先月、

第38回原子力規制委員会臨時会議で、もんじゅマネジメントの課題と対策を発表・提出されたのは皆さんご存知だと思うんです。

これはなんなのかというと、自分たちの問題点は何なのか、どう克服するか、それについて書かれたもの。その中の12ページ、資料にも書いてあります。

理事長の民間からの視点で潜在する根本的な問題があるんですよね。理事長が民間目線で職員の資質力量を自己評価しましたよと。潜在的に根本的に、こんな問題が私たちの職員にございますってことが書かれている。

表の一番左側、順に下がっていく形で記されています。発電炉に対する経験不足。危機感、スピード感不足。モチベーション不足。PDCA不調、指示待ち体質、同じようなミスを繰り返す。約束したことが実行できない。

これ小学校入学すぐの子供たちの話じゃないんですよね。これ一般の社会人としても通用しないだろうっていうレベルの職員の資質と力量だと、これが核燃料サイクルを支える職場の様子だそうですよ。

配付資料の一番最後のページに飛ぶんですけれども、この理事長による、もんじゅマネジメントの課題と対策の最後のページ、まとめにこんな素敵な1文があったんです。

長年染み付いた悪さどころを解消すべくと。長年染み付いた悪さどころを解消すべく、すんごい言葉使ってますよね。これ核燃料サイクル施設にもしも最悪の過酷事故が起こった場合、北半球終了できるぐらいの汚染がまき散らされる恐れがあると。

世界中があまりにも危険だと言って諦めたものを、我が国だけがしがみついている技術ですよね。それが核燃サイクルですよ。長年染み付いた悪さどころを解消すべく、俺たち本気出しますからってもう遅いって話なんです。

これからオールジャパンでやりますからって、もう信用できないって話なんです。寝言は寝てるだけときだけにお願いしたいと、いい加減諦めてくださいと。

これにかかった費用どれぐらい、1兆1,703億円、これ毎日新聞の試算ですよね。これだけのお金があるんだったら、子供の貧困対策に使ってくださいよ。そこを基金設立して皆からの寄付でやるって、言ってること無茶苦茶じゃないですか。

無駄はあるんだ。財源はあるんだ、これをやめればそこにつぎ込めるじゃないかって。実際にはその政策をどうこういうような行政レビューではないと思うんですけれども、

ぜひ河野大臣に、このもんじゅが廃止できるように旗を振っていただいて、そしてそれを導いていただきたいというお願いなんですけれども、いかがでしょうか。

委員長:河野国務大臣。

河野:今年の秋のレビューは取り上げていただきましたように、JEAというもんじゅの運営主体についても取り上げさせていただきました。

100億円以上のお金をかけて船を作ったけど4回しか使ってない。あるいは800億円のお金をかけてつくった施設は使われるめどがない。これはあるRETFでございます。

そうした指摘をさせていただきました。レビューの後も自らのOBが天下っている団体企業に対して随意契約を繰り返しているというようなことを今、受けたんですけれども、非常にたくさんの担当なさっていると。

JAEAという組織の予算の使い方には行政改革の視点から見て非常に問題が多いということは、文科省に対しても指摘をさせていただきました。

そうしたことはこれからもしっかりと続けて参りたいと思っております。ただ、もんじゅをどうするかという政策的な判断については、これは文科大臣の所管でございますので、馳大臣が今いろいろと検討されているというふうに承知をしております。

予算の無駄あるいは非効率的な非効果的な予算の使われ方という面では、これからもしっかり見てまいりたいと思っております。

委員長:山本太郎君。

山本:質問を終わります。井上副大臣、質問届きませんでした。申し訳ありませんでした。

制作協力:VoXT