臨時国会が召集されないのはなぜか

山本太郎氏(以下、山本):生活の党と山本太郎と仲間たち共同代表・山本太郎です、よろしくお願いします。

本日の内閣委員会は閉会中審査。その理由はもう皆さんご存知のとおりだと思うんですけども。与党側の方々は「その話いいよ」って思われてるかもしれないんですけども、私にも言わさせてください。

本来なら開かれるべき臨時国会を安倍政権が開く気がないから、っていうことですよね。本日が閉会中審査という理由は、憲法53条で衆参それぞれ4分の1以上の議員による臨時国会招集要求が出たにもかかわらず、安倍内閣は臨時国会召集を決定しないと。

野党5党による臨時国会召集要求書が提出されたのが10月21日。本日は、12月の10日。野党からの要求があって、50日が経過したと。

2012年に自民党がつくった日本国憲法改正草案には、「要求があった日から20日以内に臨時国会が招集されなければならない」とわざわざ書いてるんですね。すごいですね、20日以内ってすごく前向き。

だけどこれ、言ってる事とやってる事がまったく逆じゃないかと。野党から要求があって本日で50日も経ちますが、現在も国会は閉じたままと。自民党の改憲草案がデタラメのものであると宣言しているに等しいと思うんですよ。

このまま臨時国会を召集せず、来年1月まで臨時国会が開かれない場合は憲法違反ですよね。明確に憲法53条違反であるだけでなく、もちろん憲法99条にも違反してるだろうと。憲法尊重擁護義務違反でもあると。

国会に入ったばっかりの時、私に対して、尊敬する与党側の諸先輩方が、本当に口が酸っぱくなるほどおっしゃってくださったんです。「ルールを守れ」と。

国会議員が守らなければならない最高法規である憲法をことごとく無視する政権に対して、山本太郎にさんざんご注意くださった先輩方、ぜひ、今こそ、憲法違反の詰め合わせセットのような安倍政権に「国会を開け」と、お説教をしていただきたいんです。

これだけ憲法違反をあたりまえのように繰り返すっていう姿は、もはや国民の代理人とは呼べないじゃないかと。これもうただの独裁者ですよ。守らなきゃいけないもの守らないんだもん。

FRIDAYの対談から再び「太郎vs太郎」が実現

本当に「こいつ、いつまでしゃべるんだ一人で」と心の中で皆さん思われてるかもしれないですけれども、お待たせいたしました。政治家・河野太郎さんにおうかがいしたいんです。

おそらく、大臣としてだったらいろんながお話ができなくなるかもしれないので、政治家・河野太郎さんとしてお答えいただけたらと思うんですけれども。

将来的に、河野太郎政権、内閣総理大臣になられた時に、今回のようなケース、今回のような場合、憲法の規定にのっとって臨時国会召集していただけますよね? いかがでしょうか。

委員長:河野国務大臣。

河野太郎氏(以下、河野):憲法66条3項は、「内閣は連帯をして国会に対して責任を取る」と規定がございますので、この場で政治家個人としての発言はできないだろうと思います。

どういう訳だか、最近「総理になったらこういうことをやれ」と、いろんな方からいろいろ言われておりますので、一つひとつお答えがなかなかしにくいもんですから、そういうものは全部まとめて今受けとめさせていただいて、総理になったらきちっとお答えをさせていただきたいと思います。

委員長:山本太郎君。

山本:ありがとうございます。本当にそれだけ皆さんが「総理になったらこういうことやってほしい」って言われるぐらい、待望論が出ていることなのかなと思います。配付資料の1になります。

パネルも同じものが用意されてるんですけども、「あれ? イケメンが二人写ってるな」と思われた先生方もいらっしゃると思うんですけれども。

これはちょうど4年前になるんですけれども、河野大臣と私が、雑誌『FRIDAY』において、太郎対太郎というような感じで、対談をさせていただいた時のものなんですね。

まさかこの頃、私が参議院の内閣委員会で、河野大臣に直接質問する日が来るとは夢にも思いませんでした。

現在、河野大臣になられたと。それによって、私も読んでおりました過去のブログが見れなくなったという事で、「これは裏切りだろう」という声が上がったということも聞かれるんですけれども。

私としましては、河野太郎さんは4年前と変わりなく、一般の方々の声にもちゃんと耳を傾ける政治家であると信じております。

TPP発効後の規制の強化は可能である

今回質問するに当たりまして、河野大臣の所管事項の説明などを受けたんですけども、本当に寝る暇があるのかなと心配するぐらいです。その中から、ざっくりといくつか質問をしていきたいと思います。

まず、TPPについてです。河野大臣は消費者および食品安全担当大臣です。10月7日の大臣就任の記者会見でも、初当選、初めて政治家になられた時の事ですかね。一番最初に手がけた問題が、遺伝子組み換え食品の表示問題だったと。今の岸田大臣と一緒にやったんだというお話をされていました。

遺伝子組み換え食品の表示問題ということに関しましては、翌々日10月9日の記者会見でも発言をされていると思うんですけれども。

このTPPでは、河野大臣が取り組まれた遺伝子組み換え食品の表示や原産地表示の規制、またポストハーベスト収穫後農薬、残留農薬、家畜への成長ホルモン投与等の規制について、現在の日本の法令を変更する必要はないと。

これはTPPを発効した後も関係ないんだ、緩める必要がないんだと政府は説明していると思うんですね。

ということは、TPP発効後に遺伝子組み換え食品や原産地の表示の規制、ポストハーベストや残留農薬家畜への成長ホルモン投与等の規制を、現在の基準よりも厳しくするという事も可能なんですよね? 規制を強化する事も当然可能であるという事ですよね? 昨日説明を受けた時には、「内外無差別原則に反しない限りは、可能である」と。

TPPでは規制緩和をずっとしていくのかと思いきや、その逆もあり得るんだと。逆に規制を厳しくしていく事も可能なんだという事を確認したんですけども、それでよろしいんですかね。

委員長:渋谷内閣審議官。

渋谷和久氏(以下、渋谷):お答え申し上げます。TPP協定の第8章が、TBT、貿易の技術的障害というチャプターでございますが、これはWTO(世界貿易機関)のTBT協定を基本的に準拠したものでございます。

WTOでもTPPにおいてまったく同様でございますが、このTBTという考え方は各国のさまざまな規格規制が貿易相手国によって差別的に適用されてはいけない事、また、正当な目的がなく、貿易上の不必要な障害をもたらす目的で作られてはいけないという事でございます。

正当な目的の中には、国家の安全上の必要に加え、人の健康、安全の保護といったようなものが明記されているとこでございまして。

規格がこうした制度の目的のために制定されている限り、障害となるものではありませんし、新たな規制を導入する事につきましても、正当の目的で制定されている限り、問題になるという事はございません。

委員長:河野国務大臣。

河野:せっかくのお尋ねでございますので、遺伝子組み換え食品の表示に関しては、政府の当初の予定では、少し先に表示の改正の議論をしようという事になっておりましたが、私のほうから少しそれを前倒しをしようという事で、できれば来年度から少しそれに関する調査を始めたいと思っております。

調査でいろんな事を調べた上で、実際にいろんな議論をスタートさせていただきたいと思っております。

委員長:山本太郎君。

山本:ありがとうございます。本日は国家公安委員長としての御出席なので、この食品表示に関しての質問は、答えるというのは前例がないという事で、直接のお答えをいただけないと思ってたんですけれども。

そのようにもともと先延ばしにしようとしていたものを、ご自身で早く取り組むという事をされたというお話なんですね。ありがとうございます。

とにかく、「規制を厳しくしていく事も可能だ」という事が確認されたと思います。この問題に関心を持たれて大変造詣が深いという事で、本当に国民の健康安全を守るためには食べるものってすごく重要だと思うので、本当にそこを死守していただきたいと思います。

制作協力:VoXT