恋愛相談してくる人のTwitterアイコンは一緒!?

家入一真氏(以下、家入):お悩み相談やるんですか?

ナカノヒトヨ氏(以下、ナカノヒトヨ):そうですね。家入さんといったら、私もちょっとやるんですけど、Twitterでよく夜中に相談にのっていたり。家入さんだから、聞きたいこととかあると思います。

家入:そうですね。僕はよくお悩み相談乗るんですけども、あれね、すごくいいんですよ。何より、お悩み相談に乗ることで、自分の思考が整理されていくんですよ。あと、数を重ねればわかるんですけど、だいたい分類されるようになっていくというか。

この悩みは、このカテゴリーに属するから、こういうことを返せば早いとか。Twitterでやっているんで、結構即時性を求められるから、ぱってきたらぱって返すみたいなのを、心がけてるんですけど、やっぱりどうしても時間がかかるんです。でも、やってく内にだんだん類型化されていく、というのはありますよね。

ナカノヒトヨ:恋愛相談してくる人のTwitterアイコンとか雰囲気が全部一緒なんですけど、その人のページ行くと、だいたい好きなアーティストにスキマスイッチが入っていますね。

家入:そうなんだ(笑)。

ナカノヒトヨ:スキマスイッチ。GLAYとか。

家入:スキマスイッチ好きな人は結構、恋愛でみんな悩むもんだと思いますけど、恋愛依存みたいなところはあるんですかね。

ナカノヒトヨ:そうなんですかね。

家入:うーん、わかんないけど。

ナカノヒトヨ:でも何か、限りなくすごいいい人感の漂う方が多いですね。じゃあ、ちょっと相談にこたえていきましょうか。

地方へ行っても「ミニ東京」ばかり…

家入:はい、読んでいいですか? 「神戸で働いていると、東京の流れについていけない気がして、転職を考えています。地方って東京に比べて、色々と不利な気がするんですが、どうでしょうか?」もうこれ僕100回以上答えていますね(笑)。

ナカノヒトヨ:そうですよね(笑)。

家入:地方という言い方があれなのかわかんないですけど、各地でトークイベントしているので、やっぱり質疑応答で出るんですよ、絶対。

そうですね。有利か不利かで言うと、不利……、不利なのか? 僕は有利だと……、どう切り取るかだと思うんですよ。

最近、僕は高知がすごい好きで。イケダハヤト君っていう、高知に最近行っちゃった人がいるんですけど、高知はすごいおもしろいんですよ。

独自の文化圏というか、文化を築いていて、すごいおもしろい。そのお隣の徳島にも、好きなのでよく行くんですけど、比較してすごくおもしろかったのが、徳島は最近「vs東京」っていうキャンペーンを打ったんですよ。

自治体でやったのか、民間でやったのかは、わかんないですけど、ちょっとネットでバズったので。「vs東京」で、徳島はこんないいとこだっていう、「東京に負けねえぞ」みたいなのをやっていたんですよ。

それで、「いいね!」みたいな感じでみんなシェアしていたんですけど、それ見た時に、すごい違和感があって。いや、徳島は僕も好きだし、いいとこ。だけど、別に東京を意識しなくてもいいのにって思う。

ナカノヒトヨ:私もそう思いますね。

家入:結局、東京に憧れて、戦後に経済成長していく中で、みんな東京に追い付け、追い越せで地方が頑張っていた時代もあったと思うんです。でも今はもう、そういう時代じゃないと僕は思うんですよ。

色んな各地へ行って思うのが、もう見たことない風景って、本当に数限られているなっていうか、どこ行ってもミニ東京みたいなのばっかりなんですよ。

ナカノヒトヨ:憧れってそうですよね。

高知県は周回遅れでトップになってる

家入:徳島がそういうことやっていて、一方、高知はどうだったかっていうと、高知は何かもう、みんながみんなそうじゃないかもしれないけど、高知の中で「東京もいいよね」みたいな。「東京もあるよね。徳島は徳島であるよね」みたいな。「でも俺たちが最高だけどね」みたいな。何か、すげえ多様性を認め合っている感じがして、よかったんですよ。

よく出ることですけど、高知って平均年収が今、全都道府県中で沖縄抜いて最下位なのかな? 沖縄か高知かって感じなんです、平均年収最下位。あと、学力テストの結果も最下位みたいな(笑)。結構いろいろ最下位。でもカレーは一番売っているみたいな。

ナカノヒトヨ:そうなんですね(笑)。

家入:面白い場所なんですけどね。俺らは俺ら感があって。みんな東京を目指して、頑張ってリレーしていたんだけど、高知はもう何か全然違うとこ。周回遅れで今トップになっているみたいな感じ。

周回遅れになると、一見こいつがトップなのかなって錯覚する感じあるじゃないですか。あの感じで、高知ってトロトロ走っていたら、何かいつの間にか今、最先端行ってんじゃねえかなみたいな感じはすごくあるんですよね。

だからそういった意味で言うと、僕の価値観ですけど、地方のいいところは、ちょっと目立つことやればすぐに有名になれる。そして有名になった結果、東京からわざわざ有名な人が会いに来たりするっていう。それはあるんですよ。

だから東京みたいな、色んな人たちがいて、色んな有名な人たちもたくさんいる中で、目立とうとか、有名になろうって、すごい大変だと思うんですよ。

でも、神戸の中で個性を発揮することができれば、結構あっという間に神戸のトップの、何を持ってトップかわかんないですけど、その神戸の中でエッジが立っている人たちから、「何か最近、あいつ面白いよね」みたいな感じで話題になると、東京から絶対に会いにきたりとかするんで。

東京から会いにくるのがステータスかって言ったら、別にそうは思わないですけどね。だから、神戸だからこそできることとか、神戸でしかできないことをやればいいと思うし、逆に神戸でしかできないことではないのであれば、東京出てきちゃってもいいと思いますね。

あえて東京と逆走してみる

ナカノヒトヨ:そうですよね。変に東京をライバル視しないで、SMAPの歌う、ナンバーワンよりオンリーワンって感じでいいんじゃないですか。私は、東京はもう違う国だと思っているんですよ。もう何か嘘だと思っているんです、東京は。

家入:嘘?

ナカノヒトヨ:「嘘の街、東京」って感じしました。

家入:かっこいいな、何か(笑)。

ナカノヒトヨ:まあ、言ってみただけなんですけど(笑)。今、インターネットでどこでも繋がるじゃないですか。

家入:はいはい。

ナカノヒトヨ:とはいえやっぱり、こうやっていつでも活躍されている方とかと会える、実際に会って打ち合わせできる環境とかは絶対に必要なんですけど。オンラインミーティングで、はかどったためしは私、あんまりないので。

やっぱり実際に会うことがすごい大事なんですけど、でも、何をするかによるんじゃないかなと思って。私が逆に地方行きたいですもん。自然とか、川とか山とか海とか、そういうナチュラルなもの、逆に東京にはないもの、星空とか、そういうものを。

家入:へー、意外ですね。

ナカノヒトヨ:こんな宇宙服着て、何言ってんだっていう感じなんですけど(笑)。インターネットとかも一切繋がらない場所もあるじゃないですか。海外でも、列島も、デジタルデトックスの完全形みたいなのが。

逆走するのがいいんじゃないかな。東京と肩を並べて走るんじゃなくて、逆走する。神戸でもそうしたらできることなんて、いっぱいある気はします。

ネットワークが広がった結果、コミュニティが収束するケースも

家入:でも、この前20歳の大学生の男の子と会ったんですけど、その子がFacebookとかTwitterやってないんですよ。最近インターンやりたいからFacebookはとりあえず始めましたって言っていたけど、基本的にやってなくて。

やっているのはLINEですよ。LINEのグループで済むぐらいの、内輪だけでもいいみたいな大学生がいて、結構そうなってんなっていうのはすごく思うところがあって。脱インターネットって言っちゃ話は大げさだけど、インターネットが出てきてネットワークがどんどん広がった結果、今度は逆の方向へ収束していく動きっていうのは絶対あるなって思います。

もちろんネットっていうもの自体は、どんどん拡大していくと思う。IoTとか、センサーがいろんなものに付いていくとか、どんどんネットワーク化されているっていうのは、もう事実としてあると思うんだけど、人のコミュニティっていうか、コミュニケーションっていうのは、やっぱり限界があるから、逆方向に収束していくっていうのは、ひとつあるなってすごく思うんですよね。

ナカノヒトヨ:ちょっと「インターネット×未来」のテーマに近づいてきましたね。

家入:だから、僕らがTwitterでフォロワーがどうのこうのって言っているのが、そもそも馬鹿らしいというか。

ナカノヒトヨ:わかります。実は狭い世界だと思うんですよ。インターネットの中の、Twitterの中の、たかがひとつのアカウントだと思っているんで。商店街とか歩いていて、誰も知らないじゃないかっていう気持ちになるんですよ。だから私が間違っているんじゃないかっていう気持ちにもさせられますね。

家入:よく言われることですけど、ネットが浸透した結果、コミュニティがどんどん分断されていく。何でも情報を得られるような時代になってくると、今度は自分の知りたい情報しか知ろうとしなくなるから、結果としてTwitterのフォロワーと一緒で、自分好みの人しかフォローしなくなっていくと、だんだんタコツボ化していくっていう話がありますよね。

ナカノヒトヨ:逆に狭まっていっちゃいますからね。

家入:それはすごく感じるというか、やっぱり僕のフォロワーは、僕っぽい人をフォローしているし、僕がそれっぽくないことをつぶやくと、フォロー外すし。結局もうそういう分断が起きているんだなっていうのはすごく思う。

だからたまに、さっきの僕に対して「死ね」って言っているOLのTwitterを見るみたいな感覚で、全然違うクラスタのコミュニティを覗きに行くと、すごい刺激があるというか、面白いっていうのありますね。

制作協力:VoXT