車の貸し借りの裏側にある「もったいない」の感覚

:ありがとうございます。では同じような感じで、馬場さんにもAnycaの話を聞いてみたいんですが。

馬場:はい。

:まず、車を貸すというといろいろな目的があると思うんですよね。本当に必要に応じて、ということもあれば、「あの車に乗ってみたい」かもしれないし。僕も、自分の持っている車を貸すのは若干勇気がいるな、と思いながら、それでも世の中には貸している人がたくさんいる。

どんな人が貸していて、どんな方が、どういう目的で借りているサービスなんですかね?

馬場:我々はドライバーさんとオーナーさんと呼んでいるんですけど、まずオーナーさんでいうと、維持費の削減にものすごく感度が高い方。

:維持費の削減。

馬場:はい。車ってだいたい稼働率が5パーセントぐらいだと言われていまして、95パーセントも駐車場で眠っている。それはもったいないという金銭感覚がある方が出していただいているイメージですね。

:なるほど。

馬場:ドライバーさんでいうと、今まだサービスが伸びている途中で、車と周りにいるドライバーさんの密度がそれほど高くないので、「少し遠くまで行ってもこの車に乗りたい」という方が多くて。いわゆる車好きの層が多いイメージですね。

:私の周りでも、Anycaをけっこう使っているヘビーユーザーの方がちらほらいて。僕も、「Anyca使ってるんですか。どんな感じで借りてるんですか?」と聞いたら、「車は持ってないんだけど、奥さんと1泊旅行とか行くときに、ときにはオープンカーとか乗ってみたいじゃない?」とか。

その方は「ふだん使いよりもいい車をレンタカーよりも安く借りれるから、それが楽しい」なんておっしゃっていたんですけど。今の会話のなかにも、車好きの方が借りるんだというお話があったんですけど、一方で、貸す人は維持費だと。

なんとなく、維持費が重要だというと……「いい車を持っている人は金持ちだから、維持費を気にしないのかな」と今連想したときに、そこに微妙なギャップがあるように感じたんですけど、実際のところはどうなんですかね?

馬場:それはもう、めちゃくちゃなお金持ちな方はたぶん気にしないんですけど。例えば数千万とか、そういういわゆる社会的にハイエンドな方も、たぶん金銭感覚というか投資感覚というか、そのあたりの「もったいない」という感覚があると思うんですよね。

だから、高めの車もたくさん出していただいてるのは、なんとなくそれをもったいないから、維持費削減というよりは、何か動かしたいという職人の欲求というか。

:でも持っている方も、別にすごく金持ちではないんだけど車好きというか、「所得からするとちょっとがんばっていい車を買って持ってます、うれしいです。ただ寝かしとくのはちょっとしんどいな」というなかで貸している。

馬場:そんなイメージが多いですね。ドライバーさん自体も、先ほどブランドバッグの所有の話もありましたけど、やはり所有への欲というのは、たぶんなくなっていないはずだと個人的には思っていまして。ただ実際に所有できないというステージが、車だとたくさんあるんですね。だから、ドライバーさん側はそこをうまく使っているのかな、と思いますね。

「なんとなくこわい」でやめる人が多い

:なるほどね。それでいくと、地域性って、たぶん想像するにまだ都心中心のサービスなのかなと思うんですけども。それでもどのエリアに住んでいる人が貸して、どのエリアの人が借りている、という傾向はあるんですか?

馬場:そうですね、まだ最初なので東京都心が多いです。港区とかですね。

:どこまでが都心なんですか? 世田谷の人も貸すのか、港区の人なのか、みたいな。

馬場:今一番多いのは、渋谷エリアなんですよね。

:渋谷エリア。

馬場:世田谷区もありますし、港区もあります。

:借りる人もそうなんですか? 都心の人?

馬場:借りる人は、「ちょっと遠くに行ってでもこの車に乗ってみたい」というのが多いので、埼玉から都心に来たりということも多いですね。でもリピーターになっていくのは、やはり近くの車なので。

:そうなると、やはりまだ本当に日常のため。例えば、「車なんか買わずに毎週末借りたらいいじゃない」というよりは、「何かのときにいい車乗りたいな」という需要のほうが今は大きいというイメージなんですかね?

馬場:サービス全体でいうとそうですね。やはり近くにたまたまいい車があって、すごく気軽に信頼関係もできて、というのがぽつぽつ生まれているので。それがいろいろな地域に出てきたら、サービス全体としてもそっち側に寄っていくのかなという感じですね。

:僕もずっと外車に乗っていたのが、家族ができたりするとファミリーカーに変わっていくわけですよ。ときどき、「あの昔の運転感覚がほしいな」と思うときがあるんですけど。そうやって、車を持っていてもときには借りちゃう人もいそうですよね。

馬場:あります。私ももともと車を持っていたんですけど、Anycaで貸し出して、ついたリピーターさんに私の車をそのまま売ったんですよ。

:売っちゃった。

馬場:その方に売っちゃったんです。その方がまたAnycaに出してくれているので、昔の愛車に乗りに行けるという(笑)。

(会場笑)

馬場:カーライフを楽しもうっていう。

:おもしろいですね、それ美しいですよね。

先ほどの児玉さんと同じ質問をしたいんですけど、カーシェアは別にAnycaが日本最初ではないと思うし、過去にもあった。でもすごく普及したサービスがあったかと言えばまだない、というなかで、社内で誰かの企画が上がってきてやることになったと思うんですけど。

先ほどと同じようにできない理由、うまくいかない理由をぶつけられることはわりとたくさんあったんじゃないかと思います。どんな声が多くて、そこに対して「これだからいけるんだ」とスタートした。一番見えていた、期待していた真実みたいなものはどんなところにあったんですかね?

馬場:言われたのは、もうみなさん思われていると思うんですけど、トラブルがこわい。あとは事故がこわい。それから受け渡しが面倒。だいたいこの3つなんですよね。それをいろいろな技術や法律、保険などでつぶしていったときに、最後に残るのが「なんとなくこわい」という一番こわいやつが最終的に残る。基本的にみなさんそこで、なんとなくこわいのでやめられるのが多いんです。

「なんとなくこわい」は、たぶんサービスが成長して大きくなったAirbnbもそうだと思うんですけど、大きくなったら突破できるんじゃないか、と思います。だから最初にあげた3つを、ちゃんとテクノロジーを使ってつぶせば圧倒的に勝てるんじゃないかと思って進めている感じですね。

:なるほど。ロジカルに、例えば「節約できるよ」「いざとなったら保険があるよ」だとか。そういったものをきちっと積み上げていけばいけるんじゃないか、と。

馬場:そうですね。まずここを2、3年ずっと積み上げつつやってきているという感じですね。

:逆に、やっていて難しいなと思うことは何がありますか? 「ここの壁を越えてかなきゃいけない」ということ。

馬場:そうですね。さっきの空気感のところがどうしても突破できていないので(笑)。「なんかこわい」が大きくなる前に耐えておくという我々の持久力勝負にならないために、何かしら突破したいんですけども。

例えば保険も、レンタカーさんとまったく同じ保険をつけたとしても、やはり少しこわいんですよ。だからそういったところで、プラスアルファの何かしらを打ち出していかなければいけないし、トラブル解決もそうです。既存のものプラスアルファという個人間ならではのものを発明しなければいけないのは、壁というか、我々のミッションではありますね。

車のドライバーとオーナーのコミュニティ

:なるほど。その流れでそのまま馬場さんに質問して、そのあと児玉さんにも聞いてみたいんですけど。海外と日本の違いという視点で少し聞いてみたいなと思います。このあといろいろな、海外のシェアサービスの方のご登壇もあるので。

日本ならではのところ、真実なのか幻想なのかも含めて、例えば車にせよかばんにせよ、車だったら海外に行けば道具だけど、日本だと……なんですかね、嗜好品だったりステータスだったり、そういう志向が強いんじゃないか、とかですね。

よく昔から言われていることがあると思うんですけど、何かそういうことに対して、海外での車に対する考えと日本人の車に対する考えの違いから、何か思うこと。あるいはそこをベースとしたサービスの組み立て方や工夫って何かあったりしますか?

馬場:3ヶ月くらい前に、インドのカーシェアスタートアップの方とお話をしたんですけども。インドのカーシェアスタートアップで、車の登録台数はAnycaと同じぐらいなんですけども、流通がもう3倍ぐらいある。めちゃくちゃ使われているんですね。

それはなぜかといろいろ話を聞いていくと、そもそも車を持っている人が少なかったり、レンタカーだったりBtoCカー社というものが少なかったり。あとはレンタカーを借りるにしても、日本のレンタカーっぽいものではなくて運転手さんつきで借りて、運転手付きのレンタカーがあるとか。

そういう、そもそも車に乗るということ自体に需要がある国だから伸びるんですけど。日本でいうと、もう6,000万台も車を持っていると言われて、ほぼほぼみなさん持っている。そのなかで、やはり嗜好品だとかオプションがついているだとか、乗るだけでは需要を生み出せないので、プラスアルファの価値を生むために、いろいろな車に乗ってみたいだとか、あと人との繋がりやコミュニティというところに特化して、今日本ではやっているという感じですね。

:コミュニティ?

馬場:コミュニティで作っていますね。

:コミュニティを作るというのはどういう意味なんですか?

馬場:コミュニティは、例えばスポーツカーの集まりって昔からずっとあったはずなんですよ。ただそれは地域制があったり、あまり繋がらなかったような人がいるんですけども。実際にシェアして乗ってみて、ドライバーさんとオーナーさんが仲良くなって、それに似たような車を持っているオーナーさんがまた繋がって、シェアをどんどん広げていくというコミュニティがぼんぼんできていまして。

我々もアプリの仕様などを決めるときに、「こういう仕様を作ろうと思ってるんですけどどうですか?」とそのコミュニティに投げてみたりとか。

あとはやはり安心、安全というところがAnycaの運営から「安心だよ、便利だよ」と言うよりは、コミュニティ全体で一般のユーザー様から発信していただいたほうが、信ぴょう性がものすごい高いんですね。同じことを言っているんですけれども。

そういった意味でやはり、好きなもので集まっていて、価値を理解していただいて発信していくというコミットを作るために、毎月飲み会をやったりイベントをやったりしていますね。

:なるほど、けっこう地道な。

馬場:めちゃくちゃ地道にやっていますね。

:おもしろいですね。その流れでもう少しだけ聞きたいんですけど、CtoC型、個人間の貸し借りのサービスって、世の中的には立ち上げが非常に難しいと言われていると思うんですね。BtoCであれば、自分たちで片方は押さえてしいまっているので、あとはお客さんをとにかく引っ張ってくればいいと。お金の力でいけてしまう。

とくにディー・エヌ・エーさんなんて、予算はベンチャーと違ってあるほうだとは思うので、お金の力で伸ばそうと思ったらやれるタイプだと思うんですけど。CtoCだと、必ずしもお金の力だけだと両サイド持っていくのはけっこう難しいんじゃないかなと思います。

そのあたり、例えば今のコミュニティの話はマーケティングの1つ、ソリューションとして発見されたのかもしれないですけど。どんな期待があって、どんな失敗があって、どういう変遷があった、ということをお聞かせいただけますか?

馬場:マーケティングの話なんですけど。リリース直後は本当に広告をけっこう打っていました。広告で集めていろいろなユーザーさんでシェアしていただくかたちにしていたんですけど、やはりCtoCのサービスは理解がしにくいもので、ふらっと入ってきてしまって、ふらっとレンタカー感覚で使って、少し理解が浅いのでトラブルになりがちという傾向が出てしまったんですね。

:トラブルになりがち?

馬場:なりがちだったり、トラブルまでは言わないんですけれども、CtoCで気を遣って使っていただきたいところを、本当に何のやり取りもなくぱっと借りるとか、そういうことが出てきてしまっていて。まだこのAnycaを育てている間に、そういうシェアが増えていくのはよろしくないなというので、広告をバシッと止めて、いわゆる口コミ型に変えましたね。

そうなってくると、本社が渋谷のヒカリエにあるんですけど、そこで毎週説明会やイベントをやったりして、そこからじわじわ広げていくとやはり理解度も高いですし、「Anycaってこういう使い方だよね」「CtoCカーシェアってこういうものだよね」ということを理解していただいて、使っていただいて、その方から広がっていくので。

レビューなどがすごく高いものが増えてきたり、オーナーさんの満足度もNPSでとっているんですけど、いい感じに伸びてきているということもあったので。広告をバシッとやるよりは、徐々にそっち(口コミ型)に広げるように切り替えたのはありますね。

:このあたりはすごいおもしろいですね。シェアリングは2つの側面があると思っていて。経済的な価値があるというところと、一方でエモーショナルな部分で言ったときに、「人と繋がれるんだ」みたいな両面があるのがシェアリングのおもしろいところだと思います。

とはいっても日本の場合、繋がれるよりは経済的なメリットのほうが大きいという話があるんだと思うんですよね。でも、やはり最初に使う人たちは実は、そういうそっち側(エモーショナルな部分)のベネフィットを持ってる人を捕まえないとうまく立ち上がらないのかなというところで、やはりシェアの本質はそこにあるはあるんだなということが、今の話から少しうかがえたなと思います。

バッグレンタルサービスの日本と海外の違い

:では、また前の質問に戻って、今度また児玉さんにお聞きしたいと思います。1つ前の質問ですね。日本と海外の違い。あるいはこのバッグの意味合い、あるいは中古品、新品の違いというところでなにか発見したことなり、教えていただければと思います。

児玉:画面って出せますかね? (スライドを指して)これ、マンハッタンにありましたよという話なんですけど、実はFacebook広告を使ったんですよね。そしたら、もうすごいディスられるんですよ。とにかく「こんなばかなサービスはない」と。むちゃくちゃ書くんですよ。本当に、めちゃめちゃに。

:「stupid idea」って書いてますね(笑)。

児玉:でも、この人コンバージョンしてますからね。

:え!? この人、使ったんですか?

児玉:うん、この人たちって、裏側でちゃんとコンバージョンしてるんですよね。登録しているんですよ。だから、やはり同じだなと思って。

:(笑)。(スライドを見ながら)すごいですね。

児玉:すごいでしょ? めちゃくちゃなの、本当に。

:ひどいですね。

児玉:ひどい。だけど、例えば再生があったり、シェアが60、70何件とか、すごいんですよね。

:反応はものすごいあったわけですね。

児玉:それで、あまりに反応があったので1週間でとめたんですよ。ありがとうございました、(画面を)もとに戻してください。

というのがあったので、やはり海外でも同じようにあるんだろうな、と。それで、もう1つ、やはり海外でもブランドバッグをやろうとする人たちが、やはり我々のあとに出てきたらしいんですよね。

だけど、やはりなぜ日本人の私たちがやらないといけないのかという理由なんですけど。中古のバッグを買い取る仕組みというのが実は日本にしかなくて。

:そうなんですか。

児玉:そうなんですよ。アメリカになくて、それを買い取りますというテレビCMを流して、30億円ぐらい突っ込んでつぶれていったベンチャーがいくつもあります。

:そうなんですね。例えばeBayみたいなもので中古品を売買するようなサービスはあるんですか? そこもやはり弱いんですか?

児玉:あるんですけど、eBayはもう1つトラブルがあって。彼らは返品OKらしいんですよ。何が言いたいかというと、すり替えられるんですよね。日本の事業者も向こうに行っているんですけど、すり替えられて返ってくることが、よくあるみたいで。

なかなか、真贋の部分が非常に難しいというのがある。だからアメリカのリユースの一番の方がたぶん日本にきて、日本の我々と同じオークションで買っているんですよね。ドバイからも来ているし、日本に全世界から集まって日本から物を買って、持って出ているという。

アメリカのベンチャーって本当に2秒で10億円集まる世界じゃないですか。お金をガンガン集めてやるんだけど、ぜんぶダメなので、我々日本人が行く死角があると私は思っています。

:これおもしろいですね。今おっしゃっているのは、彼らは中古を売る文化がもともとなかった。あるいは買い取る文化がなかった。その文化のなかでもレンタルはなじむはずだと思っているということなんですか?

児玉:そう、レンタルはあるんですよね。

:レンタルはいけるんだと。

児玉:アメリカでは普通の事業ではかばんの調達ができないという。あ、話を少し遡ると、うちも実はN対Nのビジネス、CtoCじゃないですか。そういう両輪ビジネスは非常に難しいので、難易度を下げるためにはじめ、BtoCにしたんですね。我々はワンセットで。

:なるほど。

児玉:難易度を下げるために。

バッグの貸し借りを可能にする、日本人の国民性

:まさに次の質問の答えが1つそれだということなんですかね。要は「CtoCってけっこう難しいよね」と。いきなり貸し借りするのが難しいなかで、ラクサスさんの工夫としては、まずは最初に自分たちが在庫を持って、借りる人たちを増やし、そこからじわじわと貸す人をそこに乗せていったと。

児玉:その通りです。なので、その最初の立ち上げるところが、アメリカの事業者にはできないんですよ。物の調達ができないから。

:調達できないっておもしろいですね。なんだかんだでやはりそういうブランドバッグの購入意欲って、昔は日本がそういうのを席巻していたって言いますけど、最近はそうでもないのかなと思っていたんですが。

とはいえ、やはり日本人の高級バッグの所有欲や所有率みたいなものは、アメリカなどに比べるとだいぶ高いということなんですか?

児玉:どちらかというと、質屋がアメリカはあまりないんですよね。

:単純に持っている率ではなくて、そういう流通。

児玉:そう。ぐるぐるする仕組み自体。でも本当にアメリカって、教会の前に置いておくじゃないですか。あげるというか。それを好きな人が取りに行って、もらうというのがあったので。日本のブランドバッグを換金するという概念は、質屋から生まれているんだと思うんですよね。

:なぜそれが成り立つんですかね? 文化だと言ってしまえばそれまでなんですけど、中古を売る、買い取るというものの、肝。文化的背景って何かあるんですかね?

児玉:やはり、家が狭いじゃないですか。邪魔なんだと思うんですよね(笑)。

:(笑)。

児玉:使っていないものがあるので、私たちがしないといけないのは、満腹感をどうやってもう1回飢餓にもっていくか、というところがあって。もうお腹いっぱいなんですよ。

でもみなさんもう十分持っているじゃないですか。だからこれ以上買わなくていいんだけど、一応ここにあるもの全部シェアして借りることができる。先ほどおっしゃった通り、やはり高すぎて買えないんですよね。

:日本人って、別にバッグというよりは、世の中全般的に新品への信奉というか、新品志向がすごく強いイメージがあって。海外だったら、「道具だから汚かろうがなんだろうがいいんだよね」ということがあるなかで、日本人はとにかく新品を買ってきれいに扱うことにこだわるイメージがあるんですけど。

そういう国民性みたいなものを感じることがあるのかと、それがビジネスになんらかの影響があるのかが気になっているんですけど、どうなんですかね?

児玉:それはジャンプしちゃうんですよね。

:ジャンプ?

児玉:イメージとしては、あまりにメリットがありすぎると、そのあたりのことが見えなくなってしまって。例えば10万円で中古を買うのと、15万円で新品を買うのって悩むんですよね。例えば、お金がものすごく低かったら、6,800円だったら、もうそのへんの概念もいいやということになるというか。

:これだけ安いんだったら新品を持つのとまったく違う概念、月々6,800円でいいかばんを持てるんだったらもうそれで最高だ、と。

児玉:というふうに、もうスキップしている。

:なるほど、おもしろいな。ブランド品って偽物リスクがあるじゃないですか? そのあたりについては、どう捉えているんですか?

児玉:うちは31人ほど鑑定士がいるんですよ。それで、(貸出用の)バッグはすごいくるんですけど、やはり一定量偽物はあるんですよ。

:何割ぐらい偽物があるんですか?

児玉:それがですね、1割はありますね。

:1割。

児玉:すごく本物の素晴らしいかばんを5個送ってきたうちの1個が偽物とかね。そういうのはあるんですよね。まあそれも、完璧に見抜くので。最近AIとかで見抜くのはあるんですけどね。そういうものではなくて。

:AI。

児玉:機械をピッと当てたら偽物か本物か真贋を判断するようなもの。ある記事によると、2年間ずっと偽物だと言われていたものが、ピッてやったら本物と判定されて、20万の価値になったんですって。なんか「機械のほうが間違ってんじゃねえの?」って(笑)。

(一同笑)