きゃりーも宇多田ヒカルも知っている

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Yinka Akintujoye氏:(アメリカ人が)日本のアニメを観たり、音楽を聴いているという場合、たいていは日本で流行っているのもを観たり、聞いたりしています。ハーバード大学の友だちも、もちろんきゃりーぱみゅぱみゅを知っている人はたくさんいるし、彼女のダンスを知っている人だっています。しかし同様に、流行りだからではなく宇多田ヒカルを知っている人もいます。彼女の音楽は言葉の壁を越え、とても響きが良いからです。彼女が言っている言葉がわからないにも関わらず、みんなその曲の響きが好きなのです。

アニメも同様に、学校ではアニメを観ているのは男性のほうが多いようですが、アニメを観る人は自分がカッコいいと思うものを観ます。例えば、『進撃の巨人』『ナルト』『ブリーチ』などです。小さい頃からそれを観始めていて、今でも日本で新しい話が公開されているので、大人になって、大学に行くようになってもまだ観続けているのです。

日本人とアメリカ人、アニメに対する好みの違い

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Max Behar氏:アニメはよく観ていました。すべて母の影響です。私が最初に観たアニメはシリーズものではなく、映画でした。『もののけ姫』が、子どもの頃初めて観たアニメだったと思います。そして私はそれが素晴らしいと思いました。

小学6年生のとき、自由時間に僕たちは映画を観ることができ、僕はみんなも『もののけ姫』を観るべきだ、と勧めたのを覚えています。でも私の先生は「その映画、聞いたことがないわ。『フリーキー・フライデー』を観たい人?」とクラスのみんなに聞きました。それはアメリカ映画でとてもひどいコメディなのですが、私のクラスは結局、フリーキー・フライデーを選び、私はとても残念に思いました。私は、みんなこの日本のアニメがどんなに良いものか理解していないんだと思いました。

それ以来、アニメはニッチ市場だけど、とてもおもしろいと思っています。また、アメリカで人気のアニメと日本で人気のアニメの違いもおもしろいと思います。

例えば、アメリカのアニメファンは、『カウボーイビバップ』『サムライチャンプルー』『コードギアス』などは知っていますが、日本人にどんなアニメが好きか聞くと「『ワンピース』とか『ちびまる子ちゃん』『名探偵コナン』が好きだな」と返ってきます。これらのアニメはアメリカのファンにはあまり人気のないアニメです。日本人の観るアニメとアメリカ人の観るアニメの間には、興味深い隔たりがあると私は思います。

アメリカン・コミックは日本アニメのレベルまで届かない

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Evan Cole氏:日本に来ることが出来てとても興奮しています。その理由はたくさんありますが、そのうちのひとつはアニメです。私とアニメの関係は、私が中学生の時に始まりました。私の4歳年上の兄がアニメを観るのが好きで、その兄が僕にアニメを紹介しました。その後、私はアニメにはまりました。アメリカのマンガと全く違うものだったからです。

というのも、アニメは単純に多くの異なったテーマやトピックを多くの方法で探求しているのです。例えば、アニメには成人向けのものもあり、その中には暴力的な描写やときにはエロチシズムも含まれています。しかし、それが理由で日本では映画のように、アニメも芸術であると考えられていると感じます。そしてそれはアメリカのマンガでは届かないようなレベルのものなのです。

だから私は高校、大学でアニメクラブの部長になることを決心しました。現在は、プリンストン大学で映画シリーズを公開しています。アニメの映画です。今までアニメなどを観たことのない何百人ものプリンストン・コミュニティの人々がそれを観て、みんなすごいと言ってくれています。

この映画シリーズの目的は、アニメがどんなものになれるか、アニメはみんなが考える以上のものであり、子どもだけのものではないということを示すことです。私にとってアニメは子ども向けのものではありません。だから他の人にも、アニメがそういう存在になれるということを示したいのです。将来、アメリカ人や他の文化圏の人、特に欧州の人が、日本人同様にアニメを愛してくれるようになることを願っています。

ありがとうございました。