「働きがいのある会社」はこうすればつくれる
会社と社員が伸びる仕組みの極意

第2回ミートアップ「働きがいのある会社トップ企業が語る。『働きがいのある会社の作り方』」 #2/3

2018年5月16日、Back Office Heroes 第2回ミートアップ「働きがいのある会社トップ企業が語る。『働きがいのある会社の作り方』」が開催されました。今回は、世界約50カ国で展開している世界最大級の意識調査機関Great Place to Work®の2018年版「働きがいのある会社」ランキングで、企業規模別の1位に輝いた3社が登壇。働きがいのある会社を支えてきた秘密と工夫を語ります。本パートでは、働きがいのある会社を作るためのさまざまな制度やカルチャーについて紹介。かなりユニークなものも含めて、具体的な取り組み内容について明かしました。

「いかにエンジニアが楽しく働けるか」を追求した制度

藤本あゆみ氏(以下、藤本):個人と会社のような話が出てきたので、次の質問にいきたいと思いますが。次、お願いします。会社の成長と個人の成長を両立させる制度や文化作りに至った背景を教えてください。

今も文化などの話がありましたが、たぶんみなさんが今日1番聞きたい、「どんな制度を作ればこんな変化があるのか?」、もしくは「なにがきっかけで、そんな制度を作らなければいけなくなったのか?」というところをお話いただきたいと思います。ここに参加しているみなさんの問いだとも思いますが。

制度の真似はある意味できますが、ちゃんと背景を知らないと、単に小手先の真似だけになって、「真似したけどうまくいかなかった」というような話をよくうかがうことがあります。ぜひ「こんな制度があって、その背景はこんなことだった」という話をお伺いしていきたいと思います。ちょっと順序を変えて、鈴木さんからいきましょうか。

鈴木達夫氏(以下、鈴木):うちは、会社の構成自体がほぼ全員エンジニアという感じでしたから。スタートはバックオフィスが誰もおらず、全員エンジニアの状態で始まっているので。社長が、「エンジニアが楽しく働ける会社を作りたい」という感じで、(会社を)作ったと言っていたんです。

エンジニアというのは、やっぱりすごく特殊というか。私も元エンジニアなのでわかりますが、「おもしろい技術をやりたい」「最先端の技術をやりたい」という欲がすごく強いんですよね。逆に、それができないような環境にすると、エンジニアはすぐ嫌になっちゃうし、辞めちゃうと思うので。いかにエンジニアが楽しく働けるかということをずっと考えながらやってきていますね。

エンジニアの給料はエンジニアが決める

鈴木:ですから、最たるものが、うちは給与を全員で話し合って決めるんです(Happy査定360)。給与というのは、一部の経営者だけで決めるから不満になるのであって、社員全員で話し合うべきだろうと。そうしたことからずっとやっています。

藤本:はじめからですか?

鈴木:それは、はじめからですね。

藤本:揉めたりしませんか?

鈴木:まあ……時間がかかるのはかかりますが、それでもうちは多数決を取らずに、最後の最後まで、全員が納得するまで話し合うというやり方をとっています。時間はかかりますが、そのほうが納得度が高いので、みんなそのあと楽しく働けるという感じですね。

藤本:時間はかかるけれども、結論が出なかったことはない?

鈴木:ないです、ないです。朝までやったことは何度もありますが。

藤本:お~(笑)。

鈴木:空が明るくなってから帰ったことはいっぱいあります。

藤本:おもしろいですね。エンジニアは確かにそうですね。私もGoogleにいたときに、いろんなエンジニアと話す機会がありました。「これをやってください」というよりは「これを解決するためにどうしたらいいかな?」という問いかけをしたほうがいいよ、と教えてもらって。そこを考えるのが仕事であり、楽しみであり。

例えば私は営業だったのですが、営業が思う解決方法というのは、たいがい大したことがないらしくて(笑)。「そんなこと知ってるよ」「そんなのみんな思いつくよ」と。そうじゃないことをを一生懸命考えるのがいいので、委ねると思ってもみない回答が出てくる。

給与の交渉なども、実はこっちが見えていることと、本人が主張したいことは違ったりするのではないのかなということはお話を聞いていて思いました。ご自身もやるんですか?

鈴木:やります、やります。

藤本:ほかの人から「いやちょっと……」と言われたりとかも?

鈴木:普通に言われますよ。

藤本:言われますか(笑)。

(会場笑)

鈴木:金額を決める前に、「こういうところをがんばってほしい」というようなことは、やっぱり言われることが多いですよね。

藤本:フィードバックですよね。「あそこがダメ」「ここがダメ」「嫌い!」ではなくて(笑)。良くするために「こうしたらいいよね」「こうしたらお互い気持ちよくできるよね」という、そんな感じでしょうか。

鈴木:そうです。そうした個人の成長が最終的には会社の成長になるので、個人がやりたいことをやっていればいいわけではなく、あくまでも「それは会社の役に立つのか?」という視点で見て、そうした部分を評価していきます。

年間通してしょっちゅう査定に関わる話をする

藤本:なるほど。自分の自己認識と他者からの評価がずれている場合は、どのようにそれを埋めていますか? よくあるのは「自分はすごくできている!」と思っていても、周りがそんなに評価していないときに、けっこう辛い軋轢が生まれる感覚がありますが。

鈴木:基本的には、査定は年に1回ですが、別に年に1回しか話さないわけではなく、しょっちゅうそうした話をしていますから。期待していることや、良かったことの話をしているので、そんなにずれはありませんね。

ずれるのはやっぱり若手の頃ですね。自分がこれだけできると思っていても、「いや、そんなことはないよ」ということをかなり論理的に数字を使って言われるので、(私も)ヘコむときはヘコみましたね。「あ、自分はできていなかったんだ」という。

感情論になるとやっぱり話し合いはうまくいかないので、極力論理的に説得するか、納得いくまで話す。そうやっています。

藤本:なるほど。よくあるのは、査定は1年に1回しかなくて、突然そこで「えぇ!?」という。お互いびっくりというようなことがあると、そのあとが本当に大変だと聞きますが。やっぱり常にコミュニケーションを取りながらやるということが、それを埋めていく策?

鈴木:そうですね。話はじめると長くなっちゃうのですが、昨日も、うちの2年目の社員があるランチを主催して、とある職位の人たちに「こういうことを期待しているのだけど、なんでやってくれないんですか?」というような。ぜんぜん査定のためとは関係ないんですが、そうしたことを企画してやってくれたり。

そうすると、言われた方も「こういうことを期待されていたんだ。がんばろう」となるので。上下まったく関係なく(コミュニケーションする)という感じですね。

藤本:いいですね。そのように言える雰囲気もできているということですね。

コンカー流フィードバックの極意

藤本:金澤さんはいかがですか? こういう制度がというのはありますか?

金澤千亜紀氏(以下、金澤):今、お話を伺っていて非常に似ているところがあるなと思いました。私たちも「個人の成長が会社の成長につながる」というところをコンセプトとして考えて、人事制度などもそうした設計をしています。

フィードバックについても、会社に対して「こうしたらいいのに」と思っても言えないような。そういったことを耳にすることがあったので、それはあまり良くない。その人も不満を抱えてしまうし、本当はそれ(フィードバック)を伝えれば、その人は成長できるチャンスなのかもしれないのに、それを聞くことを逃しているというのはとても残念なことですから。

そういったことをちゃんと言える雰囲気を作ろうということで、高め合う文化という名前でフィードバックの取り組みを行ったんですね。コンカー流のフィードバックを考えようということで。

普通、フィードバックというと、上司から部下へというように一方通行のことを考えてしまいますが、鈴木さんのところもそうですが、下から上へのフィードバックがあってもいいかもしれませんし、同僚同士ですとか、それこそ隣の部署のマネージャーといった斜めの関係ですとか。

いろんな方向に行ってもいいものだというところと、あとは自分から積極的にフィードバックを聞きにいこうという。

藤本:聞きに行く。いいですね。

金澤:例えば今、「いろんな方向に」と言いましたが、やっぱり自分から上司にはなかなか言いづらいものがあると思うんです。上司から部下に、「なにか私にフィードバックはない?」と聞くことによって、言いやすくなると思うんですよね。ですから、自分からそのように積極的に聞いていこうという取り組みをしています。

全社員がフィードバックのトレーニングを受けて、去年から「コンカー流のフィードバックはこれです」ということをずっと行っています。

藤本:「フィードバック」と言うのは簡単ですが、やっぱり良いフィードバックは人を育てますが、それが得意じゃないと「なに言われたのかよくわかんないけど、なんか傷ついて終わりました」というのが(笑)。

金澤:そうですね(笑)。

良いフィードバックのポイントは客観性・具体性・スピード

藤本:もともとフィードバックの語源というのは、feed、餌を与える。ですから、成長するためにあげるものという感じなのですが。

そのトレーニングのときにここを注意したほうがいいとか、みなさんが明日から社員のフィードバックを良くするために、これだけはちょっと気をつけるといいよねというポイントが何かありますか? トレーニングを受けた方が、「これは目から鱗でした」というようなポイント。

金澤:いくつかありますが、例えば言い方。客観的な言い方にするということ。「ああいう話し方をすると、このように見えてしまうよ」というように、客観的な表現でちょっとオブラートに包むように言うと、聞く側もその人の意見というより「あ、全体的にそういうふうに見られちゃうんだ」というように客観的に入ってくると思うんですね。

藤本:そういう見方があるという。言い方を学ぶということですね。確かに。

Googleのときも、実はフィードバックのトレーニングがありましたが、基本的には「すぐに」「具体的に」、あとは「アクショナブル」。次に何をしたらいいのかをその場で握れ、というようなことをけっこうやっています。

金澤:そうですね。スピードも大切ですよね。

藤本:そうなんですよ。すぐに言わないと、「それ、なんでしたっけ?」となるので(笑)。「そんなこと言いましたっけ?」、「そんなトーンでしたっけ?」となるので。やっぱり「すぐにやれ」ということはけっこう言われましたね。

金澤:すぐそのときに言えなかったことも、1週間に1回の1on1ミーティングがあればそこで伝えられたり。

それこそ評価のときのサプライズなども、1:1ミーティングで日頃コミュニケーションを取ってフィードバックを受けていれば軽減されるかなと思っています。

藤本:「びっくりはなし」ということですね(笑)。

シスコの企業文化の礎「People Deal」

藤本:宮川さんはいかがですか?

宮川愛氏(以下、宮川):非常にみなさんと似通ったところが多いんですが、弊社でまずご紹介をさせていただきたいのが、People Dealという考え方です。これは社員と会社の双方向の契約というようなものなんですね。これが人材戦略など、すべての戦略の根底にある考え方です。

要するに、会社が提供するものは一方方向のものではなく、同時に社員が貢献することを双方向で明確化して、はじめて会社がイノベーションを起こしていけるという考え方なんです。

簡単な言葉で言いますと、まさにさっき金澤さんがおっしゃった自律の部分。社員にとって(の貢献)は自律であり、会社にとっては機会や裁量を与えるということです。その双方向の関係性があってはじめて、社員一人ひとりが活き活きと働ける取り組みをやっています。

その制度が始まったのも、そもそも会社が一方的に「そうしたものを入れましょう」と言ったことではなくて、社員にアンケートをとったんですね。「シスコにおいて自分が1番輝いていたときを思い出してください。それはどういう姿でしたか?」と、逆に「シスコにおいて1番最悪だった日はどういう日でしたか?」という質問をしました。

その中で、どういうことが実現できれば最高の自分になれるのかをまとめたものが、このPeople Dealなんですね。会社としてこういうことが提供できる、社員としてこういうことをしなければいけない。

それは3つの柱があって、Connect Everything(すべてをつなぐ)、Innovate Everywhere(いろんなところでイノベーションを起こす)、Benefit Everyone(自分1人ではなくてみなさんに利益を与えていく)。そういった中で、チームという考え方などを非常に重要視しています。

「フィードバック文化」から「コーチの文化」へ

宮川:その背景もありまして、弊社のフィードバックや目標管理制度が、そのタイミングで大きく変わったんですね。従来は年に1度、年初にまず目標を立てます。そして、年度の最後に上司が5段階評価をして、その結果を本人にフィードバックします。年度の途中で、ミッドイヤーのフィードバックなどもあるのですが。

実は、それが決して社員の成長を助けないと。要するに、遡って1年前のフィードバックをされても、それってもうすでに意味がないことですよね。本当に社員の成長を助けるためには、常にその場でどんどん社員の成長を助けるような会話をしていかなければいけない。

そのためにはマネージャーはマネージをする、いわゆる管理をするマネージャーではなくて、社員の成長、強みを活かすコーチにならなければいけないということで、フィードバックの文化から、コーチの文化に今まさに変革をしようとしています。

藤本:もはやフィードバックでもない。

宮川:そうですね。ですから、中で会話ができるようなツールがあるのですが、それで週1回は1on1をする。今までは、仕事の自分は感情から切り離すことができて、そこにプロフェッショナルな自分があると考えられてきました。自分の感情の部分は、仕事とはまったく別のものという考え方が強かったからです。

しかし、社員が本当に全エネルギーをもって、高いモチベーションを持って働くためには、感情を切り離すことはできません。やっぱり、モチベーションの源泉は自分自身の感情だからです。

ですから、その感情の部分をツールの中にも入れていて、何が自分の中でやっていてわくわくしたか、……英語でloveとやっていて嫌だったか英語でLoatheという言い方をするのですが。

藤本:Loathe?

宮川:loveが1番大好きだったこと、Loatheというのは、嫌いだったことという、かなり強い言い方なんですね。それを週1回、ツールの中で簡単に入力したものを上司が見ることができて、自由にコメントができるようになっている。何しろ、上司が毎回、全員と1対1のフィードバックを行うというのは難しく、それでは週1回も実施することはできません。

だから、ツールの中で「この人がどういう感情だったのか」「どういうことに対して強みを感じて、モチベーションを感じるのか」ということをきちんとマネージャーが理解して、そこをさらに高めてあげる。今までの改善の文化ではなく、強いところをいかに活かしていくかにシフトするのが、まさにこの個人の成長のところだと。

藤本:おもしろいですね。感情のところをツールに入れて、それをコミュニケーションのきっかけにしていくというトリガーはすごくおもしろいですね。素敵。

コミュニケーション活性のきっかけを作る「バディ制度」

藤本:では、次の質問にいきたいと思います。実際に働きがいのある会社を作るために、今も施策や制度の話をしていただきましたが、何か配慮しているポイントはありますか?

制度は作ったけれども、制度でみんなが完全に幸せになるとは限らないというようなときに、少なくともこうしたことは配慮しているという部分や、また逆に配慮はなにもしていないようなものがあればと思いますが。金澤さんからいきますか。

金澤:そうですね。いろんな制度がある中で、どれからお話をするか迷いますが、コミュニケーションの活性化として、私たちの中でバディ制度というものがあります。

だいたい4、5人くらいのグループですが、2ヶ月に1回の間隔で組み合わせを発表するんですね。それで集まってランチに行く、夜にアクティビティ的なことをする、ご飯などおいしいものを食べに行くのでもいいと。それに対して、会社で少し補助を出しますという制度です。

その組み合わせを決めるときに、私たちの中で文化部というタスクフォースがあるのですが、そのタスクフォースが組み合わせを決めてくれます。できるだけ違う部署の人と同じ組になるように、話題ができるように考えるのですね。例えば、「今月は名前の順でバディの組み合わせを決めてみた」といったように。

藤本:なるほど、きっかけを作るんですね。

金澤:「今月は星座で決めてみた」など。そういったことが話題のきっかけにもなっていくような工夫をしてくれています。コミュニケーション活性化に役立ってるのですね。どうしても、かなりのスピードで人数が増えているので、だいぶ……

藤本:知らない人が増えますよね。

金澤:そうなんですよ。「(周りの人が)わからなくなってきている」というのが最近よく聞く意見なんですよね。ですから、そうしたところをカバーする仕組みとして、大きく活用されています。

藤本:おもしろいですね。もともと20人くらいのときからその制度があるんですか? それとも最近ですか?

金澤:私が入社した20人くらいのときは、毎月やっていたのですが、1対1だったんですね。

藤本:お~、本当のバディですね。

金澤:はい、なのでバディと言っているのです。

藤本:名残なんですね(笑)。

金澤:そうそう、グループなのにバディというのは違和感があるかもしれませんが(笑)。1対1だったのですが、人数が増えるにあたって3人の組になり、今は4、5人。でも、それ以上増やすとどうしても会話が弾まなくなってしまうので、それ以上は増やさずに、組の数だけが増えているという感じです。

藤本:なるほど。先はAIでの組み合わせもありそうですね。

金澤:そうですね、そんなところも活用していきたいですね(笑)。

藤本:それはエンジニアの方が好きそうですね。どうやったらおもしろい組み合わせができるかというような(笑)。そうした会話が弾む配慮はいいですね。

どんな制度も運用3ヶ月で必ず見直す「3ヶ月ルール」

藤本:鈴木さん、いかがですか?

鈴木:当社の場合は、制度を作るにしてもみんなで作るというのが大前提にあります。月に1回の全体会議で「こういうものがあったらどう?」というのは、(社員の)誰かから議題があがって、それで決めていくので、まず決まる段階でみんなが納得した上でということがあります。

とはいえ、やっぱり運用していくと「そうでもないよね」というか、「うまくいかないよね」というのがあるので(笑)。昔から3ヶ月ルールというものがありまして、運用を始めても、3ヶ月が経ったら必ず見直しをする。うまくいっていればいいですが、うまくいっていないものは完全になし、または少し修正を入れながら運用していくということをやっています。

頭ではこの設計はうまくいくのではないかと思っていても、案外そうでもないものですから。そういったところはずっと考えていますし、勢いで決めてしまっているから(笑)、3ヶ月待たないこともけっこうありますね。

小さな会社なので、まず「やってみよう」というのが先に来て、「いいんじゃない」となったら、実行します。1ヶ月ぐらい経って「これはいらないね」ということになることもよくあります。

藤本:なるほど。お話いただける範囲で、1ヶ月くらいでなくなっちゃったんだけど、というようなものがあれば(笑)。

鈴木:いっぱいありすぎて出てこないくらいなので、あとの懇親会で(笑)。

藤本:聞いてみたいですね(笑)。

鈴木:いずれにしても、やっぱり形だけの制度は意味がないと思っているので、その制度を適応して、みんながどう思っているんだろう、ちゃんとやりがいを持ってやってくれているのか。やっぱり、嫌々ながらそれをやっている人がいるのは良くないと思うので、そのあたりは(社員が)社員のことをよく見ながらやっていく考え方ですね。

藤本:うまくいかないという判断をされる基準は、どんなところにあるんですか?

鈴木:あるじゃないですか。顔を見ると無理してるなという(笑)。制度を運用していく中で、無理していそうな人がいるので、そういう人はお互いに話をすると「ちょっとこれキツイよね」というような話になりますよね。

藤本:なるほど(笑)。そこもみなさんの会話の中で発見していくという感じですね。ありがとうございます。

「経営戦略」として取り組むダイバーシティの推進

藤本:宮川さんはいかがですか?

宮川:先ほどのPeaple Dealもそうですが、必ず双方向であるというところを非常に重視しています。具体的には、やはり社長からのトップダウンと、草の根からのボトムアップ。

弊社としてぜひご紹介をしたいのが、ダイバーシティの推進ですね。やはり社長が旗振りをして、それぞれの役員がスポンサーとしてやっているのですが、社員のアンバサダーグループというのがありまして。今は全部で6つのグループに分かれて活動しています。

ダイバーシティをどう社員の横から、もしくはボトムアップ、経営陣への提言として推進していくかというところを、すべてボランティアベースでやっています。

そういうことがあることで、自分が「ぜひこれに貢献をしたい」ということに貢献できるだけではなく、社員同士の横のつながりだったり、参画意識というところから、ぶら下がり社員じゃない自分が会社をつくっていっている、自分がこの会社のカルチャーをつくる一端を担っている、という意識が醸成されていると思います。

藤本:おもしろいですね。スポンサーというのは、けっこう大事だと思いますが。ダイバーシティも含めていろんなプロジェクトをやっていても「ボトムアップだから!」と言って、ボランティアの人にワーっと渡して「じゃ、あとよろしく!」というような感じになると、なかなか推進できなくなる。

その中で、上の方がスポンサーとして入っていると、そうした人たちがちゃんとおもしろい提言をされたり、促進していくために働きかけてくれたりすることがあれば。たまに、うまく機能しないスポンサーの方もいらっしゃるとは思いますが(笑)。そういうときは、指導で入ったりもされるんですか?

宮川:人事としてですか?

藤本:はい。

宮川:そうですね。今まで指導しなければいけなかったケースはおそらくあまりないとは思いますが。逆に弊社の場合、スポンサーもきちんと活動はしているんですが、やはりアンバサダーが非常にしっかりしているので。そのアンバサダーが、直接人事に確認をしながら進めるようなことはありますね。そこで協業が発生していますね。

藤本:アンバサダーの置き方がすごく大事というのもありますよね。ありがとうございます。

取り組みにネガティブな社員をどう扱うか

藤本:では、残り30分くらいですが、そろそろみなさんからもこれが聞きたいと言ったウズウズした感じを受けています(笑)。ここまでのところで、なにか「これを質問してみたい」「このあたりをもう少し深く聞きたい」と思うところはありますか? 挙手をいただいて聞きたいと思いますが。

意外とない? ない感じですか? 

(会場挙手)

ありますよね。はい、ありがとうございます! トップバッター、1番大変ですからね。ありがとうございます。

質問者1:素晴らしいディスカッションをいただき、ありがとうございます。本当に羨ましいと思いながら、みなさまの取り組みを聞いておりました。

みなさまにそれぞれお伺いしたいのが、どんどん自分から手を挙げてグループや新しい取り組みをやっていくということは素晴らしいなと思う一方で、どんどん、どんどん出てくるとワークフローなどで負荷がかかって来ることも。

そうすると、やっぱりそれを楽しむ方もいれば、ちょっとついていけない、少し手を抜いたりなど、いろんなケースがあると思いますが、そのあたりに対して何か工夫をされていることがあれば教えてください。

一人ひとりに合わせた柔軟な運用をしていく

藤本:最もボトムアップでたくさん(の施策が)出てくる、鈴木さんの会社はいかがでしょうか?

鈴木:そういう意味では、確かに人によって、すごくポジティブに取り組める人と、ちょっとこれはネガティブに思う人がいるのは事実です。

ただ、うちは全員違うと思っているので、全員に同じものは適用しないで、ついていけないというかポジティブになれないところは話を聞きます。場合によっては、その人には適用しない。

やっぱり、それによって1人でもネガティブな感情が出るのであれば、意味がないと思っていますから、そこは柔軟に運用という感じですかね。 また、MAという月に1回の全体会議では、議題によってコミットできなければ、外に出ていてよいというルールがあるんですね。

「この議題はわからないから出ます」と言って、また次の議題になったら戻ってくるということも認めていますし。そのあたりは本当に、(話し合って)人に合わせてすべて変えるというのがうちのやり方です。

藤本:そこは選択権として、みなさんが権利として持っているということなんですね。

会社を元気にする制度の数は全部で200ぐらい!?

藤本:たぶん質問の中でもそうなんですが、例えば、すごくたくさん「うわ~いいね!」という制度ができて、20個くらいあるけれども、それもうまくいっている間は運用するという感じですか? それとも、やっぱり5、6個くらいがいいというような感覚値はなにかありますか?

鈴木:数で言うと、たぶんうちの会社は、信じられないくらい同時並行して動いていると思います。

藤本:今でどのくらいあるんですか?

鈴木:数えたことはありませんが、「組織いきいき実践勉強会」というチラシの右下のほうに、黄色い本があると思いますが、それはうちの副社長が書いた本で『会社を元気にする51の「仕組み」』という本なんですね。

藤本:51?

鈴木:出版社に「200ぐらいあります」と言ったら、「それ誰も読まないからやめましょう」と言われて、51まで減らしたそうです。

藤本:現実感のある数字に(笑)。

鈴木:数的には並行していますが、正直なところ消えてフェードアウトしていくような仕組みもあるので、それは無理のない範囲でやっていますね。

藤本:なるほど、では、あまりそこには何個だけにしておこうというようなことは別にないということですね。

鈴木:はい、そういったものは全然ありませんね。

ボランティアチームではなく「タスクフォース」

藤本:ほかのお2人はどうですか? (社内の取り組みに関わる)数に制限を設けているとか。金澤さん、いかがですか?

宮川:やはり基本的には同じで、さまざまな方のダイバーシティを尊重するというところで、そういったものへの参画をまったくしたくないという人も当然いますし、いくつもいくつも参加をしたいという人もいます。

それは、それぞれのライフステージや家庭環境といったことに依存することもありますし、本人のそのときのモチベーションの部分もありますので、会社として強制はしていません。アンバサダーについても、基本的には好きなときに入って、好きなときに抜けられます。

藤本:なるほど、金澤さんはなにかありますか?

金澤:そうですね、参加する人の負荷? やる側の負荷?

藤本:両方ですかね。

金澤:両方ですか?

藤本:うん。

金澤:私が思うのは、やる側の負荷というのも、やっぱり人数が増えてくるとかなり増えてくるんですよね。うちには、「タスクフォースを作る」という文化があります。例えば、今度オフィスを新しく移転したので、ファミリーデーをやろうという話が出ています。

それも、社員のほうから自発的に「ぜひこのオフィスを家族に見せたいので、ファミリーデーをやりたい」という意見が出てきて、その人が中心となってメンバーを募ると「自分もやります」という方が出てきて、タスクフォースができあがるんですね。

そういう場合は、タスクフォースの方々が中心でやってくれています。逆にいうと、管理部はときどき話には加わるものの、全部の負荷がこちら側にくるわけではないので、いろんなところをタスクフォースの力を得てやっているのです。

藤本:なるほど。逆に、そういう自発的にすごくやる気のある社員の方々が「あれもやりたい」「これもやりたい」といって、本業に万が一(支障が出たり)、「うーん……」となったときに、どのように介入していくんですか?

金澤:基本は本業を優先としていますが、そこはマネージャーとの対話でうまく解決していく部分ですね。ただ、タスクフォースの活動自体も、やっぱり会社としてはすごく感謝をしています。そういったタスクフォースの活動一つひとつが文化を作っているところが大きいので、そこは評価の対象に加えるようにしています。

ボランティアではなく、会社のミッションという意識

藤本:そうですね。「タスクフォース」という言い方がすごくいいなと思います。ボランティアチームなどと言っていると、「それは業務外の話だからがんばって」というようになって、なんのカウントもされずに、でも、すごくいっぱいタスクがあって死んじゃいそう、というような人たちもたくさんいらっしゃると思うのですが。

タスクフォースという言い方にしているのは、やっぱりみなさんが自然とそうした流れで言うようになったのか、ある程度いろんなものを見越してそうした名前をつけられているのか。なにかありますか?

金澤:そうですね、私が入社したときからもう、タスクフォースを作るという文化がありましたから。年に1回、全社員を集めてオフサイトミーティングというのをやっているんですね。全体会議とはまた別で、会社の課題や会社の方向性についてみんなで考えるという日があります。

そうしたときに、社員のほうから出てきた意見で「こういう課題があるよね」と言うと、「じゃあ、その課題を解決するためになにをしようか?」「これをしよう」「じゃあ、それをやってくれる人を募集します」といった感じのやり方で、タスクフォースができる環境ができてきているので、その流れを汲んでいるというか、それが文化的なところでの活動にも入ってきているということです。

藤本:なるほど。そうなると本当にボランティアというよりは、会社をよくするためにやる活動で、やっぱり1つのミッションということですよね。

金澤:そうですね。それを自ら手を挙げてやってくれる。そうですね。はい。

藤本:なるほど。おもしろいですね。ありがとうございます。

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