両津勘吉は3Dテレビを買うか?

山田玲司氏(以下、山田):それはどうでもいいんですけど、そん時にあの(『とくダネ!』の)おじさんが初めて迷うのを見たんだよね。

乙君氏(以下、乙君):迷う?

山田:うん、それがおもしろかったね。3Dテレビ(笑)。3Dテレビが発売されて、眼鏡かけないと3Dに見えないやつ。

乙君:あー。

山田:あれさ、すごい……、ここしばらく出てきた家電のなかで、最大のドスベリ商品じゃない?(笑)。

乙君:ぜんぜん流行んなかったですね、そう言えば(笑)。

山田:っていうか、3Dテレビ持ってる人いる?

乙君:いや、1人もいないっすよ。

山田:俺、聞いたことないんだよ。それで、そん時、さすがのあのおじさんも「俺、買うか迷ってんだよね」って。俺、絶対買ったと思ってるんだけど(笑)。

しみちゃん氏(以下、しみちゃん):(笑)。

山田:買ったら、「買った」って言えないだろうなと思って。

乙君:あー。

山田:あれこそ、まさに生きる両津勘吉じゃないかっていう。

乙君:そうですか? え。

山田:両さんがいたら、絶対「3Dテレビっていうのがあるらしい」……あ、たぶんあるだろうな、その回。

乙君:いや、もう絶対ありますよ。

山田:絶対あるよな。それでワーワーやって、次の商品ってなる。

しみちゃん:うん。

新商品で人生を満たす時代は終わった

山田:それで、今このタイミングでこれが終わるというのは、なにか象徴してるよね。もう、俺たちは新製品では楽しめなくなってるという。新製品というもので、人生を満たすってことが終わったんじゃないか。実をいうと、とっくに終わってたんじゃないかっていう。

乙君:うん。

山田:終わってたんだけど、「ワーイ! 新しいおもちゃだ!」って喜びだけに、すがって生きてきたっていう。ちょっと待ってって。

乙君:え、じゃあ、玲司さんのなかでは、『こち亀』って新製品、新しい時代と寝るっていうか(笑)。

山田:全部はそう言ってません、下町人情話なので。

乙君:そうそう。

山田:その角度だけでは切ってません。だけど、その側面から俺は見えると。

乙君:うんうん。

山田:タモリさんが昼からいなくなるっていうのも、終わらない日常だったわけで。

乙君:あ、そうそう。それにもリンクしてるな、と思って。

山田:それとすごくリンクするんだけど、でも、今の若い世代に言わせると、「おっさんたちの昭和が終わっただけで、関係ねーし」っていう(笑)。

乙君:まあ、確かにね。

山田:だから、今の人たちが、最後に両さん読んで安心みたいな感じではなかったというか、もうそこのターム突入してるかなって気はするね。

乙君:うーん。

新しい豊かさを探す時代が始まった

山田:だって、今の段階で、iPhone7騒いでるけど、それ以外、ジョブズが仕掛けたこと以外で新製品、あとVRぐらいか。ほかになにかありますか、って話で。だから、そこに集中するんだと思うんだよね。

(乙君が時計を操作するポーズを取ったのを見て)ウォッチですか? 大井先生がしてるウォッチですか? だから、それがどうこうみたいな。でも、それももう1つみたいな、いろいろあるじゃん。だから、そういう高みに来ちゃったかな、みたいな。

しみちゃん:うんうん。

山田:でも、それって新しい豊かさ探す時代の始まりなので、俺は別にいいかなとは思ってるんだけど。

乙君:秋本さんは、「漫画を描くのはやめない」って言って。

山田:あー、そうなの?

乙君:うん。描きたいことはあるから。ただ、どういうふうに終わらせるかと思った時に、絶対に両津にも終わりが来るから。だから、お祭り好きだから、40周年、200巻かな? それで、バーンとこう、派手に終わろうみたいな、引き際としてはふさわしいんじゃないかなと。

山田:振り返ると、日本が豊かだった時代の象徴の漫画だなって読まれるし、あと歴史的な、ガジェットの進化みたいなものの、すごいいい資料になるっていうのもあるかなと思って。いろんな価値が残っていくだろうな、とは思ってる。

集英社さん、仕事ください!

乙君:うんうん。ちょっと9時過ぎたんですけど、もうちょっと話してもいいですか?

山田:いいっすよ。

乙君:今後、『ジャンプ』どうなると思いますか?

山田:あー、そっち?

しみちゃん:(笑)。

乙君:『こち亀』が消えたら……。

山田:俺はいつでも待ってるけどね!

(一同笑)

乙君:集英社さん!(笑)。

山田:ヤングのほうでもいいですけど。

乙君:どうします? お巡りさんもの描きます?

山田:え?

しみちゃん:お巡りさんもの(笑)。

山田:どこ描くのっていうか、もう痛々しい自虐ギャグになるので。

(一同笑)

山田:後々、眠れなくなるので。

乙君:すみませんでした(笑)。

山田:やめたほうがいいかなと思います。

両さんは責任を取るのか

乙君:(コメントにて「最終回どうなるの?」)最終回、どうなるか。……どうなるかなー。

山田:責任取るのかなっていうね。

乙君:結婚するかってことでしょ。けっこうその予想は出てますよね、纏なのか麗子なのか、みたいな。

山田:そういうことを言ってるのっていいよなって。漫画のなかのキャラクターがくっつく、くっつかないのって言ってるのも、いい時代だったなー、みたいな。

乙君:玲司さんは、66年生まれですよね?

山田:そうですね。

乙君:なので、『こち亀』が始まる前じゃないですか。

山田:そうだね。

乙君:うちらは、もう『こち亀』がある時から。

山田:そうだね。

乙君:最初、俺らの先輩だったんだよ、両さんって。

山田:あー、はいはい。高校野球現象ね。

乙君:いろんなことを教えてくれる、ちゃらんぽらんなおっさんっていうか、ごきげんな。それで、そこからだんだんだんだん歳を取るにつれて、なんかこう、大人の渋さみたいなものも、実はちょっとだけ出てきたりするんですよ。人情話の回とか、昔の東京とか。

山田:だよね。

長寿連載は友達のようなもの

乙君:それは、そういうのもありつつ。それで、気づけば、これは『刃牙』もそうなんですけど……。

山田:……またですか?

しみちゃん:(笑)。

乙君:いや、少年漫画で育ってる僕らって、今の30代とか、40代もそうなのかな、20代とか。毎週毎週、絶対あるファンタジーの神話をずーっとずっとアップデートしてアップデートして、ずーっと来てるから、ともすれば、しみちゃんとの付き合いよりも、俺、両さんとの付き合いのほうが長いし。

山田:はいはい。

しみちゃん:なんでしょうね(笑)。

乙君:『刃牙』とのほうが付き合いも長いし、となった時に、友達がどこかに行っちゃう。

山田:あー、それは思ってる人いるんじゃない。

乙君:やっぱり、そういう寂しさはありますね。今後、200巻なんていく漫画はなかなか出てこないと思うので、同じ主人公で(笑)。

山田:うん。

乙君:いやー、すばらしい漫画だったなと、今改めて思います。

山田:っていうか、ラッキーだよね。漫画文化のすごく一番いい時を、駆け抜けたんだなって思う。

乙君:だから、ここから、紙媒体がどうなっていくかとか。

山田:みたいな話だよね。

乙君:それこそ150年後に……。

山田:そうそう。

乙君:『CICADO』でも、『こち亀』が出るのか出ないのか、そこはちょっとわかりませんけど(笑)。

山田:(笑)。

後半は『ヘイトフル・エイト』話など

乙君:ということで、こんな感じでやってまいりましたニコ生論壇。

山田:やったー。論客疲れた。

しみちゃん:(笑)。

乙君:ニコ論壇時評なんですけれど、とりあえず本日はこれにて終了させていただきます。この後、後半は本来のヤングサンデーに戻って。

山田:いつものヤンサンをやるので。

乙君:けっこうしゃべりましたけど、実はもうぜんぜん、助走ですよね?

山田:え、俺クタクタ。

(一同笑)

乙君:本丸があそこでしょ? チラチラ『ヘイトフル・エイト』の話してましたけど。

山田:やります。

乙君:『ヘイトフル・エイト』の話、『スティーブ・ジョブズ』の話、そして『コップ・カー』。

しみちゃん:『コップ・カー』。

乙君:ベーコン界一の名優、ケヴィン・ベーコンが。

しみちゃん:ベーコン界(笑)。

山田:あと、ベッドインの話もします。

乙君&しみちゃん:ベッドイン?

山田:あ、君が大好きな、ベッドインですよ。

乙君:あの……、あれ?

山田:「バブルが通りまーす!」でおなじみの。

乙君:しみちゃんがでしょ。

しみちゃん:僕は大好きです(笑)。

山田:しみちゃんだね。

乙君:俺はもう、大っ嫌いですよ。

(一同笑)

山田:失礼なことを……。

しみちゃん:失礼なヤツ(笑)。

山田:なんて失礼な。

次回のゲストはくらたまさん

乙君:いやいや(笑)。そんな感じで今日も盛りだくさんのヤングサンデーなんですけれど、この後、有料に切り替えるんですけれど、しばらくちょっとチラ見せで無料になります。1万人も見てんの? すげーなあ。

山田:いやー。(コメントにて)「今日、力入ってたな」って、そうだなー。

乙君:(コメントにて「今日ゲスト来るんじゃなかったっけ」)、今日は、ゲスト来ない。来週のお話をさせてください。来週、9月21日、山田玲司のヤングサンデー、久しぶりの恋愛相談会、ゲストは倉田真由美さん。

山田:はい。

乙君:『だめんず・うぉ~か~』のくらたまさんがいらっしゃいまして、恋愛相談と、くらたまさんがどういう人なのかとか。玲司さんからの話だと、すごい……。

山田:おもしろいよ。

乙君:エキセントリックに見えて、めちゃめちゃ普通の人っていう(笑)。

山田:すっごい受験勉強してたから、あの人。

(一同笑)

山田:すっごい単語とか覚えてたから、うん。

乙君:まあ、普段、なかなか聞けない……。

山田:そういうヘイトフルだよ、あの人は。

乙君:ヘイトフルなの? なんでもそれじゃん!(笑)。

(一同笑)

山田:みんなヘイトフルなんだよ!!

しみちゃん:そうだよ(笑)。

乙君:今日はそうなんだね(笑)。

山田:そうです。

当番組はセンスがいい人に人気!?

乙君:そんな感じで、来週9月21日はくらたまさんがいらっしゃいます。初登場ですね。

山田:そうね。

乙君:しばらく、「女性ゲストがぜんぜん出ない」って文句来てたから。

山田:うん。かといって2丁目で人気って話もぜんぜん聞かないよね、俺たちね。

乙君:そうっすね。

しみちゃん:(笑)。

山田:そこですら、どう違うんだろうね。

乙君:どこで人気なの?(笑)。

山田:いや、わかんない。

乙君:業界視聴率、けっこういいって噂を聞くんですけどね。

しみちゃん:うん、そうですね。

山田:センスのいい人たちだけが見ているのでおなじみの、ヤングサンデーですよ!

(一同笑)

山田:今日もありがとうございます!

乙君:今日もありがとうございました。

しみちゃん:ありがとうございます。

乙君:そして、10月の頭の回でやります、新主題歌も応募しておりますので、9月30日までによろしくお願いします。そして、ヤンサン美術部、11月の頭に美術展を開きます。会員は参加できますので、こちらも締切9月30日で、発足式が今週の日曜日となっております。必ず俺にメールをくださいね!

しみちゃん:(笑)。

山田:このおじさんに(笑)。

乙君:いきなり来ても意味がわからないので、うん。

山田:乙君って言います(笑)。

乙君:はい。

しみちゃん:(笑)。

山田:最後に紹介されるパターン(笑)。

(一同笑)

乙君:ということで、いろんなことも盛り上がっていきましょう。

山田:ヤングサンデーでした。

ニコ論壇時評、継続の可能性も

乙君:ということで、これはニコ生公式なので、来月もまたこういうのをやるって話も出てたりもします。

山田:うん。言いたいことは、言ってこう。

乙君:時事問題って積極的にやらないから、逆に「こういう話してくださいよ」というのって、けっこう。

山田:新鮮だよ。だって、スルーするもん。

乙君:ね。

山田:うん。

乙君:でも、ちょっと旬を過ぎた話だった気も、『こち亀』以外は(笑)。

山田:はいはい(笑)。

乙君:まあ、そんな感じで。来月もまたやるかもしれないので、公式のほうも。

山田:誰も悪くないので、誰も悪くない。

乙君:では、有料に移ります。500円だから入ってよ。チャオ!

山田:チャオ!