創業34年の物流企業・株式会社関通

達城太貴氏(以下、達城):改めまして、株式会社関通の達城太貴と申します。私からは、「トライ&アンドエラーで見えた『数字』と『時間』」というタイトルで、「SATORI」の使用事例を発表させていただきます。

まずはじめに、弊社のご紹介をさせていただきます。その後、「SATORI」を使って弊社がどういうことを行ってきたかをご説明させていただきます。また、サブタイトルにもございましたが、最後に「私がメールを送れない理由」をお教えできればと思っております。短い時間ではありますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

株式会社関通は創業34年の物流企業で、代表の達城久裕が軽トラック1台で始めた企業になります。今では総従業員数830名ですね。2019年1月現在は、おそらく850名ほどになる企業で、主な事業内容としては、3PL企業として関東・関西に13拠点あり、総面積はおよそ32,000坪の倉庫を管理する物流企業となっております。

また、右側にございますのは、先ほどSATORIの代表がおっしゃられた「お客様のマーケティングを一歩先へ」のようなかたちで、弊社でも、こういった創業の精神といったものを、毎朝朝礼で全員で唱和しています。弊社はお客様に対してもこういったふうに向き合っていくんだよという理念のもと、事業を行っているという内容になります。

続いて、簡単にサービスの紹介になります。左側から、委託型配送センターの代行サービス。こちらは、お客様の商品を弊社の倉庫でお預かりし、お客様からご注文をいただいたら、その送り届け先の配送業者にお渡しするといった業務になります。

また、その下の受注管理業務代行サービスにつきましては、ECショップなどでの受注処理を、弊社が代行するというかたちで、物流全般の代行を行っています。

次が右側になります。そこから派生して、「THOMAS」という、いわゆる倉庫管理システムも、弊社でうまくいったノウハウを詰め込んだものとして販売しております。またもう1つは、弊社のシステム販売でとくにうまくいっているものなんですけれども、チェックリストシステムの「アニー」を販売しています。

こちらは弊社でも運用しているチェックリストシステムで、リリース2年で250社の導入となっており、右下にあるんですけれども、実はSATORIさんも導入されているということなので、もし何か気になる点がございましたら、後ほどお声がけいただければ、おすすめさせていただきます。

少ない人員で次々に施策を打つ中で成果が見えない状態に

この34年という中で、たくさんのお客様とお付き合いさせていただき、またこういったかたちでSATORIさんともお付き合いさせていただいています。2019年2月には、楽天株式会社様と資本業務提携を結ばせていただいた運びになります。

本当に、弊社の物流の品質などもみなさんがしっかりと見てくれているんだなと、私も含めた従業員全員が今、身の引き締まる思いでいます。

次なんですけども、「SATORIを使って行ってきたこと」として、本当にたくさんのことを行ってきました。ここで改めて、私の簡単な自己紹介をさせていただこうかなと思うんですけれども、私は主に営業内で集客を担当させていただいております。Webマーケティングもやっているんですけども、もちろん制作もやっています。

「SATORI」を導入してもう少しで2年ぐらいになるんですけれど、導入当初は上の方から「マーケティングオートメーションを早く使え」「どんどんいろんなことをやれ」と言われた結果、こんなかたちでダウンロードコンテンツであったり、フォーム作成、シナリオによる社内通知とか、セグメント別の表示変更とか、メルマガ送信や、ポップアップの表示、アクセス企業へのアクションとか、いろいろなことを行わせていただきました。

弊社の人員はすごく少ないんですよね。集客担当は私を入れて5名ほどで、制作もマーケティングも回している状況です。その中で「いろいろやれ」と言われて、「ちょっと待てよ」と。本当に、言われるたびに「ちょっと待て、ちょっと待て」と思うんですけれども、やっぱり上から言われることなので、やらないといけないという状況でした。やっていくにつれて、あることに気づいたんですよね。

自分の中では、「これは僕の仕事の落ち度かな」という点もあるんですけども、何がうまくいってるのか、うまくいってないのかがわからなかった。いろいろやりすぎて、「ポップアップはうまくいってるのか」といったことがぜんぜん取れてなかったので、改めてしっかり時間を作って精査しました。

ダウンロードコンテンツとポップアップの失敗談

まずは、うまくいかなかったことを、2点ほどご紹介させていただこうかなと思います。もしみなさまの中で「いや、これはうまくいくぞ」というのであれば、ぜひ後でまた「これは絶対うまくいくから」というものを教えていただければありがたいなと思いますので、よろしくお願いします。

まず1つ目は、ダウンロードコンテンツです。こちらは「ダウンロードコンテンツを使用し、known(ノウン)を増やす」というかたちで、いろんなことをさせていただいたんですけれども。確かに、ダウンロードはたくさんされたんですね。ただ、unknown(アンノウン)がknownに変わったのに、営業マンのフローがぜんぜん決まっていなかった、というのがあります。

結局、弊社のマーケチームが時間を割いて作った20数ページの資料が、ただ無駄になってしまった。非常にもったいないんですけれども、営業マンのフローが定まらないんだったら、ちょっとやめておこうと。定めればいい話なんですけども、なかなかうまくいかなかったので、それだったらやめる、というかたちになりました。

もう1つがポップアップですね。「SATORI」を使い始めて、一番制作もしているので、最初は「これいいな」と思ったんですよね。「いいな、これ絶対押されるだろうな」と思ったんですけど、やっていくにつれて、なかなかクリックされていないというのに気づいて。

ある日、「やれ、やれ」と言ってきた上司から、「このポップアップ、ちょっとうざい」と言われて(笑)。「消せ」って言われたんですよね。「やれって言ったのお前なのにな」って、ちょっとここだけの話。

(会場笑)

確かにポップアップは、効果があるときはあったんですけど、ずっと出続けると、ユーザビリティ的にはどうなのかなと思ったんですよ。僕らも見ると、どうしても「今これ見てるからいらん、いらん」という感じで、ずっとバツばっかり押しちゃう。

そういう考えで、どちらかというと消されて離脱を促すのではないか、という結果から、限定された場所のみにしました。今、弊社が行っているセミナーがあるんですけれども、そのLPを1個出してるぐらいですね。それで、やっぱりポップアップは非常に効果があって、ここからでもしっかり登録はあります。

SATORIの「ステップメール」でメルマガの新規登録が増加

続いて、うまくいったことを2つほどお伝えしたいなと思うんですけども、まず1つ目ですね。ステップメールというのを行いました。弊社の中でももちろんメルマガは行っていたんですけれども、なかなか新規登録が増えない時期があったんです。たくさんの営業マンに名刺交換をしていただいて、ちょっとずつ増えていたんですけども、やっぱりWebからの登録もほしい。

でも、なかなかメールマガジンの登録がない状況でした。そんな中で、ステップメールというものを知って、「これは『SATORI』でできるな」と。ステップメールって本当に簡単なんですよね。ステップ1から10まで、ひたすら毎日メールが送られてくるだけのメルマガですよ、という打ち方なんです。

「SATORI」の機能と言ったらこんな感じで、シナリオとメールテンプレートとタグを使って、このタグが付いたらこのメールテンプレートを次の日の朝に送りますよ、というのを10個続けただけなんですけど。

これをやると何が良かったって、メルマガより気楽に登録する方が増えたというのは、すごく良かったかなと弊社自身は思っています。「10日くらい、いいだろう」という気持ちなんですけれど、実は最後にもう1個あって、ステップ10を送信し終わったら、弊社のメルマガリストに自動で登録されるようになっているんです(笑)。気楽に登録したが最後、うちのメルマガリストに勝手に入っている、という状況です。

このステップメールなんですけれども、10個のメール文面を作るのが非常に大変です。大変なんですけども、これをやれば、毎月アベレージでだいたい15件ぐらいはリストが増えます。そこから弊社のセミナーであったり、先ほどご紹介したシステムの問い合わせがやはりあるので、メール文面が作れる方は、ぜひやってみていただいたらいいのかな、と思います。

メルマガの開封率・URLクリック率が向上した理由

続いてうまくいったことは、やはりもともとあったことなんですけれども、メルマガ送信ですね。やはり弊社はこのメルマガを非常にがんばっていて。本当に毎週メルマガを送っているんですけれど、SATORIさんを使って何が良かったかって、メルマガが見える化されたんですよね。

何かと言うと、まずは開封率が平均で20パーセントを超えたんです。これは弊社の事例なので、みなさまの開封率はもっといいかもしれないんですけども。弊社のメルマガのリストは、およそ9,000……もうちょっとしたら10,000ぐらいいくんですけども、その中でも20パーセントが見られているのは、非常にいいんじゃないかなとなりました。

これは、最初からそうだったわけではなくて、「SATORI」のメールという機能の中で、送ったメルマガの開封率や、クリック率が見えるだけで、僕は非常にありがたくて。その中のURLクリック率も平均で2パーセントを達成できた。最初は送っても、0コンマ何パーセントとかばっかりだったのがいろいろ試していった結果、2パーセントになったと。

この実績を作り上げたのは何なのかというと、僕は「SATORI」で数字が見える化されているのが非常に嬉しくて。開封率ですよね。未読数と開封数、クリック率、クリック数などが全部見られるんですけど。ここでみなさんにおうかがいしたいんですけど、メールを読む時間っていつですか? 朝ですか? いいですね、ありがとうございます。

(会場笑)

素晴らしい意見です。「今でしょ」みたいな感じなんですけど、これは冗談です。今おっしゃっていただいたように、おそらく会社のメールを見るときって、昼間でも帰るときでもなくて、朝だよなと思ったんです。

「朝イチのほうがメールはよく見られるんじゃないか」という仮説をもとに、いろいろ試したんです。送信予約ができるので、6時・7時・8時・9時・10時という4時間に分けて、日を変えてやったんですけれど、結果、弊社のメルマガは朝8時送信のクリック率がナンバー1でした。

数字の「見える化」とPDCAでメルマガを改善

なぜこれがわかったかというと、「SATORI」のメール機能の中にある数字の見える化が非常にありがたくて。これを上司に報告するだけで「入れた甲斐があったな」と。そんなので良かったんだ、みたいな感じになったんですけど(笑)、本当に入れた甲斐がようやく出てきたという感じで。仕事でよく「PDCAを回せ」と言いますけれど、まさにそうだなと改めて実感しました。

Pですよね、朝のほうがけっこう見るんじゃないかと。私自身もそうだったから、そういう仮説を立てて、「朝8時にメールを送信しよう」となって、「クリックされてる」となったんです。じゃあ次ですよね、朝8時に送信されているのであれば、次は「何曜日のほうがちゃんとメールを見てくれているかな?」と、また新たなPDCAがどんどん回せるようになりました。

結果、ここ1年ぐらいはずっとこのかたちですね。毎週水曜日の朝8時です。これもちゃんと月曜日から金曜日まで、ほぼ毎日メールマガジンを送ってみると、確かに毎日送られると拒否される数も多かったんですけど。ただ、先のことを考えると致し方ないと思って、毎日送った結果、水曜日が一番見られるなと。

確かに自分もそうなんですよね。月曜日に来たら、土日のメールが溜まってるから、ぱっぱぱっぱ、適当に既読にしちゃう。だったら火曜日か水曜日か木曜日かなと思って。金曜日はもう「今日どこに飲みに行こうかな」ぐらいのことしか考えていないので、おそらくメールなんか適当にチェックしちゃう。

なので、「おそらく水曜日だろう」と思ったら、これがドンピシャで当たって。水曜日の午前8時が弊社は今ナンバー1です。先ほど申し上げた開封率20パーセント、クリック率が2パーセントという結果になっております。これは今でも20パーセント前後をキープさせていただいております。

ただ、みなさんここでもう一度、サブタイトルを読んでいただきたいんですけども、私は「SATORI」でメールを送れないんですよね。もちろん、普通にGmailなどでお客さんにメールは送れますよ。でも、「SATORI」でメールを送れないんですよね。なぜかというと、いろんな経緯があったから。まずその経緯をちょっとだけお伝えしたいなと思います。

マーケや制作を知らない営業がメルマガ配信を担当

先ほどの自己紹介のときに、みなさんが見たことのあるロゴがたくさん出てきましたね。「Google Analytics」や「Google Tag Manager」、「Google広告」、「YouTube」、「Facebook」、もちろん「SATORI」もそうですよね。左側はほとんどWebマーケティングというところで、よく見るロゴじゃないかと。右側は制作の面ですよね。「Dreamweaver」や「Photoshop」や「Illustrator」など、それらをトータルで行っているんですけども、結果、ずっと制作や集客、マーケティングも一緒くたにやっていると、「私1人じゃPDCAが回せないな」って。

部下にも(PDCAを回そうと)頼むんですけど、部下も同じようにマーケティングも制作もやっているので、「やめてくれ」という状態になったんです。それで気づきました。「そうだ! アレを使おう」と。それで私は今、メールを送っていないんですよね。みなさんのメールマガジンを誰が送っているかというと、22歳の女性です。

今メールマガジン毎週送信してるんですけども、22歳の若い女の子が、みなさんにメールマガジンをお届けしてると。その女の子が、なぜメールマガジンを送信できたかというのを今日はご説明させていただこうかなと思いますので、延原さん、よろしくお願いします。

ちなみに彼女は私の部下ではなくて、営業マンです。本当にマーケティングや制作はまったく分からないので、それを踏まえた上で聞いてもらえばいいかなと思います。お願いします。

誰でもメルマガ送信ができる、チェックリストシステム「アニー」

延原ももこ氏(以下、延原):ただ今ご紹介にあずかりました、株式会社関通の延原ももこと申します。簡単ではございますが、自己紹介をさせていただきます。私は、関通に高卒で入社して、今年で5年目になります。ふだんの業務内容としましては、先ほど達城から少しご紹介がございました、弊社で自社開発した「アニー」という、クラウド型のチェックリストシステムの販売を行っております。

そして、ここからなんですが、なぜ私がメルマガ送信ができるようになったのか。それは、「アニー」があるからです。チェックリストシステムの「アニー」は、チェックリスト兼マニュアルのシステムで、作業手順をすべて「アニー」の中に落とし込み、上から順に作業をすることで、誰でも作業が行えます。次に、こちらをご覧ください。こちらは私がメルマガ送信の際に、実際に使っているチェックリストになります。

達城から「メルマガ送信をやってくれ」と頼まれたときは、正直「何言ってるんだ」と思ったんですけれども(笑)。この「アニー」を上から順に行うことで、私でも「SATORI」でメルマガ送信をできるようになりました。今では同期の子たちと、週を分けて、メルマガ送信を行っております。これも「アニー」があるから分担できて、誰かが勝手にやり方を変えることなく、全員が統一された方法で、メルマガが送信できています。そしてミスも起きておりません。

もしみなさんの中で「アニー」にご興味がある方がおられましたら、後ほど懇親会で、私からお話しさせていただきますので、よろしくお願いいたします。私からのお話は以上となります。ありがとうございました。

達城:延原さん、ありがとうございました。このように簡単なことなんですよね。まず文面を作成します。URLを設定します。次に、「Sansan」にアップロードされた名刺リストをダウンロードして、「SATORI」にアップロードします。「SATORI」にログインします、と。これは一部で、もっと下に長いチェックリストになっています。

マーケって専門的に見られがちかなと僕は思うんです。でも、これを上から順にやるだけで、そういった作業がすべて、マーケティングや制作未経験者でも、例えば昨日入った新人さんにも、この「アニー」を見せることによって、「SATORI」のメルマガ送信が全部できちゃう。ですので、「私はメールが送れない」ということになります。

ではこれにて、発表を終わりにさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

司会者:達城様、延原様、ありがとうございました。