「目標は少し高く」「順境よりも逆境」 成功を目指す起業家の心得を松山太河氏が語る

Session 2 #1/2

#HiveShibuya XDAY
に開催

渋谷にあるコワーキングスペース#HiveShibuyaにて、未来を創るU30(30歳以下)の天才のための招待制イベント「#HiveShibuya XDAY」が開催されました。起業家、CTO、ベンチャーキャピタリスト、研究者、学生などを中心に集まった会場で、East Venturesパートナーの松山太河氏が登壇。このパートでは、gumiやフリークアウト、グノシー、MERY、メルカリなどの、これまで投資してきた会社の紹介の後、成功を目指す若者に向け、歴史上のエピソードを交えつつ、起業家としての心得を語りました。

いい事業は3年前後で結果が出る

松山太河氏(以下、松山):はじめまして。East Venturesというベンチャーキャピタルをやっています、松山と申します。簡単に自己紹介をさせてもらいます。

私は早稲田大学商学部を出て、その後、アクセンチュアを経て、ネットエイジというインターネットサービスを作ったり投資をしたりする会社にいまして、15年ぐらい投資をしています。

投資といっても、いわゆる未上場のベンチャー企業に対して、直接的に出資をするようなかたちの投資をしています。今、社数でいうと200社ぐらいに投資をしています。

有名どころで言うと、CMをやっている会社が多分有名ですけど、メルカリとかツイキャスとかグノシーとか。あと、去年DeNAに買収されたMERYとか、そういうインターネットサービスとかアプリを作っている会社に投資をしています。

最近の投資のエグジットというか、株式上場とかM&Aを少しまとめてみたんですけれども、ここ数年は、わりと毎年株式上場が続いている状態です。

gumiはちょっと時間かかったんですけど、2008年創業で出資をして、2015年に上場。フリークアウトは2010年の創業のときに投資をさせてもらって、2014年に株式上場なので4年間。

グノシーは2012年創業でIPOが2015年なので、3年ですね。MERYも2012年の創業で、2年で、M&Aまでいっている。メルカリは2013年に創業して、だいたい3年ぐらい経過になっているんですけど、かなりの事業規模まで伸びてきています。

そういう意味でいうと、いい事業に投資をすると、だいたい、3年前後で目に見えた結果が出てくるというような感じになっております。

投資対象は若い人たち

私のベンチャー投資は、主に若い人に投資をしています。20代から30代前半ぐらいまでがボリュームゾーンで、一番下だと20歳ぐらいの人にも投資をしています。

今月発売されているForbesの若手経営者特集っていうのがあったんですけど(注: 『Forbes JAPAN』 2016年01月号 「起業家U-30『未来の孫正義』を目指す若者たち」)、Forbesが選んだ20代の経営者6人の中の5人が、East Venturesの投資先でした。

MERYの(中川)綾太郎に会ったのは22歳ぐらいで、BASEの鶴岡裕太は、初めて会ったときは21歳ぐらいですかね。創業は22歳ぐらいです。あと、Progateというプログラミング学習をやっている加藤將倫くんは、22歳で創業かな。今23ぐらいですね。

あと、真ん中の倉富佑也(ココン代表)というのが一番若くて、彼は21歳なんですけど、僕は、若い中では彼に最大の投資をしています。ちょうど1年前に会ったんですけど、会った日に彼に1億円投資することを決めたんです。当時、彼はまだ21歳で、19歳で会社をつくって、1年半ぐらい経営していたんですね。

会ったとき、もうすでに社員数で、50名は超えていましたね。確か60人ぐらいいたのかな。売り上げのほうは、月次で数千万上げていると。普通に月次で利益も出していた。相当すごいなと思って投資したんですけど、こういう若くてすごい可能性のある人に、リスクを取って投資をしていくっていうのが仕事です。

成功は失敗の繰り返しの先にある

投資の仕事に確実はなくて、100パーセント当たるかっていうと、なかなかそうもいかないというか。うまくいったらいいんですけど、そういうわけにもいかなくて、不確実な部分の将来の成長に賭けることが自分の仕事です。

100億円預かって、それをしかるべきところに投資をして、多分、プロジェクト数だと数百件のプロジェクトを応援できる状態にはあると思うんですが、そこにおいて、何割かの大きな成功例を作っていくのが仕事です。

僕自身は起業家ではなくて、ただ単に多くのケースを見ているっていうだけなんですけれども、そういった中で、結構、起業してうまくいっているケースを見ていると、ダイレクトにうまくいっているケースは、実はあんまりなくて。

何回かの失敗というか、試行錯誤を経て、それを養分として成功しているというのを、今のところ見回していて感じています。

若い人、特にITの人と僕は仕事するケースが多いんですけど、実力はあるんだけど、スタートアップとかで結果を出せない人も中にはいて、そういう人は、やっぱり失敗を極端に恐れる。

これはもうちょっと後で話しますけど、失敗を避けて通ろうとすると、なかなかうまくいかない。結局、失敗を5回から10回ぐらいやった後に、その向こう側に成功がある、みたいなイメージなんです。

だから、頭のいい人っていうのは、上手に失敗を避けようとするんですけど、上手に失敗を避けようとした結果、うまくいかないっていうのが、ちょっと矛盾するんですけど、起こることかなと思います。

本人の努力と、それ以外の要因

僕自身、人にプレゼンすることが仕事の中にあまり含まれてなくて。投資家って、その起業家のプレゼンの話を聞く側なんですね。ピッチとかにも出ないので、社長さんとか起業家のほうが、話すことは多分うまいです。

僕は普段から、こういう一対多で多くの人に話すことに慣れてなくて、多分あんまりうまい話ができないと思うんですが、ご容赦いただけると。

話すことを箇条書きに書いてみたんですけれども、その中で1つ、ちょっと歴史の話を。

最近僕、歴史にハマってて。歴史って過去のものなんですけど、わりと事例としてはおもしろい。特にその中で最近興味を持っているのが、山口県にある松下村塾っていうで。そこからは、幕末のいわゆる志士と呼ばれる人たちが、かなりたくさん出ている。

高杉晋作とか、伊藤博文とかが、そのたかだか20人か30人ぐらいしかいない塾から出ていて。要するに、地方の田舎の片隅にある塾なのに、日本政府とその後の明治をつくっていった人たちを、たくさん輩出したことで有名なんです。

僕が疑問に思ったのは、なんでその田舎の塾から、日本を大きく動かすような人が輩出されたのかということで、そこに注目していろいろ考えてみたんです。もちろん他にも理由はあるとは思うんですが、結構、運とその人の努力の掛け算なのかなって思っているんですね。

それはなぜか。まず、なぜ山口県だったかという話からすると、山口県っていうのは、当時長州藩が支配していました。いわゆる薩摩・長州が、江戸を中心とした旧幕府に対して対抗軸としてあって。

その薩摩と長州が手を組んで旧江戸幕府を倒したのが明治維新になるわけですけど、そもそも、時代のメインストリームとなる長州に私塾があったというところが、まず1つ。

長州藩の幹部の息子たちみたいな人が、わりとそういう私塾で学んでいたんですけど、時代の大きなうねりの中で、長州・薩摩が力を持つ時代の流れの中において、その私塾に、たまたま長州藩の優秀な若い人たちが集ったっていうところが1つ。

当然、そこにいた高杉晋作とか伊藤博文とか、めちゃくちゃ頑張ったとは思うんですけど、その時代の大きなうねりの中で、その後の政府の中枢というか、明治維新のきっかけとなった人が生まれた。

時代の大きなうねりに乗った人が成果を出す

僕自身、偉人が好きなんですけど、その偉人の本質的なところは、本人の努力以外に、時代の大きなうねりがあるな、と。このうねりがいつ生まれたかというと、明治維新は1868年ですけど、長州・薩摩が明治維新の主体となったきっかけは、1600年に江戸幕府ができたときに遡るんですよね。

そのときに、関ヶ原の戦いで敵方についたんですね。関ヶ原で徳川幕府に反対勢力だったほうは「外様」と呼ばれたんですけど、その外様の大名は、江戸から遠くに追いやられているんですね。

関ヶ原の戦いの後、「こいつらは裏切るかもしれないから、関東よりもちょっと離れたところに置いておこう」ということで、九州とか中国地方のほうに置いておいたわけです。

結果、その1600年のときに残してしまった禍根というか、旧敵方、関ヶ原で徳川に背いた人たちが、1600年の頃から、すでに勢力を持っていた。そこから260年を経て、結局、明治維新が起きているっていう。こういうのも、時代の流れだなと思っています。

ここからなにを言いたいかというと、僕自身、投資をしていて、基本的には「できる人」に投資をするんですけど、時代のうねりに乗っている人や会社を応援していくのが、成果を出している本質的なところかなと思います。

自分でできることは年々大きくなる

「目標は少し高く」と書いたのは、人って、特に若いうちは、自分ができることからなにかしらの計画を立てようとするんですね。それは、ある意味で地に足が着いていると言える。

特に、優秀な人であれば、今の自分の実力が50であれば50と正しく認識して、その50でできることで、「来年なにをやる」「再来年なにをやる」と考えるんですが、それはしないほうがいいです。

別に、自分を大きく見せるとか、そういうことは必要ないんですけど、若くて優秀な人は、自分ができることが年々大きくなっていくんです。今50ぐらいのことしかできない人でも、日々頑張れる人で、20代前半であれば、2年3年で100ぐらいに増えていくんですね。

だから結構難しいですけど、自分の目標を立てるときに、今の自分の実力よりも掛ける数倍ぐらいのことを想像して、3年とか5年とか、先のことを考えたほうがいい。

客観的すぎると、「自分の実力が50だから、3年後はこれぐらいの目標値かな」と考えちゃうんですけど、意外と、それよりももう少し上を見ていいと思っています。

厳しい状況と周囲の人間が成長を促す

あと、「順境よりも逆境」というのは、さっきの時代のうねりの話と逆になっちゃうかもしれないんですけど、みんなが「わりとうまくいっているじゃないか」とほめてくれているときは危険な状態で、周りの人が「こいつ、なにやっているんだろう」とか、自分自身も悩んで、日々「自分、なにやっているんだろう」と思っている瞬間、つまり逆境にいるときのほうが、実はいい状態であります。

人間は、順境で「このままでいいのかな」という状態においては、あんまり努力をしなくなるんです。でも逆境においては、日々すごく考えて、「こんなんでいいのかな?」と悩む。

外から見るとわからないんですけど、実はその悩んでいる逆境状態のほうが、自分の本質的力は伸びている、というようなことが多いなと思います。

これは成功の罠というのもあるんですけど、1回、ある程度みんなにほめられるぐらいの実績を出した後に落とし穴があって。その順境で満足すると、人間の成長はそこで止まってしまう、というものがあると思います。

そういう意味で言うと、常に自分を厳しい状況に置いたほうが、結果的には伸びていくというようなことがある。そういった中でも、周りにどのような人がいるか。これは、さっきの木下慶彦(Skyland Ventures代表)の話にもありましたけど、人は周りにいる人に影響されやすいんですね。

やっぱり周りにいる人がみんな、やる気があって「頑張るぞ!」という状況にあれば、自分も頑張ろうかなと思う。例えば、自分の周りの人がみんなマラソンを始めたら、自分もマラソンしてみようかなと思ったりする。

そういうふうに、人間って意思が強いように見えて、周囲の人に影響を受けます。そういう意味で、周りにどういう人がいるかは、わりと大事なことで。僕は若いうちは、自分の目標と同じような目標を持っている人たちと、なんらかでつながっていくっていうのは、結構大事なことじゃないかなと思っています。

今日もだいたい100人ぐらいの人が来ていると聞いているんですが、100人と友達になる必要はないと思うんです。ただ、100人ぐらいが集まっている中で、数人。4人か5人くらいは、気が合う人もいると思うんです。そういう人を見つけて、つながってもらえばいいかなと思っております。

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