共同代表となる技術者との出会いがきっかけ

平将明氏(以下、平):例えば、なにか、「これならイケる」と感じる時。このテクノロジーとか、この新しいアイデアならビジネスになる、と。日本の農業も変えることができるというのは、それは大学にいても、なかなか思い付かないんじゃないの? それは、どういうきっかけで起業までいったの?

大社一樹氏(以下、大社):日本に帰ってきてからも「農業がやりたい」って、いろんな人に話してたんです。それで、共同で設立した代表の技術者に出会いまして、すぐにやることに決めました。

:でも農業ってさ、俺、国家戦略特区とか規制改革の世界でやっていると、農地って、農家の人しか持てないじゃない。

大社:はい。

:それで、参入しようっていうのもすごく難しいよね。あなたのお父さんが農家だったら、農地を持っていればやりやすいっていうけど。外からの参入は難しいけど、それは大丈夫なんですか? どういうかたちで?

大社:難しかったです。

:難しいよなぁ。

大社:なので、紹介してもらった知り合いの農家さんのところで修業したりして。

大澤咲希氏(以下、大澤):それは、何歳のときにしたんですか?

大社:それは大学生のときです。それで、農地を正当に借りることができて、始められました。

:今、借りてるんだよね。所有はなかなかできない。

生田よしかつ氏(以下、生田):あれ、借りるのだって大変なんだよな? 農業委員会とかナントカ、通すわけだろ?

大社:はい。

生田:めんどくせぇよな。

アメリカの強みは広大な土地

:これはね、僕はここはおかしいと思っていて。

日本の仕組みをね。農家だからいいけど、農家じゃないとダメですよって言うと、自分たちのコミュニティで、「こいつはいい奴だから、貸してやるよ」はちょっと違うんじゃないかなぁと。漁業でも農業でもそうだよね。

生田:漁業でも、もろそうだよ。漁業権なんか、もろにそうだもの。

:なかなか大変だと思いますけど。そこで、実際に借りて、新しい農業をやろうと思ったんですよね? アメリカの農業と日本の農業を比べて、ぜんぜん違う。たぶん生産性なんかもぜんぜん違う。じゃあ、どういう農業をやっているんですか?

大社:気付いたのは、アメリカの強いところは広大な土地なんです。そこで適当なものを作っても、たくさん採れるので、アメリカではそれでよかったんです。

ただ、日本にある武器はなにかと思ったら、広さはない。ただ、水田がある。あとは、綺麗な水です。

生田:なるほど。

大社:この水田と綺麗な水を、なんとか武器に戦えないかなと考えて。水田を活用した、水耕栽培を考えました。

生田:なんで水田を活用して米を作らなかったの? 普通だったらさ、水田が余ってる・活用するんだったら、米を作るんじゃないか?

大社:米はなかなか儲からないんです。

生田:なるほど! 正直でよろしい(笑)。

:これはさ、画期的ですよね。これ、ちょっとなんのパネルが出てるのか、僕自身知らない。あ、全部出てますね。

水耕栽培で作るのは葉物野菜

なにを作るんですか? 水耕栽培で。

大社:葉物野菜なんですけど。現在は、リーフレタスを作っております。

:このイメージですよね。ちょっと説明してもらっていいですかね? 水田を使って、野菜を作る。大丈夫ですよ。優秀なカメラマンがちゃんとフォーカスするので。

大澤:水田って、もともと米を作るものなんですか?

大社:そうですね(笑)。

:そこからかよ!

生田:すみません、今のカットしてください。生放送ですけどー。

大澤:やばい、やばい。

大澤:野菜はなにで作るものですか?

大社:野菜はもともと畑で作る(笑)。

生田:黙れ、咲希。お前の出番じゃねぇぞ(笑)。

大澤:すみません(笑)。

大社:これが、普通の水田なんです。水田に水が溜まっていて、そこに発砲スチロールが浮いていて、ここで野菜を生産することができる技術なんです。

生田:ほ~。

:ちょっと解説しますと、水田は稲、野菜は基本、土。ね?

大澤:あ~、わかりました! そうだ、そうだ。

:なんにもない野っ原に作っているのが、外で作ってるのが露地栽培。でも、温度が不安定だったりするので、ビニールハウスやラスハウスで作ったりします。あと、土じゃなくて、水耕栽培でやりますっていうのも、もっぱらハウスの中が多くて、例えば、貝割れ大根とか三つ葉とかさ。

大澤:あ~、好き。

:こういうのは、水耕栽培。最近、こういうレタスも出てきた。あともう1つ違うところで、けっこうこれ儲かるんだ。キノコ。

大澤:あ~、フランケンシュタイン。

生田:キノコ、得意じゃん。

:得意です。得意です。エリンギとか。これはね、すごく高いんですよ、付加価値が。

ずっと湿っていると、土の中の酸素が足りなくなる

:ここがすごいのは、私も初めて見たけど、水耕っていうと普通は(ビニール)ハウスなわけよ。

生田:そうだよね。俺もハウスじゃねぇなと思った。

:ハウスじゃなくて、オープンエアーなんです。外でやってることと、水田を使うというのがミソで。私的に言わせると、ものすごく着眼点がいいです。

大澤:お~!

生田:俺なんか素人だけどさ、この葉っぱものが屋外は、歩留まり悪いんじゃないの? できる感じの。

大社:歩留まりは悪くないです。従来の土よりも、むしろよく採れます。

生田:そうなの!? だって、外からのアレがあるんじゃないの? あと、日照りとかさ。

大社:天候。えぇ、そうですね。雨が続くと、レタスが採れないというのがよくあるんですけども。あれの原因は太陽が足りないからではなくて、雨がずっと降ってると、土がずっと湿ってるんですね。土がずっと湿っていて、土の中の酸素が足りなくなっちゃうんです。

大澤:もともと水だから?

大社:そうなんです。

:これでコントロールしているわけね。水を。

大社:そうなんです。それで、菌が土に繁殖して、腐っちゃったりとかがあったんですけど。これはもう、常に水が流れているので大丈夫です。

生田:なるほど、そうか!

大澤:すごーい!

生田:なんだよ、お前(笑)。

大澤:わかったんです!

:今、理解したのね。理解したリアクションね(笑)。

米よりも野菜のほうが儲かる

これは、ビジネス的に見ると、なにが優れているかと言うと、まず、水耕の常識はさ、ハウスっていうか、屋内なんですよね。これ見ると、無いから、イニシャルコストがかからない。外物、上物ね。

生田:初期投資はいくらもいらないもんな。それで、発砲スチロールだろ?

大社:そうです。

生田:発砲なんて、魚河岸に行きゃ拾えるよ。

大社:(笑)。

:もともと水田だったところに浮かすだけだから、追加投資がほとんどいらなくて、この仕組みだけだな。でも、これはもともと水田であるしな。

生田:それ、どこかで見たことがある図だね。豊洲市場の地下水管理システムみたいな(笑)。なんかそんな感じでね、見ちゃうという。嫌だな、俺(笑)。

:そうすると、イニシャルがかからなくて。もともとあるところを借りるから、ランニングが安くて、それで収量が高ければいいですね、というのと。

先ほども言ったように、水田で稲作るよりも米よりも野菜のほうが儲かるんですよ。ビジネスモデルとしては。一方で、野菜のほうが手間かかるんですよ。米って、田植えのときは忙しいし、収穫のときは忙しいけど。

生田:あとはほっぽらかし(放ったらかし)だもんね。

:ほっぽらかしとは言わないけど(笑)。やっぱり手間かかるんですよ。そういった意味では、今ある水田が増えてくところに、「じゃあ、野菜作りましょう」「でも、俺、米作ってるからさ」って。米を作ってる人が野菜を作るって、ものすごく抵抗があるのね。

生田:あぁ、そうなんだ。

:だけど、今ある水田でできて、たぶんフロートを陸に上げて収穫するから、けっこう楽に。そういうことでしょ?

大社:そういうことです。

生田:手間もかかんねぇな。

大澤:すごい~。

:ビジネスモデルとしては、僕はすごいなと。