早めに質問をしてどんどん前に進む感覚が大事

植田悠大氏(以下、植田):ありがとうございます。じゃあ、実際にプログラミング学習というところに焦点を当ててみたいと思います。それこそ野口さんは、初めてのプログラミングがTECH::EXPERTだったということですけれども、予想していたことと実際は、どうでしたか?

けっこうすんなりプログラミングを始められたのか、それとも最初は、すごい戸惑ったとか。そういうところはどうですか?

野口長記氏(以下、野口):最初は、おもしろそうだと思って入っているんで、そんなにハードルはないかなと思ったんです。ただ、さっき有安さんも言っていたんですが、意外とバグが出まくったりするので、早く前に進みたいのに、それが見つけられないとずっと止まっちゃったりというのはちょっとありましたね。

なので、いろいろ早めに質問して、どんどん前に進む感覚が大事なのかな。学習全体を通して言うと、ここでの学習は、ある程度、言っちゃっていいんですかね、これ。就職をしてから、そのまま使えるスキル、即戦力にすぐなれますよという話よりは、土台を作るようなイメージで思っていまして。「プログラミングはこういうものなんだな」というのが捉えられたら、それでいいと思っているんですよね。

そこから先に他の言語があるとか、Ruby on Railsを深堀りするのかは、その仕事次第というか、機会にもよってくると思うので、「基本的にプログラミングはこういうものなんだな」というのを、大枠で捉える経験としてはすごくよかったです。導入編としてよかったと思います。

植田:そもそも「プログラミングとはなんぞや」というところを固める作業を、TECH::CAMPとTECH::EXPERTでやっている。

野口:そうですね。今、働いていて、周りのエンジニアを見ていても、小学校の時からプログラミングをやっているような人たちばかりなので、そうなると息をするようにプログラミングが、コーディングが書けちゃう。じゃあ、そのレベルになるにはどういうステップを踏めばいいのかって、なかなか見えてこないけど、体系的にその導入編をやってくれるのが、TECH::EXPERTの体験だったかなと思っています。

植田:エンジニアって、もう上を見たらキリがないですもんね。

野口:そうですね。

植田:ひたすらにレベルの高い人っているので、最初を固める意味では良かったんじゃないかと。

野口:はい。

単純なミスでつまづいてしまう

植田:有安さんは、TECH::CAMPの学習からTECH::EXPERTに進んでいただいたときに、就職に至るまで、自分でゴールに進んでいけるタイプですか。それとも、つまづいて聞いたり。

有安祐二氏(以下、有安):みんなそうだと思いますけど、もう聞きまくっていました。確か、カリキュラムの最初の方にも、「わからなかったらすぐ聞いてください。悩んじゃうのは一番もったいない」みたいに書いてあって、みんなそのとおりやって。でも、ほぼほぼ、しょうもないことなんですよ、本当に。

しょうもないことを聞く頻度が減ってくるので、10週間の後半の方は、そういう意味では質問の量はどんどん減っていくんですけど、最初の頃は本当に質問しまくっていましたね。

植田:そうですね。この中でTECH::CAMPに通っていますって人が多かったですけど、プログラミングをやったことあるという人は? 6割くらいですかね。その中で、エラーにかかったことないよって人は? いるわけないですよね。しかも、最初の方のエラーって自分で引っかかったりする。大文字と小文字のスペースの違いとか。

あれってすごく単純なミスで、わかっている人だと一発で修正できちゃうようなエラーだったりするんですけど、スペースって見えないんですよね。そのままファイルを見ていると見えないので、自分は修正をするのに2時間くらいかかって、「こんなんかい!」って思わずつっこみたくなるような。

最初はそういう積み重ねですよね。多く当たっていけば、それだけエラーに対しても強くなる、って(ことは)あるかもしれないですね。

ありがとうございます。TECH::EXPERTでは、3週間で未経験の方が実際にプログラミングを始めるところから進んでいただいて、最終的にエンジニアとして転職をする、というテーマになっているんですけれども。例えば、TECH::EXPERTを受講し始めて、何ヶ月目くらいから転職活動を始めました?

就職活動を通してエンジニアが不足していることを感じた

有安:そうですね、3ヶ月経ったくらいですかね。基本的に10週間なので、早い人だとその10週間の間に、転職活動をもう済ませちゃって、11週目からは会社でという人もいるけれども、まるまる勉強してその後に、というパターンがあるので。

僕は経済的にも別に切迫はしていなくて、なるべく長く学びたいなというのがあったので、10週間以上は勉強して、その後1ヶ月くらい転職活動をして就職という感じでしたね。

植田:転職活動はそんなに大変ではなかったですか?

有安:そうですね、周りを見ていても、エンジニアが足りていないなと就職活動をとおして感じていて。なので、よっぽど高望みをしたりとか、範囲を狭めてでなければ、TECH::EXPERTに関しては、すんなり決まっていた印象がありますね。

植田:今、有安さんが働いていらっしゃる会社はフクロウラボという会社ですけれども、エンジニアさんの人数としては何人くらい?

有安:全体で5人で、業務委託も合わせて6人ですね。

植田:転職活動をする上で気にしていた、自分の中の選ぶポイントってどういうところですか?

有安:僕の場合はまず、いろいろ触れること。だから小さい会社のほうが良くて、いろいろ触れる。例えば、エンジニアってよく3種類に分かれるって言われますけど、機能を作るサーバーサイドと、画面を作るフロント、データベースなどをやるインフラ。

僕は全部やりたかったので、なるべく触れるところ。必然的に小さいところばかり受けていました。あとは、そうですね、ど忘れしちゃったんですけど(選ぶポイントは)4つあったんです。

植田:(笑)。そうなんですね!

有安:4つあって3つ忘れましたね。

植田:(笑)。

有安:なんですかね、でも、どれも大事だった気がする。ちょっとあとで思い出したら。

植田:この後、懇親会というか交流会があるので、気になる方は直接聞いてください。ありがとうございます。

キャリアカウンセラーとの信頼関係

野口:エキスパート(TECH::EXPERT)、転職活動……そうですね。TECH::EXPERTを受講しましたって言って、キャリアアドバイザーさんと自分の経歴書を書いて、「面接を進めましょうか」といって、どんどん進んでいった感じで。とくに苦労した覚えは、あんまり僕はなくて。

企業の方もエンジニアを欲していて、プラス、ここでちゃんと勉強をする意欲がある人だなという前提を、向こうも持ってくれているので、わりとポジティブな、最初からアドバンテージをもらった状態で、面接を受けているような印象でした。

植田:TECH::EXPERTだと、週に1回、外部から会社の方がいらっしゃって、就職活動や転職活動をされるときに、自分の強みだとか、こういう会社を選ぶというところで、キャリアカウンセラーの方と協力することがあると思います。実際、どうですか? 自分で選んでいったのか、頼りにしていたのか。

野口:僕は、CAさんに絶大な信頼を置いていまして、なんでも話している感じでした。なんでTECH::EXPERTを受けているのかとか、前はどう働いていて、今後はどう働いていきたいのかとか、いろんな話を打ち明けていて。その中で、僕の希望に添いそうな企業をたくさんレコメンドしてくれて、すごく満足のいくもの(会社)に入ったと。

植田:けっこう、今も仲良さそう。

野口:まあ、マブダチですね。

植田:(笑)。

野口:瀬尾さんっていう、みなさんがよく知っているやつでいうと、ミシュランガイドのビバンダムって白い雪だるまみたいなやつがいるんですけど。

植田:あー、ミシュランのですよね。

野口:そうです。あれを人間にした感じ。

植田:はいはい(笑)。なんとなくイメージしていただけたら。ありがとうございます。有安さんはキャリアカウンセラーの方と、けっこう仲が良いというか。

有安:そうですね。僕、秋森さんっていう別の方だったんですけど、みんな仲が良かった気がしますね。本当に親身になってくれたので。僕の場合、今いる会社の内定をもらって、行くっていう話をした時も、「ちょっと待ってよ、本当にいいんですか?」「ちょっといったん、立ち止まって考えてみてくださいね」みたいなことまで言っていただいて、親身になってやってくれていますよ。

自分が担当する範囲を狭めてやれば戦える

植田:結局、秋森さんの提案を押しのけて入社されたと(笑)。

有安:その時も、後ろ向きに「やめなよ」ということではなくて、「ちょっとしっかり考えてみてくださいね」って。たぶん、みんなに言っていると思うんですけど。

植田:就職ができたとしても、その後続かなかったりしたら意味ないので。

有安:そうですね。

植田:TECH::EXPERTを受講されてからの就職率は、95~96パーセントとけっこう高くなっていますけれども、ある一定層が、離脱じゃないですけれども、3週間勉強していく中で、どうしても連絡が取れなくなってしまったりする方もいらっしゃるんですね。

やっぱり、それだけキャリアカウンセラーやトレーナーの協力を得てやり切れる人は、実際、定職にも成功するんじゃないかなという印象が(あります)。すごく感想的な感じになっちゃいますけど、そんな感じです。

先ほども野口さんにちらっとおっしゃっていただいたんですけれども、実際に現場に入っての最初の印象は(どうでしたか)。TECH::EXPERTから実際に就職が決まった時、けっこう、ばしばしやれるんじゃないかなと思っていたのか、それともそうじゃなかったのか。

有安:そうですね。わりと最初からやれる気でいましたし、わりとやれたんじゃないかなと。僕の会社の場合はエンジニアが少ないので、なんでもやらされるし。エンジニアってコードを書いたら、それが良かったらレビューをしてもらって、それが良かったら通るみたいな文化というかシステムがあるんです。

うちの場合は、1人がレビューを出したら、ランダムで他の2人が選ばれて、その2人がレビューしてOKだったら通る、みたいな感じでやっているんです。ランダムに選ばれるんで、一番トップのCTOの書いたコードを僕がレビューしたり、書き直させたりとかもありますね。

そういう感じで全員、横一線みたいな感じだし、CTOも、僕も、っていう感じでやっているんで。ちょっと大変なところももちろんありますけど、最初のうちは、自分がやる範囲、自分が担当する範囲を狭めてやれば、どうにか、「この部分だったら有安が一番できるよね」みたいになってきてはいるので、工夫をすればぜんぜん戦えるな、という感じはしています。

植田:今、5人しかチームがいないので、できる人がやるしかないというか。

有安:そうですね。

1週間かかる仕事を1日で終わらせられた

植田:ちなみにお仕事の中身としては、今はどういったことをされていますか。

有安:言語でいうと、Ruby on Railsが一番多いですね。他の言語だと、生のPHPとCakePHP、あとはRubyのフレームワークでシナトラというのがあるんですけど、シナトラを触ったりだとか、JavaScript。

これも、デクリプトとかではなく、生のJavaScriptだったり、あとはコーディングスクリプトだけで書かれたレポジトリを触ったりしています。あとはインフラ周りを触ったりとかしています。

植田:なんでもやるって感じですね。

有安:そうですね。でも、やれる範囲は、先輩エンジニアのほうがぜんぜん広いので。いろんなタスクを取ってくるから、そこの対応力は、本当に先輩はすごいなというか、自分はまだまだだなと感じている反面、ここだったらやれるなという、とくにTECH::EXPERTだと、Ruby on Railsを習うんで、Ruby on Railsだとぜんぜんやれてるなという感じはしますね。

植田:もう入ってすぐ(プログラミングを)?

有安:そうですね、もう1日目からしていました。

植田:スピード感は確かにすごいですね。

有安:最初にすごく軽いやつを渡されて、30分くらいで終わって、その後に「1週間くらいかかると思う」というのを渡されて、それが丸1日かからずに終わりました。それで、なんか「TECH::EXPERT(の卒業)生はやるね」みたいな感じになっていましたね。

植田:1週間だと思っていたのが1日でできたって、すごいですね。よくできましたね。

有安:どうなんですかね。

植田:もともと知っていた知識だったんですか?

有安:いや、なんか、それはちゃんと作るやつだったんですけど、超複雑な計算とか必要で、詳しく言ってもあれかもしれないので言えませんけど。

植田:できちゃったって感じですか?

有安:たぶん、その辺は甘かったんじゃないかなと思うんですけど、そういうこともありましたね。

植田:けっこう、想定どおりじゃないですけれども、エンジニアとして入ってみてやれていると。

有安:そうですね。でも初心者なのに変わりはないので、自分の担当する範囲は狭める姿勢はちょっと必要だと思いますね。狭めれば深さが出るので、とは思います。

植田:できるところからやる。

有安:そうですね。自分も、社内での立ち位置というか場所を見つけるというか、動きは必要じゃないかと。(それが)あったほうが歩きやすいかなと思います。

植田:なるほど。ありがとうございます。