2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
VUIの未来(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
Yoshua Kishi氏:お願いします。ちょっと紹介いただいたところと、微妙に違いまして。技術的な話というより、ビジュアルユーザーインターフェースの未来がどうなっていくだろうかってところから、今日は話させていただきたいと思っています。
「意思決定にもたらす影響力」というところをお話しするんですが、まずは自己紹介をさせていただきます。僕はYoshua Kishiといいまして、ADHDという発達障害を持っている起業家です。自然言語処理のエンジニアでもあります。
本当は課題として持っていたのが、いわゆる「単語からの感情分析」をやろうとしていたんですけど、それがうまくいかないっていうのを発表しようとしてたんですが、こっち(意思決定にもたらす影響力)のほうが話しやすいということで、こっちを話しているという状況です。
専門としているのは、脳科学的であるとか、認知心理学というところを専門にやっています。今年のSXSWに出展させていただいていて、そこでホログラムの展示をさせていただいています。
会社はデラウェアという、アメリカ・ニューヨークのちょっと下にあるようなところで、会社を登記しているというところです。
やっている内容は、ホログラムのバーチャルアシスタントをADHDという発達障害に向けて提供している、というものをやっています。
ビジュアルユーザーインターフェースの話をする前に、いわゆるインターフェースの歴史みたいなところをちょっとお話できればなと思っています。僕ら人間がこれまでどうやって生きてきたか、みたいなところで話をさせていただくんですけど。
道具とか言語を発明して、絵を描いたり数字を発明したりして、コミュニケーションをどんどん進化させていったと。一番大きな変化としては、印刷の技術があるかなと思っていて。これは、いわゆる情報を拡散させることに大きな影響をもたらしていると。
いわゆる音声インターフェースも、人間はずっと音声でコミュニケーションをしていたんですけど、そこからテキストに変わっていったというところが大きな変化です。ここから思考が変化していって、物事の考え方が非常に大きく変わったタイミングだと思っています。
最近になって、1946年にENIACというコンピュータが初めて生まれてるんですけど、コンピュータの発明によって、より人間の考えるっていうところが拡大していったと思っています。
1984年の……ちょっとMicrosoftさんのところでこれを話すのはアレなんですけど(笑)。MacintoshがGUIのパソコンを出して。1984年に出したのは(メモリが)128Kくらいしかなくてちょっと微妙だったんですけど、いわゆる実用できるグラフィカルなユーザーインターフェースを普及させたというところで、人間の脳がどんどん拡大していったと。そういうタイミングだと思っています。
このあとにさらに、もっと革命的なことが起きていて。これがいわゆるマルチタッチのインターフェースを採用した、iPhoneというものになります。これまでのスマートフォンとは明らかに違うもので、これはなにかというと、人間が情報を処理する上でボタンというところはすごく意識を使うんですけど、こっちのマルチタッチのインターフェースは、ジェスチャーでできる。このジェスチャーユーザーインターフェースが、すごく革命的だったと。
そのほかにもFacebookであるとか、GoogleとかAmazonとか。いわゆるAFGA(注:Apple, Facebook, Google, Amazon)みたいなところが、どんどん人間の脳を拡大させている、というところです。
ただこれには僕は、すごく問題があると思っていて。この中で「ワーキングメモリー」というものがわかる人っていますか? 脳の前頭前野の機能の1つで、ワーキングメモリーというものがあります。日本語でいうと簡単に、ちょっと正確ではないんですけど、「短期の作業記憶」と呼ばれるもので。30秒くらい記憶されるものだと思ってください。
こいつがどんな処理をしているかというと……刺激がきます。まぁなにかしら、スマホで見ますと。その情報を取捨選択して、制御して思考して検索して、意思決定を行うと。必要があるものについては保存をする、という処理を行っているというものになっています。
ここに対して今でいくと、大量のプッシュ通知がくる。LINE、Facebook、Instagram、LinkedIn、Slackから、大量のメッセージがくると。スマホを開いたら、もうなんかすごくアプリがあって。
アプリのベンダーさんって、ものすごく人間を「そこに粘着させる」ことを考えているので。いわゆる非注意性盲目が効くんですね。非注意性盲目っていうのは、そこに集中してしまっていて……例えば僕、ADHDってスケジュールをよく忘れるんですけど、すごく集中しちゃってるんで、ここの周辺視野のところに意識がいかないんですね。そうすると、スケジュールがきて、「何時だから予定だよ」っていうのがSlackからくるんですけど、それをよく見落とすと。そういうことが起きてしまったりしている。
それで、アプリとかWebを開くと、大量の広告があると。つまりは、ワーキングメモリーの上限を明らかに超えてきている。情報がありすぎる、ということが起きている中だと思っています。
とにかくこれまで先人たちが行ってきたことっていうのは、「情報処理の再定義」を行うことっていうのをずっとやってきています。iPhoneがインターフェースを発明したように、人間の脳はどんどん拡大していったと。ただ、そこには問題があるので、僕らも再定義を行わなきゃいけないと考えています。
そこで登場してきたのが、僕はInternet of Voiceだと思っています。いわゆるボイスのユーザーインターフェースが、これを変えてくれるんじゃないかなと思っています。
1つは、情報のインプットの形態の問題で。例えばAlexaとかに話しかけると、そこに「話しかける」っていう、いわゆるウェイクアップワードが発生するんですけど。このウェイクアップワードっていうのがすごく良くて、1つの機能に集中する状態で話しかけると。なので、こっちもすごく情報を欲しい状態で聞いてるから、そこに意識がちゃんと向いているところがあるので、この情報意識が大きく変わってくるところの、まず1つですと。
2つ目が、これはちょっとおもしろいかなと思ってるんですけど。これは僕の、あくまでも妄想なので。実際に、これがどのタイミングで実現するかっていうところはあるんですが。
意思決定が自動化していくんじゃないかな、と僕は考えています。これはなにかというと、例えばUberとLyft。「タクシーを呼びたい」となったと。これはべつに、どっちでもいいじゃないですか。早く行きたいのか安く行きたいのか、いいサービスを受けたいのかみたいなところは音声で入力するとして、例えば「六本木まで早く行きたい」。それで、早く来るのはUberなのLyftなの、っていうのはAlexaが勝手に判定してくれればいい。
みたいなことが起きて、べつにUberで頼んでもLyftで頼んでもいいから、勝手に頼んでくれ、という意思決定の自動化が起きると僕は思っていて。このインパクトが、Amazonがちょっと起こしてきそうだなっていう怖さがあるなと。いわゆるECとの連携で、どの業者で買ってもいいから、ある特定のパラメータを入れるとそのパラメータどおりの商品を届けてくれる、ということが起きるんじゃないかなと思っています。
ということで、とにかくボイスのユーザーインターフェースで、僕らは情報処理をまた再定義すべきときなんじゃないかな、と思っているということです。これをやるには、歴史もそうですしテクノロジーもそうですし、アートだったり認知心理学、脳科学っていうのを学ばなきゃいけないなと思っています。このボイスのところをやっていく方々もいらっしゃると思うので、その辺一緒に学んでいきましょう、ということでございます。ありがとうございました。
(会場拍手)
関連タグ:
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
2024.12.09
10点満点中7点の部下に言うべきこと 部下を育成できない上司の特徴トップ5
2024.12.09
国内の有名ホテルでは、マグロ丼がなんと1杯「24,000円」 「良いものをより安く」を追いすぎた日本にとって値上げが重要な理由
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.12.10
職場であえて「不機嫌」を出したほうがいいタイプ NOと言えない人のための人間関係をラクにするヒント
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.06
嫌いな相手の行動が気になって仕方ない… 臨床心理士が教える、人間関係のストレスを軽くする知恵
PR | 2024.11.26
なぜ電話営業はなくならない?その要因は「属人化」 通話内容をデータ化するZoomのクラウドサービス活用術
2024.12.11
大企業への転職前に感じた、「なんか違うかも」の違和感の正体 「親が喜ぶ」「モテそう」ではない、自分の判断基準を持つカギ
PR | 2024.11.22
「闇雲なAI導入」から脱却せよ Zoom・パーソル・THE GUILD幹部が語る、従業員と顧客体験を高めるAI戦略の要諦