2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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橋下徹氏(以下、橋下):でもこれ吉村さん、都構想の戦略チームのリーダーを務めてもらって、そんときの状況ってどうだったの?
吉村洋文氏(以下、吉村):いやもう、本当にブラック企業そのものでしたね(笑)。
橋本:だってひどかったでしょう?(笑)
吉村:ひどかった!(笑) 本当に全員が一丸となってやってましたからね。でも僕、市長とかいつ寝てるのかなと思いましたよ。
例えば、2時にメール打ったら4時に返ってきたりとか。それでもう、朝から活動してるじゃないですか。だからいつ寝てんのかなと。
橋下:僕、細切れで。
松井:分けて寝れんねんね。
橋下:そう。本当に5分、10分ぐらいに細切れで寝れるから。
この間の土曜日に子供の運動会行ったんだけど、うち4人小学校にいるから毎回誰かプログ出てるんだけども、2学年分だけ子供が出ないわけ。その間寝るから。そんなこと言ったらまた友達のお母さんに怒られちゃう。
吉村:目つぶってるだけですよね。
橋下:目つぶってるだけ。でもそれぐらいの短時間でも細かく寝れるんだけど。でも、あの都構想の戦略チームの働きぶりは本当にすごかったですよ。
吉村:あれは本当にみんな一丸となって、何とかこの都構想を実現して大阪良くしたいっていう思いで一丸となってやってましたからね。だから僕は、17日(の住民投票)終わって国会議員の生活ってのは本当生ぬるいですね。
橋下:だってもう、その当時ありとあらゆることが全部「吉村チーム」っていうふうになって吉村さんのところに行って。
資料の整理から戦略組み立てまで全部やって、最後僕らの幹部会議のところに持ってくるわけじゃないですか。あの作業の量たるやすごいものだと思いますね。
僕と同じ、大阪市の北区の同じ地域の法律事務所があるんで。うちの法律事務所の事務員がときたま見かけるらしいんですよ。
うちの法律事務所の事務員は夜に見かけたときに、吉村さんスリッパ履いて何か前方のほうをずっと見つめながら歩いてたっていう……。「大丈夫ですかね?」って事務員から電話かかってきて。相当疲れてるんだなと思って。
吉村:いやでも、本当にあのときは充実してましたし良かったと思います。ただ結果が出なかったですからね。やっぱりそこは僕もすごい反省というか。
松井:でも69万。結果としては否決やったけど、やっぱりこれはすごく期待をしてくれたと思いますよ。
橋下:だってあの状況の中で、負け惜しみじゃないですけど、あすこまで行くことはあり得ないんで。これいつも知事も言うけども、僕らはもう真正面からぶつかっていって。
都構想だけで住民投票で勝とうと思ったら、あんな大阪維新の改革やんなくてもいいわけですよ。反対の声が上がるようなことばっかりこの4年、5年、6年やってきたわけじゃないですか。
自民党だっていろんなこと言ってるけども、自分たちは結局手をつけられなかった高齢者優遇の地下鉄、バスの敬老パス、完全無料なんて全国でないわけですよ。東京でも名古屋でもみんな一部の負担をもらってるのに。
誰もがここ改革しなきゃいけないっていうところも全部先送り、大阪市議会。それから水道料金も高齢者の方に対して基本料金を免除するとか、こういうのも全く手をつけない。全部先送りっていうやつを全部手をつけていって。
松井:その免除してる部分ってタダじゃなくて、結局税で違う人が負担してるんで。だからそこはもう、非常に不公平になってきてるわけやな。
橋下:それで高齢者の方にかなり反発はくらったけれども、でも真正面からありとあらゆる改革に取り組んで、大阪市内中から反対の猛嵐が吹いてる中で、あそこまで市民のみなさん、この都構想に理解してくださったというのはありがたいし。それは吉村さんらのメッセージが伝わってると思うんだよね。
吉村:これから新たな制度とか新たなものに取り組むときってみんな不安じゃないですか。何か人間の脳ってそうできてるみたいですね。何か新たなものに挑戦するときに拒絶反応を示す。現状維持のときに安定するらしいんですけど。
だから新たなものに取り組むのって本当に基本は拒絶から入ると思うんですけど。ただ、ああいう大阪市から新たに大阪都をつくって特別区をつくる。まだ見ぬ制度に一歩踏み出すっていうことに69万の人が賛成してくれたっていうのは、大阪の民主主義もすごいなって思いました。
だからもうあれは100万票の時代じゃないやろうなと。ちゃんと中見て、投票率を見ても。あと一歩でしたけど。
橋下:でもこれで次、また大阪のいろんな改革にも挑戦してもらうんだけれども、都構想にも挑戦してもらうと。
その際に僕がやってきたやり方とかを見て、やっぱりここは正していこうと。やっぱり僕も誤ってるところとか問題があるところっていっぱいあったんで、「自分はこういうふうにやっていこう」とか何かそういうところはどうですか?
吉村:ありますね。結構近くで仕事もさせてもらってたので、本当に突破力、実行力、発想力がすごいなって思うんです。永田町の政治家にも絶対いないと思いますよ。
僕自身はもう普通の凡人ですんで、真似するのはやめようと思ってるんですよ。市長のやり方を真似してもやっぱりできないものはできないですから。
松井:まあ、お人柄が違うから。
吉村:ただ、その理念とか政策っていうのは本当に一緒なので。僕はやっぱり協調とか話し合いとか粘り強く合意形成していくっていうのは大事にしていきたいです。
もともと市議会議員出身なので、いろんな人の話を聞いて修正するところは修正したり反対の人の意見もしっかり聞いて、できるだけ合意形成に努力をしていくと。そういうやり方で政策を実現していきたいなって思いますね。
橋下:やっぱり人柄の部分ですよね。幹事長、正直に言ってくださいよ。
松井:人柄。吉村さんの?
橋下:そうそう。僕と比べて。
松井:いや吉村さんの人柄は、それはもう100人おったら99人までが「吉村さん人柄いいね」って。
吉村:絶対嘘っぽいじゃないですか。
松井:100人の中に奥さんのような人がいて、「いや私はやっぱり橋下さん」と。こういうのはあるやろう。
橋下:奥さんってうちの? いやうちの妻も吉村さん。
松井:あ、吉村さん。ああ。
橋下:会えばそうなるし。この間一緒に知事のパーティーに行ったでしょう? だから行ったときも「何かやっぱり橋下さんよりもいいわ」っていう声がすごい出てたらしくて。優しそうだし。
吉村:いや、でもなかなか難しくて。いろんな人から意見聞くんですけど、やっぱり「頼りない」とか「線が細い」とか……しっかり軸持ってやる思いはあるんですけど。
橋下:それはそうや。この年で法律事務所構えて経営してるんだから。
吉村:まあ頑張って本当に正面突破でいきたいと思いますけどね。精神的支柱がありますから。
橋下:僕はそんなあれにならないけど(笑)。
橋下:でも相手方というか、自民党の柳本(顕)さんが「対話と協調だ」とか言うんだけれども、もちろん僕に欠けてた部分あったかもしれないし、吉村さんはそれができる人なんで。
松井:いやあれ、協調って言うけど、一番大事なんは大阪府と大阪市で協調することで。今大阪府と大阪市が100年戦争と言われた中で、この4年間一番協調してるんで。
議会と協調というのは、もうちょっと違う言い方するとなれ合いになってまうと。これがちょっと勘違いしてるん違うかなと思う。
一番協調せなあかんのは大阪府と大阪市。議会とはやっぱり緊張関係持って。何でもかんでも対立という形は良くないけど、なれ合い、ぬるま湯、もたれ合いのそんな感じでなあなあになったら、これはダメやと思いますよ。
吉村:話し合いとか協調とか大事だと思うんですけど、これはやっちゃいけないなって思うのが、選挙のときの談合は絶対やったらあかんわけですよ。
特に今回、自民党、共産党は一緒にやるっていう話じゃないですか。労組にも支援を受けますかっていうのありましたらむにゃむにゃ言ってはりましたけど。
だからやっぱり、選挙のときに理念とか政策が正面から違うところと組んで選挙をするというのは、協調ではないと思うんですよ。だってそれ終わったあとに、「じゃどういった改革できるんですか?」っていうのもできなくなりますからね。首根っこつかまえるような形になりますんで。
選挙が終わったあとに違う会派、違う反対意見の人と協調してやっていくのは大事だと思うんですけど、選挙前に受かりたいがために自分の理念とか考え方が違うところと何とかうまくやってやろうと数合わせしてやろうと。
もちろんそれは選挙は強くなるんですけど、でもそういうことやってると日本の政治とか大阪の政治は絶対良くならないと思うので。「そこは違うんじゃないの?」っていうのは言っていきたいですけどね。
橋下:結局自民党も民主党も共産党から全部そういうことで「話し合いだ。協調だ」と言って、結局なれ合いになってぼろぼろになったのが大阪府政、大阪市政じゃないですか。
だから自民党の柳本さんは対話と協調だって言うんだけども、彼が協調しようとしてるのは共産党とか。そこと協調してどうすんですかと。あれだけ激烈に対決でやってる安保法制で。そこで協調だと。
それで柳本さん、対話と協調って言ってるのに、維新に対しては徹底的に対決姿勢なんで。
松井:だから身分の話に。やっぱり僕らが言ってる制度を変えるいうのは身分の話になってしまうんで。そこに直結するから、どうしてもそこだけは了解できへんのやろうね。
この間テレビで見たけど、もう70年間柳本家がやってるんでしょう? だからやっぱりそれは完全に身分っていう話になってくるんで。
そこを根本から変えられるっていうことに対してはもうアレルギーというか、拒否反応ということになるんやろうね。
吉村:政治家が身分で自分たちで談合政治したら強いですからね。自分たちで決める最終権限あるので。やっぱり選挙談合とかそういう身分的なところで談合するっていうのは最終的に誰がババ引くんかっていう話やと思うんですよね。
結局府民とか市民とかあるいは選挙行けない将来世代とかがババ引くっていう話なんで。それずっとやってきた結果がやっぱり維新が生れるまでの政治やったと思いますんで、それがゆえに維新が生れたのかもわからないですけど。そういうのはもうやめにしようっていうのも言いたいですけどね。
お互いちゃんと理念とか政策とかしっかり主張し合って最後有権者に判断していただいて。それを僕ら尊重するの当たり前な話なんで。そういうふうにならないと良くならないと思うんですけどね。
橋下:今回の選挙はいろんな政策論争をしなきゃいけないんだけれども。やっぱり過去に戻すのか。
僕らも100パーセント完璧じゃないし、間違ってたところもあるだろうし、僕のやり方で修復しないといけないところもたくさんあるとは思うんだけれども、そこは吉村さんにやってもらうと思います。
「過去に戻してはならないでしょう」っていうのが1つ大きなテーマになるのかなと思うんですよね。
吉村:過去の大阪の政治は本当にひどかったですからね。職員の公文問題にしても然りですし、天下りにしても然りですし、だいぶメス入れたじゃないですか。やっぱりそれは労組や共産党員に支えられて選挙しちゃうとすればそうなると思うんですね。
結局誰がババ引いてるかといえば市民、府民です。そういうのに絶対戻してはいけないと思いますね。過去の古い政治とかにもう絶対戻したらいけない。今度それが大きな争点になると思いますけどね。
橋下:吉村さんの人生も振り返りながら、これで吉村さんの熱い思い、どういう人なのかっていうことが十分伝わったと思うし。
やっぱりここまで覚悟してやってくれる。法律事務所を経営して生活も安定しているのに、あえてしんどいところに飛び込んでくれて。
これは振り返ってみると常にそういう人生の繰り返しで。しんどいところ、しんどいところにあえて挑戦するということも伝わったんではないのかなと思うので。
松井:(過去の)大阪がどうやったのか、もう1回振り返ってみなさんにわかっていただきながら、
橋下:それで今後どうするか。
松井:そうそう。4年間僕らは都構想しかやってないと。今、議会でも、「橋下、松井は都構想にかまけて大阪府、大阪市、その間にぼろぼろにされた」とか「経済は悪くなった」とか「教育環境が悪くなった」とか。
議会のときはこっち言い返されへんから、向こうから言われっ放し。言いたい放題言われるんで……1回この4年間をどんだけやってきたか。
橋下:ちょっと総括をさせてもらって。
松井:恥ずかしながら、ちゃんと言わせていただこうと。自慢をさしてもらう。
橋下:ということで、じゃ第1部の吉村さんの人となりのところは第1部終了ということで。
松井:はい。人柄は吉村のほうがいいです。
(一同笑)
橋下:みんなわかってるでしょう。
吉村:頑張ります。
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