CLOSE

「学び合う組織づくり」の超・実践100のツボ(全2記事)

2025.03.31

Brand Topics

PR

日本のリスキリングが「工場モデル」に陥る理由 専門家が語る、学ばせない企業と学ばない個人の背景

提供:株式会社パーソル総合研究所

日本の「リスキリング」ブームはどこから来て、どこに向かうのか。『リスキリングは経営課題』の著者・小林祐児氏が「パーソル総合研究所 Think Forward 2025 春」に登壇し、最新の知見を語りました。ほとんどの企業が持続的な「学びの風土」をつくることに苦慮している昨今。リスキリングの識者が語る、日本人ならではの「学ぶ方法」とは? 小林氏が実感した課題や弊害をもとに話します。

社会課題化する「リスキリング」について解説

小林祐児氏(以下、小林):パーソル総合研究所の小林です。よろしくお願いします。

「Think Forward」も定番化してまいりまして、「トップバッターは何かな?」と思いきや、人材開発、人の育成とラーニング領域です。「リスキリング」という言葉が社会課題化しているわけですけれども、それについてもう少し、実地的なお話などの背景を1時間ほどお話しさせていただこうと思います。

あらためて自己紹介になりますが、もともとは社会学をやっていた人間でございます。実は経営学部に入ったんですが、「経営学はなんておもしろくないんだろう」と思って、社会学に鞍替えしました。

その中で、まずはNHKさんで世論調査をやっておりました。その後はマーケティングリサーチをやっておりました。

そしてここ10年ほどは、パーソル総合研究所で労働・組織・雇用に関して、いろいろなテーマで調査してまいりました。先日もスキマバイトなどを調査しました。お使いの企業の方もいるんじゃないでしょうか? 最近はもっと身近なところで、カスハラや不祥事、不正なども調査・研究してきました。

2024年は、『罰ゲーム化する管理職』という本を書かせていただきました。これが一番反響をいただいて、「なんて品の悪いタイトルの本が売れるんだろう」と思いましたけれども、「管理職の負荷があまりにも高すぎませんか?」みたいな話をさせていただいております。

実はその前の年に『リスキリングは経営課題』という本を、光文社さんから出させていただきました。ちょうど「リスキリング」が世の中的に話題になりました。

みなさまの中でも恐らく、「あらためてうちの人材育成、DXみたいなことが足りなくないか?」と話題になったんじゃないかなと思いますが、そのタイミングで、『リスキリングは経営課題』という本を書かせていただきました。

なぜ「学び合う組織づくり」をテーマにしたのか?

小林:最初は、この本でどういったことを書いているかをご紹介したいと思います。イントロダクション的に「Think Forward」の1発目が、なぜ「学び合う組織づくり」なのか? というところです。

今を遡ること2年半前ぐらいに「リスキリング」ということがみなさまの耳に届いたと思います。2022年の10月に岸田(文雄)さんが、「5年で1兆円を使って、リスキリングを推進していきますよ」という時です。Google トレンドには、みんなが「『リスキリング』って何?」と検索した跡が残っています。

この時、同時に忘れ去られたのが「リカレント教育」「生涯学習」ですね。もはや記憶の彼方になりつつありますが、リカレントは文科省で、リスキリングは経産省みたいに、単純に管轄の違いがあったりするんですが。

その時にちょうど、私も登壇させていただいた日経新聞さんのリスキリングサミットが盛り上がった。その後は、私も本を書きましたが、リスキリング本や独学本がたくさん出ました。

リスキリングブームの到来が2年半前で、今はブームが1周しました。私もその後から本当に何10社も、下手をすると何100社も、学びについて議論してまいりましたが、「現在地はどうだろう?」ということですね。

こちらは前のデータになりますが、例えば企業の人材投資額です。経産省も出しているので有名なグラフですが、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスと日本を比べたものです。OJT以外の人材投資、つまり「Off-JT」への投資が非常に少なそうだな。かつ、減っていることがわかるのが左側のグラフです。

人材投資額を比べるのは、実はすごく難しいことをしているんですが。とはいえ減っているし、少なそうだなということは一目瞭然ですね。

結局、日本人は「学ぶ」ことが少なくなった

小林:そして右側は、パーソル総合研究所が実施したグローバルの調査です。読書も含めて社外学習・自己啓発を「何も行っていない人」の割合ですね。平均からトリプルスコアぐらい差をつけて、日本が52.6パーセントです。

我々は調査・設計した側なので、「読書」「大学院」「セミナー」「勉強会」などを並べて、最後に「何もやっていない」という選択肢を付けるわけです。それをわざわざスルーして、「自分は何もやってないな」と思った人の数です。見事に何もやっていないですね。

これだけ真面目で勤勉と言われる国が、大人になった途端に本も読まなくなることを、どのように考えるか。「この国でリスキリングはなかなか難しそうだな」と思っていたら、やはり最近のデータを見ても下がってきていることがわかります。

この「何もやっていないです」が、1970年代からのデータを確認しても徐々に増えていっています。自己啓発系をやっている人の割合はだんだん減ってきています。

これは意識調査系なんですが、博報堂さんの生活定点の調査から持ってきました。「読書をよくしている」が、1998年は29.3パーセント、2024年は14.5パーセント。これは「本」というメディアの衰退もあろうかと思いますが、読書習慣そのものがかなり怪しいです。
最近のベストセラーでありましたよね。三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んだ方はいますか? いいタイトルだなと思いましたけど、まさにあれです。

「いくつになっても学びたいものがある」。これも広い意識的なところですが、53パーセントぐらいだったものが、36パーセントまで落ちました。もうすべての年代で落ちていっております。

「リカレント」「生涯学習」「リスキリング」と言葉を変えようとも、結局日本人は学ぶようにならなかったのがここまでです。みなさまの従業員も、恐らく日本人の方は多いと思いますが、学ぶ従業員の数が自然に増えていく状態には、なかなかならなそうです。

リスキリングの「工場モデル」における弊害

小林:その中で、私もいろいろな本や言説を見てみて、リスキリングがどう語られているかを見てみました。巷の議論というか、経営者を含めて多くの人が考えているリスキリングを、私は「工場モデル」と呼んでおります。

例えば、「自社でこういうスキルがある人が何人欲しいよね」みたいなことを割り出すとします。「不足しているスキルを明確化せよ」「それを人手不足、人材不足のポストに当てはめていけばいいだろう」と。つまり、ポストへのはめ込みですね。

ベルトコンベア的に必要なスキルを明確化し、注射を用意して、スキルを注入して、ポストに当て込む。「それでやる気が出るだろう」みたいな議論ですね。経営者の方と話したり、特にマクロ的に経済を見ている方と話したりすると、こんな頭でリスキリングを考えております。

私はこれを無茶だと、3年間ずっと批判してきました。何が無茶なのか? 欠点があります。まず、「スキルの明確化」と簡単に言う人がたくさんいるんですけど、非常に難しいです。

10年後、みなさまの会社にどんなスキルの人が何人必要か? 「えいや!」で明確化はできますよ。それ、合っていますか? まず確かめる人がいません。

そもそも、自社でDXがどのくらいうまくいくか、生成AIがどのくらい発達するか、みなさんわかりますか? わかれば明確化できますよ。実務的には特にできないです。それが難しいです。

あとは「学びっぱなし」ばかりです。これは研修会場でもよくありますよね。本日もそうです。いろいろご説明差し上げますが、活かしますか? という話ですね。研修会場と職場は、まったく空気も何もかも違いますよね。「スキルの発揮」について、何かスキルを注入したら発揮してくれるように考えるのはけっこう難しいです。

そして最大の欠点は、先ほどの問題です。「学びの動機付けって、この程度でできます?」という話です。みなさん、自分のキャリアにどんなスキルが必要かを薄ぼんやりと、わかっていませんかね?

私であれば、例えばビジネス英語をペラペラしゃべれたら、キャリアがもう少しいいところへいくんですが、そんなことは15年前からわかっております(笑)。何回も挫折しております。

リスキリングブームを経て、出てきた課題

小林:「不足スキルを明確化すれば、人がやる気になる」と考えるのは……私がいつも例えるのは、教室に「なりたい生徒像」を書いて授業表を貼っていれば、生徒はやる気になると思っている先生と同じようなことです。そんな人、教育現場にはおりません。

なぜか、でもこのレベルでリスキリングを考えている人がすごく多いなと思って、「これはまずいだろう」と書いたのが先ほどの本です。結局、会社側はリスキリングブームを経ても、eラーニングで何を入れようが、学んでほしい人ほど自発的に学ばないし、学ぶ機会を用意したって活性化はしませんし、結局変わらずに挑戦できない職場が維持され続ける。

一方で従業員側は、だいたい「時間がない」と言い出します。ちなみに「時間がない」はあんまり信用しないでください。例えば、「あー、学んでないな、最近」と思っている方に、私がアンケートを用意します。

「なぜあなたは学んでないんですか?」と聞く時、だいたい私は選択肢として「時間がない」「忙しい」「学び方がわからない」などいろいろ書くわけですが、みんな言い訳を探し始めます。「俺、時間がないんだ」。これは言い訳です。

実際、残業時間と学んでいる時間は比例いたしません。何なら残業時間が40時間ぐらいの人が統計上は一番学んでいますね。残業時間ゼロの人はほとんど学んでおりません。非正規雇用もそうですね。

「時間がない」は、話半分ぐらい。確かに60時間、80時間残業していると、さすがに減ってきているんですが、多くの方にとっては、あんまりこれは関係ないなと思います。

あと、「何を学べばいいのかわからない」「腰が重い」ですよね。リスキリングブームを経ても、むしろリスキリングで何かやってみたからこそ、こんな課題感が出てまいりました。

他者の存在こそがリスキリングの鍵になる

小林:そろそろ研究っぽいことをお話しすると、大人の学びの理論はたくさんあるわけです。大人の学びは一言で言えば、学校の学びとは違います。何が違うかというと、我々はテスト勉強のために学んでおりません。

国語で90点を取るために、我々は大人になってから学ぶわけではないですよね。なので、成人学習の理論の多くは、いかに他者、他の人と学び合っているかを、いろいろな角度からモデル化してきました。

「実践共同体」「目標伝染」「社会的学習理論」。まさに他者からどう刺激を受けて、我々大人は学んでいるのか。そういったことが、さまざま積み重ねられてまいりました。

もっと簡単に言えば、「発想の転換」がかなり必要です。工場モデル的に、個別にスキルを注入して、それでスキルを発揮してもらうみたいな発想から転換しないと、恐らくリスキリングブーム、そしてみなさんの人材開発予算は、5年後ぐらいにどうなっているでしょうか。

リスキリングの中心には、私は「他者」がいるとずっと言ってきました。「スキル」を中心に置こうとするのが工場モデル。実際に大人の学び方を考えてみれば、そうだったじゃないですか。

新人の頃、みなさんは何をやりましたでしょうか? 先輩の真似をしましたよね。クライアントの真似をしましたよね。イケてる上司の真似をしましたよね。模倣だったり、真似だったり、観察をしていた。

そして、だんだんレンジが上がってくると、「教え合う」ようなことをする。教育係、メンター、指導、教育、フィードバック、支援活動など教え合ったりする。

「ハートに火を付ける」ことは難しい

小林:そして、そもそも我々は、自社で使えるノウハウとか知識を作り合っていませんか? 「生成AIって、うちの人事でいえば何に使えるんだろうね?」と話した方、いますか? あれはまさに「作り合い」です。

どこの教科書にも、どこのWebサイトにも載っていない、自社ならではの使い方とか、自社ならではの開発研究を、職場の中で作り合っております。

そもそも人は目標や動機付けみたいなものを、人から影響を受けて高め合ったり、逆に言えば下げ合ったりもいたします。こういう他者の要素は、リスキリングの議論においてなぜか忘れ去られがちです。なぜかというか、個人化した社会の成れの果てという感じもいたしますが。

やはり「個」を対象として、「個」を発想のベースとして考えられがちですが、「いや、もう少し他者のことを考えましょう」。それがあの本の言っていることです。

動機付けのお話が出ましたので、よくある議論をします。動機付けのことを、「ハートに火を付ける」と言います。「うちの従業員、なかなか学んでくれないんだよね」「なんかやる気スイッチを押してくれないですかね?」と、私もよく相談を受けるんですが、いや、それは無理でしょうと。

個別に用意されている、みなさんのやる気スイッチを、私が1個1個押していくのは相当難しい。独立した1本1本のハート、つまりろうそくに1本1本火を付けていく。これ、心理学的には「内発的動機付け」と言いますよね。この議論、みんな大好きですね。私は社会学ベースなので、別にぜんぜん好きでもない発想なんですが。

やりたいこと、成し遂げたい仕事、進みたいキャリア。そうしたものを動機付けの根っこに持って、「キャリアアンカー」とか言いますよね。根っこに持ってみんな学んでいくのは、まあ確かに美しい絵ですよね。1990年代以降、ずっと内発的動機付けはブームですが、これ、難しくないですか? どうやっても難しい。

一人ひとり個別のろうそくって、みなさん「キャリア自律」とか言っていませんか? 「ダイバーシティ」とか言っていますよね。「それぞれですよね」って言っていませんか? そのろうそくに1本1本火を付けるのを、組織マネジメント側がコントロールするのは激ムズだろうと私は思います。かなり困難です。

もちろん、やりたいことや学びたいことがある人は、そのまま突き進んでいただければいい。でも恐らく、みなさんが何かやらなくても学ぶ人ですね。10人に1人ぐらいだなと思います。

同調圧力を利用した「炭火型」のモチベート術

小林:なので、発想の転換です。ろうそくとして、個々が独立しているように見えるんじゃなくて「炭火型」。キャンプをやる方は、キャンプファイアーの、あの炭火を思い出していただければいいんですが、集団単位の「もらい火」的な動機付け。恐らく日本人の意欲の押し上げには、こちらが有利だろうと思っております。

なぜかと言うと、日本人はものすごく「個」が弱いからです。だからこそ、「教育改革だ」みたいなことをよく言われて、「個性の時代」「らしさの時代」「自分らしさ」みたいな時代になりました。

だけど自己肯定感は上がりましたかね? みなさんの従業員の個性は、15年前と比べて育ちましたか? 残念ながら、多くの会社は育ってないと思います。

でも裏を返せば、人からの影響は受けやすいと。「個」が確立していないからこそ、もらい火は受けやすい。いわゆる同調圧力です。同調圧力は、だいたいネガティブなことに使いますよね。組織マネジメントを考えるに当たっては、あれは活用すべき特質です。

だからこそ、他者からの「もらい火」的動機付けにある種、「周りがやり出したから、俺もやらなきゃいけないかも」「周りはこんなにやっているんだ」みたいなことを、空気を読み合いながら、結果、学び行動に引きつけられる。こちらがたぶん早くて効率的。そんな議論です。

「コミュニティ・ラーニング」。いわゆる人と学ぶ、いろいろな形態がありますよね。グループディスカッションやグループワークもそうですね。登壇側に立って見るのもそうです。勉強会、読書会などさまざまありますが、やはり6割ぐらいはその経験もございません。

でも、1個でもあると、学習意欲が低かろうが高かろうが、学習時間は2.4倍~2.8倍になっておりました。意欲が高かろうが低かろうが、内発的な動機を持っていようが持っていまいが、人と絡ませると、まあまあ勉強するようになる。それが日本人だということです。

「コソコソ勉強」では組織全体に火が付かない

小林:逆に言えば、この国は15歳まで異常に学ぶ国ですから、学力の高さは異常値ですよ。なぜか? 教室があったからじゃないですか? みなさん、落ちこぼれに思われたくないから勉強した方々じゃないでしょうか?

でも、あの箱がなくなった瞬間に、結局1人で立って、何かやりたいことに対して学んでいくような「個」は、残念ながら今のところは育っていないです。今後育つかどうかは微妙だなと思っていますが、それは懇親会にでも話しましょうか。

これだけバラバラになってしまうので、日本人は勉強したとしても、「コソコソ勉強する」という習慣があります。みなさまは、自社の社員がどのくらい勉強しているか、そもそも把握できておりません。コソコソ勉強しているからです。

何の本を読んでいるか、どんな勉強会へ行ったか、どんなセミナーへ行って何に興味があるかを、職場で話す人なんてあんまりいないからですね。恐らく人によるという話でしょうけど。

同僚、上司、その他社内関係者。上司にだって、「いや、最近こういうのを学んでいて、こういう本を読んでおもしろかったんですよ」と言う人は10パーセントぐらいです。そもそも5割が学ばなくて、その5割の中の10パーセントぐらいは黙って独学します。だから独学本が売れるんですよね。

「そうか、DXが必要か」「生成AIね。なるほどね」「はい、統計学か」と言って、だいたいみんなやるのは、テキスト本を買ってきて1人で勉強。もしくは最近だと、YouTubeで動画を検索して1人で観る。あれは続かないですよ。やる気がある時はやるんですが、なかなか続かないし、組織全体には燃え広がらないです。

なぜ「人と人とのつながり」には限界があるのか

小林:もう少し言いましょうか。社会学の考え方に「社会関係資本」があります。最近、人事業界は「人的資本」ですね。あれ一色ですが、それと同じくらいの時期に、社会関係資本、つまり「人と人とのつながり」みたいな概念が出来上がりました。

その議論を引用すると、実は社会関係資本って……例えばマッチングアプリをやったことがある人はいますかね? いや、手を挙げにくいですよね。ああいうふうに、ゼロからインターネットで「気が合う人、だーれだ?」と探すのは、けっこう実は難しいんです。

「だーれだ?」という選択ができるようでいて、実は向こうも選べるので、コミュニケーションがあまりにも「選び合う」という関係だと、人の絆はなかなかできないです。そんな議論がございます。

なぜかと言うと、選択には「条件」がつくからです。例えば、マッチングアプリのお話を続けますか。「気が合う」「趣味が合う」「お金持ちである」「背が高い」みたいな属性を並べますよね。

でもその人が、背は低くならないけれども、稼げなくなりました。趣味を辞めました。選択的だと「さようなら」になっちゃうわけです。人と人のつながりって、実はそういうふうに、「気が合う」「~だから」という条件をつけちゃうと、消失しがち、長続きしないことが言われます。

つまり、「絆」には腐れ縁的な、非選択的な要素が必要。「何だかんだありつつも、あいつは最後まで味方だよね」という無条件性が必要。こんな議論がございます。

日本人ならではの「社縁」が重要になる

小林:日本が持っている社会関係資本のリソースは「社縁」です。我々は知縁も薄いし、血縁も薄いし、宗教縁も薄い国に住んでおります。唯一強かったのが社縁です。なので、職場内恋愛が非常に多い国ですね。だんだんそれが減ってまいりました。

なので、私は先ほどの「もらい火」「コミュニティ・ラーニング」みたいな話と「社縁」の復活は、けっこう期待しております。そんな話です。参考的でしたけれども、コミュニケーションは、「みんなで仲良くやりましょうよ」と言ったって、なかなか仲良くなれない。選択的になってしまっているからですね。

例えば今日もそうですね。うちの代表の萱野のあいさつの中で、参加者同士の名刺交換の時間がありましたよね。たまたま座席が前後左右になったからです。みなさんは選んでないですよね。実は人と人とのつながりって「選んでなさ」みたいなことが重要だったりする。

その「学縁」、学びの縁を通じた社縁の復活みたいなことも、いろいろ考えられますよね。「どうも部門同士のコミュニケーションがうまくいっていないな」「テレワークで懇親会が減ったよね」「他部門の人がぜんぜんわからなくなっちゃいました」ということにも、実は学びはすごく使いやすいです。選択的ではないけれど、例えば「生成AI勉強会に集まった人たち」だからですね。

だからこそ、まとめると人材開発のあり方はこうです。現場での学び、OJTは今までもこれからも重要です。ただOJTは「今、目の前の仕事に役立つ学び」で止まりがちです。人材開発部に異動したあとに研修のやり方やノウハウを覚えて、一人前になったら止まるのが日本人の学びです。

技能伝承的な意味合いが強いし、実は人事から職場外の領域はコントロールしにくいんですね。考えるべきは職場外のOFF-JTの領域を、いかにただただ単発の研修をやらせるだけじゃなくてネットワーク化するか。

そして職場外の学びは、目の前の仕事以上の学びです。「使えるか使えないかはわからないけど、いったんAIいじれるようになっておこうか」「デジタル領域ってそもそもどんな領野が広がっているんだろう」みたいなレベルです。これからの組織の未来には、もっと職場外の学びをネットワーク化することが必要なのです。


続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!

パーソル_331510,331511_オーバーレイPC
パーソル_331510,331511_オーバーレイSP