2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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橋下徹氏(以下、橋下):あれもまた急にやからね。
吉村洋文氏(以下、吉村):そうですね。
橋下:去年の年末。
松井一郎氏(以下、松井):候補者差し替えやったよな。要は何かっていうと、もう維新の政治理念、信条を現職が間違ったと。
要は「国会議員が上で、地方議員は下」みたいな感覚に1回永田町に行ったらなってしまって。もう仲間の地方議員が「大阪の府議会市議会が何を勘違いしてんの?」という話で、全くこれ支援できない対象になって。
それでみんなが吉村に、地方の議員の感覚を持ってそのまま国会行ってほしいということがどんどん僕のところにきたんで。候補者差し替えで。あのときも急で今回も急やけどね。
橋下:それに全部応えてくれて。でもあんときに国会議員って言われて、もうやるしかないって感じだったよね。
吉村:そうですね。国会議員になって、やっぱり「大阪の改革が国会議員の中でどれだけ浸透してんのかな」とかいうのもありましたし。それは別に自分のとこだけじゃなくて他も含めてですけど。
やっぱり地方分権、地方分権と地元に帰れば言うけれども、「でも国会議員って本当どうなのかな?」っていうのがあって。
維新の僕も市会議員出身で地方議員ですけど、やっぱり覚悟は決まってましたよね。みんな覚悟は決まって。
だからその思いをそのまま国会に持っていってパイプ役になって、都構想も実現して法改正なんかもありますんで、そういう形でパイプ役になりたいという思いで行ったんですけどね。
橋下:国会見てて思ったのは、吉村さんが国会の中で大阪の改革をパネル使ってわんわん言うわけですよ。
大阪市長とか大阪府知事やってると、国会でちょっとでも大阪のことが取り上げられるとみんな議事録にマーカー引いて、「今回何々先生が大阪のことでこういう質問してました」なんて報告が来るような中で、吉村さんは質疑もほとんど大阪の改革とかそういうものを紹介して国に迫っていって。
僕らは天下り原則禁止でして、全国で一番厳しい天下りのルールをつくったんだけども、それを紹介したときには自民党の議員のみなさんが「へえー」って言って声を上げてくれて。
吉村:「えー、すごいね」みたいな。「そんなことできるの?」みたいな話がやっぱり出てきましたね。やっぱり大阪ってすごいなっていうのはありましたよ。それをどんどん国でも広げていきたいなっていう思いは今もありますけどね。
松井:だから一番大事なのは、本当に住民に身近なところ、やっぱり地方で物事を実現していかんと。今、国で地方創生とかいろんなことやってるけども、予算いくら配っても地方が本気でやらんことには現実にならんのだね。だからやっぱり分権改革っていうのが一番重要なわけで。
吉村:分権改革も本当にやろうとしたら、やっぱり口先だけの国会議員じゃ無理ですね。やっぱり本当に腹くくってやってる人間が国会に来てやらないと。
橋下:だってみんなやる気ないでしょう? 国会議員って。
吉村:地方分権なんかやる気ないです。
橋下:結局自分の権限が奪われるわけだから。やっぱり国会議員で偉そうにしておきたいっていうところがあるだろうからね。
吉村:道州制の法案なんかも今回自民が取り下げかなんかして。やっぱりちょっと法化されるとすぐひよりますんで。
本当に地方分権やるっていう腹くくった集団が国会に行ってきっちり突き上げないと永田町は絶対変わらないと思いますね。
橋下:大阪都構想だって、大阪市役所と大阪府庁を1回つぶして新しいものつくろうっていう気持ちの人間が中に入ってかないとできないのと同じで、地方分権なんて「霞が関、本気で変えてやろう」っていうような国会議員が入っていかないと。自分の身分はどうであれっていう。
松井:そうそう。身分にこだわらない人たちが集まらんともう無理なんやね。
吉村:本当にそうですよ。
橋下:今回市長に出馬することになって、結局国会議員の生活は何ヵ月味わったの?
吉村:去年の12月から5月までは国会の仕事も一生懸命やって、住民投票も一生懸命やってっていうことで。実質11ヵ月ぐらいですかね。住民投票が終わってからでいうとそれこそ4〜5ヵ月ぐらいの期間ですかね。
でも本当にいろんな経験もして良かったと思いますね。ちょっと引いて見れるようにもなりましたし。
「ああ、国会ってこういう仕組みになってるのか」と。それで本当の地方分権をするためにはやっぱり今のままの国会議員じゃできないなっていうのも思いましたし。
維新の国政、政党の話もありますけど、本気の集団ができないとやっぱり日本良くはならないと思いますね。
橋下:でも国会議員やってたら飛行機乗るときもVIP待遇だし、新幹線乗ってもそうだし、どこ行ってもみんなVIP待遇でやってくれて。
松井:グリーン車タダやし。
吉村:いや本当、もうちょっとできるかな思うたんですけどね(笑)。
本当にあれは勘違いするからあんまり良くないかもしんない。確かに飛行機乗ってもVIPだから入口も出口も別で、もうスーッと行って。グリーン車も全部タダでしょう? 税金なんですけど。
例えば海外に視察行くとしたら、それこそ扱いも違いますし。やっぱりあそこで赤絨毯の上を歩いてると勘違いしてくる気持ちもわかりますよね。
何も信念とか理念がないまま当選しちゃうと、勘違いするって言い方悪いですけど、こんな待遇になるとなかなか抜け出せないし、議員は辞められないと思いますね。
橋下:それで給料だって、普通に民間人になってそれだけ稼げるメンバーが国会議員に何名いるかといったら……。2,000何百万もらって、しかも毎月100万円経費をもらうわけで。文通費(文書通信交通滞在費)。
吉村:でも、文通費の公開。あれは本当に市長と幹事長がいいところに目をつけたというか。あれ完全に第2の財布ですから。
維新の会、維新の党はもう公開してますけど、あれを公開しないとこは本当にもう第2の財布で飲み代や何やに消えてるでしょうね。
橋下:それで税金もそこかかってないわけですからね。
吉村:そうです。だから税金がかからないああいう所得……所得じゃないんですけど。僕らは弁護士やっていろいろ会社の経営の方とか見ますけど、あり得ないですからね。
税金がかからず自由に使っていいお金。やっぱりあれはおかしいし、第2の財布になってると思いますね。
橋下:それを今までの「改革だ、改革だ」って言ってる国会議員、誰一人それを変えようとせずに、結局僕と知事が「これおかしいやないか」って言って変わったわけだよね。
吉村:あれ国会議員からしたらもう大迷惑だと思いますよ。「そこは言わんといてよ」っていう。「そこは言わんでええんちゃう?」みたいなところやったと思う。でもあそこはあるべき姿と思いますね。やっぱり税金ですんでね。
松井:民主党なんかいろんな組合の人とか応援してんのに、民主党が(文通費)公開せえへんのどう思うんやろなと思うんやけどね。よその党のことまた悪口言うといろいろあれやけどね。
橋下:でもそういう生活を10ヵ月ぐらいやって、急にまた「市長に出てもらえないか」って話が来たときは、これはどうだったんですか?
松井:5秒、5秒。おもしろかったよ(笑)。
橋下:そのとき、どんなやり取りが。
吉村:おもしろかったじゃないですよ(笑)。
松井:いやもうおもしろかったっていうか……これ街頭でも言うてるけど。今国会議員になって身分も良くなって特別扱いされるんで、とにかく橋下徹という市長が辞めるんで、そのあとはもう吉村しかないなというのが2人で話してて。
とにかく僕は残ると。「今度僕が一緒にチームを組む相棒、吉村しかないよね?」っていう話してるとき。
ちょうどご飯食べながら、「吉村くん、どう?」言うたら「いや、もう望むところやから」って。こっちがびっくりしたもんね。「いや、ほんまにええの!?」みたいな。
橋下:これやっぱりすごいね。どこ見ても誰見ても大阪府政、大阪市政に文句言ってる人たちが山ほどいるのに。
「立候補しますか?」って言われたらみんな拒むわけですよ。そのしんどさわかってるし。文句ばっかり言うのは楽なんで。
「じゃあやりますか?」って言われたらみんな拒む。これが現実なのに、国会議員の身分をパーンと捨ててあえてこの大阪市長をやるっていう。それはもう、「望むところだ」っていう?
吉村:そうですね。幹事長からそういう言葉もいただいて。僕たまに言うことあるんですけど、目の前に川がワーって流れてるときに反対側から石投げてワアワア言うのって誰でもできるじゃないですか。簡単だし。
でもそういう人が多すぎるっていうのが、やっぱり大阪も日本も良くならないと思ってるんで。
そしたらもう自分で泳いで渡る人がどんどん、どんどん増えてほしい。自分がそう思ってるので、自分もすごい濁流だけどもう泳いで渡ろうっていう話で飛び込む。
僕もそうかもしれないですけど、知事の決断がすごいなと思いますよ。4年間ずっと第一線でやられてきて。やっぱりすごいしんどかったと思うんですよ。
5月17日の住民投票の説明にしても、毎日ずっと朝から晩までパネル使っての説明っていうのをずっとされてきて。それで、ああいう結果になって。本当に引退もいろいろ考えられたと思いますし。
本当に精も魂も尽き果てるぐらいみんな走ってて。特にトップでお二人走ってる中でやっぱり知事が「もう1回」っていう決断をされるっていうのは……。僕は知事が一番しんどい決断したんじゃないのかなっていうのは思ってますげどね。
松井:いやそんな。またもう。恥ずかしい。
吉村:いやいや、別にここで何も出ないですけど。本当にそう思いますけどね。
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