2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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小林史明氏(以下、小林):我々も聞きたい、そして皆さんも聞きたいということで時々意見が出るのは「この改正によって隊員の方のモチベーション、気持ちというのは、今どういう状況なんだろうか?」ということをぜひ伺ってみたいと思います。
佐藤正久氏(以下、佐藤):私も元自衛官だったし、私の息子も自衛官なんです。私も人の親ですから、自衛官の親なので、子供を危ないところに行かせたいという思いは全くありません。
ただ、多くの自衛官は国民と同じように、「まだよくわかんない」というのがほとんどです。法案が出るまでは十分に説明してませんから。
大臣が言われたように、これから説明をすると固まりましたから、これから説明することによって、何ができて、何ができないのかという部分が隊員たちに浸透していくと思うんです。
現段階ではあまりよくわかんないというのがほとんどだと思います。自分の息子に聞いてよくわからない、どこまで変わるのかもよくわかんない。
佐藤:ただ、今回大事なことは、これに基づいて訓練ができます。今までは、インド洋とかイラクの後方支援とかは特別措置法という形で法律をつくってましたので、それに応ずる訓練ができないんです。
小林:今回、恒久法になるわけですから。
佐藤:今度はそれに基づいて日ごろから訓練できる。全然違います。隊員はそういう面でいうと、安心感が全然違いますから。これは大きいと思います。
小林:確かに今までだったら、特措法ができて。急にと言っちゃいけないですけど、急にそういう勤務にあたることがあったとすると不安があるわけですね。
佐藤:私もそうですけど、派遣隊員がゴラン高原とかカンボジアに行きましたよね。ほとんどの隊員はあまり法律とか読んでいないんです。いちいち法律読む人間はほとんどいません。
読んでいるのは、自分たちの派遣の計画と武器使用基準ROE(Rules of Engagement)です。実際どういう手続に従ってあの武器を使うのかと。
非危害というのは相手に危害を与えない射撃。殺傷とかケガをさせるのは危害射撃といいます。非危害射撃にも上空を撃つもの、あるいは地面を撃つとか、あるいは構えただけでもそ非危害射撃になるかもしれない。
危害射撃でも致命傷を与えるのか、あるいは膝を撃つのかで違うでしょう。いろんなレベルがある。
それを当時の派遣の状況に応じて、こういう場合はどうするんだ、こういう場合はどうするんだということをROEをつくる。
小林:ポジティブリストとネガティブリスト。
佐藤:これはよく言われる。ポジじゃないからダメだと言われましたけど、実際現場で使うときはそういうパターンに応じて、できるだけポジとかネガとか関係なく、現場に即した形のROE武器使用基準に落とし込みますから。
これは秘密事項です。我々にはわかりません。現場はそれに基づいてしっかりと対応する。
佐藤:私も政務官のときに驚いたのは、海上自衛隊の自衛艦が中国の鑑艇からレーダー照射をされました。場合によってはアメリカが撃ち返しというものがあるかもしれないけど、武器を使うまでにはいきませんでした。
あの時はまさに、こういう場合はどうするといった対応コード、マニュアルに基づいて艦長の命令のもと末端まで1つのコードで動いたと。
見てびっくりしました。現場の抑制的な行動としてエスカレーションを抑えた。同時に中国の対応を全部カメラに収めていると。証拠も全部持ってます。もう私的に見たら100点満点です。
何でここまでできるかと聞いたら、「想定をして訓練をしていました」と。それがやっぱり自衛隊ですよね。
派遣の前には、そういういろんなパターンに基づいてROEというものをつくって、それをもとに訓練をやっていく。それが非常に大事な分野で、我々政治としては法的にこういう上限を決めます。
上限を決めたとしても、実際はそれを上限までやるのか、真ん中で抑えるのか、政策判断として政府も国会でも関与して、今回の状況ではどういうことを自衛隊にやってもらう。
上限があれば、それができるような権限、武器使用もここまで、ということをしっかり与えることが非常に大事だと思っています。
その中で自衛隊は現場に合うような形でROEをつくりますから。それに基づいて訓練もできますから。今回、そういうことで恒久法になったと。
特措法じゃないということは、現場は日ごろから訓練もできるし、いざ派遣が検討されたときに、昔みたいに決まってから計画するのではなくて、早くから調整できます。
私が派遣されたイラクの場合は特措法。イラク戦争が終わって約1年後に派遣ですから、ほとんどみんな埋まってるんです。自分たちの得意とする分野、後方支援をここでやりたいと思ってもだいぶ埋まってる。
小林:他の部隊がやっていると。
佐藤:遅いですからね。早くから調整すると、自分に都合のいい、さらに撤収のしやすい場所、空港とか港に近い場所ということも先行的に調整できるんです。今回恒久法にしていただいたということは、いろんな面で派遣部隊は本当に助かると思います。
小林:事前準備ができるので、安全性が高まるということにも反映するということですね。
大変わかりやすく解説をいただいてですね。反対している人にこそ見てほしいというコメントがありましたけど、本当にそう思いました。
佐藤:今回の安全保障法制は、まだまだわかりにくい分野がいっぱいあります。今回の国会審議を通じて中身をさらに詰める部分もあるかもしれません。国民にしっかり説明をするということがあるかもしれません。しっかりやっていきたいと思います。
やっぱり政治というのは大事なことは、政治が責任をもって、覚悟をもって、現場に対して、自信と名誉と誇りを与える。現場が迷ったり、無理をしない環境をつくる。これが政治の責任だと思います。頑張ります。
小林:ありがとうございました。
佐藤:ありがとうございました。
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