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2025.02.18
AIが「嘘のデータ」を返してしまう アルペンが生成AI導入で味わった失敗と、その教訓
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平将明氏(以下、平):だから、再生もしっかりできるようにしなきゃいけないね。それと、これからやっぱり人手不足で回らなくなるので、中小企業同士の合併ってものすごい増えてくると思いますよ。
生田よしかつ氏(以下、生田):中小企業の合併っていったら、さっきいった話なんですよ。自宅が店だから、要は個人の資産と会社の資産ってのがごっちゃになってる部分があるんだよね。だからそこをうまく分けてかないと、俺はM&Aは進んでかないと思うよ。
平:それはおっしゃるとおりで、実は、今回の事業承継税制も猶予なんですよ。条件を満たさなくなったら税金払わなきゃいけないわけ。でも、本当はドイツなんかは免除なの。
何年間やってきたら何割免除、何年間やったらぜんぶ免除となってるわけ。それで、免除を勝ち取りたかったので、財務省といろいろ議論したんです。
そうしたら財務省は、それでドイツ型になればいいですけど、ドイツは税務当局が個人の資産なのか、会社の資産なのかをがっちり押さえてますよ、と調査して。
生田:そうなんだ。
こやり隆史氏(以下、こやり):こわいですね。
平:だからこれは個人の資産、これは会社の資産と分かれてるから、こっちは中小企業政策として事業承継で免除してやるよと。でも日本はそうなってませんよねと。やるなら徹底的にやりますよ、ぐらいな感じなわけ。
生田:それこわいな。
平:そうすると、ちょっと腰引けちゃうじゃんか。ただ一方で、まさにおっしゃったとおりで、これから高学歴な息子に跡を継がせるとか、他に売却をするにしても、個人の資産と会社の資産って、今こんなになっちゃってる。
生田:そうだよ、ごっちゃごちゃだもん。
平:でも、やっぱりそれをちゃんと分離をしていかなけりゃいけないわけ。そんなのすぐできないから時間をかけてやる。だから、これは平将明の発案なんだけど、そういう方向に動機づけをしてくことは僕は大事だと思っています。
生田:これはどういう動機づけするの。
平:中小企業版コーポレート・ガバナンスコードなんですよ。
こやり:ああなるほどね。
生田:ええ、どういうこと。
平:さすがこやりさん、経済だ。
生田:こやりさん、なるほどねという説明を。
こやり:アベノミクスから5年経ちまして、やっぱり同じような問題が大企業でも(起きている)。アメリカとかヨーロッパ型の経営と比べると、日本の経営は見にくいというか、外からも透明性もないし、なんかほんとに適切に投資をしてるのかわかりにくいと。
企業の仕組みがコーポレート・ガバナンスですね。だから、例えば、内部の人や仲間ばっかりで会社経営してるのを外部から、外部取締役として入れましょうとか。そういうかたちで透明性を向上させることによって、経営をもっと活性化させようと。それの中小企業版です。
平:透明性、ちゃんと区別する。だから、中小企業版のコーポレート・ガバナンスコードは、例えば税理士さんなんかを社外取締役にも入ってもらって、時間をかけて個人の資産と会社の資産をちゃんと分けていって。
生田:それ難しいよね。
平:それと、会社で使った金と自分の遊びで使った金はちゃんと分けていくと。それを選んだ人は、将来子どもにも跡を継がせやすいし売却もしやすくなるから、中小企業版コーポレート・ガバナンスコードにコミットする人は応援しますよと。
でも俺は関係ねえんだという人は、まあ今のままでどおりやってくださいよということ。
生田:確かに今のまんまのかたちじゃ先は見えてるんだよな。そりゃわかる。
平:だから中小企業の経営者の側も意識を持ってもらわないと、ただただ政治家にこれやってくれと言ったって、やっぱり政治というのは誰に対してもフェアじゃなきゃいけないので。
中小企業が応援してくれてるから中小企業政策をやってるんじゃなくて、中小企業がよくなったら、日本の社会がよくなるから応援してるんだから。だから、そういうこともやらなければいけませんねということですね。
こやり:おもしろいですね。コメント見たら、「そんなん俺はぜったいやらんわ」とか、両方意見が出て。
生田:いやわかるよ、それは。
平:だから今回は免除じゃないわけ、猶予だけ。そこはやっぱりすごい交渉するわけですよ。それで、やっぱり財務省の役人もえらい勉強してるから、生半可な知識でやると論破されるわけよ。だから、そこはものすごいレベルで自民党の議員はやっぱり議論してるんですよ。
生田:いやすごいね、レベル高いね。
こやり:おもしろいですね。こうして話を聞くと、一言、一文字の違いで中身がこんなに違うんだっていうのが、経緯もわかるっていうのがおもしろい。今、先生がおっしゃったように中小企業も大企業も、そういう意味で今回の政策パッケージには、いろんなものが詰め込まれていると。
今日新聞一面で出てましたけども、大企業の賃上げ率は過去最高水準、何十年ぶりかの2.8ぐらいでしたかね。
平:けっこういい数字いきましたね。
こやり:賃上げ率は相当上がってます。
生田:安倍さんの営業努力だね。
こやり:あとさっきの税の話であるとか、そういうパッケージが効いてきてる感じはいたします。
平:まさに好循環のところの目詰まりを取っていきましょうということですね。
こやり:だから、5年間かけてなかなか「アベノミクスって俺ら知らんぞ」と、「ぜんぜん知らないぞ」とずっと言われ続けてきましたけども、愚直にこういう政策をやってきて、最後にこういう強い政策もやって、徐々に賃金も上がるし設備投資も上がってきた段階に入ってきてるのではないかなと思っております。
今日は本当にいろんなお話を聞いてまいりましたけれども、これまでのお話も含めて、生産性革命について一言、視聴者のみなさんにわかりやすい言葉で語っていただければ、さらにわかりやすい解説になるかと思います。
平:これですね。
生田:おお、それだ。
平:じゃあこれあれだね、視聴者プレゼントだね。
こやり:そうですね、これなかなか他では聞けないと思いますね。
平:ここに書くんですが、実は生産性革命の目指すべきところはなにかなんですよ。
生田:なるほど。
平:それは、これなんですね。
生田:来たー!さっきやったやつだね。
平:Inclusive society for diversity.僕らはずっとこれを教わってたわけですよ。
少子化が進みます、高齢化が進みます、もうみんなで支えられないよ。これが大きな課題で、経済成長、社会保障、財政、みんなにかかってくる。生産性革命はいわゆるイノベーションだから、イノベーションの力で解決をしましょう。
だから、「ああもう支えきれないよ」となったのを、A.I. やロボットに支えてもらって、支えてた人たちは自由にやってくださいと。さらに進むと、おじいちゃん、おばあちゃんはパワードスーツを着たりして誰も支えられてない。これが多様性ですね、ダイバーシティ。ダイバーシティを許容するのがインクルーシブなソサエティ、だから多様性を包み込むような社会をつくる。
平:ただ、ここで問題なのは、バイ・イノベーションなんですよ。A.I.もロボットも量子コンピュータも秘密計算技術もブロックチェーンも、みんなイノベーション。イノベーションをやることで、インクルーシブソサエティフォーダイバーシティバイイノベーションなんだけど、バイイノベーションでありながら、フォーイノベーションなんですよ。
インクルーシブでダイバーシティな社会ができると、もっともっとイノベーションは起きやすくなる。イノベーションの力でこういう社会をつくるのと同時に、それがイノベーションを生み出す社会をつくるというエコシステムにつながる、と思っておりますので、生産性革命とは、Inclusive society for diversity by innovation.あとで日本語にして書いときます。
こやり:かっこいいですね。
平:かっこいいでしょ。やっぱり俺、新堂さんに「日本語にしろ」と、しょっちゅう怒られるんだよね。
生田:それ、前もカフェスタで言ってたけど、日本語にするとかえって難しくなるよ。
こやり:そうですね。
平:いや、俺なんかはね、やっぱり昭和の終わりの頃に生まれて英語に憧れがあって。GT とかさ、ツインカムとかさ。
こやり:車ですね。
平:そうそう、そういう英語になるとかっこいいみたいな。ただ、これは日本語にしますけど、インクルーシブとかダイバーシティとかイノベーションとかエコシステムってバズワードだから、バズワードが入ってたほうがわかりやすいというのがあるんですよ。
だから言ってみれば、やっぱり今後社会課題をイノベーションの力で解決しましょうと。それで明るい未来をつくろうぜと。日本のこういう社会をみんなで目指しましょうっていうふうになると、そのあとみんなが追いかけてくるわけ。そのための生産性革命。
生田:あれだね、ダイバーシティっていうと、どうもLGBT とか、そっちに走りがちじゃない。この話は非常におもしろいわ。
平:LGBT も含め、ダイバーシティはいろいろあるのでね。それで年齢もあるし、いろんな才能もあるしね。ただ、それを許容するインクルーシブな社会、包容力。
今はトランプさんがどっか出てけとか、俺たちはEU から出てくみたいなエクスクルーシブ、エクスクルーシブばっかりだから、そうじゃなくて日本みたいに、八百万の神がいて和を以って尊しとなすと。だって、大きな和と書いて大和だよ。
というようなことなので、こういう社会をイノベーションと生産性革命で我々は目指していきたいなと思いました。
こやり:ありがとうございました。今日は、生産性革命(という)、すこし難しい字が並んでおりますけども。最後はダイバーシティ、包み込む社会ということで、明るい社会・将来を目指す必須の要素が生産性革命であるということがよくわかったんではないかなと思っております。
残念ながら、そろそろお時間となってまいりました。今日は生産性革命でしたけれども、カフェスタでは次回以降、ゼロから知りたいシリーズとして、人づくり革命などを予定しています。
今後もこのようにわかりやすいかたちで、さまざまな政策課題や時事問題について、国民のみなさんに丁寧に説明していきたいと思っておりますので、どうかみなさんご注目いただければと思います。本日はどうもありがとうございました。
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