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【特番】ゼロから知りたい「生産性革命」〜イノベーションから見える未来〜 解説:平将明 経済構造改革に関する特命委員会事務局長(全4記事)

日本は経済成長に必要な要素が欠けている 平議員が説く、生産性革命の必然性

自民党の新組織「経済構造改革に関する特命委員会」の事務局長代理に就任した平将明氏が、「ゼロから知りたい『生産性革命』〜イノベーションから見える未来〜」と題して、さまざまな課題や問題点について解説します。ネットメディア局次長のこやり隆史氏、カフェスタでおなじみの生田よしかつ氏をゲストに迎えて、そもそも生産性革命とは何なのか、「革命」という言葉に込められた危機感について語りました。

「生産性革命」とはなんなのか

生田よしかつ 氏(以下、生田):なんか自民党というのは立ってるものは親でも使えってね。そこらへんにいる人でナンパされたって感じです。これバラエティじゃないんで、ひとつよろしくお願いします。

平将明 氏(以下、平):そうですね、これは公式番組なんで真面目にお願いします。

一同:どうぞよろしくお願いいたします。

こやり隆史 氏(以下、こやり):まず、平局長はいつも出ておられますけど、今日は解説者としてお越しいただきました。いつもと違う立場での意気込みなどをいただければと思います。

:まあ政策をできるところもしっかり見せていきたいなと思っております。実は昨日、ちょっとこやりさんのデータを調べたらなんと同級生。

生田:そうなの?

:わたしは42年の早生まれで、こやりさんは41年ですね。

こやり:41年でございます。

:経産省出身で、当時から名を馳せていたこやりさんが。

こやり:なにをおっしゃいます。

:なんと同じ学年というのを見てですね、昨日はすこし反省しなきゃいかんなと。そろそろわたしも50を過ぎたんで、これから政策中心にしっかりと有権者のみなさんの声を国政に届けたいなと思いました。

こやり:ありがとうございます。同級生でございますけども、この道では大々先輩でございまして、わたしもちょっと緊張しておりますが(笑)。

:政治家ですし。

こやり:じゃあさっそく中身に入りたいと思います。先日自民党大会が開かれまして、そのなかでも安倍総裁みずから、生産性革命と人づくり革命はしっかりと今本当に実行すべき政策だ、と位置づけておられました。

ちょっと生産性革命と言っても、なかなか視聴者のみなさんにはわからないと思いますんで、そもそも生産性革命というのはなんなのかということと、なんでいま必要なのかについてわかりやすく、解説者の平局長に説明いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

:はい、解説者の平です。よろしくお願いします。

生田:いちいち面倒くせえな(笑)。

経済成長に必要な3つの要素

:まず、こやりさんも一緒に戦った衆議院議員選挙で国難ということで、ひとつは北朝鮮のミサイル・核開発の問題がありましたが、もうひとつは、やっぱり少子高齢化をどう乗り越えていくのかということになるんだと思います。

少子高齢化のほうは一億総活躍とか、いろいろなかたちで。先般も、木原誠二ネットメディア局筆頭次長と厚労のスペシャリストの田村憲久さんに、人づくり革命の解説をしていただいたんですが、これから希望出生率1.8まで上げてこうと。

さらにその先の2.04か5ぐらいまで上げてこうということで、さまざまな政策をやっていくんですが、もしという言い方はおかしいですが、もしその政策がうまくいっても、まだしばらくは人口が減り続けるわけですよ。

1億人くらいまで下がってから、だいたい1億人をキープしながら、人口ピラミッドがいいかたちになっていくということなので、これはこれでしっかりやらないといけないと思いますが。

そうなると、今の豊かさをどう維持するのか、もしくはどう財政をサステイナブルなものにするのかといった観点から、やっぱり生産性を劇的に改善しないと、日本は今のこの豊かさを維持をすることができません。

こやりさんのような専門家の前で言うのはあれなんですが、今日は魚屋さん(生田氏)もいらっしゃってるので。経済成長には3つの大きな要素がありまして、ひとつは労働力、ふたつめは資本、みっつめが生産性なんですね。

だから労働力がどんどん増えていけば経済もよくなっていくし、またそれをファシリティですよね、工場や設備が増えていけば経済は上がってくし、生産性が上がっていけば経済は成長していく。そういうことなんですが、先ほども言ったように、例えば人口が減ってくるという流れで、労働者(労働力)も当然減っていくわけですよ。

逆境の中でも豊かさを維持・向上させるために

:これはまさに今、こやりさんとわたしで今回の成長戦略でひとつの大きな柱のテーマとして取り上げますが、一方で資本のところも、海外からの直接投資というのはものすごく低いので、ここをなんとかしようと。

その一連でESG 投資(注:環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governanceに配慮している企業を重視・選別して行う投資)とか、世界の潮流で足の長い資金を持ってこようということでやってきたわけであります。やっぱり、そういう環境のなかでいちばんフォーカスをあてなければいけないのは生産性だと。しかも、AIとかIoTとかブロックチェーンとか、さっき言った量子コンピュータだとか。

生田:なるほどね、秘密計算とかね。

:そうそう秘密計算技術とか。今いろんなイノベーションの種が出てきてるので、ここでいろんなところに目配りをしながら生産性を劇的にアップすることによって、財政も社会保障もサステイナブルなものにして。

人が減っていくんだけど、日本人一人ひとりの豊かさは維持する、もしくはさらに向上させていくというのが、まさに今回の生産性革命がフォーカスされた意味だと私なりに解釈をしてます。こやりさん、いまのであってますか。どうですか、なにか足りないところあれば。

こやり:今のコメント見てたら、「(平)先生、別人みたい」とかですね、なんかすごいいろいろ、「こんな番組が観たかった」みたいなコメントが入っておりました。本当に、そういう意味では生産性革命って難しい単語ですけれども、今、平先生がおっしゃったようなかたちで社会を変えていくことなんですね。

だけどやっぱり生産性革命、いまお話しいただきましたけれども、「革命」とついてると。

だから普通の向上とかそういうものとは違う、要するに非連続に社会を変えていくという意思が入ってると思うんですね。

そういう意味で、いま量子コンピュータであるとか革新的な技術のお話もございましたけれども、実際、本当に革命を起こすことはとても難しいことでもありますからね。

生田:革命だからね。革命だもんね。

「革命」という言葉に込められた強い意志

こやり:魚屋さんで革命を起こすってのはどういうことかってのもなかなか難しいと思いますね。そういう意味で、生産性革命という、あえて「革命」と付けている主旨というか理由、ほんでなにが鍵になるのかということについて教えていただければと思います。

:この「革命」というワードは、たぶんこやりさんとか我々もつねに自民党のいろいろな部会とか調査会で議論してますが、あんまり出てこなかったですよね。選挙になったら急に各党が出てきたので、これはある意味、総理の強い思い入れじゃないのかなと思います。

それでわたしなりの解釈は、やっぱりそういうふうに、かなり日本固有の少子高齢化とか、ある意味マイナスの環境もあるなかで、劇的に生産性を上げないとサステイナブルにもならないし、一人ひとりの豊かさを維持できないという問題意識があって。

改善とか改良とか、得意ですよね。現場に足場を置いた改善・改良というのは日本人は得意だったんだけど、それはそれで磨きながらも、それとは別のイノベーションというのは起点が違うところにできるってことですよね。

だから、改良・改善というのはここに起点があって、どんどん生産性を上げていくことだけど、イノベーションというのはある日突然ここに起点ができて、ここから始まっていくと。

それで意外と、日本人はイノベーションって苦手なんですよ。誰かが発明したものを取り入れて小型化にするとか省エネにするとか壊れないようにするとか、そういうのはすごい得意なんだけど。

生田:確かに歴史の教科書見ても、日本の歴史の中では革命って言葉はないね。

:ないですね。

生田:ああそうか。そういう意味では、この「革命」って言葉使ったのは革命的な話だね。

こやり:まあ明治維新(から)、ちょうど今年で150年になると。ある意味、明治維新ってのは日本のなかで革命に近いものなんで、そういう意味ではそれと同じようなインパクトがある政策を打ち出そうという強い意思の現れなんですね。

:強い意思の現れですよね。逆に言うと、本当に劇的な生産性の向上を実現できないと、日本はなかなか明るい未来は開けませんね。

生産性を向上できなければ日本は世界に取り残される

:さらに言うと海外では、よく月曜のカフェスタで言いますけども、例えばいま言われてるGAFA、Google、Apple、Facebook、Amazon。それにマイクロソフトを加えつつ、それにプラス、テンセントとアリババ、セブンシスターズって言われるんですが。

まあ非常に、ビッグデータとかSNS とかEコマースとか、いろんなものを使いながらものすごい付加価値をどんどん生み出してるわけですけど、そこに日本の会社もヨーロッパの会社も一社もないわけだし、時価総額でいくとトヨタだってそれよりかなり後塵を拝してる状態にあって、日本自体も思い切って生産性向上しなきゃいけない一方で、世界の競争からはちょっと取り残されていると。

アメリカはまさにFAGA がいるし、中国はまた独自の文化圏、経済システムのなかでそういった巨人が生まれ育ってきてる。

さらに言うと、先ほども言ったように中国のような法体系、もしくは支配体制、個人情報に対する考え方でいくと、いまのテクノロジーが中国のような大きなマーケットを持った社会とか政治体制にものすごいフィットしてるもんですから、このままいくと、世界的な競争でも日本は埋没していく、置いていかれる。

ですから、国内を見ても生産性革命をしなければいけないし、国際的な競争の観点からも日本の強みを最大限発揮をして、生産性革命をしていかなければいけないかなということだと思います。

だからその危機感は、たぶん総理をはじめ、やっぱり強い危機感で。だって、革命といったら共産党じゃないですか。

生田:そういうこと、そういうこと。

:でも、そのぐらい強い決意で望んだのが今回の人づくり革命。

生田:なるほど、その企業の名前聞いただけでもそうだよね。からテンセントとか、あとはアリババだApple だ、ああApple じゃねえか、Amazon だなんだっていうのと、日本の場合メジャー企業っていうとやっぱりトヨタとか、日立とかJR 、やっぱり古いやな。ちょっと一昔前の感じすらあるね。

:だから、そのときにどうやったら日本は、自分の強みを活かして世界経済と戦っていくかが大事な視点だと思いますね。

生田:なるほど。

こやり:ありがとうございました。

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