2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
常識を超えた取り組みが効率に繋がる。パプアニューギニア海産、未来食堂が語る、これからの新しい働き方(全10記事)
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小林せかい氏(以下、小林):今7時をちょっと過ぎましたが。最後にどうでしょう、お一人。これは……ありますか?
武藤北斗氏(以下、武藤):みんなびびって(笑)。
小林:やっぱりね、本に書いてるとか言っちゃったからね(笑)。
(会場挙手)
小林:あ、大丈夫です、書いてたら言いますから(笑)。
質問者11:普通のサラリーマンですけど。小林さんの本は2冊とも読んでますので、ご安心ください(笑)。武藤さんの本は読んでないので、あとで読ませてもらいたいと思います。
ちょっと感想だけなんですけど。やっぱり仕事って人間関係で悩むことが多いと思うので、いかにそこを排除していくかっていうことを、何か自分の仕事へ取り入れられるかなと思って、今日お話を聞いていました。
人とあまりにも深い人間関係があると、それがもとで、いざこざがはじまると思うので、たぶん小林さんのほうは、その関わりをうまく分担することで、うまくカットできてるやり方なのかなって思いました。
武藤さんのやり方は、ルールをうまく作ることでみんなが働きやすい環境ができてるのかなと思いました。仕事として、なるべく会社の人とプライベートを話しすぎないように、仕事に集中するようにすれば、うまい働き方ができるのかな、と思いました。ありがとうございます。
小林:すごくふわっとした言い方で申し訳ないんですけど、もし私だったら、何時まで集中、みたいなことをやりたいですね。ランチは和やかにしてもいいけど、この時間は集中しようよ、みたいなことは。たぶん未来食堂は、みんなつんけんしてるわけじゃなくて、それぞれの持ち場がむっちゃ忙しいので。
必要なことしか、息も絶え絶えにしか言えないんですよ(笑)。「あの、あの、お皿ください!」とか言って「はい、あ、ありがとうございます!」みたいな、その繰り返しなんですけど。そういうのが終わって、ご飯を食べてる段階になるとみんなやっぱり、仲良くしてますね。そんな緩急があってもいいのかなって思いました。
小林:武藤さん、どうですか? せっかく大阪から来たから、最後にひと言とか。
武藤:そうですね……。「まかない」を真似させてもらって、先ほどプラスがいっぱいあったって言ってましたけど、そのなかの1個で。二十数人来たなかの1人が、男性だったんですね。その人が平日の昼間にシール貼りに来るわけです。あきらかに仕事はしてないだろうな、と思って。
何回か来たところで、小林さんはたぶん聞かないと思うんですけど、僕は聞いたんですね。「仕事は?」って。そしたら「してない」って答えがやっぱり返ってきて。その人は三十代の方なんですけど。その三十何年間、1回も働いたことがないっていう人だったんですよ。
だけど、「これだったらできると思う」って言って来てくれたんですね。そのときに、やっぱりこれは、すごい可能性を秘めてるなって。小林さんはもしかしたら社会を変える、社会のためにっていう考え方はないんだろうと……ないのか、あるのかもちょっとわかんないですけど。
僕はそのときに、すごいなと思って。それで、彼が結局うちで、普通にパート従業員として働くことになったんです。これは、僕のなかではすごく大きなことで。やっぱり今まで働いたことがない、自分のなかでいろんな葛藤があって働いてなかった人が働くきっかけになった、この僕たちのやり方で。
なおかつフリーで働けるっていうやり方が土台としてあったので、彼は新しい1歩が踏み出せたんだな、とすごくうれしく思って。これが大きく広がっていけば、今、日本では少子高齢化だとか、働く人がいないとかいろんなことが言われてますけど、今まで働いてない人たちも含めて、もっと大きな力になって、みんなでよりよい生活をできるような気がしています。
本当にいい体験をさせていただいたなと思いますし、これからもいろんなことをやっていきたいなと思っています。という締めで、今日はどうもありがとうございました。
(会場拍手)
小林:ちゃんと「働き方」にまとまった感じが素晴らしいですよね(笑)。でも、休職中の方や、うつで仕事場に戻れないけどっていう方、けっこういますよ。「50分だけだったら」って言いながら。何かのチャレンジなんでしょうね。
武藤:それは時間の問題ですか? 小林さんがあんまり聞かないっていうことじゃなくて、「50分だったらできそうだな」っていうことなんですかね。
小林:でも、そういう人たちって、だいたい1日いたりしますね。
武藤:そうですか。
小林:「なんかもうちょっとできそうなんで」って言いながら。シャッター閉めるとこまで一緒にいて「なんか疲れたね」とか言いながら。「寒いね、外」みたいな。そんな感じです。
武藤:僕は本当に大きな可能性を感じています。すみません、小林さんは「私は別に」みたいな感じかもしれないですけど(笑)。
小林:いやいや。でもみなさんが何か思って、おもしろいなと思う部分だけ真似していただければ。
武藤:小林さんのなかで何かを変えてやろうとか、社会がどうのとかっていう意識は、やっぱりないんですか?
小林:武藤さんの本を読んだりして感じるのは、武藤さんってすごく社会派ですよね。社会に対して自分は何ができるか、みたいなけっこう上の目線。上の目線というか上を見る目線? 大きなフレームで見てるなっていうのをすごく感じたんですけど。
私はそういうのは、とくにないですね。ただ、「まかない」に来てる人が、誰かが困っていて、自分のテリトリーにやって来たときに、少しそこで休ませてあげるとか。例えば、技を盗ませてあげるとか。その人にも自分と同じような譲り合いの精神だったり、そういうものが芽生えてくれるといいなって。そういう種まきですかね。本に書いてますけど(笑)。
武藤:書いてますね(笑)。でも、同じこと言ってるのかなっていう気がします。小林さんが言ってる、誰もがふさわしい場所、受け入れられる場所っていうのはすごく、今の世の中に対する挑戦というか。そういう場所がないから自分で作っていく、っていう意識は、社会派なのかなっていう感じが。
でも、小林さんはそういう意識はしてないのかなって、僕は本を読みながらは思ったんですけど。やっぱり意識はしてないってことなんですね。
小林:そうですね。
武藤:そういうのが暑苦しいみたいな。ないですか?
小林:とくに感じないですね。
武藤:(笑)。
小林:そうなんだなっていう感じですね。微妙な終わり方ですね(笑)。
(会場笑)
小林:私たち、分かり合えなかった人たちじゃないですか(笑)。
武藤:今回は似てるようで似てないようで、やっぱり似てるかな? みたいな感じで、ここに来たので。やっぱりこういう感じで終わるんだなって(笑)。でも、おもしろかったです。
小林:ちなみに、私のこの本の感想なんですけど。武藤さんのこの『生きる職場』、ちゃんと読んだんですよ。正直ベースに言って、当たり前のことが書いてあって(笑)。よくこの内容で1冊書ききれたな、と。
(会場笑)
いや……自分にとっては、フリースケジュールや嫌いな仕事をやらない、それはそのほうがいいじゃないって、5秒ぐらい読んだら、もうわかっちゃったので。これで1冊書けたってすごいなって。
武藤:それが取り上げられてしまう世の中なんだと思いますよ、社会派的には。この当たり前に考えること、とくに僕なんか子育てするときに子どもに言うようなことをただ書いてるだけなのに、これだけテレビが来て新聞が来て大騒ぎする。そのこと自体が、本当はおかしいのかな、っていう気はします。
小林:内容が薄いっていう意味じゃなくて、内容はむちゃくちゃ緻密でおもしろいんですよ。休み時間に入る前の3分をどうするか、掃除のマグネットがどうだ、みたいな。普通そこまで細かく書かないんですけど、やっぱり現場の人だからそこまで書けるんですよね。
なので、おもしろいのはおもしろいんですけど、よく内容がまとまったなって思いましたね。
武藤:一応、今もほめてもらってるって思ってるんで(笑)。
小林:いや本当に。ありがとうございます。
武藤:どうもみなさん、ありがとうございました。
(会場拍手)
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