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米大統領選ヒラリー・クリントン氏敗北演説(全1記事)

【全文】ヒラリー氏、敗北演説で若い女性に未来を託す「いつかきっとガラスの天井を打ち破れる」

大接戦の末、大統領選に敗北したヒラリー・クリントン氏。開票から一夜明け、敗北を認める演説を行いました。

私たちは未来へと目を向けなければいけない

ヒラリー・クリントン氏:ありがとう。ありがとうございます。ありがとう。みなさん本当にありがとう。

(会場拍手)

ありがとう。ありがとうございます。みなさん本当にありがとう。みなさん賑やかですね。友人のみなさん、ありがとうございます。ありがとう。ありがとう。

この場に集っていただき、誠にありがとうございます。みなさん全員が大好きです。昨晩はドナルド・トランプ氏にお祝いの電話をして、我が国のために、共にがんばっていきましょうと伝えました。

ドナルド・トランプ氏が、すべてのアメリカ人にとって、すばらしい大統領になってくれることを願ってやみません。

この結末は、私たちが望んでいたものでも、そのために戦ってきたものでもありません。私たちが共有する価値観や、この国のためのヴィジョンをもって、この選挙戦に勝利することができなかったことを、たいへん遺憾に思っております。

しかし、私たちが共に築いてきたこのすばらしい選挙活動、大規模で、多様性に溢れ、クリエイティブで、波乱に満ちた、エネルギッシュなこの選挙活動を、私は誇らしく思い、感謝の念にたえません。

みなさんは、一番すばらしいアメリカの代表であり、みなさんの支持を受けたことは、私の人生の中でも、もっとも名誉なことです。

みなさんは、さぞかしがっかりされたことでしょう。よくわかります。私も同じだからです。また、この選挙戦に望みや夢をかけた、何十万、何百万人ものアメリカ国民も同様でしょう。この痛手は、当分長く続くでしょう。しかし、覚えておいてください。

私たちが活動してきたのは、個人のためでもなく、たった1回の大統領選挙のためでもありません。私たちが愛するこの国のためであり、希望に満ちた、分け隔てのない、寛容性を持つアメリカのためなのです。

この国は、私たちが予想していた以上に、深く分断されています。しかし、私はアメリカを信じておりますし、これからもずっとそうでしょう。

そして、みなさんもそうお感じであれば、この結末を受け入れ、未来へと目を向けなくてはいけません。アメリカ大統領に就任するのは、ドナルド・トランプ氏です。私たちは彼に、開かれた心とリーダーシップへのチャンスを託しました。私たちの立憲民主主義は、権力の平和的移行を重んじています。

私たちはそれを尊重するだけでなく、極めて大切にしています。また、人権や尊厳は平等であるという原理原則、信仰と表現の自由といった、法の原則をも尊重しています。私たちは、こういった価値観を尊重、遵守し、守っていかなくてはなりません。

(会場拍手)

仲間たちへの感謝

さらに続けます。私たちの立憲民主主義は、国民の政治参加について、4年おきではなく、常時に定めています。ですからこそ私たちは、私たちみんなが大切に思っている理念や価値観と共に、先へ歩んでいかなくてはなりません。富裕層だけでなく、国民みなが豊かになり、この国と世界を守っていかなくてはいけないのです。

また、アメリカンドリームの実現を阻む壁を打ち壊さなくてはなりません。私たちは、この国の隅々から何百万人もの人々の声を集めて1つにし、アメリカン・ドリームは、すべての人のために行き渡るほど大きいのだ、と発信することに1年半を費やしてきました。

全人種、宗教、性別、移民、LGBT、障害者といった、すべての人々のためにです。

また私は、みなさん全員と共にあることに感謝しています。この旅路のパートナーを務めてくれた、ティム・ケインとアン・ホルトンにも感謝の念を捧げます。

(会場拍手)

彼らと親交を深めることはたいへん楽しいことでしたし、ティムがバージニア州上院議員として、今後も私たちの民主主義の最前線に残ってくれることは、私に大きな希望と安堵をもたらしてくれました。

(会場拍手)

バラク・オバマとミシェル・オバマ、私たちの国は、お2人に大きな感謝の念を抱いています。その寛大で決断力に満ちたリーダーシップが、多くのアメリカ国民や、世界中の人々に多大な意味をもたらしてくれたことに感謝します。

ビル、チェルシー、マーク、シャーロット、エイダン。兄弟や家族のみんな。あなたたちをどんなに愛しているかを、私は到底表現できません。わずか4ヵ月のエイダンさえ、ママと一緒に国中を飛び回ってくれました。

また、ブルックリン本部およびアメリカ各地の、才気にあふれた献身的な男女のみなさんにも感謝を捧げます。

みなさんは、この選挙戦に心血を注いでくださいましたね。ほかの選挙活動後にこの活動に参戦してくださった、退役軍人の方もいらっしゃいます。また、選挙活動への参加が初めての方もいらっしゃいます。こういった方々全員が、想定以上、期待以上のすばらしい活躍をしてくださったことを申し上げたいと思います。

また、協力を申し出てたり、ご近所にお話ししたり、公開制限を設けてあってもそうでなくても、フェイスブックに投稿してくださった、何百万人ものボランティアや地域のリーダー、活動家、団体のみなさんもまた同様です。

隠れているこういったみなさん全員が前面に出て来て、これからの歩みに、みなさんの声が生かされることを願ってやみません。

(会場拍手)

献金してくださったみなさん。例えそれが5ドルであっても、そのおかげで私たちは前進することができました。ありがとうございました。

いつかきっとガラスの天井を打ち破れる

すべてのみなさん、とくに若い人にはぜひ伝えたいのですが、ティムが先ほど言ったように、私は人生をかけて信じるもののために戦いました。成功や挫折、時には途方もない痛手をも被りました。

みなさんの多くが、専門職や公務員、政治のキャリアを始めるところでしょう。みなさんもまた、政治と挫折の双方を経験することと思います。

今回の挫折は痛手ではありますが、正しいと信じるもののために戦うことは、充分にその価値があると信じることをやめないでください。本当に価値があるのですから。

(会場拍手)

私たちには、みなさんにこの戦いを、今もこれからも、一生続けていただく必要があります。そして女性のみなさん。とくにこの選挙活動と私に対して、信頼を寄せてくださった、若い女性のみなさんにお伝えしたいのですが、みなさんの指名を受けたことを、たいへん名誉に思っています。

私たちはいまだに、もっとも高くて固いガラスの天井を打ち破ることができてはいませんが、いつかきっと、誰かが実現してくれることでしょう。その時期が、私たちが考えるよりも早く訪れてくれることを願います。

(会場拍手)

また、私たちを見てくれている、幼い少女のみなさん。みなさん全員に価値と力があること、そしてこの世界で自分の夢を追い求めかなえる、チャンスと機会を得る権利があることを、けっして疑わないでください。

(会場拍手)

最後に、祖国と祖国が与えてくれたすべてのものに、大きな感謝の念を捧げたいと思います。

私は日々、アメリカ人としての幸せを噛み締めております。そして今でも、私たちみんなが、お互いの違いを尊敬しあい、信念を高め、祖国を愛し、共に立ち上がり、協力し合えば、幸せがきっとこの国に訪れると、これまでと同様に深く信じております。なぜならば、私たちが共にあり、共に歩めば、より強くなれると思うからです。

そしてそのために戦うことを、決して後悔しないでください。聖書は「善行に倦むことなかれ、よき季節が訪れれば翔くことができよう」と説きます。友人のみなさん。お互いを信じて、落ち込んだりがっかりしないでください。なぜなら、これからもたくさんの季節が訪れて、やるべきことはまだまだたくさんあるからです。

この重要な選挙に参加し、みなさんの代表を務めることができたことを、この上なく名誉に思い、感謝しています。みなさんとアメリカ合衆国に、神のご加護があることを願います。

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