2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
第1239回 トレンド経営学『いい質問をするための2つのキーワード』(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
加藤想氏:今日は、いい質問をするための2つのキーワードについてお話をしていきます。ふだん会議の場面などで質問をして、「いい質問ですね」と言われたことはないでしょうか。会議の場面以外でも度々聞く言葉ですが、そもそも「いい質問」とはどんな定義なのでしょうか。
試しに、ChatGPTにいい質問とは何なのかを聞いてみました。すると、「いい質問とは、問われた人に新たな気づきや学びを与える質問のこと。具体的には、具体的で本質的であること。自分の関心、かつ相手の関心ごとであること。過去の経験と、現在の文脈に沿っていること」。こんな記載がありました。
ただ、これを見て、なんとなく「まあそうだな」と思った方も多いと思うんですが、実際に詳しく見てみると、この文章自体が抽象的でよくわからないかなと個人的には思います。
「いい質問とは何なのか」ということは、私自身もけっこういろんな書籍を見て学んでいるところではあるんですが、個人的には安斎勇樹さんの書籍『問いかけの作法』が非常に参考になりましたので、ちょっとご紹介したいなと思います。
この本では、組織内の意見の中で「こだわりがある意見」と「囚われている意見」の2つをしっかり見抜くべしという内容が書いてありました。
ここで言う「こだわり」というのは、組織の独自の強みなどが含まれていて、それを見つけたらちゃんと継続的に育てる必要がある意見のことです。一方で「囚われ」というのは、認識の固定化や目的の形骸化などによって発生するもので、疑って問い直すべきものとあります。
このキーワードを見て、いい質問というのは、こだわりや囚われを発見する呼び水になるものというふうに私は解釈をしています。
こだわりや囚われを発見するために、もちろん組織内のチームミーティングなどで見つけることも非常に効果があると思うんですが、個人との1on1で話す時にも、この意識はけっこう効果的じゃないかと考えています。
例えば、メンバーが仕事に忙殺されて困っている場面の1on1を考えてみます。目の前の仕事は、メンバーにとってこだわりを持って取り組んでいるものなのか。もしくは、とりあえずこれまでどおりのやり方を踏襲していて、無理やりやらないといけないのでなんとかやっている、囚われのものなのかを判断していきます。
この際の質問としては、「『どれでも好きな仕事をしていいよ』と言われたらどれを選びますか?」「どの仕事を真っ先にしてますか?」といった極端な質問をすると、本人にとってはいい気づきになって、この質問は結果的にいい質問になった可能性があります。このように「いい質問」の定義というのは、正直、人それぞれ解があるかなとは思います。
相手にとって気づきを与える質問というのは、「囚われなのか、こだわりなのか」の2つのキーワードを意識してみると、いい質問につながるかなと考えています。
ただ、そもそもの話になるんですが、いい質問をすることは非常に大事だと個人的にも感じていますが、例えば会議の場などでは「いい質問ですね」という言葉を言わないように意識をしています。
会議の中で、議論や質問も自由に出るほうが絶対にいい場になると感じていますので、「いい質問ですね」と言ってしまうと、「いい質問をしないといけない」「私の質問はしょうもないな」と、周りのメンバーが質問しづらい空気を感じてしまう場面があると思います。
なるべく「いい質問ですね」とは言わないようにして、なおかついい質問をする。こんな意識を持つのがいいんじゃないかと思っています。
というわけで、今日は「いい質問って何?」ということを考えてみました。個人的には、こだわりや囚われを発見する、そんな問いがよいと考えています。今後のコミュニケーションのヒントになりますと幸いです。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには