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Notionでここまでできる!達人たちの「最強インプット+アウトプット術」(全4記事)

仕事の効率化のカギは、「何に使う」と「切羽詰まる」 村上臣氏が語る、「アウトプットから逆算」の思考

働き方からツールの活用までさまざまなイベントを企画してきたFilamentが、新たに開催したNotion活用イベントに、『Notionで実現する新クリエイティブ仕事術』を出版した村上臣氏とNotionのゼネラルマネジャーの西勝清氏が登壇。村上臣氏の「メモ術」や、日常的な情報収集を習慣化するコツなどを語っています。

目的がはっきりしていると、インプットの効率が高まる

角勝氏(以下、角):では、次のアジェンダに行きたいと思います。セッション1「インプット編」ですね。1個目の質問に行ってみたいと思います。「日常的な情報収集を習慣化するコツは何かありますか?」という質問です。

ここに対する、臣さんから事前にいただいている答えはこちらです。「アウトプットから逆算する」という、なんだかハイブローな答えが返ってきてしまって、どうしようかなと思います(笑)。臣さん、「アウトプットから逆算する」とはどういうことですか?

村上臣氏(以下、村上):結局、日々どういうアウトプットをしているかが、インプットの元になるわけですよね。なので、例えばメールを書くのでもいいですし、営業の方だったら、PowerPointで資料や提案書を作るとか。日々自分が仕事でやっているアウトプットがそれぞれあると思うんですよ。

結局それに必要な情報を整理してまとめておかないと、出てこないですよね。資料を作る時には、それをベースとして追加の資料をさらに調べて足していくわけじゃないですか。だから、最初の話がフリだったんです。

:なるほど(笑)。

村上:インプット、アウトプットを常にぐるぐるしている状態を、自分の中でいったん整理して認識しておくことが大事で。ある種のメタ認知だと思うんですけれども、それを一言で「逆算」という言葉にしました。

:なるほどね。でも、確かに言われてみたらそうですよね。「これをやらなくちゃいけない」というのがあるから、そのための材料を集めにいくということですよね。

村上:例えば英会話とかも一緒で、あんまり仕事で使う当てがないけれども英会話の勉強をしていると、けっこう上達が遅いと言われているんですよね。

:ほうほう。

村上:「具体的に使わないといけない」とか「切羽詰まるとできる」とか言うじゃないですか。これは「何に使う」という目的がはっきりしていて、それに必要な最短距離を走れるから早いんですよね。

:なるほどね。

村上:なので、趣味的にいろいろな情報を摂取するのはやればいいと思うんですけれども。仕事の効率化を目指すとすると、やっぱり日々自分がどういうアウトプットをしているのかを、まず抽象化して認知してからインプットを考える。そのためには、このNotionみたいなツールはすごく合っています。

Notionはインプットだけでなく、アウトプットにも使える

村上:例えば僕で言うと、仕事でメールを書いたり資料を作ったりもしますし、また個人として本を書いたり、あとは日々ブログを書いたりしています。

あとはNewsPicksでプロピッカー的なコメントを書いたりとか、いろんなアウトプットがあるんですよね。そのためにはこういう情報をそろえないと、少なくともアウトプットができなくなってしまう。なので、ひたすらアウトプットのためにインプットをして、それをいったん中間成果物としてNotionにメモとしてまとめたりもしています。

:オールインワンワークスペースである利点が、またそこで活きているわけですね。

村上:そう。だから私の場合はユースケースにすごく特化しているんですけれども、昔からメモアプリは中間成果物的なものなんですよね。なので、最終アウトプットはだいたい何か別にあるんですよ。

他に、最終のアウトプットとしてNotionを使ったり。Webのオーサリングツールみたいに使えるので、WordPressより簡単だから使っている人もいると思うんですけども。こと自分に関してはそういう中間整理術みたいな感じになっています(笑)。

:なるほど。ちょっと画面で見せづらいと思うんですけど、何か「こんな感じの物があるよ」みたいな、見せられるものとかはあります? 

村上:まだ画面を見せないでください。ちょっと待ってください。

西勝清氏(以下、西):(笑)。

:(笑)。じゃあ、その間つないでおきます。

村上:ちょっとつないでおいて。おもろい話をしておいてください。

自分のロジックで「抜けがちなポイント」をインプットしておく

:でも、おもろいかどうかはわからないですけど、今の話は僕はすごく腹落ちしたんです。アウトプットが決まっていないとインプットが決まらない、それはそうだと思うんですね。

家とか建てる時でも、どんな家を建てるのかという最初のイメージがあるから建築材料の仕入れができますよという話ですよね。そういうことを考えると、じゃあどんなアウトプットをしていくのか、そこのイメージを固める能力がまず先に要るんだろうなと思います。西さんも、さっきの臣さんのお話を聞かれて何か思われることはありますか?

西:そうですね。言われて振り返ってみると、例えば日本の状況をグローバルに連絡するとか、そういうアウトプットを日々やっているのに基づいて、情報収集をしているなと。

振り返ってみると、やり慣れていることはそういうふうにやってるなとあらためて思うので、新しいことを始める時によりそこの意識を持ってやると、いい情報収集ができそうだなと思いましたね。けっこう無意識にやっているんですけど、より意識を持っていくといい感じになりそうだなと思いました。

:僕もアウトプットとして、noteとかいろんなところで記事を書くんですけれども、その時にざーっと書いてみて、「あれ? ここの要素がないからロジックが成立していないぞ」と思うことがよくあるんですよね。そうなると、そこからまたインプットを探しに行くんですけど、そこから探しに行ってもそのインプットがなかなかないんですよね。

だから、自分がロジックを構築する時に抜けがちになる部分の癖みたいなものを自分で把握しておいて、ふだんからそのパーツをちゃんと探してインプットしなくてはいけないなというのは、最近思ってきたんです。そんな話をしているところですが。

村上臣氏の「感情だだ漏れメモ術」

村上:つないでいただいてありがとうございます。これはコロナ前に、ICCサミットというイベントのスタートアップ・カタパルト(ピッチ・コンテスト)の審査員をやった時の自分用のメモなんです。要はリアルタイムにピッチを聞いてひたすら自分用にメモを取っていた、リアルなものです。僕のメモの特徴は(笑)、感情がだだ漏れというところなんですね。

:(笑)。

村上:これは自分用のメモなのでこういうことができるんですけれども、例えば、この「やばい。街作ってる」というメモは完全に自分の主観ですよね(笑)。写真はその場で撮影したものをアップロードして。この時はVoicyの緒方さんも出てたんだね。

「なんだ?」みたいな疑問に思うこともメモして。売上に関する数字はすごく細かくメモってたりとか。あとは写真で気になるスライドをアップロードしながら。こんな感じでメモを取っています。

:なるほどね。頭の中に去来したものをすぱっと書く感じですかね。

村上:そうそう。あとはおもしろいので言うと……。これは昔、ヤフーとLINEが一緒になったという会見があって、ブログを書こうかなと思って、会見を聞きながらリアルタイムで自分用に取っていたメモです。

この時はいろいろ記者っぽい視点で見ていたんですよね。この時も数字を確認したり、Q&Aのところでいろいろハテナが付いているんです。「何だろ?」とか「?」とか。要は、僕はその時に自分が疑問に思ったこととかをハテナマークで記録する癖があるんですよ。これを見ると、「?」と付いているのはその時自分が疑問に思ったことですね。

:なるほど。

村上:あとは感情部分はかっこ書きにして入れたりとか、けっこう(笑)、「感情だだ漏れメモ術」みたいな感じになっています。

:テキストにすると、感情を表現するのが抜け落ちたりしがちじゃないですか。

村上:そう。だから人よっては携帯でメモを取るんだったら絵文字でもいいでしょうし、いろんな方法があると思います。

:なるほどね(笑)。

村上:だからそこは仕事の議事録とは違うということなんですね。仕事の議事録はそのままコピペしてみんなに回覧するので、フォーマルな感じで書くじゃないですか。これは完全に自分用の中間成果物なので、自分がわかればどうでもいいじゃないですか。

「ん?」の違和感が、メモのポイント

:でもこのメモ術、「なるほど」と思ったんですけど、その時の感情を一緒に記録しておくと、あとで思い出しやすくないですか?

村上:そうなんですよ。ポイントは、感情はその時にしかないんですよね。記憶は断片的には覚えていても、感情は先に忘れていくんですよ。

ただ、違和感や「ん?」という感情は、意外と自分は大切にするほうなので、感情をメモしておくと、あとで調べて深掘りしやすいんですよ。その時は、自分がどこに引っ掛かったのか、情報が流れてしまうので。一次情報はだいたい“源泉かけ流し”なんですよ。

:源泉かけ流し(笑)。

村上:そう、源泉かけ流しでばっと流れて消えていってしまうんです。「ん?」と思ったことは1時間、2時間で忘れてしまう。

だから、「ん?」と思ったそのポイントを「『ん?』と思った」とメモしておくと、あとで振り返った時に「この時俺、何か思ったよな」とそこに引っ掛かる。

「そうだ。これ、あそこのロジックが合ってないから引っ掛かったんだ」とか「この数値がなんだか大き過ぎると思ったんだ」とか。そこからまた調べて「そうだ、そうだ」とどんどん深掘りしていって、より深いインテリジェンスが得られる感覚ですね。

:超わかります。新規事業の審査員とかをやっていると、1回目に情報が入った時に「ん?」と感じる違和感はめちゃくちゃ大事ですものね。

村上:そうですね。そうしたら画面を戻しましょうか。

:ありがとうございます。いきなり1問目で、時間を使い過ぎた感じがありますが。

(一同笑)

インプットの効果的な整理方法は、「情報を一言でサマる」

:では、2問目へいきます。

村上:そうか、2問目があるんだね。忘れてた。

:2問目、3問目ありますよ。何言ってるんですか。

村上:忘れてました。

:インプット編2問目。「インプットの効果的な整理方法は?」ですけれども。こちらの答えはこんなものをもらっています。どん。インプットの効果的な整理方法は、「情報を一言でサマる」。

「そんなんできたらそりゃいいけど、それが難しいっちゅうねん」みたいな気持ちもありつつ、臣さんにその真意を聞いていきたいと思います。

村上:そうそう。さっきの画面で見せたメモがそのままだと思うんですが、全部メモる必要はない。新卒の人に議事録を取らせるとだいたい書き下し文になるんですよね。

:(笑)。なるほどね。

村上:たぶんそういう経験、ある人は多いと思うんです。

:あるある。ざっと全部書いてしまいますよね。

村上:そうそう。そうやって「自分がわかればいいや」という感じで、文章としてはどんどん短くなっていく。もしくは完全に箇条書きになっていく。

自分はすごく箇条書きが大好きで、Notionはマークダウンを使えるからわりとさくさくと箇条書きにしていけるので、やりやすいなと感じますね。

:なるほど。一言で飲み込みやすい、コンパクトな情報要素に、どうやって固めていくのかがやっぱり大事なんでしょうね。

村上:そうですね。あとで西さんからも紹介があるのかもしれませんが、さっきNotionの紹介で「ブロック」という概念が出たんですが、これがすごくパワフルなんですよね。今までの話だと、ちょうどライブチャットのコメントにも「なんでNotionなんだ? 別に他のでもいいじゃないか」みたいな話があるんですけれども、「おっしゃる通りです」と思います(笑)。

ただ、Notionはメモがそれぞれに見えるんですが、要はブロックとして各行が扱われるので、ドラッグアンドドロップですぐ変えたり、なんならテーブル文にしたり、グリグリ動かせるんですよ。

だから、僕はNotionはすごくポスト・イット的だなと思っていて。一度ばっと書いても、入れ替えたり編集がすごく容易にできるので、あとで思考する時にすごくやりやすいんです。ここが他のツールになるとCしてVして、としているうちに面倒くさくなるので、そのスムーズさが一度使うとやめられない感じ。Notion好きはたぶんここが一番ぐっとくるんじゃないですかね。

:これは、西さんにもちょっと振ってみたいですね。(コメントを読み上げて)「そういう話が聞きたかった」。良かった。

村上:良かった、良かった。

:西さん、今の話に補足説明はありますか。

西:おっしゃる通りで、僕もプレゼンテーションとかめちゃくちゃ作り込んでいたんですけど、主にNotionで自分が言いたいことを箇条書きでまとめることはすごく増えました。それを、ブロックごとまとめて移動させて、論理の構成を変えることができるので、頭の整理をするのにもすごく役に立つなと感じていますね。

:いいですね。

村上:Notionはこのブロックという機能と、データベースと、さっきのビューというところ。これが密に連携しているからいろんな使い方ができる。そこに気付くとむちゃむちゃ「おー!」となりますね。

:いいですね。これ西さんに「こうやったらビューが変わるよ」みたいな例を、あとでやってもらいたいなと思っています。

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