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上司VS部下、管理部VS事業部… 社内のケンカを収める中間管理職の処世術を須田仁之氏が指南

2017年12月13日に行われた「IVS 2017 Fall」のセッション「IVS DOJO」で、スダックス代表取締役の須田仁之氏が登壇し「喧嘩はやめて~♪ 経営幹部/株主トラブル処方箋」というテーマで講演を行いました。経営者と社員、管理部門と事業部門など、さまざまな関係性の中に潜むトラブルに焦点を当て、喧嘩をしないための心持ちやコツについて語りました。

20代の頃は社畜、30代も社畜、40代も…

須田仁之氏(以下、須田):よろしくお願いします。

(会場拍手)

「IVS出てください」というので、僕は自己紹介をどうすればいいか。「なんていう肩書がいいですか」って言われて、「有限会社スダックス代表取締役でお願いします」って連絡が来たんですね。

有限会社スダックスって、20代の頃に「お総菜屋さんをやれ」って言われて、お総菜屋さんを潰した経験がある。それで債務超過になった会社でして。

(会場笑)

有限会社スダックスはやだなと思って、「エンゼル労働家」とかにしようかなと思ったんですけど、それもちょっと寒いなと思ってですね。とりあえず有限会社だけをとって、「スダックス代表」ということで。ほとんど中身変わってない感じになっちゃうかもしれない。

僕の自己紹介なんですけど、今44歳で、いくつかベンチャー企業で働いてきたんですけれども、20代の頃は主にソフトバンクの子会社で上場を経験したりですとか、20代後半になりましたら、アエリアというゲームとかをやっている会社のCFOをやって上場を経験し、最近はいくつかのベンチャー企業のアドバイザーみたいなことをやっています。

(自身のキャリアが)結局はなんだったのかなと思って簡単にサマリすると、20代若手のとき社畜だったなと。30代CFOも社畜だったな、40代も社畜みたいなもんだな、と思って。

(会場笑)

結局僕が20代をサマリしたらですね、永遠のベンチャーキャピタル中間管理職だなと。

で、中間管理職だなと思って考えたイシューが……。中間管理職ってどんなタスクがあるかというと、そもそも中間管理職というのはタスク分析をしますね。

僕、けっこう管理本部長とかもやってたので、上司部下の調整ですとか、管理部門と事業部門、あとは経営陣と投資家、オーナー社長と他の役員。あと男性・女性とかですね。

例えば女性の経理部の派遣社員の方が「エンジニアの方がお風呂に入ってないみたいなんで、非常にくさい、仕事にならないです」「管理本部長どうにかしてください!」って言われるわけですよ。

で、僕は全社メールで「お風呂に入りましょう」っていうメールを。

(会場笑)

あと事業部長とかは「社長が何考えてるかわかりません。ビジョンが大事なのかお金が大事なのかわかりません。どうすればいいでしょうか」「俺だってわかんねぇよ!」「いやちゃんとやってくださいよ」という、なんだかケンカの仲裁みたいになっていくんですよね、中間管理職なんて。

「ケンカはやめて~」

今日はIVSなので、例えば投資前というと、「資本政策で失敗しないように気をつけよう」という話があるじゃないですか。これは……僕はアレなのでけっこう調整しているんであまりケンカは起きたりしないんですけれども。

結局自分のポジショントークといいますか、経営者は経営陣側のことを考えて「ちょっと株もらいすぎたかな」とか言うんですけれども。でも結局は結果を出せばいいだけの話なので、IPOとかも結果が出てればこんな話にはなってなかったなぁという感じがします。

……なんだっけ。あ、ここからが本番ですね。「ケンカはやめて~」……ぜんぜんウケてないですね。

(会場笑)

小野さん(IVSの小野裕史氏)にこれを話した時はめちゃくちゃウケたんです。「これでいきましょう!」「ケンカはやめて~でいきましょう!」って。でも20代がぜんぜん笑ってない! 話が違うじゃないか! ちゃんと笑えよ!

(会場笑)

80年代の音楽とか、20代は本当に知らない? 竹内まりやとか知らない? 竹内まりやの旦那とか知ってますか?

(会場笑)

あれですよ、「雨は夜更け過ぎに~」「雪へと変わるだろう~」。雪、今日は降ってますもんね。予言者みたいですね。これが旦那。写真をググったら、水着写真がズラズラっと出てくるんですよ。もう、ここでスライドを作成するのはやめましたよね。

(会場笑)

どの水着写真にしようかな、なんて5分ぐらいストップしちゃいまして。……はい、ここで4分、5分くらいですね。

「ケンカってなんで起きるんだ」という話ですね。これにはいくつか……昨日このパワポで(原因を)4つくらいに絞ったんですけどね。

ケンカをやめるにはどうすればいいのか

強い思いに比例しやすい現象。まあ、当たり前ですよね。「俺は起業してこんな強い思いなのに、投資家とか会社はなんか俺とは違うな」って。恋愛とかもそうですよね。「私ばっかりがなんで」って。期待値の返り値なんかもそうですよね。「クリスマスとか寡黙で素敵な人だったのに、なんでこんな店なの?」などですね。

あとは相手への不信感。「社長は会食と言ってるけど、あれはキャバクラとか行ってるんじゃないの?」とか現場社員は思ったりするわけですよ。あとは「根本的な思想が違う」などもあります。

ここからは「ケンカをやめるにはどうすればいいのか」。ここはすごく長考したんです。ここまでのスライドは検索以外はほぼザーッと作れたんですけれども、ここから本当に「ケンカをやめるにはどうすればいいのかな」というのが難しかったです。

なのでちょっと10分じゃなかなか難しくて、短絡的になっちゃうんですけれども。でもそうでしょ? だって。

誰かが我慢する、どっちかが我慢するんですよね。あと、相手を把握する。相手がよくわかってなかったことによってやっぱりケンカになりますよね。

あとは、よく起きるんですけど、やっぱり毎回学習して少し修正していったほうがいいかなと思うんですよね。例えば、シリアルアントレプレナー方の2回目の起業の成功確率が高いのは、1回目の組織マネジメントで学習していたりしていて、やっぱり人の価値観がぜんぜん違うとか。

あと言ったことが伝わっていないというのもありますし、家庭でもそうかもしれないですけれど、部下とか子どもは意外と見ているので、そういうことも気をつけないといけないということで少しずつ修正していけばいいんじゃないかと思っています。

ここからは、このままではソリューションのことが全然出ていないので、あとはソリューションを出さなきゃなと思って、ちょっと僕の20代の頃の思い出というか20代の頃の社畜中間管理職時代にどんな上司に詰められたのかなと。

(スライドに書いてある『ドラゴンボール』のベジータを指して)こういうサイヤ人の人に詰められたりですとか。あと、20代後半。孫さんとはYahoo! BBという事業で一緒に働いたことがありまして、「須田 孫」でググっていただけるとSEO1ページ目の一番上に僕のYahoo! BBの2001年の思い出というやつが出ます。それまでは杉並区でメダカを育てている須田孫七というおじいちゃんがSEO1位だったんですけど。

(会場笑)

今年SEOをぶち抜いて1位になったんですよね。ググっていただいてご覧ください。

ケンカの受け手のソリューション

ここからソリューションです。ケンカ受ける側、僕は受ける側が多かったので、受け手たちへの各種ソリューションやメッセージ。

「諦めよう」ということでね。「いや、この会社の社長はすごい資金調達もされているし、ビジョンがよくていいな」って、隣の芝生は青く見えちゃうんですけれども、実際「ADSL、よくわからないけど100万台発注だ」ってわけわかんないことを(上司が)言い出すと、もう諦めてやるしかないんですね。

あと、幹部社員の方、別れるなら結果出してからのほうが。だって、最近SNS、転職するときはどうせSNSで聞かれるわけですよ。Facebook。僕のところも毎日履歴書みたいの送られてきて、共通の友人で「この人大丈夫ですか?」みたいな必ず聞かれてくるんですけれども、やっぱり結果出してないと「う~ん、あいつ、大丈夫かな。ちょっとおすすめできません」みたいなこともありましたし。

例えば直近の具体的な事例でいうと、僕の支援してるところで弁護士ドットコムという会社が3年前ぐらいに上場しまして、そこのCFOはけっこう大人の方がやってるんですね。

「やっぱり弁護士ドットコムみたいに杉山さんみたいな大人のCFO採りましょう」と思って、履歴書送られてきて、「慶応大学卒なんとかかんとか」ってあったんですけど、Facebookで見たら共通の知人が4人ぐらいしかいなくて。共通の知人に聞いたら、「その人は絶対やめてください」って言ってたんですね。いろいろそういうのあります。

はい、ウケないな(笑)。

(会場笑)

嫌な気分を収める手法を自ら生み出す。お酒だったりとか妄想とか、Evernoteに悪口のメモを書くとか、いろいろソリューションはあります。受け手の人はそれでがんばってください。ここはサクサクいきます。

相手の情報を徹底的に把握し、同じ釜の飯を食う

入口を間違えない。これも当たり前ですけれども、採用する人が入口で間違っちゃう場合は修正がなかなか辛いなと思いますね。

あとは、諦めよう。繰り返しになりますけれども人は変わらないし、自分とは違うと。

あとは、社長とか自分が上司になったときは自分が大人になるしかなくて、人に期待してもしょうがない。先ほど内藤さんの話もありましたけれども、「自分がやるしかないんだな」というのがシーンとしては多いかなと思います。

で、個別のソリューション。ここもサクサクいきましょうかね。

相手の情報を徹底的に把握するというやつと、同じ釜の飯を食う。

まあ、お酒とかよく飲むと思うんですけれども、合宿とか行ってお風呂に入ったりするのが僕は効果的だと思ってますし、メッセ、Slackなどのテキストコミュニケーションに頼らずに、なるべく対面コミュニケーションをとる。

これ僕の写真ですよ。デスクで後ろから肩揉むと、仕事をしてるかわかるんですよ。

「タブ開きすぎじゃねえか、ちょっと閉じろ」ということもできるんで、これはおすすめです。タダですし。

(会場笑)

で、1つ忘れてはいけないことなんですけれども、結局ケンカとかトラブルって、国際的に生命学上たぶん(防ぐのは)無理なんですよ。防げる話ではないと思うんですけれども、ことベンチャー企業やスタートアップに関しては、ベクトルが同じ方向にバンと向いてるはずなんですよ。それを忘れないでほしいということですね。

これ非常にいい話をしてますからね。「須田さんいい話でした」っていうのを「#ivs」をつけてツイートしていただければ、ハイボール2杯おごりますんで。お願いします。

(会場笑)

最後、ちょっと偉い人の言葉を借りようかなと思います。俺じゃちょっと信用がないんで(笑)。エド・キャットムルというピクサー創業者が言ってるんですけど、「人と人との相互作用は相対性理論やひも理論よりもはるかに複雑」っていうことです。

今回仮想通貨の話とかもありましたけれども、お金は絶対回ってるはずなんですよ。最後、人が一番難しくて。ここだと思いますよ。

そんな感じで、ありがとうございました。

(会場拍手)

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