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2017年7月27日 民進党・蓮舫氏記者会見(全3記事)

蓮舫氏「ガラスの天井を壊すには道半ば」それでも党風改革には手応え

民進党代表の蓮舫氏が7月27日の記者会見で党代表の辞意を表明しました。「民進党を新たな執行部に率いてもらう。これが最善の策」と説明。本パートでは、記者からの質問に答えています。

民進党が変わった点

記者27:産経新聞のマツモトです。代表の激務、大変お疲れ様でした。

蓮舫:ありがとうございます。

記者27:先ほど党運営に関して反省の言葉を述べられていましたけれども、「岡田代表時代と比べて、民進党はこういうふうによくなった。プラスの方向に変化した」というふうに自負していらっしゃる部分がもしあればお聞かせください。

蓮舫:海江田元代表、岡田前代表、そして私と引き続き、本当にいろんなことに改革をしてきて、引き継いて努力をしてきて。

いろんな声があることを、私は多様性だと思っていますが、ただ、ずいぶんと、これはみなさんの印象ともしかしたらずれるかもしれませんが、バラバラ感が減ったと思っています。

ある意味、1つの会議をやったときに引きづられていろんな声が出るという場面をこれまで何度も経験してきましたが。

少なくとも岡田前代表がご努力をされて、私の代になって、そして国民が「やっぱり民進党だ」と期待をしてもらえる政党になるために、本当にその部分では、言うべき場所、言うべき言葉、そのある意味大人な対応というのが、ずんぶん熟成してきているとは思っています。

記者28:フジテレビのテラダです。代表をお辞めになっても、蓮舫さんの知名度でしたり発信力というのはやはり強くあると思うんですけれども。

一議員に戻りたいとおっしゃっていましたが、一議員として、民進党の党勢回復のために、どのように具体的に蓮舫さんの持っていらっしゃる知名度や発信力を活かされたいとお考えでしょうか?

蓮舫:あの、ごめんなさい。「一議員に戻りたい」とは言っていません。一議員に戻ります。

汗をかきたいと思います。とにかく1人でも多くの仲間がいろんな思いを持って、やっぱり「選択肢のある政治」を行うためにがんばっていますので、その方たちを応援できるための時間を多く多く割きたいと思っています。

そしてもっと勉強する。もっと自分に力を入れるための努力をする。その時間を大切にしたいと思います。

限界を感じたのでは?

記者29:FACTAのミヤジマです。さっき遠心力とおっしゃったけど、ある意味で巨大与党に政権交代に挑む上で、やっぱり参議院議員であるということは、ある種のやはり弱点というか、遠心力と、限界ということがあったのかどうか。

逆に言いますとね、東京都の最も厳しいところで、退路を断って戦うというような姿勢を示せば、今からでも求心力が生まれるんじゃないかと、そういうふうに思っていたんですが。

そのやはり鞍替えと代表継続というのはね、やはりちょっと荷が重いという、結局そういう判断なのかなと思うんですが、そのへんのところをうかがいたいです。

蓮舫:まず前段の部分は、それを感じないと言ったら嘘になるとは思っています。

ただ、今の政権のあり方を見ていると、いつ解散総選挙があってもおかしくない状況に(なりました)。まだまだ私はしっかりと攻めと受けをもって国会運営をしていこうと思っていますが。

そのときに、「これから私が」というよりも、やっぱり新しい方が早い段階で代表選を終えて選ばれて、しっかりと一枚岩で求心力を持って……。

総選挙に勝つ体制はもう十分、岡田さん、私のところで整えてきていますので、しっかりとその後段の仕上げを担っていただきたいと思います。

記者30:朝日新聞です。先日、両院懇談会で野田幹事長が辞意を表明されました。それから初めての会見ということですけれども。

野田幹事長を含め、今回の総括を受けてということで辞意を表明されたわけですが、蓮舫代表にとっても 期待がかかって、ある種後ろ盾となって支えてくれる幹事長だったと思います。

その野田幹事長が今回そういったご判断をするにあたって、まあ蓮舫体制ですね、「蓮舫代表のことを守りたいがために自分が出たんだ」というようなことを言われる方もいらっしゃるんですけれども。代表として、野田さんのご判断についてどのようにお感じになったかということと。

あと、昨日考えて野田さんにお伝えになった時には、蓮舫ご自身の今回の辞意については、野田さんからどのようなお言葉があったか。

蓮舫:前段の部分ですけれども、直接的に幹事長の重い決断があったから、私の判断というわけではない。やっぱり多様な声を受け止めて、多様な選択材料を自分の中で1人で勘案して、そして出した結論です。その中の1つに今言った部分はありますけれども、これが直接の引き金ではない。

後段の部分は、昨日、野田幹事長に電話をしてご報告をして話をしたところです。その中身については、ここで話すことではないと思います。

記者31:先ほど人事には着手していないとおっしゃってましたけれども、新執行部人部については、直接・間接に含めて、打診等もまったくしていないということでよろしいですか。確認させてください。

蓮舫:人事には直接手を出していません。

「ガラスの天井」は壊れたか

記者32:毎日放送のミサワと申します。就任時のご挨拶のことを思い出していたんですけれども。「茨の道からしれないけれども、ガラスの天井を壊していきたい」と晴れ晴れとした表情で話していらっしゃったことを思い出すんですが。

ご自身を振り返って、ガラスの天井というのを果たしてどこまで壊すことができたのか、どう評価されていますでしょうか?

蓮舫:まだ道半ばです。まだまだ目指したいと思っています。

記者33:すいません。北海道新聞のツダと申します。支持率が下がっている安倍総理、安倍政権に対して、野党第一党の党首として最後に言いたいこと、なにかありますでしょうか?

蓮舫:今の日本が抱えている課題は実にたくさんあると思います。この課題、例えば財政再建、人口減少、あるいは少子化、あるいは進む高齢化。

去年一昨年はわかったことではなく、30年前からわかっていた。つまり、長く長く続いた自民党政権が放置をしてきたがために、問題が深くなってきたものが多いと思っています。

それに対して、安倍内閣総理大臣は、例えば財政再建、例えば社会保障のあり方も含めて、消費増税を2回先送りする。

あるいは本当に着手しなければいけない財政再建には手をつけませんでした。そして蓋を開けてみたら、自分のお友達に優遇するかのような行政を行っている。

このアンバランスさを見ていると、やっぱりしっかりと対峙ができる、それに対して対案を持って向き合える民進党がなければ、この国の民主主義というのは成り立たないと強く思っています。そういう民進党でいたいと思います。

記者34:産経新聞のオクムラと申します。蓮舫さんは昨年代表選中に、メディアのインタビューに対して、ご自身について、野田さん並みの保守の政治家だというふうにおっしゃいました。

一政治家に戻られるということですけれども、蓮舫さんにとって保守とはどういう概念なのかということと、代表として、保守政治家として成し遂げたことがあればうかがわせてください。

蓮舫:我が国の長く長く続いた文化や伝統、こういったものをしっかり守り続ける。そして大切に次の世代に伝えていく。

ただ、日本の人口体系であるとか、あるいは地域のあり方であるとか、国家像そのものがずいぶん大きく変わってきました。

それに対して、じゃあ長く守ってきた文化・伝統をどのように引き継いでいくのか。時代とともに変容させて、そしてそれを発展をさせてつないでいけるのか。

まさに今の政治はその部分が求められる。変化を恐れるのではなくて、変化に応じて守るべきものをしっかり紡いでいく。それが私の求めている政治の中庸だと思っています。

1年間、まあ1年近く民進党をやらせていただきましたけれども、その部分では、次の世代になにを残すか。それは例えばエネルギーであったり、例えば教育であったり、あるいは憲法であったり。

そこは持続可能性の高いものをどうやって民進党が残していけるのか、抜本的な部分の議論は着手をして、そして結論はまだ出ていないものもありますけれども、その結論が出る道筋は作ることができたのではないかと思います。

風穴を開ける道筋は作れた

記者35:朝日新聞のフジワラと申します。先ほど「攻めと受け」とおっしゃっておられますけれども、先日の両院懇談会では、同様の発言として、「壁」に言及される声がありました。それは執行部・非執行部の間に横たわる壁、それから参院・衆院に横たわる壁と。

この壁についてどのようにご認識されていたかということをですね。今回辞任するのは、やはりその壁に風穴を開けるできなかったということが原因の1つと考えてよろしいんでしょうか?

蓮舫:いろんな原因は複合的に重なり合っています。「これだ」と特定をここで言えるものはないとは思います。複合的です。ただ、壁の部分の、代議士がご提起された部分で、例えば衆参の壁、これは確かにあります。

それは参議院議員の私は代表になったことによって乗り越える1つの、拡大執行役員会を活用する、あるいは風通しをよくする、そして両院の委員会の連携を強める、この部分の道筋は作れたと思っていますし、ここは強く次の執行部に引き継ぎをさせていただければと思っています。

そして、ご指摘の2つ目の執行部と反執行部の壁。これは常にあるのだと思います。やはり政党であるがゆえに多数の、まさにそれぞれが地域で選ばれている国会議員ですから。

その方たちが思う執行部のやり方への不満であるとか不信であるとか、あるいは執行部に対するそうではないと思える思い、これはぶつかることはどうしても避けられないと思うんですね。

ただ、それをどうやって円満にお互いの理解を深めていくか、その手段は私がもうちょっと努力しなければいけない部分はあったと確かに思っています。

これからの連合との関係

記者36:フリーランスです。具体的なことでお聞きします。現実の問題として、これから出てくるのは、連合との関係というのが1つあるかと思います。

この度の連合は、残業代ゼロ法案に対していっぺん賛成して、今日撤回されたということになって。

いろいろ野党共闘とも絡んでくるんですが、「この連合の役割というのは本当にあるのか?」という疑問の声がずいぶんあります。「労働者に背を向けてるんじゃないか」と。

この連合との関係、今後どのようにやっていくべきかっていうあたりで、もう少し国民の方が理解していくような、なにかメッセージがございましたら、蓮舫さんのほうから言っていただければと思います。

蓮舫:連合の役割は当然あります。この国で生まれ育ち、あるいはこの国にやってきて生活をするには、労働とは無縁ではいられません。

「働く」という、人が生きていく上でとても大切で、崇高で、そして自分の生き方に関わるものが、法律で本当に守られているんだろうか。その法律が変わることによって軽んじられることはないんだろうか。

その声をしっかり届けるのは、やはり連合が第一義的に行うべきものだと思っています。

そこにおいて、私たちは政党として、どうしたら人々の働く環境をよくして差し上げることができるのか。非正規から正規へ、安定した雇用に。

あるいは女性が子どもを産んでも産まなくても継続して安定的に働ける環境をどのように作るのか。

それぞれ立場は違いますけれども、よくするために連携をとる、その姿勢は決して間違いではないと思います。

今回確かに連合さんの中いろいろあったかのように報じられているし、連合の方とも意見交換、連絡は取り合っていますけれども。

そこはトップダウンではなくてボトムアップで、多様な議論を経て1つの結論を出しているという健全な姿には敬意を表したいと思います。

最前線でがんばりたいと言っていたが

記者37:東京新聞のガナハです。1つうかがいます。7月4日の常幹だというふうに承知してますけれども、都議選で負けはしましたものの、「最前線で引き続きがんばりたい」というふうに、続投への意欲をお示しされていたと思います。

そこから3週間ほどでしょうか。昨日1日熟考してお辞めになるという決意をされたということですけれども。端的にですね、この間なにかあったんですか。要するに思いを変えるなにかできごとというのがあったんでしょうか?

蓮舫:はい。ありました。ブロック議員会議がありました。

そして、それを6回を経て総括にまとめる。自分自身もペンを入れる作業もありました。そして両院議員懇談会がありました。幹事長の重い判断もありました。

こういったものを積み重ねて、自分の中で、大切な仲間の声ですから、これを勘案をして、昨日1日の熟考、そして今日のこの判断となりました。

記者38:共同のノミヤマです。今、安倍内閣の支持率は20パーセントまで落ち込みましたし、自民党も都議選で歴史的な大敗を喫していします。

加計学園問題でも、代表自ら先頭に立って国会で追求を続けてきまして、この攻めを続ければ、さらにもうひと押しで安倍政権も苦しい立場に追い込まれるような状況で、代表自身がこのタイミングで身を引くという、このこと自体どのような思いでしょうか?

蓮舫:安倍政権を攻め続けて苦しい立場に追い込んでも、私たちが受けで認識を広くいただかなければ、それは与野党ともに政治不信が広がるだけで、国民にとってはものすごく不幸なことだと思っています。これは今回の私の判断の大きな思いの1つです。

小池都知事との違い

記者39:何度もすいません。テレビ朝日「報道ステーション」です。受け皿ということで、もう1点うかがいたいんですけれども。

まあ国政ではありませんけれども、都議選においては都民ファーストの躍進が目立ちました。民進党になくて都民ファーストにあるもの、あるいは蓮舫代表になくて小池都知事にあるもの。受け皿という意味でご自身はどういうふうに受け止めていらっしゃるのでしょうか?

蓮舫:それは難しい質問ですね。まず、都民ファーストさんはまだ政党ではないので、どうこうという評価、全国組織ではありませんので、なかなか難しいと思います。

小池都知事はやっぱり魅力的な方だと思います。そこはさまざまなご経験を経て、今の自分のゆるがない判断を持っておられる。私に足りない部分がたくさんあると思いますので、学べるところがあれば学びたいと思いますが。

まずは私は私として、今回自分がこの決断をした時の足りない部分、しっかり自分の中でもう1回もう1回よく考えて、汗をかいて、それを補っていきたいと思います。

記者40:FACTAのミヤジマです。自民党や他の野党に比べても、やはり後ろから仲間が鉄砲を撃って引きずり下ろす党風というのが、私はやはりいくつかの場面で感じておりましてね。

やはりそういう党風というのがちょっと嫌気が差したんじゃないかと思うぐらいなんですが。次に代表になられる方を含めまして、本当に民進党というのはまとまってやっていけるような、そういう党風改革というのはできるとお考えですか?

蓮舫:はい。できます。仮に後ろから鉄砲を撃たれたとしてもですよ。それは私は水鉄砲のレベルだと思います。時間が経てば乾きますし、そこからまた一緒になって歩いていける。その仲間の信頼関係は持ってると思います。

時間をかけてですけれども、ゆっくりゆっくりここまで関係は構築できてきていますので、しっかりと、必ず、必ず国民の声を代弁できる、信頼される民進党に次の執行部は持っていける。その確信も持ちながらの今回の判断です。

司会者:はい。それじゃあよろしいでしょうか。大変長時間ありがとうございました。以上をもちまして、代表の特別会見を終わらさせていただきます。ありがとうございました。

蓮舫:ありがとうございました。

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