2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
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記者1:日経新聞のオオモトです。まず綱川社長におうかがしたいんですけど、3月14日に発表された方針に沿った内容かと思うんですけど、改めて(米原発子会社ウェスチングハウスの)破産申請をされたことの意義付けについて、お考えをお聞かせください。
あとは関連して、半導体(株)の過半売却ですとか、再延期されている決算説明会が控えております。現時点での進捗状況を可能な範囲で教えて下さい。まずはこの1点をお願いします。
綱川智氏(以下、綱川):まずは本件(破産申請)の意義付けですが、本件はウェスチングハウスの取締役会が、ウェスチングハウスの債権者や当社を含むステークホルダー全体の利害を考慮して判断したものでございますが、これはウェスチングハウスの再建へ向かう道筋として重要だという位置付けでございます。
それと同時に、海外の原子力事業のリスクを遮断するという我々の方針ともマッチしているということであると。こういう位置付けでございます。
今後のメモリー事業に関する外部資本の導入等に関するご質問でございますが、いま現在、入札でいろいろオファーをいただいているところでございまして、まだ全部は集まっておりません。入札のプロセスの途中でございますので、今のところ報告できることは何もございません。以上です。
記者1:決算の発表の見通しについてはいかがでしょうか?
綱川:4月11日に向かって、いろいろ抱えている調査を誠実にしているところでございます。
記者1:ウェスチングハウスに関連して、発表資料にも書いてあるかと思うんですけど、ちょっとわかりにくいのでご解説をいただきたいんですけど、直近で計上を予定されていた7,125億円と、今回改めてウェスチングハウスさんに破産法を適用することによって、それがどうなったのか、あるいはどうなるのか、ご解説をお願いします。
平田:少しわかりにくいので、ご説明させていただきます。開示資料の3ページのところにございますが、後段の①にあります、「WECグループ連結除外影響等」というところで、これはすでにご案内の引当をとらせていただいた数字を含めて、連結除外になっていくということなので、いったん2,000億円強のプラスが入ります。
一方で、②にございますように、親会社保証引当金、それから弊社がウェスチングハウスグループに貸し付けを行っている債権、こういった貸倒引当金を計上するということで、純損益ベースで合計が約6,000億円の悪化になるということで、連結除外でプラス2,000(億円)が入って、親会社保証引当金と貸倒引当金を合わせて約8,000億円のマイナスが入るとご理解いただければよろしいかと思います。
記者1:破産法の申請にともない、ざっくりとした東芝が負担する額というのが8,000億円という理解でよろしいんでしょうか?
平田:そうでございます。破産法を適用されると連結除外になるということがあって、会計上は6,000億円強が影響額になると考えてございます。
記者1:わかりました。話が前後してすみません、今日のウェスチングハウスの破産申請にいたる過程で、当初予想よりやや遅れたのかなと認識しているんですけども、ウェスチングハウスの取締役での議論の過程で、そういった時間を遅くするような事情が何かあったとすれば、それについて教えて下さい。
あとは今後の話なんですけど、とくに事業のパートナー、スポンサーの目処というのは現時点でついているのか、可能な範囲でコメントをください。
畠澤守氏(以下、畠澤):原子力(事業)を担当している畠澤です。私からご説明いたします。まずウェスチングハウスのこの「チャプター11(米連邦破産法第11条)」の申請のタイミングが遅くなったというご質問だったかと思いますけれども、私どもとしてはそのような思いはございません。
確かに報道等、一部先行してございましたけれども、ウェスチングハウス社の中での執行側とウェスチングハウスのボード(米民間調査機関コンファレンスボード)の確認を手順を踏んでやってきた結果が今日になったという認識でございます。
また2点目の、今後のスポンサーうんぬんの件につきましては、今後の債権再生の検討の中で議論されることと認識しておりまして、当社から意見を申し上げることは控えさせていただきます。以上です。
記者2:恐れ入ります。サークルクロスワカバヤシでございます。まず1点は、今回ウエスチングハウス以外のアメリカの原子力のプロジェクト、ないしはウエスチングハウスのアメリカ以外のプロジェクト。
今回は狭く見るとウエスチングハウスのアメリカのプロジェクトについてはわかったということなんですが、それ以外になにかあると……ウエスチングハウスの海外、つまりアメリカ以外の、あるいはアメリカでのそれ以外ってあると思うんですけれども、これに関してはまだリスクがあるのかないのか、というところについて確認させてください。これが1点目です。全部で3点あります。
畠山:はい、今回ウエスチングが厳しい状況になったという部分につきましては、これまでご説明申し上げましたように、現在アメリカで建設中の4基のAP1000建設プロジェクトによるものであります。
それ以外の燃料やサービスといったビジネスの部分につきましては堅調に進んでおります。また、建設の中でも、中国あるいはその他のの国でも機器供給等やっている例はありますけれども、そちらのほうにつきましても大きなリスクは顕在化しておりませんし、今後もないと認識しております。
綱川:補足しますと、例えば今インドで受注6台の案件があるということでありますが、こういうのも、裁判所管理下のもとでやっている新しい体制のもとでの判断になってくるということで、我々東芝での判断ではなくなるということをご理解ください。
記者2:そこでなにか新たな追加の損失が出るということはないということでよろしいですか。
綱川:ないです。
記者2:それから2つめの質問で、年度末のバランスシートなんですが、1つはこれ、アメリカの話なので、例えば急速に為替がぶれた場合には影響が変わると思います。それと、それも引当金的にDoneなのか、年度末によって違うのか。
それからおそらく、メモリー(半導体事業)についても何パーセントなのか、あるいはどれくらいの価値がつくのかわかりませんけれども、これがどれくらい売れるのかによって、バランスシートも多少……というかけっこう上下するんじゃないかという気もするんですけれども。
そういった意味から言うと、今回で言えばこのとおりだと思うんですけれども、それ以外のそういった要因でなにか変わりうるというような考えでいいのか、それはもう変わらないという考えでいいのか。
それからあと、これはあくまで今回はマックスなので、例えば話し合いによって少しは減額することがありうるのか、まぁこれは甘い見通しかもしれないですけれども、普通この交渉ですといろいろあると思いますんで、そのへんもちょっと甘いかもしれませんけれども、教えていただけないでしょうか。
平田:はい、まず為替の影響でございますけれども、今回の影響額は今直近で111円ということになってございますので、今110円で弾かさせていただいているので、あまり大きな影響はないと考えてございます。期末日レートになりますので、ほとんど影響はないと考えております。
それから親会社保証の程度、今後の保証ということですけれども、ウエスティングハウスを再生させていくということと、それからあとアメリカの2案件。電力会社さんはきちんと建てていくという方針を今のところ示させていただいてますので、それに則った形できちんと、基本的には負担すべき部分は負担していきたいというのが当社の考えでございます。
記者2:メモリーの影響というのはあまり関係ないのか、価格と何パーセント売れるかによって多少は影響すると思っていいんでしょうか。
平田:メモリーの影響というのは、フローの損益……?
記者2:フローの損益というのか、それによって持分法なのかフル連結かによって、バランスシート上の資産価値が変わるんじゃないかと思うんですけれども、そこはもう影響はないと?
平田:そうですね。そういった為替による変化項目は今織り込まさせていただいております。基本的には前回ご報告させていただいた数字と大きな変化はないというふうにご理解いただければと思います。
記者2:あ、すみません。メモリーの、仮に2兆円かなにかの価格がつくわけですよね。そのときに、今まで織り込んでいなかった、これもだからフル連結か持分法なのかによって違うと思うんですけれども。それによって資産価値が変わると思うんですね。
その影響が、例えば変な話ですけれども、今御社のいろんな資産が時価もありますけれども、物価もありますねと。それも一部顕在化したときには、それがおそらく時価評価になって、それで価値が上がるものもあれば下がるものもあるんですけれども。
それも今から言うと、メモリーって100パーセントなわけですけど、その比率が変わることによって時価評価され直すわけですから。それによってバランスシートに影響があるかどうかという話なんですけれども。
平田:はい、おそらくのれんの減損テストに関わる再配分の話をおっしゃっているのかなと思いますけれども、そこのところは今第4クオーターで、各種のれん、あるいは固定資産の減損テストをやるべく、進めております。メモリーの値段がいくらつくかというのも、減損テストには影響してくると思います。
記者2:わかりました。そこは多少変わる可能性があるってことですね、わかりました。すみません、最後の質問です。先程も少し出てましたけども、本決算が通常であれば4月末、5月末だと思うんですけれども、この状況を見ればかなり本決算も遅れるという考えでいいのか、ちょっと今後の日程感を。
例えば6月頃になっちゃうというようなことがあるのかというのを……。本決算への影響があるのかどうかについて教えていただけますでしょうか。
平田:今、大変申し訳無いんですけれども、第三四半期の決算発表が遅れておりまして、4月11日に発表させて頂く予定で、今、綱川の方から説明があったようなことで、監査委員会を中心に動いております。
それで、本件の事象で今のところは、これは第4クオーターに決算としては反映させて行きますので、このことで大きな本決算の遅れはないであろうというふうに、今のところは思ってございます。
記者2:わかりました、ありがとうございます。
記者3:NHKのヤマダと申します。よろしくお願いします。まず1点目なんですが、今回のウェスチングハウスのチャプター11(注:連邦倒産法第11章)の申請を、東芝としてはどの段階で避けられないと思われたんでしょうか?
畠澤:検討につきましては、今回のウェスチングハウスのコストオーバーの件のご報告させていただいた以降の、その対応のいち候補としてさまざまなケースを考えるなかであったということであります。
一方、これを決定するということのタイミングにつきましては、ウェスチングハウスの再生、事業価値の最大化、あるいはウェスチングハウスの事業にかかわるステークホルダーさま、お客さま、その他の議論のなかで検討が進んできて、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、順に検討を積み上げてきた結果、今日の決定になったという認識であります。
繰り返しになりますけれども、ウェスチングハウス側の検討の結果を今日私どもが確認したということであります。
記者3:綱川社長におうかがいします。今回チャプター11の申請ということですが、本当にこれで今後のリスクを遮断し、東芝を再建できるんでしょうか。
綱川:M&Aも含めて海外事業いろいろ問題があったわけですけれども、そのなかでも一番大きい原子力の海外事業、これにつきましては、これはほぼ撤退と言えると思います。ですからそのへんのリスクがなくなった。
国内のほうの原子力事業は残っておりますが、これは燃料、サービス、廃炉等々のことで、これは社会的責任をもって進めるということと、全体を見ますと、この海外原子力事業以外の主要な事業は順調に進んでいて、業績も回復しているということですので、この一番の大きなリスクを遮断すると今後社会インフラを核として、このあいだお示しした3年計画が進めるというふうに考えております。
記者3:チャプター11でアメリカの原発事業の損失拡大リスクというのは遮断できると思うんですが、例えば電力会社などアメリカの債権者の訴訟のリスクだったりとか、そういったもので損失が今後一段と拡大するというおそれはないんでしょうか。
綱川:今回チャプター11をするにあたっては、お客さま、電力会社様とも非常に密に話し合いをして行ったものでありますし、今後請求もお客さんのほうから来ると思いますけれども、その親会社保証についても協力し合いながらその要求に基づいて履行するということで、良好な関係でありますので、そのようなことはないと考えています。
記者3:アメリカ政府からの要請などが今回の件でなかったかということなんですが、トランプ政権はとくに雇用の重視を掲げてますけれども、人員の削減などについてはどのようにお考えでしょうか。
綱川:そのへんに関してはとくに我々はなにも言ってませんし、我々のほうからとくに言うことはございません。
記者3:最後にもう1問だけお願いします。今回製造業として過去最大となる1兆円を超える赤字を計上する可能性ということですが、これについての受け止めと経営責任についてどう考えますか。
綱川:このようなことに至ったことに関しては経営トップとして非常に責任を大きく感じております。これからこの問題の改善、収拾にあたって全力で取り組んでまいりたいと思います。
記者3:ありがとうございました。
記者4:SMBC日興証券のシマダと申します。3点ほどお願いします。1点目は、しつこくて恐縮なんですけれども、今回のこの事案は、会計処理の中で6,500億円の会社補償と、本社が持ってる資産の全額の減損ということで、6,200億円という影響だと思っているんですけれども。
先ほども質問ありましたが、例えば、今の四期というのは、アメリカ政府のいろいろなインセンティブを受けていると思うんですが、今回のチャプター11によって、そういうものにはどういう影響があって、会計処理のスコープ外から、更なるリスクが生じる可能性は心配しなくていいのかどうか、その辺をもう1回確認させて下さい。これが1点目です。
畠澤:今のご質問に関しましては、アメリカ政府と米国の電力子会社様との関係のことでございますので、私どもの方からは、特にコメントを差し控えたいと思います。
記者4:それによって、電力会社から、御社に更に追加的な請求があるということはないということでいいんですね?
畠澤:そのように認識しております。
記者4:はい。2点目は簡単な確認なんですが、投資勘定の減額・減損というのは、16年3月期時点で、のれんは800くらいしか残ってないと思うんですけれども、のれん以外のところで、これを全額減損したと、そういう理解でよろしいでしょうか? 5,000億円くらいになると思うんですけれども。引き算すると。そういう理解でよろしいでしょうか。3ページ目のところですね。
平田:すいません、今ちょっと、質問の内容が……。
記者4:すいません。のれんの減損7,125億円、それがチャラになりますと。もう一方で、その御社が持ってる投資勘定の分を全額減損するので、2,000億円分くらい分は良くなりますよっていう、そういう理解だと思うんですけれども。
平田:そうでございます。
記者4:それなので、のれんの分はもう800くらいしか残ってないので、それ以外の御社が持ってる勘定を全部減損するというか、そういう理解でいいということですか?
平田:そういう理解で結構です。
記者4:はい。最後の質問が、今回のチャプター11によって、依然として、CB&IとS&Wをめぐる訴訟っていうのがあると思うんですけれども。例ののれんで、例のキャピタルが、どう考えても金額が行かないという話にはなってると思うんですけれども、その場合は、全額、即時現金でCB&Iへ払わなきゃいけないと、そういうスキームだったと思うんですけれども。
今こういう形、チャプター11になって、これはどういう形になっているのかというところを、最後、解説お願いできませんでしょうか。
畠澤:今ご質問いただいた件につきましては、引き続きウェスティングハウスの方に継承されて、ウェスティングハウスとCB&Iの間での議論が続くという認識でいます。
記者4:ということは、それは直接、御社の保証債務、偶発債務には影響してこないということになるんですかね。
畠澤:そういう認識でおります。
記者4:はい、わかりました。ありがとうございました。
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