急成長スタートアップのコーポレートを0から作る

石黒卓弥氏(以下、石黒):それでは、(今回のセッションに)お誘いいただいたLayerXの石黒と申します。今日は渡瀬さん、山田さんという非常におもしろいお二人をお迎えしてのイベントをお任せいただいて、少し緊張してるんですがやっていきたいと思います。

40分という限られた時間なので、せっかくなので熱量の高いイベントができればなと思っています。今回のテーマは「急成長スタートアップのコーポレートを0から作る」というところですね。

では「0から」というタイトルもありますので、お二人が何番目のご入社だったかも添えて、簡単に自己紹介いただけると思います。では、山田さんからお願いします。

山田聡氏(以下、山田):石黒さんありがとうございます。あらためまして、今10XのCFOをやっております山田と申します。私自身は10Xに入社したのが2020年3月なので、2年半ぐらい前です。ちょうどコロナに入る時でして、当時12番目の社員でした。

まさに今我々がメインでやってるStailerという事業を立ち上げるか立ち上げないかというようなタイミングなので、コーポレート的にも1人目でしたし、ビジネス側も正直社長しかまだいないみたいな状態でした。

今我々は80名強ぐらいなんですけど、組織の拡張と共にずっと過ごしてきた感じです。今日はいろいろお話を聞けるのを楽しみにしてます。よろしくお願いします。

石黒:よろしくお願いします。ありがとうございます。山田さんは今のStailerという主力事業が始まった頃にご入社というお話ですね。

事実上1人目のコーポレート部門で、どう組織を作ったか

石黒:では渡瀬さん。簡単に自己紹介お願いします。

渡瀬浩行氏(以下、渡瀬):渡瀬と申します。よろしくお願いします。私はLayerXに2019年9月に入っております。その頃は六本木のマンションの一室にみんなが集まっていて、何名いたのかな。ちょっと正確な数はわからないんですが、たぶん20名ぐらいいて、その頃にジョインした記憶があります。

私が今管掌してるのは経営管理部門です。LayerXの前は、Aimingというオンラインゲームの会社でCFOをしておりました。もともとコーポレート業務をやっていたわけじゃないんですが、コンサルからコーポレート業務に変わったんです。一応今で通算17年ぐらいやっています。本日はよろしくお願いします。

石黒:よろしくお願いします。(お互いの会社が物理的にも近く)近所のよしみということで、モデレーターをやらせていただく石黒と申します。

山田:ありがとうございます。

石黒:渡瀬さんはいつも一緒に働いていますし、山田さんも折に触れて情報交換というか、いろいろ学ばせていただいたりしていて、今日はすごく楽しみにしておりました。よろしくお願いします。

ではさっそく本題に入っていければと思います。今日は大きく4つのテーマで。いくつも議論できないかなぁと思っていて、4つぐらいのテーマでやってもらっています。

石黒:「0から」というところだったので、コーポレート組織をどう作るか、どのような思想で作っていったか、ぜひお二人からお話いただければと思っています。特に先ほど10Xさんはメンバーが80名強と。LayerXは、今、渡瀬さん何名ぐらいになってますかね。

渡瀬:132人ですね。

石黒:というところになってきています。12人目とか20人弱ぐらいの時のコーポレートで、おそらくお二人とも事実上1人目だったんじゃないかなと思うんですけれども。どのような組織思想で作っていったかお話しいただきながら、大激論に進んでいければと思います。

最初の仕事は、コーポレート業務の「巻き取り」から

石黒:まず、渡瀬さんからお願いしてよろしいですか。

渡瀬:まず大前提として、組織の構成が10XさんとLayerXで違うかもしれないなと思うので、私が見ている範囲をお話ししておいたほうがいいかなと思います。

LayerXは経営管理部と別に、人事広報部があります。経営管理部で見ているのは、経理と労務と総務と法務。この大きく4つの分野になっています。

採用と人事周りと広報を石黒さんが見てくれていて。あと情報セキュリティとか、ネットワークとかシステム周りはCTO室という別の室があって、そこは代表取締役CTO(松本勇気氏)が見ているかたちになっています。これが大前提ですね。

私が最初に入った六本木のオフィスの時には、実はコーポレート業務は1名担当者がいました。あともう1人、今バクラク事業部長をやってる人がちょうどコーポレートを見ていたような気がします。それを巻き取るのが最初のお仕事でした。

(当時は)そんなに大きくなくて、業務量もなかったので、やっぱり内製化したほうが早くて。基本自分でできることを全部やっていました。もともといたコーポレートの担当者と一緒に業務を分けあって作っていったのが最初になります。

LayerXと10Xの組織的な違い

石黒:ありがとうございます。最初は内製化していて、「巻き取る」というワードがありましたけども。渡瀬さんが入られたのが2019年だと思うんですけど、3年経って、今は何名ぐらいになられたんですか。

渡瀬:コーポレートですか。

石黒:はい、今言った4つの管掌で。

渡瀬:実質、私と経理担当と労務の担当、それぞれがやっています。

石黒:ということは3人なんですね。

渡瀬:はい、そうです。

石黒:3人で、山田さんが笑ってしまってるんですが。

山田:(笑)。

石黒:なぜ3人なのかはこの後聞いていこうと思います。とりあえず3人という状況だとお聞きしました。何があったか、ちょっと後で聞かせていただけると思いますが、巻き取って3年間経ったというところですね。

山田さんも前提を揃えるために、どういった全体の管掌があって、どんな思想で作ったか、ぜひうかがえればと思います。お願いします。

山田:ありがとうございます。さっき渡瀬さんにご説明いただいたLayerXさんとの差分でいくと、我々もコーポレート組織の下に法務・労務・総務・経理の機能が入ってます。なので差分でいくと我々はコーポレートITとか、セキュリティ回りも、コーポレート組織の傘下に入っています。なのでここが追加になっているの部分です。

あとは我々「コーポレートストラテジー」って呼んでるんですがその部門もコーポレート傘下です。具体的に何をやるかというと、経営戦略や管理会計も入っています。あとはビジネス部門と一緒に事業の戦略を考えたりとか、売り上げをどう伸ばしていくかを一緒に考える機能も入っています。

そのへんが少し幅として違うかなというかたちです。人事とか広報は別の組織にぶら下がっているので、ここはLayerXさんと同じで、コーポレートの管掌外になっている状況ですね。

「外注できるものは外注しよう」というスタンス

山田:我々が組織をどうやって作ってきたか。「巻き取り」というキーワードで言うと、我々もまったく一緒です。私も入社して最初にやったのは、月の請求書の支払い業務とかを当時社長の矢本がやっていたので、それをまず引き剥がすこととか。

労務的な手続きとかも、当時1人アシスタント的にサポートしてたメンバーもいたんですけど、その方も別にコーポレート専門ではなかったので、いったん私のところで全部巻き取るというのをやっていきました。

そのまま巻き取っていくと、なかなか自分が企画的な業務ができないので、アシスタントの方を別途入れたりしながら、少しずつ自分たちでやっている業務を外部の方、内部の方を含めて渡していきました。

LayerXさんと我々、けっこう逆だったなと思っていて。ただ、当時からスタンスとして、「外注できるものは外注しよう」という感じで、経理も完全に外部の税理事務所の方にある程度丸投げできるような体制ができていました。

法務も基本的に外部の弁護士事務所にお願いするかたちで、できる限り外注できるものは外注して、会社として内製化しなきゃいけないものはミニマムにしようという思想でスタートした経緯です。最初はそういうスタンスでどんどんやっていった感じですね。

石黒:最初は出せるものは出す感じで、渡瀬さんもそこは似たようなところですね。

渡瀬:そうですね。そういう思想がありつつ、やっぱり一番最初は専門家の領域だけが外に出ていたかたちでした。私が入った時は税理士事務所さんと契約をしていたのと、顧問弁護士さんがいらっしゃった。

組織が小さい時は自分がやったほうが早いというのもあったので、そういう試行錯誤しながら、やってみながら業務プロセスの型を作って、どこが外に出せるかという判断をじっくりやるのが最初かなと思ったので、そうしてました。

当然大きくなるにつれて外注化したほうがいい部分は出てくると思うので。今は本当に、専門性が高い分野の税務と法務は外に出します。あとは会社の規模が大きくなってきた時に処理件数が増えちゃうものは、外注化するか自動化するかなので。

今だいぶ人数が増えてきたんですが、人数が増えてくると給与計算とかでイレギュラーパターンが増えてきて、いろいろあるので、ここは外注に出しました。自動化でいくと、請求書の発行とか申込書は、いわゆるコーポレートのタスクとして発行・チェックも含めてやっていました。ここは自動化して、コーポレートが絡まなくても大丈夫なようにしてます。

事業に合わせて「思想」を変化させる柔軟性

石黒:専門家が必要なところは外注に頼ること、人数の増加と共にスケールしていくところも外に切り出しておくこと、自動化でテクノロジーを活用することですね。この辺は10Xさんも近そうな思想だなと思ったんですけど、山田さん。大きな思想としては同じですか。

山田:そうですね。基本的には今おっしゃった3つのポイントはすべて押さえるかたちでやっています。ただ差分でいくと、我々最初はできる限り外注でした。入った当時、まさにコーポレートのメンバーや人事とかも含めて5人で合宿した時は、「いかにリーンなコーポレート組織を保つかを目標にしよう」と話してたぐらいなので、そういうスタンスでやっていました。

途中からメリハリをつけるようにしています。実は我々今、コーポレート組織全体でいくと15〜16名いるので。LayerXさんとは対照的な状況になっているんです。これはやっぱり「ビジネス上の要件」が最初に出てきたというのが大きくて。

我々、ファーストクライアントがイトーヨーカドーさんだったりとか。

石黒:すごく大きい企業さんですよね。

山田:そうなんですよ。その次にライフさんが来て。売り上げ1兆円前後の上場企業の人たちがいきなりクライアントだったので、コーポレートITのセキュリティ体制が本当にどれぐらい強固なんだとか、情報管理とか社内でちゃんとできてるかとか。いろんなエンタープライズのお客さんとお付き合いする上での、ミニマムのコーポレート要件を求められたんです。

会社としての事業を進める上で重要になりそうなところはあえて内製化して、先行投資して我々自身がよりコントロールしやすい状態を作っていった結果、今の体制かなっていう感じですね。

石黒:ということは事業に合わせて、エンタープライズに対応するためという、思想をある意味変化させていったってことなんですね。

山田:そうですね。まさに事業要件から始まった対応ですね。

石黒:柔軟に変えていけるのは、やっぱりスタートアップの強みですね。山田さんご自身が柔らかく、ある意味右、左にいけるのがすごいなと思うし。それでちゃんと人が集まるのは、採用力だなぁと私から見てもすごい思うし、素晴らしいなと思ってます。

相談先は、スタートアップ経営者の先輩

石黒:お二人に聞いていると、あらゆる話が「いい話だなぁ」で終わりそうなんですが、とはいえどうやって、そういうことを知るんですか? 学ぶんですか? 

お二人って、視聴者の目線でいくと「スマートに組織作ってるなぁ」って見えちゃう部分もあると思うんです。実際に山田さんだってTwitterとか見てると、「スタートアップ4回目ですか?」みたいに見えるんですけど。どうやって情報を集めたり、どこから学んでいるんですか?

私もよく質問されるんですが、「いい税理士さんとか、いい弁護士事務所さんとか、どうやって探すんですか」と。実は聞きたいんだけど聞きにくいことは、ここのへんでぜひ聞いてみたいなと思いますけど。山田さん、どうですか。

山田:そうですね、私も周りのスタートアップ経営者の先輩方にすごい助けられています。当時もう、それこそ五常・アンド・カンパニー株式会社の堅田航平さんとか、文字通り4回目みたいな人たちがもういるので。

石黒:確かに、リアル。

山田:そういう方にドアノックさせていただいて、課題感を共有しながら、いろいろとアドバイスをいただいて考えていったり。まさにさっきおっしゃってたような弁護士、士業さんとかでいくと、このへんもやっぱりスタートアップ界隈でご活躍されてるような方にドアノックさせていただいて。

いろいろディスカッションしながら、「この方だったら一緒にやれそうだな」みたいのを見極めていった。正直最初はもう本当に手探りで、徐々に情報を仕入れながら進めていった感じです。

石黒:周りに頼っていくんですね。

山田:頼りっぱなしですね。

コーポレート「2周目」の良さ

石黒:渡瀬さんはこのあたり、どうやって作っているんですか。

渡瀬:手探りは手探りなんですが、私の場合は2005年当時に、実は会社を1つ任されていて。すでに従業員1名と私だけの会社があったので......。

石黒:なるほど(笑)。

渡瀬:それですべての業務をやらなきゃいけなくなった。基本コーポレート業務をやったんですが、その時に投資していた会社のお偉いさんに指導を受けながら、「ここはこのぐらいでやんなきゃいけない」とか学んだんですね。あまりその頃って周りに聞けるようなスタートアップの人がいなかったような気がして。基本手探りで、自分で考えながらやっていくしかなかった状態でした。

石黒:逆に言うと、今は2周目の良さの部分が出てるんですね。

渡瀬:そうですね。それで次のAimingにいって、Aimingで学んだこともまたあって。それを生かすかたちで、今LayerXで出来ていますね。

石黒:ありがとうございます。いや、もうこのスライドだけで40分終わりそうなので、次にいきましょう。僕は自分にブレーキを踏んでいこうと思います。どんな思想で作ったかは、コーポレート全員のテーマかなと思います。

リスクマネージと事業の成長スピードの「守りと攻め」

石黒:次のテーマもぜひ。これは僕も一番聞きたいやつだったんですけど、守りと攻め。よく言われますけども、要は事業の成長やスピード優先みたいなところが、いわゆる成長企業、スタートアップとして必要なところかなと思います。

一方で、先ほど山田さんからもちらっとありましたけども、相手は別にこちらが小さい会社かどうか関係なく、一部上場企業のセキュリティとか、リーガル対応とかを求めてくる。その中で「攻めと守り」のバランスをどう捉えて、もしくはどう実行しているのか。

もしくはチームメンバーにどう伝えているか、こんなところもぜひ伺えればなと思います。じゃあ、今度は山田さんからお願いしてよろしいですか。

山田:私は前職が比較的大企業とか、ファンドの投資先でマチュアな企業が多かったので、かなり感覚が違うなと。同じリスクマネージをしてるんですけど、当時はどちらかというと、時速60キロぐらいで普通の道路を運転してるような感じでした。

今はF1サーキットで、とにかくいかに速く走るか。とはいえコーナーを曲がれるように、本当にミニマムのブレーキをかけるような感覚です。同じものを扱ってはいるんですけど、そのへんの強度がぜんぜん違うなと。

フロントの情報をキャッチアップする「余力」

山田:あともう1つは、現場とか事業のスピードを落とさないために、先回りして一緒にフロントに食らいついていって情報を取ることをしないと、正しいタイミングでブレーキをかけきれない。

先を読まなきゃいけない。組織も倍々で、事業も倍々で成長していくので、未来を予想しつつ準備しておけない要素もあるので。

いかに事業側とかプロダクト側の解像度を、コーポレート側も上げつつ先回りをするか。このへんがすごくスタートアップというか、今10X来てやってるスピード&ガバナンスで重要だなって思います。

石黒:60キロとF1の話はすごくいい比喩表現だなぁと思ったんですけれども。山田さん、もう1歩踏み込んでもいいですか。どうやってフロントの情報をキャッチアップするんですか。たぶんみなさん、「また山田さん、ちょっと美しい話だったな」って、フロントの話を聞く(ことが大事なのは)わかるんですけど、実際どうやって情報取りにいくんですか。

山田:例えば弊社のリーガルメンバーでいくと、普通に商談に同席してますね。実は実際にビズデブ(​​事業開発)もやっている。あまりにフロントいきすぎて、ついには自分でも案件持ってたりするんですけど。

石黒:(笑)。それはいいですね。染み出してますね、完全に。

山田:染み出してますね。なので逆に言うと、それぐらい余力を持てるようにしておくっていう感覚がある。

石黒:なるほど。

山田:100ある時間のうちの20~30は、そういうことに使っていい。逆にその分、外注して自分の本来の、普段の業務で軽くできるところはしてもらうように意識して。特に入社直後は、そういう時間を作ってもらうように意識しました。

石黒:特に入社直後はそういう時間を多くする。みなさんこれ、めちゃくちゃいいですよ。人事の僕からしても、オンボーディングのタイミングで、やんなきゃなんないことが多すぎて、フロントの情報をキャッチアップしないと、もう半年とか経っちゃったら聞きにくくなっちゃうので。今めちゃくちゃいいお話だなと思って聞かせてもらってました。

意思決定や実行のスピードを殺さない、柔軟な運営と仕組み

石黒:渡瀬さんも「うんうん」頷いてますけど、渡瀬さんは、このスピードとガバナンスどうですか。

渡瀬:フロントの情報は、けっこう見てました。

山田:スピードとガバナンス、ぜひぜひLayerXの話をお願いします。

渡瀬:そういう意味では、私が前職上場企業にいたのもあって、ある程度このぐらいやんなきゃいけないなっていう感覚値が、上場企業設定になっていたんです。でもスタートアップなので、意思決定や実行のスピードは殺さないように、柔軟な運営は心がけていました。

とはいえ、最低限必要な構成とか、リスク管理は入れているので。物を買う時とか、あと紙に押印する時は承認が必要とか、ギリギリ最低限の仕組みにしている状況ですね。

Slackで承認取って物事が進む時期が、当然最初の頃はあると思うんです。だんだんそれだけじゃ全体が見えなくなってくる時期が来る。ログとしても残さないといけないし、そのへんちゃんと整えていかないと回らなくなってくる時期があるなぁと思っていて。

うちも、21年5月ぐらいでしたっけ? バクラクの申請ができた頃。あのへんで、ちゃんとみんなできっちりワークフローを導入しようぜってやってた記憶があります。

石黒:渡瀬さん、さらっと今PRコーナーを設けてましたけど、大丈夫ですか?(笑) Slackと同じぐらいのスピード感で使えるバクラク申請で統制を、というお話ですね。

エンプロイーインターフェースはガバナンスに直結する

山田:ちょっと1個コメントさせていただいてもいいですか。

石黒:どうぞどうぞ。

山田:バクラクさんのPRしてるわけじゃないんですけど、本当に我々もバクラクさんを使わせてもらっていて、すごいいいなと思うのは......僕最近思うんですけど、従業員がコーポレートの承認ツールを使う時、エンプロイーインターフェースの良さが高くないと、ガバナンスがきかなくなるなっていう感じがしていて。

ちょっとでもインターフェースが、例えばSlackで承認できなくて、そのためだけに別のウインドウを立ち上げなきゃいけないとか、そういう体験が悪いだけで、サクっと承認しよう、確認しようという行為の負荷が上がっていって、形骸化につながる感覚があるんです。

なのでガバナンス過程でも、ものすごいエンプロイーエクスペリエンスやエンプロイーインターフェースが、とにかくシームレスでいい状態を作っておかないと、本質的なガバナンスがきかなくなっていくなって、すごい感じています。

そこはちゃんと投資したほうがいいなっていう意味で、バクラクさんにもお世話になってますし、例えば他の勤怠管理の領域とかでも、我々は投資しようと意識してますね。

石黒:「エンプロイーインターフェースはガバナンスに直結する」って、これはちょっといいワードをいただきました。

渡瀬:ありがとうございます。

石黒:明日から、これでアド回しましょう。

山田:宣伝したいわけじゃないんですけど(笑)。

石黒:でもわかります。当社のバクラクはもちろん、そういう思想で作ってますけども、当社が選定するSaaSもそうですし、よくどうしても私と渡瀬さんのチームだと近いSaaSを使ったりもするので。「これ、どう?実際」っていうお話をよくしたりしていますよね。HR系とかもそうですよね。

ガバナンスを実現させるためのスピード、従業員の心的ストレスを下げるインターフェースのツールを選ぶ。すごくいいお話だなと思って聞かせていただいてました。