2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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角田潤彌氏(以下、角田):すごくおもしろいデータがあるんですけども、世界幸福度ランキングというのがあるんですね。国連が発表しているんですけども、ちょうど直近、137ヶ国に対して調査したんですけど、日本って何位ぐらいにいるかご存知ですかね。1位とかだったらうれしいですよね。でもみなさんに聞くとだいたい1位ということは言わないんですよね。
137ヶ国って先進国もあるし、発展途上国もあるんですよ。発展途上国より先進国のほうがなんか幸せそうな感じがするじゃないですか。でも蓋を開けてみると違うんですよね。これ、何位でしょうかね。みなさんなんとなくイメージをお持ちだとうれしいんですけども、実を言うと日本は47位なんですね。低いんですよ。
先進国だともしかしたらビリのほうなんですよね。「おぉ」と思いますよね。だって、世界で言ったら東京ってものすごい裕福な都市で、1位とか2位を争っているわけですよね。そこに住んでる人たちが47位ってどういうことだ、なんですよね。
もう1個おもしろい調査結果があります。「先進国自己肯定感比較における日本」。先ほど低かったから低いんだろうなと、容易に想像がつくかもしれないけれども、例えば先進国を並べてみますね、韓国・アメリカ・イギリス・ドイツ・スウェーデン・フランス。
これは「あなたは自分を肯定できますか」「はい、すごく」「ちょっと」「まぁ普通」「駄目」「すごく駄目」みたいな感じでつけるんですけども、トップツーボックス(上位のはい、すごく、ちょっとの合計を指す)、すごく自分を肯定できるという人たちの回答の比率ですね。日本は半分以下です。普通以下なんですよね。2人いたら1人ぐらいはなんか不幸だということですね。
角田:これはすごい比率なんですよね。日本って別に、死ぬか生きるかみたいな感じで生きている人たちは、いなくもないと思うんですけど、そんなに多くはないですよね。
ですが半分の人、半分以上の人はもうなんか絶望みたいな感じなんですよね。ほかの先進国と比べて30ポイントぐらい違って、これはえらいことだったりします。そうすると、日本ってもう不幸なのかってことですよね。子どもたちとかの未来を考えると自分たちも不幸とか言いたくないですし、なんとかしたいなと思います。
それを打開できる、幸せになれる可能性があるというのが、先ほどまさに手触り感があると、藤岡さんおっしゃっていたこれだと思うんですよね。スタートアップで働くこと。これで打開できるのかと考えていくことが重要かなと思うんです。
今までここでお話しさせていただいた中で、自分が必要とされる、社会で必要とされる、それが自己有用感につながるという話があったと思うんです。スタートアップって今後の日本、もっと言うと世の中に対して何を提供しているかなんですよ。
新しい価値、もしかするとアンチテーゼかもしれないんですけれども、このあと我々が生きていく上でより利便性が上がって必要になってくるものを、みんな新しく作っているわけですよね。価値観を変えていっている。つまりスタートアップがいるということは、必要なはずなんですよね。
時価総額が上がってくるということは期待があるということなので、そういったところがあります。そうすると、先ほどスタートアップで働くことで得られるものって6つありましたよね。これがどう作用するかを科学するべきだと思うんですよね。
角田:そうすると、先ほどあった自己肯定感と自己有用感は、こう分離できるんですね。なので、これがきれいに分類できる段階で、スタートアップにいること、スタートアップで獲得できることって幸せにつながる可能性が極めて高いと言えると思うんです。
個人の成長や能力の向上、新しい環境に取り組むこと、創造的な活動に関与することによって自分が認められるというか、自分はそれでいいんだと思える気持ちが強くなっていく。さらに先ほど藤岡さんおっしゃったように、手触り感があるんですよね。
多様な役割と責任、もしかすると経理と総務と営業と全部やっているかもしれないけども、例えば5人の組織でそれができちゃう人って必要か不要かといったら、もういないと困るんですよね。先ほど藤岡さんもおっしゃっていましたけども、大手企業にいると本当に自分の替えって、誰でも替えられるぐらいに感じちゃうんですよ。
「退職します」と言ったらみんな寂しがってくれるけど、別になんのインパクトもなかったんだみたいな。これって、その会社は強いかもしれないけど、いざ辞める時は寂しいですよね。あまり止められないかもしれないし。
なので自分が役割を演じることで、自分しかないロングテールの人間だったりするわけですよ。先ほど僕が「変わったキャリアですよね」とご説明させていただいたんですけども、変わっているということは、それは1人の人間で取って代わらない、代えられないぐらいの価値を発揮する可能性があるわけですよね。
そういったことが1つあって、自分が必要とされるという有用感が強くなったりするのが1つありますよね。あとは自分の存在が意味を持つということを感じられるようなことがここにあるんですね。
影響力と意義、これもそうですし、最後のワークライフバランスとか自分の仕事だけではない生き方とか、ライフスタイルとかを見直した結果、どうやって生きていくのかということをさらに感じることができる。ということで、ここの要素がすごく強いのかなと思うんですよね。
角田:ここまで聞いていると、「やっぱりスタートアップのほうがいいんだな」と思うことが多いと思うんですけども、でも気をつけなきゃいけないのは、良いことばっかり話しても今日はあまり意味がないのかなと思うので、ちょっと補足したいなと思っています。
「ただし、スタートアップであっても」。いろんなことがあります。これは後ほどプロの藤岡さんにも聞いてみたいんですけども。僕自身も感じる部分なんですけど、出来上がっていないんですよね、チャレンジしているんですけども。
そうすると不明確なものって多くて、評価基準がローリングしていくとか、あと適切なフィードバックができるかというとみんな必死で、そんなことができなかったり。
目標がローリングしていけば、それは目標に対して現状との差分って毎回変わってきますから、「昨日は良いフィードバックをもらったのに今日は最悪だな」とか、株主からあと5倍の成長をしろと言われたのに「あなたの評価はが5分の1になりました」とか言われたら納得性ゼロですよねみたいな、そういったこともあったりします。
あとは創業者の意見が強く、事業推進している場合なんですけども、この場合もしかすると折角のいいアイデアを思いついて個人として進言しても無視されちゃう可能性があるかもしれない。あとは組織内の競争も激しいわけですよね。
これは私がよく外で言っているんですけど、例えばT2D3(ARRを毎年、Triple(3倍)Triple(3倍)Double(2倍)Double(2倍)Double(2倍)に成長させていくモデル)で成長している会社はスタートアップとしてすばらしいと言われています。ただ、これ5年間で72倍の売上になるんですね。そうするとみなさんぜひ考えてほしいのは、72倍の売上になる会社って、単価が72倍になるかというとならないですよね。
ということは、その成長はお客さんが72倍に増えていくということですよね。顧客の数が72倍になっていくということです。そうすると、72倍の顧客を取り扱おうと思ったら相当生産性を上げても、例えば30倍ぐらいの組織になる可能性があるわけですよ。人がたくさん入ってくるんですね。
そういう会社ってどんどん優秀な人が来るので、強烈な競争があります。よく私が言っているのは「T2D3で5年間で72倍に成長できる人ならば部下が入ってきます。72倍に成長できないんだったら上司が入ってきます」ということです。そういう熾烈な環境です。
なのでそういった中で、もし仮に勝てなかった場合ってつらいという気持ちも多少出てくるんですよね。だから自己否定に走る可能性もあったりする。あとはここに書いているような、いろんな話があったりします。なので良い部分も当然多いが、競争も激しいし、みんなが狙ってくるところなので、こういった部分に勝てるかというのが非常に重要になってきます。
逆に言うと、こういった部分に対応していけるかが極めて重要になってくるのかなというのを僕は見ていて思います。
角田:ここはプロの藤岡さんから見てどうですか? 1回転職したけども、もう1回戻ってくる人もいるでしょうし、逆に「こういう話があるからいやだよ」みたいな話もあるかもしれないんですけども、そこはどんな感じですか?
藤岡清高氏(以下、藤岡):もうすみじゅんさんの言うとおりで、ここに書いていることは本当にそのとおりだと思うし、先ほどおっしゃっていたみたいに成長しなきゃいけないんですよね。スタートアップにいて、小さい会社だから入りやすいかもしれないけど、成長する会社に入ると、同じように成長しなければ居場所がなくなっちゃうので、そこをちゃんと理解して入っていかないと厳しい。急成長を求められちゃった時に自分も成長しないと上司が入ってきちゃって、苦しい。そこは覚悟しないといけないところですかね。
角田:そうですよね。だから極めて高い自立する気持ちというか、自分と戦う気持ちは必要だったりするので、自己肯定感・自己有用感が低くて幸福度が低い人って意外に難しい可能性もある。逆に言うと幸福になるために自分で戦う気がある人たちは覚悟を決められるので、そういった意味では覚悟ってすごく重要なんだなと私は見ていて思うんですよね。
その日までの自分実力を証明して入社してきたのだが、それはもう過去の栄光ということで今日この瞬間から忘れて、みんなと同じ土台で戦っていって、勝負していって、強い気持ちでやっていけるかどうかって最初の段階で、もう試されるんだと。
藤岡:おっしゃるとおりですね。そうなんですよね。
角田:良い会社さんって採用の段階で、コンピテンシー面接というのをやっています。みなさんぜひスタートアップを受けるなら、コンピテンシー面接マニュアルという本を読んでいただきたいんですけども。これは何を言っているかというと、人間って自分と未来って意思で変えられるんですよということです。
でも他人と過去って変えづらくて、もっと言うと過去って改ざんできないんですよね。つまりその人は今日まで生きてきた中で歴史があって、そこでどうしてどういう判断をしてきたのかというのを全部聞いていくのがある意味コンピテンシー面接のポイントであり、その人の能力とかその人の判断基準というのを確認していきます。
コンピテンシー面接をやっている会社って意外に応募動機とか聞かないんですよ。その人が過去にやってきた意思決定の連続を全部確認していって、その延長上にこの会社で成長する能力とか考え方の一致があるのかというのを確認するんですね。
今日の今日までサボっていた人が「明日から本気でやります」と言っても、実感値がないんですよ。なのでコンピテンシー面接を駆使して確認してくれるエージェントとか、コンピテンシー面接をしっかりやっている会社さんって本当にすばらしくて、そういう会社って間違った人を採っていないことが多かったりするんですよね。
なのでぜひそこはご自身も「コンピテンシー面接ってどういうことなのかな」と読んでいただいて、そこで自分を棚卸ししていただいていて、「はて、自分の生き方の延長上にそういったものがあるのか」を見定めて会社を選んだほうがいいのかなというのは、私自身も見ていてよく思うことがあったりします。
今のRevcommでもそうなんですけれども、意外に前職関係なく採っています。ウェディングプランナーとか、消防士とかがいます。「えっ?」とよく言われますけども、今までの仕事とコンピテンシーって意外と関係ないんですよね。
能力が発揮できるかどうかなので、逆にそういう採用をしているからこそチャンスがあったりします。ご自身の生き方とかを振り返って、今やっている仕事と関係なく挑戦できる土壌が今増えていたりするので、そういった部分を見ていただけたらいいのかなと思います。
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