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あなたの仕事が劇的に変わる!? チャットAI使いこなし最前線(全5記事)

今のChatGPTは「検索」「記事生成」利用が本質ではない チャットAIを“秘書代わり”に仕事で精度高く使う方法

クリエイターに出会ったり、もっとファンになったり、noteで創作をつづけたくなるようなイベントを開催する「noteイベント」。今回は「チャットAI使いこなし最前線」をテーマに、黎明期からチャットAIを活用しているnote CXOの深津貴之氏が登壇しました。こちらの記事では、「検索」や「記事生成」ツールとしてのChatGPTの現状や、ChatGPTを効果的に使う質問などが語られました。

「たぶん日本で一番ChatGPTをフル活用している」深津貴之氏

徳力基彦氏(以下、徳力):こんにちは、noteの徳力です。本日はnoteのイベントにご参加いただきまして、ありがとうございます。今日のテーマは「あなたの仕事が劇的に変わる!?」というサブタイトルが入っていますが、「チャットAI使いこなし最前線」と題し、今非常に話題のChatGPTについて深掘りするイベントを開催したいと思います。

今日は案内人として、たぶん日本で一番ChatGPTをフル活用しているんじゃないかと言われている、note・CXOの深津さんにお越しいただきました。

深津貴之氏(以下、深津):初めまして。日本で今一番ハードルを上げられて困っている、noteの深津です(笑)。よろしくお願いします。

(会場拍手)

徳力:(笑)。よろしくお願いします、ありがとうございます。僕も深津さんもnoteの人間ですけど、今日はあくまでChatGPTのイベントになります。僕はChatGPTをあんまり知らない人間なので、めちゃめちゃ詳しい深津さんにいろいろ聞くイベントになっています。

みなさんからの質問にもできるだけ答えていきたいと思いますので、今画面の右上に「#ChatGPTとは」と出ていると思います。Twitterでご質問をしたい方はぜひこちらのハッシュタグをご利用いただければと思います。

YouTubeのチャット欄も歓迎ですので、ぜひそちらのほうからもフィードバックをいただければ。

深津:僕もAIについてはリアルタイムで勉強中ですので、僕より詳しい方がいらっしゃいましたら、ツッコミをガンガン入れてください。よろしくお願いします。

参加者でChatGPTを業務に使っている人はゼロ

徳力:よければYouTubeのチャット欄にコメントを書いていただく練習も兼ねて、みなさんはChatGPTを何回ぐらい使ったことがありますか。適当でいいです。ぜひチャット欄にだいたいの数を書いていただければ。使ったことがない方は「0回」とか「使ってない」とか書いていただけると。みなさんの利用状況に合わせて、話のトーンを変えようかなと思っております。

また、今日は会場にメディアの方もお越しいただいています。メディアの方にもアンケートを取らせていただいてもよろしいですか?ChatGPTを使ったことがありますという方、手を挙げていただいてもよろしいですか。

(会場挙手)

今日は興味がある方が多いからだと思うんですけど。

深津:半分。

徳力:実際に業務に使っている方、おられます? ……あ、さすがにまだ。

深津:業務はまだ0人ですね。

徳力:0人ですね。今日は「仕事にいかに使うか」をメインテーマにしたいと思います。チャット欄の流れが速くてぜんぜん見れないんですけど(笑)。0の人もいるんだけど、やはり10回とか30回の方も多いですね。

今YouTubeの同時視聴が1,000人を超えていますが、みなさんこんな感じでチャットを書きながらご覧いただけると大変助かります。

ChatGPTはわりと「でたらめ」もしゃべる

じゃあまず、ChatGPTとは何かを深津さんにお聞きしたいと思います。個人的にChatGPT、よくわからないなと思っています。

先に僕から質問したいんですけど、今はもっぱらGoogleさんとMicrosoftさんが検索エンジンにチャットAIを搭載したことが話題になっていますよね。その印象から、世間では検索=チャットAIみたいになっていますけど、チャットAIは検索の代わりになるのでしょうか?

深津:検索の代わりになりそうな気がしていて、殴り合っているのが現状です。要は、一見すると、入力フォームに質問するとなんでも答えてくれるじゃないですか。なのでこの「なんでも答えてくれるマシン」を手に入れれば、もうGoogleさんの検索覇権が全部ぶっ壊れてしまうんじゃないか、みたいな感じですね。

チャレンジャーの人たちが今、全力投球をしているという状況ではあるんですが、正確には、チャットロボットは「なんでも答えてくれるマシン」ではないんですよね。

徳力:検索サービスだと思うのは間違っている、という認識ですかね。

深津:現状は間違っていると思います。みなさんメジャーな使い方で「〇〇について教えて」とか「〇〇って何?」とチャットロボットによく聞いてますよね。チャットロボットもわりとへいへいと答えてくれるんですけど、わりとでたらめもしゃべる。

徳力:そうですよね。僕もChatGPTをあんまり知らない人間なのですが、僕と同世代の人は、とりあえずChatGPTに、答えられなさそうな質問を投げて、間違うと安心して「やっぱまだまだだな」みたいな感じで終わっている人が多いイメージがあるんですよね(笑)。

深津:みんなああやっているけど、検索と考えるとだいぶアテにならなくて。雰囲気的には「アルバイトの大学生が知ったかぶりで答えて、手伝ってくれているぐらいの精度」だったりするので。

徳力:だからそういうサービスだと思ってしまうと間違える、という認識でいいですね。

深津:そうそう。僕はnoteの社内でも、自分がやってるGUILDでも「チャットAIは質問するものではない、わからないことを聞くために使うツールではないんだぞ」とよく言っていますね。

徳力:このへんを後半、しっかり深掘りしていきたいと思います。

ChatGPTでの記事作りは意外とめんどくさい

徳力:もう1個、基本的な質問をしたいんですけど。「ChatGPTを使って記事を作ります」みたいにメディアが発表してめちゃめちゃ話題になっていたりすると、「記事を大量に作るためのツール」という印象もあるんですけど、それも間違っている?

深津:それも実際やってみるとわかるんですけど、ChatGPTとキャッチボールをしながら記事を作るのは意外とめんどくさいです(笑)。記事を無限に大量生産するのは、現実の問題としてはそうそうできないんじゃないですかね。

徳力:なんとなく「ChatGPTって何?」というと「検索」とか「記事生成」が例として出てくることが多いんですけど、それは本質ではないと思って向き合ったほうがいい感じですかね。

深津:現段階ではそこは本質ではないです。自分はあれはもう少し、秘書さんに近いものだと考えるほうがいいかなと思っています。

徳力:秘書さんに近い。じゃあまず深津さんに「よくわかるChatGPT」というスライドを作っていただいていますので。今の前提条件も踏まえつつ、お話をお聞きできればと思います。

深津:2日ぐらい寝ないでがんばって作ってきました。

徳力:マジですか(笑)。お願いします。

深津:じゃあ「ChatGPTって何?」ですけれども、一番最初はごめんなさい、さらっと流します。おさらいをすると「OpenAI社が開発した、対話型のAI」ですよね。

で、ユーザーの質問や命令に対してわりと高度に対応してくれる。

徳力:もともとがGPTの、チャット版と思ったほうがいいんですかね。

深津:そうです。会話とも違うんですけど、GPTという、文章AIがあって。そのGPT-2、3、3.5とあって、3.5の改良版が裏側で走っている会話ロボットですね。ここに書いてあるとおり、質問したり要約したりブレストしたりと、いろんな遊び方ができるんです。

ChatGPTを効果的に使う質問

深津:実際の具体例をいくつかお見せしますね。

僕はもう少しひねくれた、例えばクロスレビューみたいな使い方をします。「私はこういうことしたいんですけれども」という時に、「法務の観点から気をつけることは何ですかね?」とか。

徳力:いきなりレベルの高い質問ですけど(笑)。

深津:「経理の観点から考えると、気をつけることは何ですかね?」とか「エンジニアの観点から気をつけることは何ですかね」と、観点を限定して何種類も質問します。

さっき言ったように、この子たちはいくつか間違っている可能性はあるんですけど、複数ロールから出てきた意見をまとめて、そこからプロジェクトをスタートするとわりと安全です。これを下調べした段階で本当のプロに聞きにいくと「あ、こいつわかってるな」と思われやすい。

徳力:いきなりガチの使い方が出てきましたけど、でもこれは普通に使えそうですね。普通だと法務的に注意しなくてはいけないことを調べようと思ったら、検索だと見つけるのがめちゃめちゃ大変そうですもんね。

深津:逆に「エンジニアの観点から」みたいなのもあるかもしれないし、ほかにもプロジェクトによっては「お母さんの観点から」とか「おばあちゃんの観点から」とか「お父さんの観点から」みたいなのもあるかもしれないですね。自分にない視点から一般論を述べてもらうことは、とても強いかなと思います。

ChatGPTには、質問ではなく「命令」をする

深津:あとは、改善レビュー。さっき紹介したクロスレビューと共通しているのは「質問じゃないことに使う」ということ。これが今日、みなさんに持ち帰ってもらいたいことです。むしろ「質問するな」と言いたいんです。逆に例えば「命令をしよう」と僕はよく言っています。ChatGPTに「あなたはプロの編集者です」と、催眠術みたいな命令を出す。

徳力:まず思い込ませるんですね(笑)。

深津:「以下のブログタイトルを、より注目を集めやすくするにはどうすればいいですか」みたいな感じで。知識を聞くのではなくて、ノウハウを聞くんです。

徳力:Googleの質問をする感覚で言うと、この定義が文章に入っているのは違和感があるんですけど、人間の会話ではよくある話ですよね。

深津:そうですね、人間の会話に近い感じで質問する。

徳力:「あなたはプロの編集者です」と言われると、ChatGPTはプロの編集者として、そのあとの質問に答えてくれるんですよね。

深津:そうです。あとで仕組みは説明しますけど、自分をプロの編集者だと思い込んでくれるので、さっき言ったように知識を聞くのではなくて、この子に作業してもらう感じで使うのが正しいやり方かなと思います。

ChatGPTを使った文章の危険度チェック

徳力:「具体的な改善点を5つ提案してください」と言うと、こうやって例を5つ挙げてくるんですね。どんどんいきましょうか。

深津:「危険度チェック」も、僕は大好きでよくやります。「あなたはプロの編集者です。以下のテキストをSNSに公開した時、どんな危ないことがあるかあらかじめ知っておきたいんですけれども、考えられることを出してください」と言うと。

適当な暴言を(スライドの)例文として持ってきました。

徳力:(笑)。「昨日のブログ記事がマジむかつく。ああいうバカは、この世からいなくなればいいのに!」って...すごい文章ですね。

深津:Twitterで書いたら燃えそうですよね。

徳力:真顔で(スライドの)この指摘をしてきてくれるんですね。

深津:「これは他者が不快になるかも」とか「攻撃的です」とか、すごくいろんな危険性を指摘して、さっきの「法務の観点から」みたいなものの応用例に近い感じですね。

徳力:いきなり上級編の使い方が出てきて、ついてこれていない人がいるかもしれないんですけど、まず1回最後まで通しましょうか。

深津:こういう使い方を、わりとハイボールで投げようというのが今日の会です。

徳力:それはなぜなのかですよね。

深津:今はみなさん、「すげぇハイボールで投げてるな」みたいに思っていると思うんですけど。

徳力:いきなりChatGPTの画面でこんな難しい質問をする人はいないですけどね(笑)。

深津:スーパーアドバンスド編でいきなり投げました(笑)。

徳力:でも意外にこれができるんだよということですね。

深津:そうそう。今日これからChatGPTの仕組みを話していくんですけれども、この仕組みをやれば、誰でも明日からChatGPTマスターとして会社の中で大活躍できる……気がする。

徳力:了解です。だそうです(笑)。

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