2024.12.03
企業の情報漏えいで最も多いのは「中途退職者」による持ち出し 内部不正が発生しやすい3つの要素
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徳力基彦氏(以下、徳力):まず今日はChatGPTの使い方をしっかり覚えていただきたいと思います。ここで「深津式汎用プロンプト」。
深津貴之氏(以下、深津):僕は1個1個、個別の例を出すのはあんまり好きではないです。さっき言ったように原理原則を1個理解すれば、全部その原理原則から引っ張れる方向が好きですね。
なので今日も、細かいプロンプトを出すよりは、だいたいあなたの悩みのすべてを解決するプロンプトを1個出すので、これだけ覚えて帰りましょう。
徳力:プロンプトですと、一気にプログラミングっぽい感じになってきました(笑)。これ(スライド)がサンプルですね。
深津:僕がいろいろ試した中で、それなりにいい感じになる汎用プロンプトです。
徳力:最初に聞くのを忘れましたけど、深津さんはChatGPTを何回ぐらい使っているんですか? 感覚として。当然数えてないと思うんですけど(笑)。
深津:回数はわからないけど、何十万円くらいはかかっている(笑)。
徳力:なるほどな、やっぱりそうなるんだろうな。
深津:ChatGPTというよりは、ChatGPTの裏側のGPT-3という機械を、プログラムで・遊びですごくいっぱい使ったら、お金がすごくかかる(笑)。
徳力:お金がかかるほうまで踏み込んでいる人ですからね(笑)。それを使い切った結果、この深津式プロンプト・システムがいいのではないかと。
深津:バージョンもいくつかあります。これよりもっと後のバージョンがもうできあがってしまったんですけど、これを書いていた頃は、これがわりと良かったので。一番頭に「命令書」と書きます。
徳力:まず命令書。
深津:「あなたはプロのなんちゃらです」みたいな、「あなた」の役割を書く。その次に、「以下の制約条件と入力文をもとに、こんなものをアウトプットしてください」と書く。
徳力:この色がついているところを変える感じですよね?
深津:そうそう。制約条件をいろいろ書いて、「入力文」と「出力文」のコーナーを作る。こうすると、「あなたはプロのコピーライターです」とか、「あなたはプロの占い師です」とか、「大学の先生です」と言って、「要約してください」「レビューしてください」「何をしてください」「以下にしてください」……だいたい全部できる。
制約条件を調整すれば、情熱的な恋文を書くこともできれば、冷静なレビュー文を書くこともできる。いろんなことが書ける。
徳力:先ほどのシステム、パッと見ただけでは記憶できないですから、みなさんちゃんとキャプチャをしていただいて。
深津:あとでキャプチャを撮るか、ブログに貼ります。
徳力:ちゃんとnoteに書いていただきたいと思います(笑)。
深津:自分がいろいろやった感じでは、「ChatGPT」に聞きたいことの6〜7割ぐらいはああいったプロンプトで解決すると思います。残り3割はもっと特殊な質問をする時です。それは特殊すぎて今日のテーマ外ですね。
徳力:はい。実際の例を見てもらうのがいいですかね? まず例ですね。
深津:あらゆる質問の、あらゆるChatGPTへの命令の最後に、「このタスクで最高の結果を出すために情報が足りなかったら、俺に聞け」と命令を入れる(笑)。
徳力:向こうに質問を考えさせて、こっちが答えるんですね。
深津:つまり、僕が足りない命令をChatGPTにすると、足りない命令をもとにChatGPTは確率的に正しいものを出すじゃないですか。逆に、ChatGPTに「足りない情報があったら俺に聞け」っていう文章を出すと、深津さんはこういう質問をして、こういう答えをしましたっていう時に、確率上足りない情報がありそうだったら、足りない情報を聞きにくるわけですよね。
徳力:じゃあ、先ほど出たサンプルはその例ですね。
深津:そうです。なので、先ほど「プロのマーケターで商品を企画する」とすごく雑な質問をすると、雑な答えしか返ってこないと言いました。
けどこの呪文みたいに、「じゃあ、情報が足りない時には俺に聞き返せ」という命令とセットにすると、確率上情報が足りない可能性が高くて、そういう時は聞き返すだろうということをもとに、確率上GPTは僕に「ターゲットは何ですか?」とか、「競合商品は何ですか?」と聞いてくれる。
徳力:これは、アドテックのセッションとかで、質問者の人に「悩んでるんですけど」と言われた時に、P&Gのマーケターの人が「これ決まってますか?」と聞き返す質問と似てる感じ(笑)。
深津:これはたぶんすごく画期的で、このノウハウだけで何百万円のセミナーでやれるぐらいお得なノウハウだと思うんだけどね(笑)。
徳力:チャット欄に「このプロンプト・システム、金かかってるのか。ありがたい」「それを無料で公開してくれてありがたい」と感謝のコメントをいただいています。
深津:これだけで、ChatGPTの本か特許か、開発してサービスを作る時の裏側の仕組みとして、めっちゃ稼げる気がするんですけどね。
徳力:深津さんが「深津式」の本を出す絵が見えます。まあ深津さんはそんな時間ないかもしれないけど(笑)。
深津:でも、僕は「Stable Diffusion」を作ったStability AIと一緒で、ぜんぶ流して全解放したほうが、世の中おもしろくなると考えるほうなので。
徳力:確かにそうですね。本だとクローズドになってしまいますからね。
深津:景気よくばらまきます。このようにChatGPTに「質問してください」と言うと、やってくれる。
徳力:おもしろいですね。秘書とかアシスタント、Microsoftはコパイロット(Copilot)みたいな言い方をしていますけど。だから、壁打ちの相手というか、正解は答えられないかもしれないけれども、うまく使うと優秀な仕事もできる。
深津:そうそう。確率上優秀な壁打ちとして返事をするであろう質問や命令を書くのが、これからのAIとの付き合いで大事なポイントです。
徳力:検索力に次いでチャット力というか、ChatGPT力というか、チャットAI力というか。これから大事になってくる感じですよね。
深津:だけど、恋人に何を言わせるか察する力と、たいして変わらない能力な気もします(笑)。
徳力:これ、恋人と同じですか?
深津:相手が言ってほしいことを言う、相手に言ってもらいたいことを言ってもらうには、どうすればいい? みたいな。
徳力:なるほどね。
深津:ニュアンス的には。実際はこっちのほうが確率の話なので、もっとドライですけれども。
徳力:サンプルで動画を見てみましょう。本当はChatGPTの画面を共有しながらやりたいところですけど、最近めちゃめちゃ重いので。
深津:今夜、ChatGPTめっちゃ混んでいます。
徳力:事前に動画で撮ってもらったものがあります。まだChatGPTを使っていない人からすると、たぶんこれを見ないと意味がわからないと思うんです。ようやくここでサンプルが見れるのかい、と(笑)。
(スライドの)これが、先ほどの深津式で作った質問ですね。実は今回のイベントのタイトルを、ChatGPTと一緒に作った例になっています。
深津:これは僕が書いたスライドではなくて、noteチームが作ってくれたビデオですね。
徳力:そうですね、このイベントのタイトルを考えるために、先ほどの深津式で質問を投げた結果、こうやってChatGPTさんが一生懸命タイトルを考えてきてくれました。
でも、1回の質問で成功するケースは少ないわけですよね。
深津:少ないですね。
徳力:ここからいかに磨いていくかが大事です。今回のイベントの企画チームも、深津さんに相談しながら、「こういう追加の質問をしたほうがいいんじゃない?」と質問案をもらったらしいです。ChatGPTの答えに対して「ChatGPTを知らない人にも刺さるタイトル案をお願いします」みたいに。
深津:そうそう。また出たものに対して、可能性の空間をさらに狭めていくわけですね。
徳力:この考えて出てくる感じがたまらないですよね。
深津:(笑)。なんかこれを見ていると、知性を持っているように見えてしまいますよね。
徳力:見えますよね。向こうに何かがいて、考えてくれている感じがすごくあるんですけど。前の文章の続きを考えているだけですよね。
深津:実際は猿がダーツを回してるだけですよ。昔のジョークで、100万匹の猿がタイプライターを叩いたら、たまたまシェイクスピアができるよね、みたいな話があったと思うんですけど、ああいう話ですね。
徳力:確率論で、この重ねて質問のノウハウが、今後大事になってくるんですね。「具体的なメリットを提示するタイトル案を」とか。
深津:そう。ChatGPTの良いところは、チャットですので、1回でぜんぶの条件を設定しなくても、このように2回、3回の会話で空間を狭めていくこともできる。そこはすごく良いところですよね。やりやすい。
徳力:途中で出てきたタイトルを、コピーライターにさらに添削させるというね。このノウハウがこれから、いやnoteのタイトルもこうなるのかなあ。
深津:こうなってくるのではないかと思いますね。
深津:あとはスライドにはしていないんですけど、さらに見つけた最新の使い方としては、最初にChatGPTに、例えば「タイトルを書く時に一番大事なことを5つ教えてください」みたいに聞くんですよ。
そうすると、ChatGPTは「タイトルはこれが大事」「これが大事」「これが大事」……って5個教えてくれるじゃないですか。確率が高いものが並んでくるので、「じゃあその5つを大事にしたタイトルを考えてください」と言うと、ふだんのChatGPTより頭が良いタイトルを考えてくれるんですよね。
徳力:人間だと不思議な話ですけどね。「お前が言ったこの5つの項目を、お前がやれ」と言ったほうがうまくタイトル案が出るんですもんね。
深津:けど、アルバイトの子とかに「気をつけることは何?」と最初に聞いてから作業をやらせると、成績が上がるじゃないですか。
徳力:なるほどね。ある意味、部下を育てながらやる感じでChatGPTを使うと、より育つんですね。
深津:そうです。なので、今日載っていない最新テクは、最初にChatGPTにベストプラクティスを聞いてから、「ベストプラクティスをやれ」と言うと、すごく性能が上がるんですね。
徳力:なんだか哲学的に聞こえますけどね。
深津:ただ単に「Aをやれ」と言うのと、ベストプラクティスが書いてあった上に「Aをやれ」と書いてあるのだと、ベストプラクティスを盛り込んだものが出てくる確率が高くなるので。
徳力:つい良い答えを返されると「こいつできるやつだな」と思って、そのできるやつのつもりで聞いてしまうんです(笑)。毎回ちゃんとできるやつになるように、この可能性空間を限定する行為を忘れないように、ですよね。
深津:そう。
深津:この子は人間のように見えて、単なるサイコロの集合体なので。
徳力:サイコロの集合体ね。失礼なことを言っている気持ちになってしまいました。
深津:なので、僕らもこの子に対して人間として話しかけるのではなくて、サイコロの目が、6がいっぱい出そうな感じの坂を、言葉に翻訳するとこんな感じかな、と想像しながらプロンプトを出すイメージですかね。
徳力:何をイメージしたらうまくやれるかは、人によって違うと思いますけど。
深津:会話をしているのではなくて、会話というかたちをもってしてAIが持つ無限の空間の可能性を破壊していって、限定的なところだけでサイコロが回るようにする。
徳力:可能性を、空間を破壊していってね。みなさん、ここらへん伝わりますかね。僕はかなりわかってきました。
深津:僕が言ってる可能性空間という言い方は、厳密な機械学習用語の可能性空間とちょっと違う、ふわっとした言い方かもしれないので。専門家の人は怒らないでください。
徳力:でも、イメージはすごくしやすいです。こっちが探しにいって、大量の選択肢がある中での、たぶんこのへんに僕が求めている言葉があるんだ、という空間をいかに教えていくかですもんね。
深津:そう。自分の欲しい答えが確率上、最も無難な可能性の場所に来るような位置に、自分のほうがポジショニングを移動する。
徳力:ポジショニングを移動する……やっぱり深津さんの頭の中には3次元空間があるんだよな。僕はイメージが2次元の人なので、なかなか(笑)。伝わる方には伝わっていると思うので、ぜひ自分なりの、可能性空間の限定の仕方を、見つけていただくのがいいと思います。
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