2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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シュリダー・ベンブ氏:ここからは私達の会社を数字でご紹介したいと思います。2700人の従業員がいます。そのうち2000人がエンジニアです。18年間に及び利益を出してきました。Eメールやドキュメント管理やCRM等25以上のクラウドサービスを展開しています。そしてこれらは真の人間らしい人同士の繋がりとコラボレーションを実現するツールです。
これらサービスすべての目的は人をグループとして繋ぐことなのです。同僚、顧客、そしてパートナーを繋ぎますが、それはただの取引、やり取りだけの目的ではありません。
人間同士の関わり合いを大切にしています。私達が提供するCRMの観点でも顧客にプロダクトを買ってもらう、その為にやりとりをするという以上に人同士として繋がり合うことが出来るようにします。
そしてこれがソーシャルCRMと呼ばれるサービスのコンセプトです。ソーシャルコンテキストを含むあらゆる顧客とのやりとりを通して、人同士の心の繋がりを実現します。例えば、セールスパーソンはCRMを使ってただ無機質に請求書を送るばかりではなく、顧客が今日Facebook等のSNSにアップした家族に関する投稿に対して、心のこもったメッセージを送ってみることで、顧客との共感を育む事ができるでしょう。
チャットや掲示板等の、その他のZohoサービスでは、よりフラットな組織構造の構築を目指しています。これもまたクリエイティブワークの一部であり、人間味あるやりとりという私たちがテーマとするもののひとつです。組織のフラット化を目指すことは人間味ある関わり方、という哲学を反映しています。
私達は、組織を事業や部署ごとに境界線で区切ることはありません。境界線を流動的にすることで組織に柔軟性を持たせたいと思っています。例えば、本イベントのプロジェクトチームには、デザイナー部署のメンバーと他事業部のメンバーを混ぜて臨時のグループを作り、一緒にチームとして仕事をしています。そのような流動的なグループワークには、私達のクラウドサービスがその繋がりを促進します。
そしてもちろん、このように境界線を流動的にすることで情報伝達がスムーズになるのです。これはとても大事なポイントです。厳格なルールを構えるのではなく、皆の良識の元に動きます。
組織とは、様々なグループ、部族の集合体です。つまり、組織の中に数々のグループが存在するということです。
例えば同じときに入社した同期同士の繋がり、同じ時間を同じ仕事で共有している繋がり、スポーツチーム仲間同士の繋がり等、彼らはお互いを仲間と見なします。どんな組織にもあることだと思います。このような内部のネットワークは人間らしい人同士のつながりです。
例えば、日本からプロジェクトチームに参加する為にインドにしばらく滞在する人もいるでしょう。プロジェクトが終わればメンバーはまたバラバラになっていく。しかし困った時にはその時友人となった仲間に助けを求めることができます。
そこには社会的なプロセスがあるのです。友人が直接プロジェクトに関係はなくても、困った人にアドバイスをする。人間同士の繋がりがクリエイティブワークに繋がるのです。
Zohoサービスは、このような人間らしい人同士の繋がりにおけるクリエイティブワークの生産性を高めるツールです。このようなワークスタイルやビジョンの実現を社会に広げていくために、ボトムアップとしてZohoサービスのソフトウェア開発とその継続的な洗練を10年間続けてきました。また、道徳的に良い会社であると同時に成功する企業になることは可能だと考えています。
会社は基本的に売り上げ、利益や数字にフォーカスします。そしてそれはビジネスにおける酸素のようなものであるのでとても重要です。酸素は生きていく為には必要不可欠ですが、人生の目的とはなり得ません。酸素とは生物学的には必要なものであり、人生の目的は生きていく上で精神的に必要不可欠なものです。
こちらが今の話の良い例えです。車で旅に出ることを想像してみてください。車で移動する為にはガソリンが必要です。旅の途中でガソリンスタンドを見つけたら、必要に応じて給油します。
しかし、旅の目的、人生の目的はガソリンスタンドを周ることではありません。しかしそれを私達はすっかり取り違えてしまうことが多いのです。ビジネスとは数字だけを追いかけるのではなく、目的意識を持ってするものなのです。
私達の会社の面白いところは学歴に重きを置かないことでしょう。日本でいう東大、インド最高峰の大学であるIITの出身者はZohoには2700人の全従業員中3名しかいません。更に面白いのは、2700人中300人は大学教育を受けていないことです。
高卒者をしっかりと訓練するのです。日本も昔はこのように高等教育を受けていない人達を雇い、しっかりと訓練していましたよね。50年代の日本では大学卒業者はほぼ皆無でした。このような教育制度をもっていたからこそ当時からある日本企業は大きく成長したのだと思います。
Paypal の創業者であるピーター・ティールは大学中退者をサポートする基金を立ち上げました。大学教育がビジネスで成功する為の全てではないと信じているからです。スティーブ・ジョブズもマーク・ザッカーバーグもそうですね。ソフトウェア、コンピュータ、インターネット業界では大学教育は関係ありません。
学歴とパフォーマンスが比例しないことは、皆さんの組織においても感じられていることでしょう。セールスのスキルや、人との付き合い方が上手いかどうか、新しいアイディアや問題解決方法にたどり着く力等、様々な面で学歴は関係しないことは明確です。今は300人ですが、十年もすればほとんどの従業員が大卒ではなくとも不思議ではありません。
テクノロジーの鍵は、「大きなデータ・小さなアプリ」です。大きなデータとはクラウドを指し、小さなアプリとはスマートフォン、時計型端末、新しいメガネ型端末といったデバイスとともに、文脈を指しています。大きなデータをユーザーの必要な文脈に合わせてアクセス出来るようにするというのが大きなデータ・小さなアプリというフレーズの意味するところです。
クラウドに様々なデータが集まります。それを必要とされる文脈に合わせてフィルターをかけていく。ソフトウェアの仕事はその人がその時必要としている情報へ的確に導くことです。その時必要な情報はクラウド内の多様なアプリケーションに分散されているのです。
例えば、CRMの観点では、アプリケーションデータには顧客の名前、電話番号、場所があるところを大きなデータで見るとそれが名前、電話番号、場所、会社情報にその会社所在地周辺の天気情報まで、もしかしたらその会社を訪れるかもしれませんからね、そしてもちろんFacebook情報も。
私達のサービスは皆さんが必要としている情報の文脈に合わせてこのように多様なデータを適切かつ即座に提供出来るものづくりを目指しています。小さなデータとは言えども、その中はとても精密に出来ています。例えばGoogleサーチはとてもシンプルに出来ていますが、その裏ではとても精密に計算されています。
同じ原理をビジネスの現場でも適用出来るようにするというビジョンが大きなデータ・小さなアプリ、というフレーズの意味するところです。ユーザーの文脈がフィルターとなるのです。
これはあくまでテクノロジーが私達の人間的な繋がりをサポートするということであり、実際の人間味溢れる仕事のやり方が最も大切なところです。新しいスタイルでクリエイティブな仕事をすることが、近い将来メジャーな仕事のやり方となるでしょう。Zohoサービスがそのようなワークスタイルを実現します。ありがとうございました。
企業のIT化・業務効率の向上をサポートするクラウドサービスを提供するZohoが、ファンのための行うユーザーイベントです。2007年の日本での初開催以来、欧米やインドなど世界各地で展開されています。・公式サイト
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