2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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孫正義氏:次、「法」。
孫:この意味が分かる人手を上げてください。
参加者:○○と申します。
孫:はい。
参加者:(聞き取り不明)
孫:大きい声で言え。聞こえんぞ。
参加者:(聞き取り不明)
孫:え?
参加者:フェアなやり方で勝つということだと思います。
孫:フェアなやり方で勝つ。はいじゃあ後ろの君。
参加者:○○です。規律だと思います。
孫:規律。はい、君。
参加者:○○といいます。方法の法です。
孫:方法の法。うーん。はい、君。
参加者:○○といいます。少し重なりますけど、組織を束ねるルール作りだと思います。
孫:組織を束ねるルール作り。はい、君。
参加者:○○と申します。強い会社組織を率いるためには厳しいルールがいると思います。
孫:厳しいルール。はい。じゃあ君。
参加者:はい。○○と申します。勝利を積むための優れた方法が必要だと思います。
孫:優れた方法。はい。君。
参加者:○○と申します。法律を変えてしまうくらいの革命を起こすという。
孫:法律を変えるの革命。はい。じゃあ君、はい。
参加者:○○と申します。やる時の法則みたいなものだと思います。
孫:法則。やり方。はい。なかなか君たちは優秀だ。法って言うとすぐに、法律の法の法だという風に思う人が多いんだけど、ここで孫子の言ってる法というのは、システムだとか方法論の法だとか、こういうルール作り、仕組み、そういうとこです。
孫:ですからビジネスモデルだとかね。プラットフォームだとかそういうことも含まれます。当然法律というのもそこから元々きてるわけだけどね。孫子の兵法の中で出てくるオリジナルの意味は法律の法というよりは、方法の法だということであります。仕組み作り。
戦争のためには行き当たりばったりで、まぐれあたりで得た果実というのは続かない。単なるその時の根性いうだけで得たものは続かない。仕組みを作ってシステムを作って法則を作って、という形でいかないと、大きな組織作りというのは出来ない。継続して勝つ仕組みはできない。
我々ソフトバンクでは、日次決算だとか、そういう様々な方法をやってますね。部門別の管理会計だとか、ビジネスモデルを続々と新しく編みだしていくとか、そういうものも我々が独自に作った様々な仕組みがグループの中にあちこちにあります。そういうものをさしてます。ですから物事をシステマティックに考える。そうでないとスケールできないぞということであります。
孫:ということで、1行目が孫子の兵法の中に出てくるものをソフトバンク流に解釈し、ソフトバンクに当てはめるということで、それをどうソフトバンクの組織に応用していくかということが大事なんですね。単にさっきから言ってるように、文字の字面の意味を理解したという意味ではなくて、実際それを行動に起こさなければならない。
実際にどんな仕組みづくりをすれば、我が社がもっと強くなれるのか。そういうことを考えて、どんどん編み出してかなきゃいけないの。そういう仕組みを作っていくという社風を作らなきゃいけないということですね。どこの会社どこのグループよりも継続して伸び続ける仕組み、成功の確率を上げていくという仕組み作り、これをしなきゃいけないということであります。
孫:2行目は、僕のオリジナルのものです。
孫:これはビジョンという項目の行になりますけども、これはもうさっき僕が答えを言いましたね。頂上の「頂」。これは山の頂上から見て見渡した時の景色。山のふもとから登ってるときは、下界は見えないわけね。頂上に登って初めてその下界の景色が見える、町全体の景色が見える。ビジョンを持つというのはそういうことです。
まだ登る前に、登ってみた後の山から見える景色ってどんなものだろうってことを、登る前にすでに想像する、ということであります。登る自分が自らが登るべき山を決めなければいけない。その山を決めたらもう自分の人生は半分決まる、ということであります。勝利が半分決まるということですね。
ですから登った後に、自分が登るべき山を決める。ソフトバンクグループのソフトバンクの後継者としてやるにはソフトバンクグループが僕の後を受け継いだ後にどこに向かうべきか、今から10年後、20年後、30年後、どういう世の中になるのか、どういうビジネスモデルになるのか、常に考えながらビジョンをより鮮明にする。
鮮明にするということは、何となく思うということじゃないですからね。期限をもって、10年後にはこうなってると。未来はこうなるだろうというのはすでに落第。未来って言ったって10年後も100年後も未来。それではもう全然落第。
そうではなくて、10年後にはこうなるだろう、30年後にはこうなるだろうと、明確な期限。その時のイメージを徹底的に思い描く。その山に登って、登った山から下界を見下ろしたようにしっかりと未来から見下ろしてみる。そういうイメージです。ビジョン。
孫:登る山を決めようと。山から見た景色をイメージせよということです。頂上の「頂」。ビジョンを持っていないリーダーというのはもう最悪です。もし皆さんが後継者になって、10年後にわしはこうすると。30年後に我が社はこうなるとバシっと言い切れない男は、女性でもいいんだけど、リーダーとしては失格ということですね。
日本の会社でよく、社長に就任してすぐの最初の挨拶で、いろんな新聞とか雑誌とかテレビのインタビューを受けますね。その時に皆さんが私の後継者になったと思ってください。その日、膨大な数のテレビ局と新聞社から質問を受けます。気分はどうですか? 抱負は? と聞かれます。その時になんて答えるか、今から考えてないとダメだということですね。
日本の会社の社長、大企業の上場会社の社長の大半の人がなんていうか。まず最初に言うのが「図らずも社長を拝命しまして」、こういうのですね。
図らずも社長になったら、部下はかわいそうだ。まぐれでなってしまった社長は、部下を路頭に迷わす。そんな奴にビジョンがあるわけがない。ビジョンなんて急に浮かばない。普段から考えに考えてちぎれるほど考え抜かないと、そんなポっと2、3日考えて浮かぶようなものじゃないということです。
今回発表した30年ビジョンのやつも、あれは1年かけて考えて、ずっとずっと考え抜いて、もちろん皆さんにも考えてもらって、一緒に作り上げたものです。2、3日で考えられるビジョンなんてものは、もう全然失格。私に言わせれば。ましてやビジョンがない奴なんてのは、絶対にリーダーになっちゃいけないということであります。ということで、ビジョンはものすごく大事。
孫:次、この「情」。はい。
参加者:○○と申します。心の底から燃え滾る情熱だと思います。
孫:情熱。はい、その後ろ。
参加者:○○と申します。熱い情熱だと思います。
孫:熱い情熱。はい、次。
参加者:○○と申します。正義を貫く情を持つ事だと思います。
孫:正義を貫く情。はい。君
参加者:○○といいます。情というのはタイミングを逃さない情報のことだと思います。
孫:情報。はい。
参加者:○○と申します。情報という武器を持って戦うということだと思います。
孫:情報という武器を持って戦う、はい。「情報」です。
孫:僕がソフトバンクをスタートするときに、アメリカから大学卒業して戻ってきて、1年半。自分が事業家になると。でも、どんな事業を始めたらいいのか。なにをやったらいいのか。1年半悩みに悩みに悩みぬきました。考えに考えに考え抜きました。僕が悩む時というのは、なんかこう、悲しげに悩むっていうことじゃないからね。
それはもう考えに考えて、非常にアクティブに、アグレッシブに、その選択肢を考えぬくということなんだけど、40ほど新しい事業を考えました。この40の事業、それぞれ、一度に40考えるわけじゃないですよ。1年半かけて、毎月いくつか「これだ、これを俺はやるぞ」と、この事業を新しいビジネスモデルの、40ともぜんぶ新しいビジネスモデルです。
全て今まで人がやってない新しい切り口のビジネスモデルのものを、40ほどまさにビジネスモデルを発明したような形で考えて「これだ、これをやればもう絶対に日本で一番になれる」と。ナンバーワン企業を作れると。こうやって興奮しまくって、考えて。
そしてその事業について、10年分のビジネスプランを、予想資金繰り表、予想損益計算書、予想バランスシート、予想人員計画、予想売上、予想マーケットシェア、こういうものを徹底的に調べた。
そして競合になるであろうという会社の規模、ビジネスモデル、売上、利益、バランスシート、徹底的に調べまくって、ひとつのビジネスモデルについて1メートル以上、資料を集めまくって、調べぬいて、もうその時はそれをやると決心してる状態ですよ。
それから2、3週間してもっといいアイデアが浮かんだ、もっといいアイデアが浮かんだというのが40回繰り返されて、もっと良い物じゃないとわざわざ考えないからね。もっといいというふうに思えるものじゃないと、わざわざもう一個の別の選択肢としては自分で候補に挙げないと。もうその時は興奮しまくって、徹底的に情報を集めてという形で行ったと。
だから皆さんが新規事業を行うときにですよ。今現在も新規事業の部門に携わるとかいっぱいあると思うんだけど、中途半端になんか上司から言われたからやるんだ、言われたとおりにやるんだ、だったらその時点で失格。自分から提案する能力を持ってないとすでに失格。
自分から、これやりましょうと。我が社はこれをやらないと世界の潮流から乗り遅れる、これをやることによってソフトバンクが何倍も大きな会社になれる、と思えるようなビジネスモデル、これを常に考え続ける。
僕は1年半で40考えたんだ。新しいビジネスモデル。自分の過去のアイデアを超えるというものを40回繰り返した。その中で絞り込んで、点数をつけて自分で。そして選び抜いたのが、ソフトバンクというこの情報革命というこの事業なんですね。ですから行き当たりばったりで、その何人かのたまたまの経緯で決めたというのは、それはもうダメということですね。
やはりなるべくしてならなきゃいけないと。まぐれ当たりというのは絶対続かないということです。ですからそういう意味で情報収集し、ビジョンを描く。これもビジョンを描いたら、そのビジョンに対して本当にそのビジョンが正しいのか、この情報収集を徹底的に行うということであります。
孫:次、「略」。はい。
参加者:○○といいます。どのようなプライオリティで戦略を考えていくかということだと思います。
孫:どのようなプライオリティで戦略を考えていくか。次。
参加者:○○です。ビジョンを達成するために、どのような戦略を立てるかだと思います。
孫:はい。ビジョンを達成するための戦略。まあこれはね、もうすでに正解です。略、これはこの行そのものがビジョンのような、頂上から見てビジョンを建てる、情報を集めてビジョンを立てると、そのビジョンを実現させるのは戦略だ、という意味でその戦略を立てよと。
孫:「あらゆる観点から各種の戦略を立てよ」と。情報は徹底的に集めるんだけど、いっぱい集めた情報の中から、戦略の略という字、元々どういう意味だと思う? 「略する」という意味なんだよね。
情報をいっぱい集めて、ありとあらゆる情報を集めて、それを分析して、それから無駄なもの、雑音・ノイズを徹底的に除去して枝葉を除去して、一番太い幹になる部分、これをやらなきゃいけないという急所、これを見つけるということですね。これが戦略なんだ。
戦略の元々の意味は「略する」と、もう死ぬほど情報を集めて、死ぬほど考えぬいて、死ぬほど選択肢を出して、そのあらゆる選択肢を網羅してその上で99.99%そぎ落として絞り込むと。絞りこまれたものでないと戦略ではないと。
あれもやるこれもやる、これは戦略じゃない。徹底的な選択肢を洗い出して、その徹底的にある選択肢の中から最後はぜんぶそぎ落として、一個を絞りだす。これを戦略というわけですね。
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