2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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孫正義氏(以下、孫):この25のそれですが、なぜ私がバージョンアップしたかと、実は昨日の夜中まではこの順番が違ってました。3行目のものが一番上の行にあったと。で、一番上のものが2行目でした。そして、4行目のものがその次の行で、2行目のやつが4行目で、5行目は5行目と。そういう順番にもともとなっておりました。
この順番を変えました。なぜ変えたというのが、この右側の青いピラミッドです。つまり重要順であると。物事には全て重要順があるということであります。物事は、ただ単に平たく考えればいいんじゃない。大事なもの順に常に頭に入れると。
意志決定しなきゃいけないときに、時間って限られてますでしょ。瞬間的にいろんな意思決定をしなければいけない、交渉のときとか、瞬間的に意思決定しなきゃいけないんですね。そのときに全部の項目をチェックできないときに、一番重要なものからパッパッパと頭で瞬間的に意思決定する時の要因として、チェック項目にすると。そういうことを普段から癖をつけてほしいと思うんですけども。
一番上の行。この「道天地将法」という風に書いてありますが、この「道」という字は何を意味するかというと、「理念だ、志だ」ということであります。この間、30年ビジョン発表しましたね。一番上のところに理念というものを発表いたしました。2番目がビジョン、そして3番目が戦略ということであります。
そういう意味で、この一番上の行は、「道」が表しているように「理念」のところが一番重要な部分であると。2番目の行の頂上の「頂」、これは「ビジョン」という意味であるということです。3番目の行が戦略の行であります。
4番目の行が将たるものの心構え。将たるもの、皆さんは、僕の後継者の候補です。つまり将たるもの。皆さん自身にとっての心得としての部分が、この4行目ということですね。5行目は戦術に相当するところです。
ですから「風林火山」というと、日本では武田信玄が戦の時の旗印に風林火山、書いてるんですね。僕に言わせれば風林火山、大変有名で、あれは孫氏の兵法の中から勉強熱心な武田信玄が学んで、孫氏の兵法の中の重要だと思うものを自分の旗印に書いたんだけど、僕に言わせれば「それは戦術にすぎない」という風に思うんですね。
でも大切な戦術、戦における大切な戦術なので、一応その戦術としての風林火山のところがこの最後の行に書いてあるんです。
この5つの行かける5つの縦、合計25。これは、僕自身はすべての文字、すべての意味をもう腹の髄まで入れております。僕の後継者になる皆さんもぜひ、この25文字についてはその体の底から、言われなくても思い出そうと思わなくても、もう瞬間的に体の中にそのまま入ってる、という状態になってほしいという風に思います。
孫:じゃあまず一行目、「道天地将法」と、戦いに勝つための孫氏の兵法の中の条件、ということになります。一番最初の文字、「道」ということであります。
孫:「道天地将法」の「道」、道ですね。じゃあ皆さんに聞きます、この道というこの一文字が、さっき理念とか志ということで言いましたが、ソフトバンクグループにとって「道」という一文字が意味するもの、我々にとってこの道という文字が意味するものは何だと思うか、手を上げてみてください。誰か、はい。
参加者:デジタル情報革命で、人々を幸せにする。
孫:素晴らしいじゃないか、正解だ。
参加者:ありがとうございます。
孫:これから、答えるときは名前を言って答えてくれね。名前は。
参加者:○○です。
孫:○○君。素晴らしい、いい目付きしてるじゃん。これから話をするときに、全員が指されると思って聞いてください。指されなくても自分からバシバシ手を上げて答えてほしい。そして答えるときに名前を、自分の名を名乗って答えてほしい。
それが素晴らしいなと思う答え、その立ち振る舞いも含めてそれが私自身のインプットにもなるし、皆さんがお互いに点をつけるわけで、お互いのインプットになると思いながらぜひやって欲しいという風に思います。
孫:この道「情報革命で人々を幸せに」ということですね。これは散々こないだのビジョン発表会で言いました。情報革命で人々を幸せにということであります。
孫:次、「天」。この天という一文字が、我々ソフトバンクグループにとって何を意味するか。今までのソフトバンクの創業以来の歴史の中で、あるいはこれからいう中で何を意味すると思うか、分かる人、手を上げてください。はい。
参加者:○○といいます。お客様だと思います。
孫:お客様、はい。他には? ガンガン手を上げてこい。
参加者:○○といいます。
孫:はい。
参加者:世界一のグループ会社になるということだと思います。
孫:世界一のグループ会社、はい。他には。
参加者:○○といいます。300年続くDNAを作る。
孫:300年続くDNA。はい、どうぞ。
参加者:常に頂上を目指す。
孫:常に頂上を目指す。他に。
参加者:人々に最も必要とされる企業になる。
孫:人々に最も必要とされる企業。
参加者:志高く。
孫:志高く。
参加者:同じです。○○といいます。
孫:はい。他にないか。はい。
参加者:○○です。天から全てを見る。
孫:天から全てを見る。はい、他に、はい。
参加者:○○といいます。孤独な人のいない世界を作る。
孫:孤独な人のいない世界を作る。
みんな素晴らしい答えです。ひとつの答えがあるとは思いませんね。ですからみなさんなりにそれぞれ解釈するというのは、すでに頭が回転しだしているということで、一つ一つなかなかいい答えだと思います。私が思っております、あるいは孫氏の兵法の中に書いてあります「天」という言葉の意味。これは「天の時」と。
天の時、タイミングですね。つまり我々は、情報のビッグバンという絶好のタイミングに生を受けているということです。人類に20万年の歴史があるなかで、情報のビッグバンというのは50年前は無かった、100年前は無かった。
松下幸之助さんはアンラッキーだったと。あれほどの才覚を持った人でも、人格を持った人でも、産まれたときが悪かったと。情報ビッグバンよりちょっと前に産まれてしまったということですね。もし幸之助さんが我々の時代に産まれてもし競合してたら、立派な競合相手だったと思います。
我々にとってラッキーかもしれないのは、彼にとってアンラッキー。つまりちょっと早く産まれ過ぎましたと。家電会社をやるにはいいときに産まれたと言うことだけど、家電会社は、これustreamでも流れてるからあんまりズバっと……まあ大きな革命じゃないね、僕に言わせれば。
人類が迎えた一番大きな革命は3つあった。農業革命、工業革命、情報革命。3つあったと、その中の3つの革命の中で一番大きなのが情報革命で、家電は、まあ所詮家電だと、平たく言えばそういうことだということであります。
孫:我々は情報ビッグバン、マイクロコンピューターが生まれたその時代に我々も産まれた。インターネットが生まれた、ブロードバンドが生まれた、モバイルインターネットだ。こういうような時代に我々が産まれた。これはもうすでに天の時を得たと、ラッキーだったと。
運も実力のうちって言いますよね。我々がこの時代に産まれた、もうそれだけですでにラッキーだったということだと私は思うんですね。この幸運を我々が掴みとれるかどうかというのは我々次第だ、ということですね。
運も不運も多くの人々にまんべんなくやってくる。でも我々は超ビッグな幸運の時に産まれたと。超ビッグな幸運の時に産まれたという、この天の時をうまく活用して羽ばたかなきゃいけないということであります。
孫:「地」。この言葉の意味することが分かる人、はい。
参加者:○○といいます。天から来たチャンスを自分でつかむ、力をつけるという。
孫:はい、天から来たチャンスを自分で力をつけると。はい、じゃあ君。
参加者:はい、○○と申します。周りを取り巻く状況、自社であったり他社であったりその状況を把握することだと思います。
孫:はい、周りを取り巻く状況じゃあ次。その横。
参加者:○○です。地の利、拠点がアジアにあるということだと思います。
孫:おお、正解だよ。ピンポン。地の利。
孫:我々がメインの拠点はアジアに位置していると。15年前は、アメリカ人がインターネット人口の50%で、アジア人が19%であったと。しかし、今から5年後は、アメリカ人はインターネット人口の中の12%になる、アジア人が50%になる。
これはもうまさに、今まではアメリカ人の会社じゃないとインターネットNo.1になれなかった。グーグルだ、アマゾンだ、ヤフーUSAだ、イーベイだ、みんなアメリカの会社でしたよね。
つまりお客さんの、ユーザーの50%がアメリカ人ならば、当然英語のウェブサイトで、アメリカ人の生活習慣にあったビジネスモデルで、という風になっていくわけです。だからアメリカ人に地の利があったと。でもこれからはアジア人がインターネット人口の50%になる。たった5年で。
もうすでに中国人のインターネットユーザー数はアメリカ人を抜いた。すでに。50%が中国を中心としたアジアになって、アメリカ人は12%になるということです。そういう意味で、我々はまさに地の利を得たと。天の時を得て、地の利を得たならばこれはもうやらなきゃいかんばいと。これで挑戦しなかったらリーダーになる資格ないということであります。
そういう意味で我々は、すでに中国にもアリババグループだとかOPIだとか色々な会社を、10年くらい前から仕掛けて種を植えてきておりました。そういう意味で大変この地の利を得たということであります。これからますます、そうなります。
孫:じゃあ次、この「将」。
孫:この文字の意味が分かる人。我々のグループにとって。はい。
参加者:○○です。リーダーを誰にするか、私達の中から誰を選ぶかということだと思います。
孫:はい。
参加者:○○と申します。
孫:はい。
参加者:軍を率いる兵将である経営者だと思います。
孫:軍を率いる経営者。
参加者:○○と申します。世界をリードするものだと思います。
孫:世界をリードするもの、はい。その隣。
参加者:○○と申します。頂上を目指し周りを率いる、引っ張る力とかを持ったリーダー。
孫:そういうものを持ったリーダーであると。じゃあ後ろの君。
参加者:○○と申します。デジタル情報革命を推進する将ということで、アリババグループとかそういった会社だと思います。
孫:会社。はい。
孫:まあ優れた将を得るということはもうすでに1文字が表してますけども、「皆さんがこれからリーダーシップを発揮していく」と。私自身が今、ソフトバンクグループの将の立場としてグループを引っ張っています。いろんな歴史で戦いがあったわけですけども、これはただ一例をあげております。
三国志の中で、関羽、張飛、趙雲、孔明、こういう人たちは皆、「将」の立場として劉備を助け、三国志を戦ったということですね。ですから大きな戦いを起こすと、革命を起こすという時に優れた将がいなければいけない。
もちろん大将ということもあるし、その中間のリーダーという意味もあるし、方面軍のリーダーいっぱいいると思いますけども、優れた将を得るということは、どんな戦いをやるにおいても優れた将を得なければ成功はおさめられないということです。
ですから、それは一人だけではなくてそれぞれの軍団を率いる優れた将を、もし皆さんが私の後継者になったらまず、皆さん自身が大将としての器にならなきゃいけない。
そのうえで、皆さんを支える優れた将を最低でも10人、皆さんのために、場合によっては腕の一本、足の一本いらん、場合によっては命すらもいらないというくらいの志を共有するそういう将を、皆さんがどれだけ部下に持てるか。これが皆さんが大将の器として山を引っ張れるかどうかというような事になると。
自分ひとりでは何にもできない。自分が大将になるためには、自分を支える10人くらいの気心の知れた志を本当に共有した将がいなければいけません、ということであります。
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