人生を変えたパッチ・アダムス氏と井上雄彦氏との出会い

辻秀一氏(以下、辻):ホワイト企業アカデミーのお勉強会です。今日は「『スラムダンク勝利学』に学ぶ 個人と組織の勝利への道しるべ」ということで、お時間をいただきましたので、少しお話をしていきたいと思います。

私のことを知らない人もいると思いますので、簡単に自己紹介をしたいと思います。これはいつもする話ですが、私の人生を変えるきっかけになった出会いは2人。パッチ・アダムスと井上雄彦。この2人との出会いが私の人生を変えています。

若い頃、私は慶應病院(慶應義塾大学病院)で膠原病、リウマチ内科という治らない自己免疫疾患の専門医としてむちゃくちゃ忙しく働いていました。

30歳くらいで医師として一人前になった時に、私の人生を変えるパッチ・アダムスという人の半生を描いた映画を見ました。ロビン・ウィリアムズが主演して、赤い鼻をつけて子どもたちを喜ばせる、実在するお医者さんの映画です。

この映画のテーマが「Quality of Life」。人生には質があると強烈に謳った映画で、私にすごく響きました。質なんか意識しないで、やらないといけないことに追われているなとすごく思いました。働き甲斐はありましたが、すごくストレスを抱えながら仕事をしていました。

もちろん学生時代、高校までは勉強していましたし、大学時代は体育会でバスケットボールに明け暮れ、医者になってからもむちゃくちゃ働いていましたが、やらないといけないことに追われて、量勝負の人生を送っていたように思いました。

そんな時に、「質」というテーマを突き付けられてすごく衝撃を受けました。そうしたら本物のパッチ・アダムスが来日されて、「質を決めるのは心の状態だ。心が乱れたまま何かを考えたら、思考の質が落ちるでしょ。イライラして人と話したら、会話の質が落ちるでしょ。不安のまま行動したら行動の質が落ちませんか」と、おっしゃられて。

心を整えるってどういうことなのか、初めて興味を持つようになりました。

米国で知ったメンタルトレーニングのビジネス活用

医学部では教えてもらえなかったなと思って、その時に私が出会ったのが応用スポーツ心理学です。メンタルトレーニングですね。20年以上前になりますが、日本ではまだメンタルトレーニングが世の中に出ていない頃に、アメリカの応用スポーツ心理学会に行きました。

たくさんのスポーツ心理学の先生方が、「NBAでこんなチームワークトレーニングをやってうまくいった。それをウォールストリートのバンカーの方々にもやったら、すごく企業の生産性が上がった」みたいな話をされているのを見て、私がやりたいのはこれだと思いました。

それを日本でもやろうと思ったんですが、なかなかみんなの関心がありませんでした。ただ、20数年前はちょうど『スラムダンク』の漫画が世の中に出ていた。読んでいない人がいないぐらい、1億冊も売れていた漫画だったんです。

バスケットに限らず、特にスポーツをしている多くの人が読んでいたので、この漫画を使ったメンタルトレーニングをすれば、みんなが話を聞いてくれるんじゃないかと、起死回生のアイデアが浮かびました。

どうしても井上雄彦先生に会おうと思いました。まったくの知り合いでもなかったですし、当時はインターネットもなかったので、とにかく伝手を使って、10人くらい間に入ってもらって、やっとお会いすることができました。

下北沢の居酒屋で初めて会いました。私の思っていることを井上雄彦先生に申し上げたところ、「それはおもしろいですね。すばらしいですね」と言ってくださって、「それだったら本を書いてみてはいかがですか?」と言っていただいて、初めて書いた本がこの『スラムダンク勝利学』という本です。

付箋を貼って漫画を死ぬほど読み込んで、スポーツ心理学に使えそうなシーンの言葉を選び抜きました。井上先生にシーンを言葉付きで送っては了承をいただいて、この『スラムダンク勝利学』の章立てができ、本を書くことができました。

おかげさまでこの本が40何刷、40万冊弱売れまして、多くの人がメンタルトレーニングを怪しいというわりに、けっこう興味があるんだなと思いました。思い切って医者を辞めて、メンタルトレーニングだけを専門に仕事をするようになって、早20年。最近、映画でまた『スラムダンク』がブレイクしているのがすごくうれしく、今回もこういう機会をいただきました。

気合や根性ではない、辻氏のスポーツ観

もう1つ、どうしても私がみなさんにお伝えしておきたいのは、私の肩書きはスポーツドクターです。メンタルトレーニングやスポーツ心理学を通して、みなさんにいろんな話をしています。

日本の場合はスポーツが体育だと思われているので、体育心理学とか体育ドクターというと、どうしても気合と根性でしんどくてつらくて。うさぎ跳びをやって腹筋をやって、水も飲まずに気合でやるイメージがすごくあると思うんですけれども。

私の活動の原資となる考え方は「スポーツは文化」です。文化は英語でCulture。語源はフランス語系のラテン語でカルティベイティブという言葉で、「人として耕され、心豊かに生きるための人間活動」を文化と呼んでいます。スポーツはこの文化の定義に当てはまると思っています。

そんな考え方をスポーツドクターとして、そこから生まれた応用スポーツ心理学が役に立つと多くの方々に伝える活動をしています。

(スライドの)左はご存じのとおり、今治FCの岡田監督。今治になぜサッカーのプロチームを作るのかという時に、彼はこの標語を前面に出して活動されています。「次世代のため 物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」ためにスポーツのチームはあると。

真ん中は仲良くしている、2015年のラグビーワールドカップの日本代表キャプテン、廣瀬くんですね。ニュース番組『ZERO』の木曜日のレギュラーコメンテーターになっていますが、彼はラグビーを通して、「スポーツは文化だ」と日本に広げようとしている方です。

右側は川渕三郎さん。30年前にJリーグを作られ、5年前にBリーグを作られた方ですね。彼の根底にあるのも、スポーツは文化であるというものです。

スポーツを素材にした『スラムダンク』という漫画ですが、スポーツは文化だから、みなさんのビジネスや人生に役立つヒントが存在するという考えが、私の背景にある考え方になります。

東京オリンピックの選手たちにも活かされたメンタルトレーニング

メンタルトレーニングで、私がサポートした東京オリンピックの選手たちも数名います。女子バスケは史上初の銀メダルを取りました。トム・ホーバスのメチャクチャ厳しい練習に、ご機嫌でやり抜いた選手が本橋奈子選手。

クライミングの野中生萌選手も銀メダルを取りましたね。あとはテニスの杉田(祐一)くんとかフェンシングの江村(美咲)さんとか、なでしこジャパンの籾木(結花)ちゃんとか。籾木ちゃんは今、スウェーデンのプロリーグで活躍していますね。フェンシングの江村美咲選手は、今もメンタルトレーニングを続けています。

杉田くんは、この間の東京オリンピックを最後に引退ですかね。彼は有名人ではないですが、実は松岡修三さんの世界ランキング48位を超えたのは、錦織(圭)選手と西山(良仁)選手、そして杉田くんと3人しかいない記録を残している男です。こんな人たちのメンタルトレーニングをやっています。

私はバスケットボールを大学時代までやっていましたが、バスケットを教えるわけでもなく、もちろんサッカーを教えるわけでもなく、クライミングを教えるわけでもない。心の整え方を教える。心を揺らがず、囚われず、機嫌よくやる。クライアントの共通の興味は「質」ですね。

世界中のライバルもみんな1日24時間ですし、1週間は7日です。その中で心を少しでも整えて、日常の質を高めて、練習の質を高める。そして試合での心を整えて、質の高いプレイができることに興味のある人たちが、メンタルトレーニング、心を整えることに興味を持ち、時間を割いて、1つのスキルとしてトレーニングしています。

他にもサポートしているアスリートたちは、お相撲さんの元関脇嘉風関も、「機嫌よくやる」ことにとても興味を持っているお相撲さんですね。

Jリーガーでは、長崎のV・ファーレン長崎というチームで、今37歳で活躍している都倉(賢)くん。彼は20年前、17歳の時に、この『スラムダンク勝利学』を持って私の目の前に現れた高校生です。「将来Jリーガーになりたいので、いろんなことを教えてください」と私のところへやってきた男ですね。

そして、女子プロゴルファーの西郷真央選手。去年故障して、海外に出たりしながら今年は苦戦していますが、心は整えながら望んでいます。

アイスホッケーでは、NHLというアメリカのトップのプロリーグがあるんですが、その下の2部にいる日本人の三浦(優希)くんですね。アメリカの大学を出て、早稲田の高校にいたんですけど、高校を中退してチェコに行きまして、そこからアメリカの大学を出て、今はプロとして活躍しています。

カーリングの山口(剛史)くんもいます。女子(カーリング)はみなさんご存じのロコソラーレ。有名ですよね。私は男子のほうの日本代表で、全日本選手権で2連覇している、FC軽井沢というチームのメンタルトレーニングをしています。

ブレイクダンスとメンタルトレーニングの意外な相性

イタリアに住む20歳の男の子で、MotoGPというバイクの選手もいます。バイクも心が乱れると大きな事故を起こして死につながるので、心を整えてパフォーマンスを上げて結果を出すことに、すごく関心が高いです。

ヨーロッパはどのチームにもメンタルトレーニングの先生がいて、いろんな考え方を選手たちに伝えているらしいですが、彼はやはり日本語でないと嫌だということで、わざわざ私の話をオンラインでいつも聞いてくれています。

卓球の吉村真晴くんは、リオオリンピックの銀メダリストで、東京オリンピックは出ていないですが、次のパリを目指しながらがんばっています。

森ひかるさん、トランポリンの選手ですね。東京オリンピックで勝てなくて、もう辞めようかといった時にある人が紹介してくれて、そこから心を整えて復活して、昨年の秋、3年ぶりに世界選手権で優勝しました。

菅沼菜々選手は女子プロゴルファーですね。彼女も昨年は賞金ランキングで10位以内になりました。

車椅子バスケットボールの北田(千尋)選手もいます。高校時代に交通事故で麻痺が生じまして、それ以来車椅子の生活ですが、今も活躍して今度のパリパラリンピックを目指していますね。今京都に住んでいて、明後日京都でメンタルトレーニングが入っています。

全盲の富田宇宙くんは、パラ水泳の選手ですね。高校まで彼も目は見えていたんですけど、高校からだんだん見えなくなって、今はもうまったく見えません。東京パラリンピックでは銀2つと金1つを取りました。

柔道の出口クリスタ選手。この間ドバイで世界選手権があったんですが、みごと世界チャンピオンになりましたね。お父さんがカナダ人なので、カナダ国籍でオリンピックを目指しています。

ブレイクダンスの選手たちもいます。ブレイクダンスはパリから正式にオリンピック競技になりまして、日本もメダルが近いということで、NHKが全面支援して、NHKでよく日本の大会の中継があったり、スポンサーになってもらったりしています。

ブレイキンってなんとなく普通の生活になじめず、ちょっとアウトサイダーな人たちの集団じゃないかと、私は勝手に思っていたんですが、会ってみるとむちゃくちゃメンタルトレーニングと相性がいい。なぜかと言うと、彼らはいつも自分のオリジナリティを見つけて勝負するので、自分を内観する力がすごく高いんですよね。

自分は何をしたいのか、自分は何が得意なのか、自分は何が好きなのか、自分は何が人と違うのかを常に見つめていて、自分の内側を見ることに関して、すごく積極的です。彼らは高校生でもメンタルトレーニングを積極的にやってくれるので、すごく仲良くやっていますし、メダルの候補でもあります。メディアが寄ってくると(メンタルが)囚われたりするので、その対策をしたりしています。

大学スポーツチームに現れた変化

大学生たちもサポートしています。東洋大学のアイスホッケー部は7年前くらいに不祥事があって、1年間の出場停止になりました。私の仲良しの、全日本のキャプテンをやっていた鈴木さんという方が新しく監督になる時にメンタルトレーニングに呼ばれ、それから毎年トレーニングを重ねています。

最初の頃は「お前アイスホッケーなんてわかんのかよ」みたいな、むちゃくちゃアウェーな感じで、私は「心を整えて質高くやるんだ」という重要性を伝えていたんですけど、ぜんぜんレスが悪かったんです。それでも監督が「こういうことは必要だよ」と話をして、4年間続けて5年目に代が入れ替わったら、春のリーグ戦、秋のリーグ戦、インターカレッジと3冠をとって、それ以来今も勝ち続けています。

今週の日曜日も、春のリーグ戦の最終戦で、明治大学と試合があるので行くんですけど、今の彼らは留年も飲酒問題もタバコ問題も一切なく、プロに何人か行きますし、普通の社会人になっても活躍していますね。

4年掛かりましたが、「心を整えてやるべきことをやる」ということをすごく理解して、今はいいチームです。新しく1年生が入っても、2年生以上の先輩たちが、心を整えることの重要性をすごく伝えていますね。

東京農業大学のラクロス部もラクロス1部でがんばっています。慶応のバレーボール部や市立船橋高校のサッカー部。ここも過去にいろんな問題を起こしているんですけど、全員がプロにならなくても心を整えることの重要性をわかってほしいと、OB会が私を呼んでくれて。毎月市立船橋高校に通っています。

東大のボート部も、戸田というところでみんなで寮生活しているんですけれども、そこに呼ばれました。最初の頃はむちゃくちゃ頭が固くて、「機嫌よくやることの定義を言ってくれ」みたいに何でも定義が必要で。「定義じゃなくて感性を磨くんだ」と話して、やはり2年くらい掛かりましたけど、今はもうすごくいい感じで、質の高い練習をやっています。

その他、慶應のゴルフ部や剣道部、学習院大学のチアリーディング部などの大学生たちのメンタルトレーニングもやっています。

パフォーマンスの2つの構成要素

心だけ整えればいいという宗教の集まりではないので、あくまでもパフォーマンスのいち要素として、心のマネジメントが必要だと取り組んでいる人たちです。ですので、パフォーマンスという意味で、スポーツもビジネスも人生も、共通点があると私は思っています。

ビジネスもスポーツも、私たちは結果や目標を常に問われていますが、結果や目標はパフォーマンスの証ですよね。

PKを外すという結果は、PKを外すパフォーマンスをしたからですよね。日本一になるという結果は、日本一になるパフォーマンスをしたからですよね。

さまざまな結果や目標を私たちは追いかけますが、あくまでそれは自分や自分たちのパフォーマンスの証だと考えています。もちろんビジネスになればマルチファクトリアルで、いろんな要因が絡みますけど、唯一マネジメントできるのは、自分や自分たちのパフォーマンスでしかない。

なので、世界チャンピオンになりたければ、世界チャンピオンにふさわしいパフォーマンスのチームになるように、視点を変えていく必要があるし、100億円の売上を上げたければ、100億円の売上を上げるのにふさわしい、パフォーマンスの集団になるという視点を持つ。このパフォーマンスに着目していきます。

パフォーマンスはたった2つ。内容と質でできています。今この瞬間もみなさん40人の方の2時間のパフォーマンスがありますが、内容と質ですよね。「何をするか」と、それを「どんな心で聞いているのか」。私もそうですよね。「何を話すのか」とそれを「どんな心で話すのか」。内容と質の、この2つでできています。

私たちは何をしないといけないのか、何をやっていないのか、何をするべきなのか。To Doリストを明確にして、Do Itしていくことにはむちゃくちゃ注力しますが、それをどんな心の状態でやるのかがおざなりになっていると、30歳の時にパッチ・アダムスの話を聞いて初めて理解しました。

パフォーマンスの「質」を決める心の状態とは?

何をしないといけないのかはもちろん大事ですが、人間の営みなので、それをどんな心でやるのかが質を決めていくという話です。質を決める心の状態とは、簡単に言うと「機嫌よくやっているか、悪くやっているか」になります。

機嫌の悪い状態は、(スライドの心の図の)左側に傾いている状態ですね。

揺らいでる状態、囚われている状態です。不機嫌な状態。心理学でNon Flowと言う、ストレスを感じている状態ですね。これが戻らなくなって、このハートのマークから外れてしまうとDepression。病気の状態、鬱ですね。

左側にこの矢印が傾いていたら、何をしていたとしても絶対に質が落ちます。「うちの部下はイライラするといい仕事する」という部下はいないですね。「うちの社員は、むかついているといい会議をするんだ」という部下は世の中に存在していないし、「うちの営業マンたちは不安なままやると、むちゃくちゃいい営業をしてくる」という営業マンは、世の中に存在しないですよね。

右側に傾くのは揺らがず、とらわれず、機嫌の良い状態ですね。私はFlowを、もう少し広く捉えています。(ミハイ・)チクセントミハイという先生はゾーンに近い領域をFlowと言っていますが、私はもう少し広い範囲で捉えています。自然体な感じですね。

その究極の領域がZone。ボールが止まって見えるみたいな感じですね。無に近い状態でしょうかね。(スライドの)このDepressionからZoneの中のどこかで、みなさんの会社の従業員は今仕事をしています。

右側に傾いていれば、質が上がる方向に行くという人間の仕組みを大事にしながら、このFlowな人とFlowな時間、機嫌の良い状態を増やしていきましょうということをやっています。

企業経営者が社員の「ご機嫌マネジメント」に興味を持つわけ

いろんな企業の経営トップに、「なんで社員のFlow、ご機嫌を大事にするトレーニングをするんですか?」とうかがうと、最近はこの4つを言われることが多い気がします。パフォーマンスの質を上げて、「結果・成果」を出したいから。もちろんですよね。スポーツはまさにここですけれども、ビジネスも同じだと思います。

それから、最近は「変革・成長」。イノベーションやクリエイティブ、成長に、ご機嫌でいることが極めて重要です。不機嫌に囚われていると変革しにくいんですよね。変革・イノベーションの最大の阻害因子は社員の心の状態、もしくは役員の人たちの心の状態です。

心理学ではセルフコンセプトと言いますが、経験が長くなればなるほど、私たちには経験に基づく固定概念ができあがってきます。「自分の普通」ができて、「普通はないよね」となります。成功事例が高ければ高いほど、セルフコンセプトが強固になりますので、変革や成長をしにくくなります。

これは私がいつも言う話ですけど、みなさん、目玉焼きだったら何をかけますか? 私は醤油ですけど、味噌の人もいるし、ソースの人もいるし、塩の人もいるし、かけない人もいるし、ケチャップの人もマヨネーズの人もいるかもしれませんけど、私は醤油しかかけません。

目玉焼きですら、私にはもう一生イノベーションが起きにくいんですよ。恐ろしいですよね。過去の経験に基づいておいしかったから、私は醤油しかかけない。どれだけケチャップがまずいかなどの検証をしないで、醤油しかかけなくなるんです。

日曜日の朝にうちの嫁が気を利かせて目玉焼きにケチャップかけると、「何、この赤いやつ」とか「もう1個作れよ」と言って、食べずに私はまた醤油を要求してしまうんです。人間のこの「普通」というやつは恐ろしいです。

これをよくわかる必要があって、揺らがず、囚われず、自然体な柔軟性のある状態を作らないとなかなか変革しにくい。経営トップほど、過去の成功事例もあって囚われが激しいですよね。そんなことに気づいていきませんか、といろんな会社でやっています。