
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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辻秀一氏:ライフスキルのその3は、ゴリ(赤木剛憲)です。「根拠なき目標」ですね。
根拠を作って目標を立てるのではなくて、自分がどれだけそれに対する思い入れがあるか、自分がどれだけ心から望んでいるかを大事にした目標設定ですね。
ゴリは「全国制覇」という目標を、何の根拠もない時から1人だけ言い続けていて、そうしたらだんだん根拠が集まってきましたよね。「根拠」から始まる目標ではなく、「思い」から始まる目標を立ててたくさんの人が集まってくる。まさにティール組織の「ソース」みたいな感じだなと、私はゴリを見ていて思います。
ゴリのその思いをみんなが汲み取って、自分のやるべきことをやって、その目標もしくは思い、もしくはその目的を共有しながら、何かを成し遂げようとする。でも思いとか目標だけ言っていると、根拠先行型のエビデンスとか認知的なことを言う人たちの中に、「何? そういう根拠のないことを言って」みたいに否定してくる人がいます。
ゴリもそういう否定する先輩方にやられそうになるけど、ちょっとずつ仲間がソースとして集まってきて、我々に感動を呼ぶあの山王工業戦をする、新しい湘北のチームができあがってくるんです。そのすべての始まりは、ゴリの根拠なき思いの目標から始まったと思います。
なぜそれが私たちには難しいかというと、目標を達成することが是だと思っているからです。もちろん否定はしませんけど、目標を達成することが大事なので根拠が重要です。
何かを成した人は、思いとかエネルギーの強さから、何かを成し遂げているのではないかと思いますし、根拠や手段はあとからついてくるように思います。
私の周りにいるアスリートたちも、自分が本気で目指したい目標を設定するようにしています。去年3位だったからついに今度は優勝とか、全国大会にいけるようになったので今度は3回戦とかではなく、「優勝」とか。
本当に何を望んでいるのかは、自分に問いかけないと出てこないことです。でも認知的な教育をされているので、私たちは自分の内側にある本当の思いとかを言語化するのが、すごく苦手になっているのではないかとも思います。
そして「楽しむ」です。ご機嫌の価値の高いことですよね。リョーちん(宮城リョータ)もいつも、何か楽しくないと良くないと思っています。「どうせやるんなら楽しくやろう」と、すごく思っている人ですよね。
スポーツは「プレイヤー」なのに、日本は「選手」と呼びますよね。「プレイヤー」は「楽しむ人」です。play basketballなのに、日本の場合は選手がto basketballを苦しみながらやっています。その一番の、典型的な例が甲子園の野球だと思いますけど、みんなが苦しんで、気合と根性で、負けて泣いて砂拾って帰る美談みたいなことをやっています。
高校までのスポーツで、こんなにトーナメントでやっているのは世界中で日本だけです。欧米にはトーナメントはなく、高校生まではほとんどリーグ戦だけです。一番を決めるよりも、たくさんの経験を積むほうを大事にしているからです。
日本の場合は、「楽しむことが大事」よりも「勝つことが大事だ」と先に教えるので、ジュニアのスポーツはだいたい強い。でもそのあと伸び悩みます。
有名な話があって、日本のリトルリーグが世界に行くとだいたい勝つんですけど、アメリカは思いっきり投げて、思いっきり振って、思いっきり走って、みんなで楽しむplay baseballを子どもの頃にしているんです。だからノーコンなので、日本が行くとだいたい見送りのサインが出て、押し出しで点数がたくさん入るらしいんですよ。
それで日本は勝ったと喜んでいるけど、日本のplay baseballの何が一体楽しいのかと。思いっきり走らず、思いっきり振らずして、勝つことだけが楽しいのか……みたいなことが言われてしまったスポーツ心理学の新聞が懐かしいです。
私たちは楽しむことの重要性をあまり教わってないですよね。「楽しちゃダメだ」ととらえられてしまって。どうせやるんだったら楽しくやらないといけないですよね。
山王工業戦であんなに苦しい試合があったとしても、楽しくやりたいと思うのは、もう1個レベルの高い話ですよね。楽して逃げようという話ではない。ちゃんと向き合うけど、楽しもうと。どうせやるなら、せっかくやるなら楽しんでと。
次は、メガネくんこと木暮公延のライフスキル「応援する」です。「応援する」というのは高いライフスキルで、実は応援するのは自分のためなんですよね。応援は、自分の心を整えるのにすごく良い。
私のワークショップでみんなに提案します。渋谷から原宿まで1駅電車に乗る時に、誰も知らない人たちですが、「ここに乗っている人、がんばれ」と思っていると、原宿で降りる頃に絶対元気になるんですよ。誰も知り合いじゃないですよ(笑)。
「ここにいる人、みんながんばってくれ」と思っていると、原宿に着いた時にむちゃくちゃご機嫌なんです。応援というのは、実は自分をご機嫌にするためなんですよね。
アスリートたちにもよく言いますが、期待と応援は違う。勝手な枠組みを人に当てはめて、結果の見返りを求めることが期待なので、期待している側も怒りの原因になるし、期待されている側もプレッシャーになる。
応援は見返りのないエネルギーなので、スポーツのチームでも期待しているファンと応援しているファンは明らかに違う。応援しているファンは見返りのない高等なエネルギーなので、「自分のために応援することを大事にしましょう」と考えています。なので、さっきの話じゃないですが、とにかく「がんばれ」と応援している。
実はもう10年以上前ですかね、タイガー・ウッズがプレーオフにいった時に勝率がむちゃくちゃ高くて、その時のことをインタビュアーが聞いていて。
プレーオフにいった時に「なんであんなに勝率が高いんですか?」と聞いたら「すべてのライバルを応援していれば、ライバルに何が起こっても自分の心は乱れにくいから、自分はすべてのライバルを心から応援しているんだ」と。
そうじゃない人は、自分のライバルが2メートルのバーディーパットを構えていると「外せ」と祈ったりしているわけですよね(笑)。そうすると入っても落ち込むし、外れてもどこか後ろめたさがある。
応援のマインドを持っている人は心の状態が乱れにくいという考え方を、この小暮(公延)くんは見事に表現している「応援の鬼」のような人です。
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