2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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橋下徹氏(以下、橋下):先月の末ですかね。維新の党といろいろありまして、離党することになりました。その際に「今は党を割るようなことはしない」ということを、維新の党の国会議員向けにメールを出したことは間違いありません。
ただそれは、9月中は日本の国にとって、非常に重要な安全保障の法案についての審議がありますので、9月の国会中は党を割るようなことはしないと。その思いがあり、「今は党を割るようなことはしない」と維新の党の国会議員にメールをしました。
言った通り、僕は今に至るまで、維新の党は割っておりません。ただこれからは、大阪府知事選挙、大阪市長選挙もありますし、何と言っても、現・維新の党が偽物の維新の党になってしまいましたから。もう一度本物の維新の党をつくる必要があります。
われわれ大阪維新の会は、終始一貫して、徹底した改革を行っていく。東京一極集中を改める。今の中央集権国家の仕組みを、多極型・地方分権型の国会体制に変えていく。そして大阪を副首都になんとかもっていきたい。
日本の2つのエンジンのひとつに、大阪をもう一度もっていく、再生させていく。ただ、大阪再生だけが目的ではありません。やはり日本は東京一極、中央集権体制そのものですから、これを地方分権型の国に変えようと思えば、まずは東京に並ぶ二極をしっかり大阪につくって、そこからさらに道州制に向かい、地方分権型の日本の形をつくっていく。
このために大阪再生、大阪の副首都化、大阪都構想というものをかかげた改革政党、本物の維新の党をもう一度つくる必要があると思いまして、目指すは10月24日に結党大会を開く準備にいま入っております。
これから正式に国会議員を集めにかかりますので、維新の党の国会議員とは激しい政治闘争になると思いますけど、これは日本の国のかたちを変えるために、新しい国政政党、名称は「おおさか維新の会」です。平仮名で“おおさか”と書きます。
「おおさか維新の会」。そういう国政政党を立ち上げていきたいと思います。今の偽物の維新の会から、本物のおおさか維新の会をつくり直すと。そういう気持ちで新しい新党をつくっていきたいと考えています。以上です。
記者:ABCのキハラです。いまの維新の党は偽物の維新の党になってしまったとおっしゃいましたが、どこがどう偽物で、このおおさか維新の会は何が違うのか、説明をお願いします。
橋下:結局、改革をやると言っても、何をやるのか見えてきません。そして今回大阪市では、公務員の身分保障を、身分から職業へという大きな方向性を大阪維新の会は掲げてきて、実際に大阪府・大阪市では職員基本条例というものを制定したあとにですね、これは賛否両論いろいろあるかと思いますが、指導研修もきっちりやったうえで、やはりどう考えても公務員の仕事ができない職員を今回、分限免職しました。
ただこれは、公務員の労働組合は猛反対するでしょう。維新の党が、民主党とそのまままるごとひっつくようなことがあれば、今の民主党は公務員の労働組合や、教職員組合から選挙の応援を受けていますから、このような、公務員の身分から職業へという改革ひとつとってもできません。
それから、今の日本歯科医師連盟の迂回献金問題もそうですけれども、これは自民党も僕は問題だと思ってますけれども、自民党も民主党も結局こういうことやってるわけです。迂回献金を受けてる、そういう議員を誕生させる。
ですから、国政政党おおさか維新の会は、消費者の視点に立って……綱領はみなさんのお手元に配布させてもらっていますが、これもこれまで地方政党大阪維新の会と終始一貫、供給サイドに税を入れるのではなく、消費者サイドのほうに税を入れていく、そういう理念でこれまで地方政党大阪維新の会はやってきた。
国政政党おおさか維新の会もその理念で政策をつくっていきますけれども、今の民主党も結局消費者サイドにはタテない。業界団体のお抱え議員を誕生させて、業界団体のために活動する政党であることを今回迂回献金問題ではっきりしたわけです。
そういう民主党と維新の党がまるごとひっついていくということは、改革を放棄したと思わざるを得ません。
野党再編には賛成です。本気で改革をやりぬくコアな有志のメンバーが、その政党の軸をつくってですね、これに賛同するもの集まれと声をかけるような野党再編には賛成です。
ただ今、維新の党がやろうとしている野党再編は、いまの国会議員の身分を守るために、民主党とまるごとひっついていくと。そういう野党再編にしか見えませんので、これじゃとてもじゃないけど、維新の党は改革などできないなと思いました。
そして大阪都構想に関しても、これは地方分権の蟻の一穴だと思っているんですが、この大阪都構想に真正面から反対してきたのは、民主党と共産党ですよ。国政のほうのね。地方でもそうです。
今年の5月17日ですよ。そこからまだ3、4ヵ月しか経っていないのに、その国政の民主党と共産党となにか野党再編をする動きを始めるというのは、全く理解ができません。
もともと大阪都構想を維新の党は党是と掲げていたと、維新の党の執行部は言っています。大阪都構想が維新の党の一丁目一番地だと。
そう言っておきながら、それに猛反対をしてきた国政の民主党や、場合によっては共産党となにか話をしていこうなんていうのは、もうちょっと僕は信じられませんね。
そういう意味で、維新の党は偽物になったと判断しています。
松井一郎氏(以下、松井):先ほど代表からも話ありましたけれども、日本維新の会、そして今の維新の党をつくったときもですね、一丁目一番地が中央集権から地方分権と。
日本に二極をつくる多極化をしていかなければこの国はもたないと、こういう価値観のもとに集まったわけで。
ところが橋下代表と僕は大阪に専念するために執行部を離れると、もうどうしても中央集権なんです。政党の姿が、我々はピラミッド型じゃないですよ、国会議員が上、地方議員が下、そうではないと何度も確認してきてるのに、結局地方の政治家である我々がその執行部から離れると、いつのまにやらピラミッド型の組織体系になってる。
代表選挙やるにも、国会議員はひとり一票、地方議員は5人で一票と。圧倒的に地方の権限は低いところに置かれるというような案をつくってくるわけです。
この案をおかしいでしょ、と何度も言ってやっと地方も国会議員も党員も全員で代表を選べるようになる。首相公選制に向けた、党内のそういう代表の選び方をそれも、国会議員の執行部に任せておくと、国会議員が上になってる。
何度も言うてもね、そういう案を永田町の中で練ってしまう。まずここで「分権改革忘れたんですか」と。
それと政策本位だったはずです、我々は。政策で集まっていく。そして政策を実現するための結社が政党だと。ところがその政策は横において、いまも代表がいうように、民主党だろうが共産だろうが組んでしまう。
山形の地方選挙で、民主、共産、社民、候補者応援してどうするんですか? そことの政策なんて一致するわけないんです。維新の党としては。
でも区部長選挙においては、いつの間にか幹部がそういうところで談合で選挙の応援をしている。これも政策本位を忘れてるということです。
もうひとつは、政府とは是々非々だったはずです。政権とは是々非々で、いいことはいい、ダメなものはダメとはっきりと対応するのに、いつのまにか、安保法制見てましても、なんでも反対になってしまう。
これでは結党当初の理念をすべて、維新の党は忘れたんだろうなと、考えざるを得ません。だからもう一度原点にかえる政党をつくろうということです。
橋下:維新の党、前身は日本維新の会です。日本維新の会は、大阪維新の会から発展してできた政党ですけれども、地方の議員、地方の首長。「地方」というところからスタートした政党なわけですよ。
今の維新の党は全く地方議員に目を向けておりません。維新の党の国会議員、どこまで地方に力を尽くしているのか。ほとんどやっていません。
僕らが大阪で先日、中核市である枚方市で必死にやってましたし。つい先週の東大阪市の市議選挙でも本当によく頑張って、0人のところから8人のところまで、中核市で8人の市議会議員を当選させましたよ。
今の維新の党は全くこういった活動はしていません。国会議員でびっくりしますけど、地方議員を全く抱えていない、抱えるという言い方もおかしいですけれど、地方議員を誕生させていない、地方議員がゼロという国会議員もたくさんいるわけです維新の党は。
「何をやってるんだ、維新の党は」と。それで年間交付金は26億円ですか? 本当に税金の無駄だと思いますね。僕らは本当に地方の活動をしっかりやって、足腰を鍛えて地方から国の形を変えていくというのが維新の会の結党の理念、一番の理由だったのに、今の維新の党を見ていると地方選挙も全くやらないし、地方議員の気持ちも全く汲まない。
国会議員になってしまったら後は思うがままに、国会議員の生活を楽しむんです。僕の一番嫌うところの税金の使い方をやっているのが今の維新の党なんです。そこをしっかりとやっていきたいと思っています。
記者:もうひとつだけお伺いいたします。国政政党の名称に「おおさか」という名称を入れるのは大変冒険的だと思います。全国展開するにあたっての妨げになる可能性も考えられますが、その点「おおさか」を平仮名にした理由と合わせてお伺いします。
橋下:平仮名にしたのは「大阪という地域を指す言葉になるんじゃないか」ということを、片山虎之助議員からアドバイスいただきましたので平仮名にしました。これは程度の問題で、平仮名にしたからといって、国民のみなさまがすぐにこの改革というイメージを思い描いてくれるかはわかりませんけれども、平仮名のほうがこの改革だったり、地方分権だったりを表すイメージにつながりやすいんじゃないかということで平仮名にしました。
ただ、「おおさか」という言葉をつけるのはたしかに冒険です。チャレンジです。ただ地方分権をやっていくんだというね、僕は8年間知事と市長の仕事をやってきました。
みんな地方分権と言うんですが、言ってるだけではできません。本当に江戸幕府を倒して、明治政府をつくったような政治闘争というものをやらなければ国の統治機構は変わりません。
ただ、今の首長や地方議員を見ても口では地方分権と言っていますけど、本気でやる集団だという感じを受けませんので。であれば、地方分権の象徴として「おおさか」という東京とは違う地域に名称をいれた東京一極集中是正の、ある意味象徴的な政党名にしたところであります。
記者:読売テレビのノムラです。大事なところなのでお聞きしたいのですが、5月の都構想の時点でずいぶんと状況が変わったと思います。あの時点ではすっきりした表情で12月をもって引退とおっしゃっていましたけれども、これだけ今日地方からということを打ち出されてもちろんダブル選挙も当然戦うわけですし、もちろんその時点で市長は辞められるわけですが、その後この地域に密着したおおさか維新の会という政党について、市長を辞められた後についても当然関わっていかれるということで、有権者は思っていいんでしょうか?
橋下:いえ、政治的には関わりません。5月17日の住民投票のときにも言いましたが、1人の人間ができることなんて限られてますから、僕は8年間やってきてお前はまだ全然何もやっていないという人もいるかもしれませんが、僕は僕なりに精一杯手を抜くことなくやってきたつもりです。もちろん評価は有権者に委ねますが。
大阪都構想にもチャレンジをして、大阪都構想についてもいろいろご意見がありますが、東京都政だって最初に帝国議会に出されたのが1895年、明治28年ですか。そして、東京都政が成立したのは1943年、実に48年間を経て東京都政が成立したわけです。
そしてその後、東京都のなかの特別区がきちっと地方公共団体として認められたのは2000年ですよ。初めて帝国議会に東京都政が上程されたのが1895年で、東京都という形が固まるまでに105年がかかっているわけです。
こういう話を1人の人間である私ができるわけではありません。都構想のなんとか設計図というものをなんとか完成させた。住民投票で否決はされましたけれども、大阪府政も大阪市政もやって、大阪維新の会も最初は府議会議員6名からスタートしたところ、今や地方議員が200名くらいになり、自民党や民主党、共産党、公明党と全部を相手にしても中核市において勝てるくらいの政治グループになったわけです。
そして今回、国のかたちを変えるために、地方分権型の国のかたちにする、大阪をきちっと副首都にしていく。そのために今度はおおさか維新の会のなかにきちんと国政政党をつくる、ここまでやったらね、有権者のみなさんが何を言おうが、自分としては政治家としての仕事はここで納得しています。
なので、12月18日をもって、否決はされたけれども大阪都構想の設計図を完成させ、おおさか維新の会を立ち上げ、国政政党のおおさか維新の会をつくったところでね、政治というというものはきっぱり終了と考えております。
記者:ただですね、有権者からすると、これだけ強くバーンと打ち出して、負ければ辞めるというのは当然あったとしても、「勝てば橋下さんがやるんだ」というのと、「負けてもとりあえず辞めるけど、おおさか維新の会を応援してください」というのでは当然響きが違ってくると思うのですが、いかがでしょうか?
橋下:でも有権者をだますわけにはいきませんからね。政党は公器ですので、個人の持ち物ではありませんから、個人商店の組織なんていうのはすぐに消滅しますよ。
おおさか維新の会は着実に組織になってます。先日の東大阪市市議会選挙も、枚方市長選挙も、僕はほとんど活動していませんから。あれは維新のメンバーがしっかり活動して、選挙に勝ったと思ってますから。これは有権者のみなさんに、おおさか維新の会の組織を評価していただきたいと思います。
ただね、それはおおさか維新の会の代表がどう考えるかはわかりませんけれども、例えば「法律の顧問をやってくれ」とか、「何か問題があったときに相談に乗ってくれ」とか言われたら拒みませんよ。
でも何か「おおさか維新の会に政治的に関与する」ということをお約束するのは、有権者のみなさんに失礼ですからしません。
記者:もうひとつだけ。いったん引かれるということで、いち私人となった後、将来的に情勢的にどういう気持ちになるか、どういう行動に出るかまでは有権者にお約束するわけではないという認識でよろしいですか?
橋下:はい、そうです。いち私人が生活について、国民にお約束する話ではありませんから。もう公人ではなくなっていますのでね。それは自由にさせてもらいます。
記者:それは将来の政界復帰を含めてですか?
橋下:だから……(笑)。そういうことも含めて私人なんですから、全くの自由にさせてもらいます。
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