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第662回 仕事に役立つABC『ネガティブな報告の返し方』(全1記事)

部下からミスの報告が上がった時の反応の仕方 逆効果になる上司の対応と心がけたい3つのポイント

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル『ちょっと差がつくビジネスサプリ』。今回は、ミス、抜け漏れ、クレームなどのネガティブな報告が上がってきた時の上司の対応についてお届けします。

部下からミスの報告が上がった時、どう反応する?

熊谷翔大氏:今日はネガティブな報告の返し方がテーマです。仕事において、ミスが起きたり、抜け漏れに気づいたり、お客さまからクレームが入ったりといったネガティブな事象が発生することはあるかと思います。その時に必要なアクションの1つは、部下が上司にネガティブな報告をすることかと思います。

今日は上司の立場で、部下から報告を受ける時にどう対応するのがいいかを考えてみます。もしまだ部下、後輩がいない方は、ぜひご自身の上司を思い出しながら聞いてもらえるとうれしいです。

まず部下の立場で、今から言う2人の上司はどっちがいいかを考えてみましょう。まず1人目の上司は、報告した瞬間にブチ切れる上司。そしてもう1人の上司は、感情を抑えてしっかり聞いて受け止めて、その上で次のアクションに移ってくれる上司。間違いなく後者ですよね。前者は絶対に嫌ですよね。

私自身も1人のチームのリーダーとして、後者の感情を抑えてしっかり聞いて受け止める人間でありたいなと思っているわけですが、モデルにしている方がいます。

それは前職の最初の職場の上司の方で、私が新入社員の頃に何度もミスをして迷惑をかけた時にも、感情を出すことなくしっかり受け止めて面倒を見て指導してくださいました。

余裕を持ってどっしり構える3つのポイント

その方の「いいな」と思うポイントが3つあるので、今日は順番にお伝えしていきます。まず1つ目。「ネガティブな報告をされた一言目に、必ず『ありがとう』を言う」ですね。部下の立場では、できればミスもしたくないしそもそも報告もしたくないと思いますが、だからこそ「まず報告をしてくれてありがとう」と一言伝える姿がすばらしいなと思います。

続いて2つ目。「感情を上下させない」です。ネガティブな事象が起こった時には、部下も動揺していますし、上司の立場では、「なんでそんなミスをしたんだ」と腹が立つ気持ちもあるかと思うんですけれども。そこでイライラを表に出してもあんまりいいことはないかと思います。ダブルエラーが起こってしまったり、そのイライラがいろんな人に伝染してしまったりするかと思います。

だからこそ余裕を持ってどっしり構えて、ネガティブな報告が来てもニッコリ笑う、そんな上司がいいのではないでしょうか。私もその上司を思い返すと、たまに笑っているけど目が笑っていないみたいなことがあって、逆にプレッシャーもあったんですけれども、それぐらいがちょうどいいかと思います。

部下を萎縮させると逆効果になる

そして最後、3つ目。「再発防止策を考えさせる」です。これは宿題として部下に渡してもいいですし、部下と一緒に考えてもいいかと思います。時間は不可逆ですので、終わったことを嘆いても何も生まれません。だからこそ同じミスをしないようにアクションをするということです。そして、再発防止を考えるということは、部下育成の大きなチャンスにも変わるかと思います。

今、順に3つのポイントをお話ししましたけれども、私もその上司を思い返すとそんな懐の深さがありましたし、こういった指導をしてくださったおかげで成長できたなと今になって痛感しています。

3つのポイントを順番に振り返りますと、まず1つ目は、「ネガティブな報告を受けた時に、必ず『ありがとう』を言う」。2つ目、「感情を上下させない」。3つ目、「再発防止策を考える」です。一番避けたいこととして、部下は「報告をするのは苦痛でしかないからこれくらいのミスは黙っておこう」となってしまうことかと思います。積み重なると組織として致命傷にもつながりかねません。

だからこそオープンにネガティブな報告ができる環境を作っていけるといいのではないでしょうか。私自身もそんなチームを作れるように引き続きやっていきたいと思います。

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