2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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古田大輔氏:BuzzFeed Japan創刊編集長の古田と申します。今日はお越しいただき、ありがとうございます。僕がとても興奮しているのが、BuzzFeedをみなさんに見ていただけるということ。
まずは自己紹介から始めさせていただきます。僕は1977年福岡県の生まれで、現在38歳。2002年に朝日新聞社に入って、13年間新聞社の中で記者をしてきました。最初社会部に入り、国際報道部の東南アジアで記者をし、編集。ほとんどのキャリアを紙でつくってきて、BuzzFeed Japanに入ったときにとてもいろんな人に聞かれました。
「なぜ新聞社からインターネットメディアに入ったのか?」ものすごくいっぱい理由があるんですが、それは別に新聞社が嫌いだったというわけではなく、BuzzFeedの考え方にすごく共感したし、BuzzFeedのコンテンツがすごくクールだと感じたし、そういったポジティブな理由でBuzzFeedに入ったんですが。
なんでBuzzFeedがいいと思ったのか、今働いててなんですごく毎日が楽しいのかっていうことを、説明させていただきたいと思います。
「BuzzFeed Japanをやる12の理由」
こういうふうに「いくつの理由」って書くコンテンツ、日本にも多いと思うんですけど、BuzzFeedがこのスタイルを世界に流行らせたんですが、難しく長く書くだけではなくて、要素をどんどん並べることによって、伝わりやすい形で伝える。
つねに読者の方がどうやったらよろこんでくれるか、理解してくれるかを考えて自分たちのスタイルを作り上げていく。これ自体がBuzzFeedの魅力で、僕もすごく好きなところです。
ものすごく当たり前なシンプルなところから始めたいんですけど、BuzzFeedに掲載されているコンテンツっていうのは、ほぼ全て自分たちで作っています。編集部で記者たちが自分たちで考え、自分たちで取材をし、自分たちでインターネット上から素材を集め、現場に行き、電話をし、メールをし、自分たちで作っています。
僕がBuzzFeed Japanに入ったときから多くの人から「うちの記事もBuzzFeedに載せてください」と言われたんですが、我々はいろんなところから記事を集めてくるのではなく、自分たちで作っていく。
そして記事を作るときには厳密なルールがあります。僕たちはそれをインターネットで公開してるんですが、編集ガイドライン。これは「BuzzFeed」本体が英語で作ったものですが、入社してすぐ、それを自分でよく読み、理解し、「これは素晴らしい! みんなにも見てもらいたい」と思って日本語訳し、昨日ローンチの日に最初のコンテンツとして、格言を掲げ、多くの人に読んでもらって、喜んでもらったので僕としてもすごく嬉しいんですが。
これまで新聞社であったり、インターネットメディアであったり、いろいろなところで経験を積んできた記者たちが、私たちはどんなコンテンツを作っていくべきか。インターネット時代に見合ったコンテンツをどうやって作っていくべきかってことを真摯に議論し、作ったガイドライン。これに基づき記事を作っていってます。
そしてどんなトピックを扱うか。さきほどベンは「シリアスなものからジョークまでなんでも扱うよ」と言っていましたが、BuzzFeed Japanでもまったく同じです。
これは初日にトップの記事として掲載させていただいたんですが、BuzzFeed Japanの記者の石戸諭が、福島第一原発に行き、その構内に入り、今、廃炉作業がどのように行われているのか、そこで作業員の人たちがどのように働いているのか。
そういう姿をつぶさにリポートしました。(参照:原発事故に節目はあるのか? 廃炉調査同行ルポ)こういうふうに記者がしっかりと現場の中に入っていって、深く伝わる形で記事を書く。
あとこれ(動物の画像)……笑ってほしかったんですが(笑)。BuzzFeedってキャットニュースサイトって言われることが多いんですが、ネコの記事を取り上げて、「インターネット上ってネコの記事ってバズるからずるいやり方だよね」って言われたりするんですが、ネコだけではありません。こういうふうに犬とか鳥も扱います。
こういう写真を見たらみんなあったかい気持ちになりますよね? こういうハッピーなアニマルたちをみたら自分たちもハッピーになってシェアする。
シリアスなニュースではないんですが、こういったエンターテイメントも素晴らしい力を持っていると思います。
これはベンがオバマ大統領にインタビューを。単独インタビューをインターネットメディアで取るというのは本当に珍しいと思うんですが、こういうふうに世界の要人たちにもどんどんインタビューしていく。これもどんどんトライしていきたいと思いますので、要人の方々は私たちのインタビューを受けていただきたいな、と思います。
そしてニュースを伝えるにしても、違う切り口があるんじゃないか? というふうに考えます。これはフランスの襲撃事件の次の日にリポートした記事なんですが、これは世界中が「襲撃事件の死者をパリの人が悼んでいる、追悼している」という記事を書きました。
しかし、同時に人々はその犠牲を嘆き悲しむとともに、力強くパリで生きている。その夜にもバーでお酒を飲んだり、街に繰り出してみんなで会話を楽しんでいる。そういうことを彼らに聞くと「こういうときこそ、自分たちはくじけずに自分の人生を楽しむんだ」「これがテロの恐怖に負けない姿勢なんだ」。
今までのメディアとは違う視点があるのではないか。そういったことを僕たちは考えています。
これは調査報道。これは多くの時間がかかってしまうので、多くのメディアはこれをチャレンジするのにためらってしまうんですが、BuzzFeedではたとえそれが何ヶ月かかろうと、1年かかろうとも、しっかりと調査すべきもの、報道すべきものは報じています。
これは昨日、すばらしい調査報道だと思って、すぐに翻訳しようとニューヨークのオフィスの人たちと掛け合い、素早く報道することができた事例です。
今までコンテンツの作り方について説明してきましたが、BuzzFeedが作るのはコンテンツだけではありません。私たちはそれをどういうふうに配信するか、読者のもとに届けるかということにも非常に力を入れています。
読者に来てもらうのではなく、読者がいる場所に我々のコンテンツを届ける。それが我々の手法です。このグラフを見てもらったらわかるんですが、数年前まで主流だった、検索による流入は2パーセントしかありません。
多くの流入がFacabookであったり、それ以外の多くのプラットフォーム上でそこにいる読者の人たちに読んでいただく。そういったあらゆるプラットフォームに流すときに最適な形をさぐる。
Facebookでは動画が非常によく読まれています。それなら動画に力を入れよう。たとえばInstagramやSnapchatではイラストがすごく人気。それならイラストをどんどん作っていこう。
そういうふうに各プラットフォームに合う形で、ミレニアル層。ソーシャルメディアに親しんでいる層たちに、もっとも愛される、リーチされるメディアとして成長していってます。
記事の作り方、そして配信の仕方、それを支えているのがバズフィードのテクノロジーです。私たちはどうやってインターネット上にある記事の元ネタを探してくるか、という部分から、コンテンツをマネジメントするシステム、CMSの改良、改善であったり、その出した後の記事がどのようにシェアされ、どの段落までその記事を読んだか、そのデータを取ることによって、より人々が愛せるコンテンツかどうかということを、常に。
それで今日よりも明日、より優れたコンテンツを作っていこうと思っています。そしてそのテクノロジーを通じて得たデータというものは世界中で共有しています。
アメリカであったり、カナダであったり、オーストラリアであったり、ヨーロッパだったり、インドだったり、集まってくるデータをすべて収集し、お互いに知見を共有し、より良いコンテンツの配信の仕方とはなんなのかと、グローバルに議論しています。
そういったものをもとに、BuzzFeed Japanはどういったメディアにしようか。昨年僕が創刊編集長になり、その後、多くの編集部員を雇ってきました。この3つを目指していこうと思ってまとめたのがこれです。
「楽しいメディア」であり「信頼されるメディア」であり「シェアされるメディア」になる。
楽しいメディアとは何か? 楽しいというのは別にエンターテイメント、バズだけには限らないと思います。そのニュースが本当にわかりやすいもので、人々が関心を持つものであれば、知る楽しみ、喜びがあるはずです。
そういったことは別にニュースには限りません。エンターテイメントのコンテンツでも、「このエンターテイメントは作り話ではないか」とか「誰かの記事をそのままパクっただけではないか」というふうに思ってしまうと、心の底から楽しむことはできないと思います。
だから楽しいニュースであったり、信頼されるバズを作っていこうと思います。そして我々のコンテンツが楽しいものであり、信頼されるものであれば、それはシェアをするであろう。そして、信頼されるコンテンツがインターネット上に広がっていくということを私たちは目指しています。
で、こういったものを作るために我々は多くの編集部員を雇って、日々議論をし、コンテンツを作っているんですが、それぞれインターネットであり、伝統的な紙メディアでもあり、みんなで集まってお互いの知見を共有しています。
「インターネットでは数字を全角で書いたら嫌がられるよ」とか。そういうふうにお互いの知見を共有しあって、よりお互いのコンテンツがインターネット上で愛されるためにはどうすればいいのかというのを日々、やりながら作っています。
こういう話は日本の中でも話し合いますし、こんどは各国の編集者たち。これは僕が昨年、入社してニューヨークで研修を受けたときに各国の編集長が集まって、毎晩お酒を飲んだり、日々議論して。
今そこで写真を撮っているのがオーストラリアの編集長なんですが、彼がオーストラリアで立ち上げたときにどういうところに注意をしたのか、というのを僕が教えてもらって、情報を共有しあう。
これも僕がBuzzFeedに移るときに、「これをやりたい!」と思ったことの1つなんですが、日本のメディアで日本から情報を発信しても、たとえそれを英語にして翻訳しても、なかなか世界にはその情報は伝わりません。
なぜか。それは世界の人々のプラットフォームに英訳されたコンテンツが届いていないから。なので、日本にいる海外の特派員の情報ばかりが配信されてしまう。僕はこれを悲しく思ってました。
BuzzFeed Japanであれば、BuzzFeed Japanの我々がコンテンツを作り、英語に直し、BuzzFeedのプラットフォームに載せることができる。BuzzFeedのプラットフォームは世界でももっとも大きなプラットフォームなので、日本の情報が世界に配信されていく。これに大きな魅力を感じています。
今まで説明してきましたが、結局のところ、我々が作ろうとしているものは何なのか。これは創業者CEO、ジョナ・ペレッティの言葉なんですが、「グローバル」で「世界規模」で「クロスプラットフォーム」。ソーシャルメディアであり、アプリであり、情報を配信するネットワーク。それが我々の目指しているものです。
なぜそういったものを作ろうとしているのか。これが僕がBuzzFeedに入るときの一番の理由なんですが、ジョナ・ペレッティと話したときに思ったのは、「我々は何のために仕事をするのか」我々はみんなが生きていく上でポジティブな影響。
何でもいいです。新しい知識を与えることだったり、ものすごく笑える話でバカ笑いしてもらったり、ほっとするような、感動するような話だったりを、日々コンテンツを配信し続けることで、世の中にポジティブな影響を与えたい。
これまで説明したことを、いろいろなメディアから来た人間たちによる、コンテンツ制作能力。制作能力ながければ何もはじまりません。それを我々の最先端のテクノロジーで支えていく。
そのテクノロジーで得たデータをもとに、次の戦略。「これから僕たちはどういう方向に行こう」という戦略が入る。そういうコンテンツ制作能力にしろ、テクノロジーにしろ、目的がない限り僕はそこで働きたいとは思わないんですが、我々はグローバルに共有する理念があります。
人々にポジティブな影響を与えていきたいという理念があります。だから僕はBuzzFeedに入ったし、BuzzFeedのコンテンツが日本でも受け入れられ、よろこんでもらえると思っています。
どうもありがとうございました。
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