同じTシャツを着ているのは決断の回数を減らすため
Facebook社員・チャールズ氏(以下、チャールズ):それでは会場のみなさんが質問を考えている間に、ひとつ質問を読み上げましょう。イタリアのソレントから、アントニオさんの質問です。
「どうしてあなたは毎日同じTシャツを着ているのですか? ひょっとして1枚しか持っていないのですか?」
(会場笑)
マーク・ザッカーバーグ氏(以下、マーク):実は同じものを何枚も持っています(笑)。この話はシェリルにしてもらいましょうか。
シェリル・サンドバーグ氏(以下、シェリル):7年間マークと一緒に働いていますが、私は聞かれるたびに「マークはあのTシャツをたくさん持っているのよ」と何度も答えました(笑)。
マーク:ありがとう、シェリル(笑)。これは単純なようでいて、奥が深い質問です。コミュニティにおいて、どのように責務を果たすべきだと考えているか、ということに繋がっているからです。
私は生活の全てをクリアにしたいんです。できるだけ決断の数を少なくしたい。朝食に何を食べるか、今日は何を着るかといった小さな決断でも、人は疲労してしまうということが心理学の研究によって明らかになっています。
私はとてもラッキーな立場にいます。毎日朝起きて、何億人という人に関わる決断をしていますから。変なことや余計なことに少しでもエネルギーを使うと、正しく仕事をしていないような気分になるのです。だから全てのエネルギーを、素晴らしいサービスとプロダクトを作り出し、ゴールを目指すために使いたい。誰もが愛する人や大切に思う人と繋がっていられる世界を作るというミッションを達成することが私の責務です。
毎日グレーのTシャツを着ている理由としては、奇妙に聞こえるかもしれません。しかしこれが真実なのです。歴史には、同じアプローチをした人が他にもいます。スティーブ・ジョブズや、バラク・オバマがそうです。私の場合は、とにかく全てのエネルギーをコミュニティに振り向けたいということです。
成功の2つの鍵「信じること」「グリットを持つこと」
チャールズ:それでは再び会場から質問を受け付けます。こちらの方。
ジョナサン・スーザ:私の名前はジョナサン・スーザ。サン・ホセ州立大学で電子工学を学んでいます。あなたはとてもハードワーカーだと聞いています。どうやってその情熱を維持しているのか、学生として気になります。
マーク:いい質問ですね。大切だと思うことをひたすらやる、というところからはじまると思います。会社を作る理由は人によって違います。私の場合は、会社を作ろうと思って作ったわけではありません。最初にFacebookをはじめたときも、会社としてではなくひとつのプロジェクトとしてスタートしました。会社にしようと思ったのは、やらなければならないことがたくさん出てきて、助けが必要だったからです。Facebookをよりよいものにするために、会社として組織化し、人を雇い、資金を生み、それによってまた新しい人材を獲得し、コミュニティに貢献してもらいました。