2024.10.10
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30代のキャリアを意識した20代のキャリア戦略(全1記事)
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向井咲人氏:はい、よろしくお願いします。「30代のキャリアを意識した20代のキャリア戦略」というタイトルで話させていただきます。
僕は今、サイボウズ株式会社フロントエンドエキスパートチームにいます。1992年生まれで、今26歳で今年27歳になるので、ちょうどみなさんと同じくらいのはずです。
職歴なんですけど、2015年新卒で、その時は人材営業の業界で、営業職で入りました。そのあと半年ぐらいしてから、Web制作会社のコーダーになって、2017年に前職ヤフー株式会社でフロントエンドをやってました、この時に「Bonfire Frontend」とか、会社のフロントエンド系のイベントを全部運営することをやらせていただいたりして、いい経験でしたね。
2019年6月、サイボウズ株式会社フロントエンドエキスパートチームで働くことになりました。
今日のターゲットは、今の職場でこのままでいいか悩んでる人や、この先、何を学習すればいいのか悩んでる人、今後のキャリアが不安な人、IT業界の人、20代の人です。正直、デザイナーとかマーケティングとかエンジニアとか、そういう職種はあんまり関係ない話だと思います。
こんな経験ないですか? 1on1とかしてると「3年後、5年後にどうなってたいの?」「将来に向けてこうしたほうがいいよ」「スキル身につけたほうがいいよ」「勉強しよう」と言ってくる人いるんですよね。そして「何すればいいんや!」という。
いろんな人からこれは聞かれるし、僕もこう思ってた感じですけど、正直5年後とか言うけど、1年後すら不明確で、ITの技術の進化は早いじゃないですか。「5年前とか何してたっけ?」って考えると、たぶん使ってるデバイスも、技術も何もかもが違うんですよね。だから5年後も同じような可能性は高くて。
あと、会社の状況や方針も、IT業界はめちゃくちゃ変わるのが早くて、ただでさえいろんな大手企業が「働き方改革だ」と言ってる中で、IT企業はもっと進んだことをやろうとしてるので、それに合わせないといけないし、働き方もそれに合わせてどんどん変わっています。
僕が言いたいのは、30代を予測しない。「それ(予測すること)をあきらめる」と言いたいです。
なぜかというと、会社での終身雇用すら見直されていて、将来は会社に依存しない時代になってると僕は思ってて。これを「予測してる」と言ったら、それはそうなんですけど(笑)。個人によりフォーカスした時代が近づいてるんですよね。だから遠い未来より、もっと近い未来のほうを考えていきたいなと思っています。
あと、ITの未来はより不確定な要素が多くて、正直今の会社が1年後にサービスがうまくいってるのか、めちゃくちゃ伸びてるかを予測できてる人はあんまりいないと思うんですよね。経営者ですら正直わかってない人も居ると思います。
30代に向けて、個人の力を磨いて、不確定な未来に対応していきたいと思っていて、不確定な未来に向けて、土台を作るのが大事だと僕は考えます。土台があれば、どんな未来にも対応できるのではないかと思っていて、過去の経験はどこかに生かせるはずなんです。経験したことを掛け合わせていくことがより大事だと僕は思っています。
経験を掛け合わせることで、100万人に1人とかになることは可能で、10人に1人しかないスキルを100個ぐらい持ってる人って、それ全部掛け合わせられたら何万人に1人の存在になれたりします。
僕の事例なんですけど、僕はフロントエンドのスキルだけではなくて、営業の経験、人材業界の経験とか、制作会社で働いてきた経験とか、あとヤフーで大規模な組織を経験したことがあります。その一つひとつだけ見れば、正直どこにでもいる、誰でもできるスキル、経験なんですけど、このすべての経験を1つのものにしようとキャリアをがんばれば、何万人に1人になることはできると思います。
30代に向けて、この一つひとつの掛け算の土台を増やしていくのが20代の戦略だなと僕は思ってて、今日はそういう定義で戦略を話していきたいと思います。
3つ戦略があって、1つ目、「自分を俯瞰してみる」。
正直、何の戦略を取ればいいのか、何のスキルを身につければいいのかは人それぞれだし、職種、会社によると思います。なので、まず自分を知るところが大事だと思っています。
転職活動をしてみるのが正直いちばんいいです。レジュメ作りとかは、自分の得意なこととか、やってきた経験に真剣に向き合えます。
あと、面談とかに行くと、自分を説明するんですよね。相手に刺さるように自分を営業しないといけないんですけど、自分を営業するときに、自分という商品に魅力がなければ、僕の営業経験からすると、それは営業が成り立たないんですよ。
だから自分を商品と見立てて、営業できるように自分を俯瞰して、自分のスキルから、「これが足りない、これが必要だ」と見つけていくことがまず大事だと思います。
自分の経験としては、自分も最初の転職活動では、営業経験しかなかったので、よくあるテンプレでしゃべっても「あっ、営業してたんですね」で終わってたんですよね。
フロントエンドになって、いろんなことを意識して、「最初の転職活動でこうだったからこうしよう」というのがあって、過去の経験から常にレジュメをずっと更新していて、今も週に1回ぐらい自分のレジュメ見直したりしてるんですけど、客観的に見て、自分の経験をより自信を持って語れるようになって、自分という商品に魅力をつけていけてるなと思っています。
戦略2、「自分をブランディングする」というところなんですけど、これは手法はなんでもいいと思います。
「(イベントに)登壇することが大事」「SNSが大事」「ブログが大事」って、一つひとつのことを言う人もいるかと思うんですけど、これは自分が得意なことがいちばんいいと思います。
どんなことができるのか、何をしてきたかを多くの人に知ってもらったりするのはすごい大事で、そうすることでより多くのチャンスにめぐり合うことができます。
「登壇してる人、よく表に出てるからって技術高くないじゃん」って言う人もいますが、人事の人や、その人のことを知らない人から見て、いきなり会った時に「こういうことやってたんですよ」って言われるより、いろんな情報を流して、情報が多い人のほうが絶対有利なんですよね。それはどうあがいても、情報を出してない優秀な人よりも強いのはあると思います。
自分の経験の場合は、東京に来た時、ちょうど2年前に知り合いは1人もいませんでした。ヤフーに入った時、「ヤフーの人を誰も知らねぇ」「IT業界の人が何もわからない」みたいな感じだったんですけど、それがダメだなと思って、積極的に登壇したり、執筆したり、ブログ書いたり、いろんなことやりました。
そうしたら、社外はもちろん、社内の人からも、「あっ、sakitoさんですよね。こういうことやってるんですよね」って、自分の自己紹介をせずに、こういうことやってる人だという理解をしてもらって、おまけに「そういうことをやってる人だということだから、こういうことできますよね?」ということでWEB+DB PRESSの執筆の話をもらったり、登壇の話をもらったり、副業の誘いをもらったりしました。自分を市場に常に晒しておくことが、とくに大事かなと思います。
戦略3、「副業や転職をする」。戦略2ができていれば、副業をするのはまず難しくないです。今の環境じゃないところに適応する能力というのはすごく大事で、これは30代になったりすると、家庭の問題などいろんなものがつきまとって、身に付けることがしづらくなるので、20代のうちにするべきだと僕は思います。
そして、今の職場で当たり前にやってることは、違う職場でありがたみを持って接してもらえることが多くて、それは自分の気づいていない強みということですね、20代のうちにこういう経験を増やして、次のステップへの想像をしやすくしていくことは30代の準備になると思っています。
僕の場合は、今まで4回ぐらい転職経験があるんですけど、次のキャリアのステップがより明確に自分の中で見えるようになってきたなと思っています。あと、環境に適応する能力が身についたかなと思います。
今日も、サイボウズに入ってまだ1ヶ月ぐらいだからあんまり知らない人もいるんですけど、「sakitoさんですよね、登壇するんですよね」って声かけてもらえるし、よりこの戦略1、戦略2をやってたから、社内に入ると「sakitoさんですよね、知ってますよ」みたいな話ももらえるし、それは自分にとってすごい恩恵があるなと思っています。
副業も、今の職場で当たり前と思ってることが、副業先では「あっ、こういうことやってくれるの、めちゃくちゃありがたいです」とか言われたり、おまけにお金がもらえるとか、そういったいいこともあります。
副業で学んだスキルは、逆に本業に生かすこともできて、よりキャリアに幅を持たせることができます。
今日のまとめなんですけど、30代に向けて、まず20代は土台を作ることだと僕は考えます。スキルの掛け算で100万人に1人の人材になりましょう、自分の市場価値を高めていくことがより大事だと思います。
前職の時に、宮坂(学)さんというヤフーの元会長の方がいたんですけど、その方は「株式会社自分を経営してるつもりでいろ」って、いつも言ってたんですよね。それはすごく、自分にとって感銘を受ける言葉でした。
好きなこと、ワクワクすることに素直になることが大事だと思っていて。より好きなこと、よりワクワクすることの方が大事だと思うので、30代になるとそういうことはできないかもしれないので、今の20代のうちにそういうことをやって、30代にもっとワクワクできること、もっと好きなことができるようにできたらなと思います。
あと、未来に向けて楽しむのが今一番大事なことだと思います。ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
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