2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
Session2リノベーションをリフォームする!(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
アディ・タタルコ氏:皆様こんにちは。もう今日はお話しする機会ができまして、本当にうれしいです。Houzzのストーリーをお話ししたいと思います。タイトルが素晴らしいですね。「リノベーションをリフォームする」、世界中のリフォームを変える。
まあ私と私の主人のストーリーというのは、実はこうした大きな肩書、大きな企業からスタートしたものではないんです。そうではなくて実際のスタートは、我々が買った家から始まりました。実はカリフォルニア州のパオ・アルトというところに、この写真です。
カリフォルニア州パオ・アルトに2006年の終わりに家を買いました。この家は、1955年ぐらいの古い家でして、我々は夢を持っていました。古い家をリフォームして、夢のようにしたいという大きな夢を持っていたんです。
ところがリフォームのプロセスというのは、夢ではなくて殆んど悪夢に近いものになってしまいました。
このプロセスそのものの全てが誤ってしまって、正しいインスピレーションも見つからなかった。素晴らしい専門家、建築家とかデザイナーを見つけるという夢もできなかったし、そしてリフォーム業者に今度家をリフォームしようとしてもらおうと思ったのにできなかった。素晴らしい製品を見つけることもできなかった。
多くの時間とお金を浪費して数年後できあがったものは、全然気に入らなくて、お金もなかった。また最初から始めなくてはいけなかったのです。
ということで、カリフォルニア州パオ・アルトのコミュニティの方々といろいろと話をしていると、我々はそれほどバカでもないこと、集まりのほかにも我々のような経験をしている人がたくさんいるということがわかりました。
この専門家である建築家やリフォーム業者、あるいはデザイナーも、このプロセスの非効率性について苦情を言っていました。
Houzzというのは、私たちがコミュニティの中で立ち上げた小さなペットプロジェクトです。
リフォームをもっとビジュアル化しようということを考えていました。また、この業界の専門家の方々と、我々家の持ち主とを繋げるということです。
コミュニティは20人からスタートしました。実は子どもの学校の親とか、それからべーエリアの建築家とか、何人かと20人がコラボレーションして、そして情報の共有を始めたんです。
とてもビジュアル的なものだったので言葉は必要なかったんですが、時間と共にデータ、写真にデータを添付することがとても重要だということに気付きました。
つまり、この業界の障壁を取り除く為には、そしてこのプロセスをもっと楽しいものにする為には、写真にデータをたくさん添付することが重要だと考えました。ということで点を線で繋ぎ始めました。
私の主人がプログラミングして、そして元々のWebサイトである製品を作りました。そして私はコミュニティ、先ほど言った子どもの学校の親20人、それからデザイナーと建築家とをまとめました。子育てをしながら、とても楽しい人生でした。忙しかったんですけれども。
ただ我々が達成したかったのは、もっと視覚的な場所に人々がやってきて、自分が家の為に欲しいものを見つけるというプロセスをもっと楽しく、そして生産性の高いものにしたかったんです。
600万を超える高解像度の写真を掲載しています。そして、全てのデータが豊富にそろっています。この写真というのは単なる写真だけではなくて、もっと深いもののゲートウェイに過ぎません。
というのは、写真というのは専門家のポートフォリオのひとつだからです。もはや少数の建築家アーキテクトではなくて、70万近い専門家、そして例えば造園業者ですとか、あるいはデザイナーとかアーキテクト建築家とかそういった業種の方々、63の専門業種の方々が2,500万人のユーザーと一緒に働いています。
まさにオーガニックであり、口コミでどんどん世界中に広がりました。これが、典型的な専門家のプロフィールになっています。
これを見ると、プロジェクトや写真、それからアイディアを見ることができます。ディスカッション、あるいはいろんな人々の考え方、全てのこういった専門家が作ってきた知識を見ることができるんです。
こういった名刺的なプラットホームのブラウジングを誰もすることができて、そしてそこから自分がどんな好みであって、何をすることができるのか、それからアイディアブックにアイディアを保管しながら、例えば専門家と話をしたり、この写真のレビューなんかも全部見ることができるわけです。
また写真について、我々は写真だけではなく、製品自体も提供しました。
「写真は美しいけれども、ここの写真に出ている製品はどこで買ったらいいの?」という方は、HouzzAppをタブレットやiPhoneでダウンロードして、こういった製品のタグをクリックすると、実際の製品、商品を見ることができます。そしてその理想の製品をどこで買えるかまで全部添付してあります。
これはとてもパワフルでした。というのは、家の持ち主は当初「この製品は素晴らしいけれども、この製品はどこで買ったらいいのか?」ということを考えていたわけです。つまり我々の知っている近所の店には絶対にない、どこかほかのところにあるということです。
今やデータベースが数100万の世界中の商品タレントアップを世界中からできるようになっています。それから、次のレイヤー層として、ディスカッション層というのがあります。
我々は1人で暗中模索するだけでは、リフォームはできないということがわかっていました。
つまり、どのカウンターのトップを選ぶべきか? どのタイルを選ぶべきか? この色とは何が合うのか? また、収納の問題はどうやって解決するのか? あるいは小さなスペースでどうやって効率の良いキッチンを作ったらいいのか? と、疑問ばかりだったわけです。
そこでやはり、コミュニティでの知識共有が重要だと気付きました。今や100万以上の世界中のプロジェクトがコミュニティの支援で立ち上がりました。もちろん、あと何100万ものコミュニティは支援なしのプロジェクトもあるんですけれども、我々がスタートしてから、ずっとコミュニティはこのディスカッションに参加してくれました。
そして専門家や、あるいは家の持ち主が自分たちの知識を共有して、そして例えばどの素材を使ったらいいか迷った時には、みんなで投票して決めるとか、そういったコミュニティのサポートがとても役に立っています。
また最後の点として、こういったいろいろな知識、つまりこういった素晴らしい専門家の持っている全ての知識を我々は取り込みたかったのです。私も主人も専門家ではありません。
例えばコファー型の天井にしようかとか、どういう壁にしようかとか、あるいはこれこれ式の壁にしたら? と言われた時に、何の話をしているか全然わからなかったわけです。
そこでこういう専門家に対して適切なプラットホーム、適切なテクノロジーを提供して、こういった知識を取り込めるようにしようと、そしてそれをコミュニティに還元しようと思いました。
実際にそれができたことを本当にうれしく思っています。そしていろいろな記事やガイダンスを出すことができました。もうアメリカでも数千、そしてアメリカ国外でも数千といった、そういうプラットホームで各専門家が働いています。
では、我々がどのようなものを作ったかということを、ちょっとご覧いただきたいと思います。小さなペットプロジェクトが、ひとつの会社にどうやって立ち上がったのか。
まずある業種がありました。つまりデザインやリフォーム、インテリアリフォームという業界はアメリカではかなり古い様式でした。誰をどうやって雇ったらよいのか? どこでものを買うのか? どうやって自分の頭に描いているビジョンを人に伝えるのか? など、言うことがなかなかわからなかったわけです。
仕方なく一般的にできあいとしてできているものを買わざるを得なかった。ところが、テクノロジーが手に入ると、全てをビジュアル化することができるということに、はたと気付いたわけです。
つまりいろんな人と繋がってみて、そしてアドバイスをコミュニティのありとあらゆる人から得ることができる。これは本当にパワフルな経験でした。
いろんなレビューを読んで、唯一マイナス点を挙げるとすれば……。AppStoreを立ち上げた途端に5つ星のレビューが出ました。20万以上の売り上げがありました。これまでほとんど、ゲーミングのアプリしか5つ星を得たものはないんです。
ただそのレビューを読んでいて、唯一の苦情は「妻がお風呂だけをリフォームしたい」と言ったのに、今や家全体をリフォームせざるを得なくなっているという苦情があったんですね。たぶんそれは、いいことだと思います。
それだけ何でもアクセスできるようになったということですし、また点と点を繋げて、全てを総括することで、全てがやりやすくアクセスしやすくなったからなんです。
ではこの小さなプロジェクトから、もう24時間ずっと働いているという状況下の2010年の終わり、つまり4年半後です。今から4年半前ですけれども、こういったペットプロジェクトをやっている人達と話をして、すでにその頃には、アクテイブユーザーというのは、数十万人もいたわけです。
アメリカ中の専門家が繋がっていて、この専門家の方々がこの規模を拡大して、世界まで繋げたほうがいいよというアドバイスをくれました。というのは、この業界がこれだけ古い体質であったのは、アメリカだけの問題ではなくて、世界中でそうであると。
全てをビジュアル化して、これだけ繋がって本当に大きな潜在力があるのだから、我々2人だけではできないであろうと言われました。その2010年の終わりにHouzzを会社として、法人化しました。
そして必要な資金を得ることができたのですけれども、それ以外にとても有能な人の助けを得て、テクノロジーを作り製品を作って。そしてベストなユーザーエクスペリエンスを提供することができました。この業種に合ったそういった素晴らしいフォームです。
Houzzは5つの層からなっています。先ほども言った通り、いずれの層も専門家、今や70万人近くなっています。それから記事。何千という記事がが出ています。それからポートフォリオ、レビューつきの写真です。専門家が撮ったものですけれども、とにかく自分のやりたい活動について、ベストな専門家を探すことができます。
それから600万以上の素晴らしい写真。それにはちゃんと、メガデータがついています。そしてコミュニティのサポート。5層を全部拡大しました。
実は私どもは調査を行っております。というのは、この業界で何が起こっているかを、アメリカ国内だけでなく世界中で知りたいと思ったからです。
昨年年次調査を行った結果、このフォームリモデリングの業界ということで見たんですけども、世界中の国100パーセントの参加があることが分かりました。
つまりHouzzがグローバルなプラットフォームになったわけです。グローバルなデザイン言語を提供することによって、例えばオーストラリアにいる人が、建築家に電話をして、小型のハンプトンキッチンを使いたい、ニューヨークで誰かが使っていたものをほしい。
あるいはカリフォルニアのクライアントが、デザイナーに電話をして、茶室がほしい、東京のデザイナーが作っているようなものがほしいというふうに言えば、それが注文できる。
そしてプロ同士でつながることもできるわけです。それぞれの国で、お互いに雇用しあうこともできるということです。それぞれの国100パーセント、バチカンを含めです。全ての国のユーザーが今回の調査には参加してくれました。
コンテンツ、コミュニティ、コマース、この3つについて、どのように実現してきたのか振り返ってみましょう。全ては愛の賜物といいますか、情熱の賜物です。やはり、コンテンツが最初だったんです。
本当に人々が気に入ってくれる、愛してくれるものを作りたい。そして使って楽しいものでありたいと思ったわけです。夢のマイホームを作るわけですから、これが苦しみであってはいけないわけです。楽しくなければおかしいわけです。
ということで、ユーザーエクスペリエンス、コンテンツ、コミュニティのところに、最初は成長しました。そして、収益のチャンネルというのは、あくまで2次的に考えてきました。最初の思惑さえそろえば、お金はついてくると思ったわけです。
そして事業として提供しておりましたコマース側で、今3つの収入源がありますけれども、それでも未だにフォーカスは変わりません。つまり業界を変革したい。そしてどんどん障壁を取り除きたいという気持ちは変わっていません。人と優れたデザインがつながらなければならないという、そのためのプロセスを今も作り続けているわけです。
最後に、国際化ということについてお話したいと思います。実は今週の後半に日本でこのHouzzを立ち上げますけども、昨年今年も多くの国で立ち上げます。日本は非常に優先順位が高いです。
というのも世界中のコミュニティの参加者が、ぜひ日本にアクセスをしたい、日本のデザインにアクセスをしたいと望んでいるからです。日本には本当にすばらしいデザインがあります。細かいところへのこだわりがあります。プロからもクライアントからも、どんどん問い合わせが来るわけです。
ちなみにこちらの写真ですけれども、これはオーストラリアのメルボルンで仕事をしている建築家です。2年前なんですけれども、シドニーでの8月の立ち上げのイベントに参加してくれました。Houzzオーストラリアの立ち上げということで、お祝いのイベントがあったんですけれども。
「今回自分はわざわざメルボルンから来た。なぜかというと、Houzzに対して心からお礼を言いたかったから。そして、あなたを抱きしめたかったからです」と言ってくれて、一体なんでそんなに喜んでくれたのかと思ったんですけれども、Houzzのおかげで人生が変わったと言ってくれました。
数年前、自分は大きな病気をした。そして、妻と一緒に小さな事業を営んでいる。入院、そして退院した頃には、もう事業が立ち行かなくなっていた。そして家で病気を回復していく中で、このHouzzという存在を知って「あ、なんだ。アメリカのものか。残念だな」と。
でもそこにオーストラリアのプロが参加しているのを見て、自分もプロジェクトをアップロードすることにしたと言うのです。
そして数週間後に、実はHouzzのユーザーが、オーストラリアから彼に連絡をして「できれば教会を検討してほしい。この教会を自分の妻と一緒に購入したんだけれども、ぜひリフォームをして、住宅にしたいので、検討してくれないか?」という依頼があったわけです。
「もちろん、喜んでやります」と答えて、見てください。この素晴らしい、美しい教会の改修を行ったわけです。そして最終的にプロジェクトの写真を、またHouzzにアップロードしてくれました。
そしてエディトリアルのチームがこうやって知識を集約しておりますので、この美しいプロジェクトを目にして、それを本人に連絡を取って、インタビューをしてもいいでしょうかと取材をして、2500万のユーザーに対して、この記事を送ったわけです。
これによって彼の人生はすっかり変わりました。エディトリアルにフィーチャーされて以降、Houzzのユーザー大勢から依頼が来ています。オーストラリア国内に限りません。世界中から依頼が来ます。
今現在彼は、フィリピン人のカップルのために、大豪邸を建てています。全く本人に会ったことないんですけども、Houzzで出会って、そしてそのフィリピン人のカップルがオーストラリアで土地を買って、Houzzのプラットフォームを使ってやり取りをして、建築が進んでいるんです。
海外のクライアントだけではありません。同業他社、つまりアメリカの建築家などとの出会いも、このプラットフォーム上ありました。そして、オーストラリアには非常にかっこいい建材があるあるんだねという話になりました。アメリカにはこういうのはないんだよ、ということになって、そして、輸出をしてもらえないかという話になったわけです。
ということで、アメリカの建築家を相手に、建材を輸出するという事業も始めました。
ご覧のように、テクノロジーによって本当に物事が大きく変わります。私も本当にエキサイティングだと思ってるんです。色々な国が関わっていく。色々なスタイルがどんどんフォーカスされていくということで、グローバルなコミュニティができる。
そしてグローバルなデザイン言語ができる。その言語を通じて、世界中の人々が色々な国の色々なスタイルでアイディアを見ることができて、それにアクセスすることができる。
日本からも他の国からも、どこからでもできるわけです。ご清聴ありがとうございます。私は本当に今日、わくわくしていますし、またHouzz Japanが今週の後半に立ち上がることに関しても非常にわくわくしております。ご清聴ありがとうございました。
関連タグ:
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには