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2025.02.18
AIが「嘘のデータ」を返してしまう アルペンが生成AI導入で味わった失敗と、その教訓
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ヤンデル先生(以下、ヤンデル):ありがとうございます。めちゃくちゃいい話。すぐに話を振ります。中島さん、今の話を聞いてどのように感じられていますか?
中島ナオ氏(以下、中島):いやぁ、そうですね。本当に「グラデーションのあるグレー」とかというのは、私自身も発信の時に使ってきていた言葉だったので、今はゾクゾクッとしながら聞いていたんですけど。
小国さんとも常に話し続けて、私たちがこだわり続けていることの1つとして「啓発」というのがあるんですけど。
ヤンデル:啓発。
中島:はい、啓発ですね。がんの本当の難しさって、私たちからすると研究内容ってもうワケわかんないんですけど(笑)。小国さんも私もプロじゃない。専門家じゃなく、わからないからこそ、どういうふうに表現したらいいのか? というのに、すごくこだわり続けてきているんです。
「白か黒か?」というと、すごく距離を感じてしまったりするんですけど。自分たちもだし、何かしらの部分では絶対にグレーで「みんな、そう変わらない」っていう。登場人物が本当に少ないなと感じ、その中で距離を縮めていって、deleteCは、がんの治療研究の応援をしたい、ってところから始めているので。
私にとっては本当に、まず小国さんというすごく大きな味方をつけたところからdeleteCというのが始まって。当事者ではない、関係ないともされる人が、中心にいて一緒に進めてくれている。そしてこうやって、フジマッツーって呼んでますけど、フジマッツーだったりとか。いろんな顔、いろんな登場人物が……。
ヤンデル:フジマッツー(笑)。
中島:増えてきているっていうのが、今のdeleteCにつながっているなって。すごくうれしく思っているところです。
ヤンデル:いいですね。なんかフジマッツーの愛称がいいね。
(一同笑)
中島:すみません、いつもどおり呼んじゃって。
ヤンデル:では残り時間を考えながら、今からしゃべってほしい人の順番に指名をしますので、いいですか? 15時を越えると、次の仕事があるけいゆう先生がキレるから。大丈夫ですか?
(一同笑)
ヤンデル:(時間を)守ってくださいよ!
けいゆう先生(以下、けいゆう):いやいや(笑)。
ヤンデル:じゃあ次、どの順番でいくかと言いますと、今の話の流れは当然、小国さんにお話を聞きます。そして、ほむほむ先生。「白と黒と決められない印象の中で戦ってきた医者のコメント」も、ぜひください。ただしあなたは2分……と言いたいけど、1分半を伸ばして2分半。1分半しゃべるつもりで2分半しゃべってください。
けいゆう先生締めて、中島さんと藤松さんと小国さん。最後、本当に「これから○○をやりたいです」とかじゃなくて、いい顔して映って、終わりましょう。
(一同笑)
中島:はい!
ヤンデル:なので、アピールしながら一言言えばいいですし。HOPEの話とかdeleteCの告知みたいなのは、この番組でやらなくても大丈夫。ちゃんとみなさんがツイートしてくれますので、そこは心配しないでください。
中島:(笑)。
ヤンデル:そんな感じで、じゃあ小国さん。今の話を聞いてどうでしたか?
小国士朗氏(以下、小国):そうですね。deleteCが大事にしていることがいくつもあるんですけど「違和感を面倒くさがらない」というのを、すごく大事にしていて。
ヤンデル:どういうこと? 「違和感を面倒くさがらない」?
小国:素人から見ると、違和感っていっぱいあるんですよね。だけど、僕もメディアの人間でずっとやってきましたけど、最初に抱いていたはずの違和感って、だんだんと忘れちゃうんですよ。
だから「がんって暗く描いちゃう」とか、さっきのフジマッツーの質問もそうなんですけど、ついメディアってそういうふうに思い込んでるところが、どっか自分の中にバイアスとしてあって。
取材を始めたばっかりの頃ってみんな素人だから、そんな違和感だらけだったはずなのに……取材していくにつれて、だんだんその違和感を忘れちゃうんですよね。それって、本当に宝を失っているような感じがしていて。
だから僕は名刺にひっかかった最大の理由は、違和感だったんですよね。「へー。がんに携わる先生が、こんなことやるんだ」っていう違和感。それって、たぶん世界中で何百万枚と配られている名刺だと思うんですけれども、そのことに違和感を感じたら、それに向き合うという。
そうすると、deleteCという仕組みが生まれる。だから違和感をスルーしないっていうのを、すごく大事にしていて。そういうことができるのって、意外と「素人の感性をみずみずしく持っていること」が、けっこう大事で。
僕も先生とかいろんな人と話をしていったり、こういう活動を2年とかやっていくと、だんだんわかった気になっちゃうんですけど。やっぱり、わかった気には絶対なりたくないし。
だから、あえて「素人」「素人」って僕らは言うんですけれども。違和感ってたぶん、ナオちゃんなんかは日々山のように感じていて。その違和感一つひとつに向き合うのって、めっちゃ面倒くさいんですけど……なんか言葉尻一つとっても、むちゃくちゃ面倒くさいんですけど。
でもその違和感にこだわり抜くことが、結果いろんな人をつなぐ。世間と医療者とか、そういったものをつなぐ役目を、僕らはやりたいと思っていた時に「距離を縮めたい」ってさっき言いましたけれども。違和感に向き合い続けることが、すごく大事だなと思っています。
ヤンデル:なるほど。なんか小説のセリフのようですね。違和感を逃さないというか、展開がすごく華々しく、「どういう展開になるんだろう?」っておもしろく読むタイプの小説で、たまに出てくる言葉を現実でやっている人がいるのがすごいな。
あと、さっき藤松さんの話を聞いていた時も思いましたけど、藤松さんは「強敵」と言い、小国さんは「違和感をほっといてくれない」みたいなことを言い。お二人の中島さんに対する愛情が今見えましたね。
(一同笑)
ヤンデル:さて、ほむほむ先生どうですか? どんな話でもいいです。
ほむほむ先生(以下、ほむほむ):今回、がんに関連した活動ですよね。そして例えば「けいゆう先生に参加してもらってます」とか、「ヤンデル先生に協力してもらっています」というお話がありました。でも僕は今回話に出てきません。
その理由は、僕ががんに関しては素人だと自分自身が思っているので「deleteCの活動そのものの発信側にまわってはいけない」と思っているからです。
ヤンデル:なるほど。
ほむほむ:医者じゃない立場だったら、もしかすると何かしていたかもしれませんが、医者がそれを言ってしまってはいけないんだと思います。そういった意味で「医者も自分の専門領域以外は、ほぼ素人だ」という感覚を持たないといけないと思っています。
今回のお話をお聞きしていて、発信者にはなれないかもしれないけど、その歯車を回すための“ちょっと押す力”にはなれるかもしれないと感じました。
ヤンデル:へー。
ほむほむ:だから、それぞれの人たちの壁をどう低くするか? というのは、ある特定の分野の人だけがやってもうまくいかないんですよね。
ですので、たまたまいろんな分野の人たちが集まって『SNS医療のカタチ』運動をしていますけれども。医療といっても、全部異なる分野から集まったのは本当によかったなと思っていますし。
その医療者以外に今回の活動が少しずつ広がってきているなっていうのは、たぶんそこの一番真ん中の、車輪の棒・シャフトをつないでいるのが、たぶんヤンデル先生だったり。それをぐりぐり回そうとするのがけいゆう先生だったり、最初に押し始めるのが、たぶんおーつか(大塚篤司)先生なんですよ。
ヤンデル:そうだね。
ほむほむ:だからそういったところが広がってきたのは、今回喜ばしいことだと思っています。僕は今回のdeleteCに関しては、たぶん“賑やかし”みたいになってしまうかもしれませんけれども、ちょっとずつ回すための力になればいいなと思いました。
ヤンデル:なるほど。
ほむほむ:2分半しゃべれましたかね。
ヤンデル:大丈夫。今ね、時間が短く感じた。
ほむほむ:よかったー。
ヤンデル:でもいつの間にか3時だ(笑)。
(一同笑)
ほむほむ:ごめん(笑)。
ヤンデル:中島さん、藤松さん、小国さん。最後はけいゆう先生に渡すんですけど。なんでかというと、彼がこの後に予定詰まっているんで。彼は自分の予定を気にしながらしゃべるってわかってるから、安心してます(笑)。
(一同笑)
ヤンデル:というか僕、実は今回の件はけいゆう先生にもうちょっとしゃべってほしかったことがあって。それは藤松さんを通じて『フェイク・バスターズ』のほうでもつながりがあるので、さらにメディアのほうに切り込めるなと、正直思っていたんですけれども。
でもみなさんのお話を聞いてて、そんな格好よくまとめなくてもいいし、次以降の話にも伝わるしというのが1つあったんで。けいゆう先生は、最後に投げっぱなすんで、まぁいいやと思っているわけです。
あと、ごめんなさい。1つコメントしたかったんですけど「人のつながりを増やして、今苦しんでいる人だけじゃなくて未来に」という話を、よくおっしゃっていたんですけどね。未来だけじゃなくて、揺らいでいた過去も、なんかうまく固めてくださっている気が僕はするんですよ。
この先の話、未来の患者さんとか、子どもが大人になっただけじゃなくて、これまでじくじたるものを抱えていた過去の嫌な思いを拾ってくれていたりもすると思うんですよね。
なので時間軸はもっと広いと、僕は思っていますよ。最後、けいゆう先生。もしかしたら僕がネット接続がやばいかもしれないので、よろしくお願いします。どうですか?
けいゆう:最後、藤松さんは、よく僕に「ちょっと話を聞きたい」とか言って電話をかけてきて、何に使われるでもなく、なんか1時間ぐらいしゃべるとかいうことも、たまにあるワケなんですけれども。
ヤンデル:マジか(笑)。
けいゆう:でも、こういうやりとりはけっこう重要だと思っています。「わかる」というのは「ある瞬間にわかる」ものじゃないんですね。知識はじわじわと浸透していくものなんです。
だから、ゆっくりゆっくりと我々が思っていることをメディアの人に伝えていくことが大事。我々は普段「メディアの伝え方が悪い」だとか、ネガティブな意見を言ってしまうこともあるんですけど、そんなに簡単に伝わるものじゃないんですね。
で、そんな簡単には物事ってわからないし。「『よくわかっています』って言う人は、真実からもっとも遠いところにいて、『わからない』っていう人は、真実にもっとも近いところにいる」っていう言葉がありますよね。
何かのイベントで岩田健太郎先生がおっしゃっていて知った言葉なんですけれど、「あぁ、なるほど」って思って、すごくしっくりきました。わからないって思う、そのことが一番大事だと。
堀向先生も「自分の専門以外のことは素人だ」って、常に自分はわからないからこそ、その立場なりに情報を収集するという立場を貫いていらっしゃいますし、僕自身もそれは意識していることなので。まとめになったかわかりませんが、そんなことを思いました。
ヤンデル:いや、いいよ。
けいゆう:原動力のある人たちは、たぶんそういう感覚が共通しているなといつも思っているので今日このお三方を見て、自分が思っていたことが裏付けられたので、スッキリしました。
ヤンデル:ありがとうございます。番組をご覧のみなさま方は、なんとなくうすうすお感じだと思うんですけど、僕はこの構成について誰とも相談してないので、めちゃくちゃです。なので、他の方々はプレッシャーで震えてたと思うんですけど。
最後に「この先どうしたいですか?」みたいなお仕着せの質問はしない、というふうに僕は決めておりましたので。あと僕の電波が悪いかもしれないので、もうみんなブツブツかもしれませんけど。
最後どういうふうに締めるかというと、僕、堀向先生、けいゆう先生、まず医者3人。そして藤松さん、小国さん、中島さんの順番で最後に名前を言ってアピールして、それで終わりです。いいですか?
じゃあ、これで終わります。みなさん、ご視聴ありがとうございました。コメント・スパチャ、ありがとうございました。私、病理医ヤンデルでした。またお会いします。ありがとうございます。はい、次堀向先生!
ほむほむ:また、次回もよろしくお願いします。
ヤンデル:じゃあ、けいゆう先生どうぞ。
けいゆう:みなさんありがとうございました。これ、切っていいんですか? このまま。違う?
ヤンデル:まだまだ!(笑)。3人しゃべるから! 藤松さん、どうぞ。
藤松:藤松でした。ありがとうございました。またお願いします。
ヤンデル:ありがとうございます。小国さんどうぞ。
小国:めちゃくちゃ楽しかったです! ありがとうございました~。
ヤンデル:ありがとうございました。中島さん、また何かやりましょう!
中島:はい! ぜひ。ちょっと面倒くさがられながらも、これからも進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします! 中島ナオでした。
ヤンデル:ありがとうございます!
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