2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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斉藤知明氏(以下、斉藤):みなさん、おはようございます。ユニポスの斉藤です。本日もオンラインセミナーを開催していきたいと思います。これから開催されるセミナーにつきまして、録音・録画はご遠慮いただいておりますが、スクリーンショットを撮ってつぶやいていただくのは大歓迎です! ぜひ「#ユニポスウェビナー」のハッシュタグを付けて、つぶやいていただけますと幸いです。
本日は大企業向けオンラインセミナー『職場の問題地図2021』、問題地図シリーズの著者である沢渡あまねさんに聞く「働き方改革と組織マネジメントの潮流」と題しまして、開催させていただきます。
では本日のプログラムでございます。
2020年、組織……いやぁ、いろいろありましたね。今日は12月3日なので、1年が終わろうとしていますけれども。2020年、組織で何が起こっていたのか。
また、働き方改革の潮流とこれからの組織マネジメントってどうあるべきなのかについて、沢渡さんからご紹介いただき「職場の問題って何があるのでしょうか? 2021年バージョン」をディスカッションで深掘りしていきたいと思っています。
斉藤:では、さっそく自己紹介をさせてください。私、Fringe81株式会社という東証マザーズ上場企業の執行役員をさせていただいておりまして、そのカンパニーであるユニポスカンパニーの社長をしております。
もともと学生時代に友人とスタートアップを立ち上げまして、その後、第2新卒としてFringe81に入社し、社内創業というかたちでUniposの事業を立ち上げました。
起業時のチームづくりから、今は、上場企業の経営にも携わらせていただいていますし、Uniposではグローバルなメンバーも含んだ多様な個性を持つメンバーをマネジメントさせていただいています。
そんな中で「同じ目的に対して、自律的に意思決定ができるような組織づくりってどうやったらできるのだろうか?」というところを日々考えながら、私自身も組織づくりの実践者として、またUniposというサービスを通していろんな企業のみなさまの組織づくりを支援させていただいています。
その観点から、沢渡さんのお考えもどんどん深掘らせていただければと思っている次第です。では、さっそくお招きさせてください。作家・業務プロセス/オフィスコミュニケーション改善士であられる、沢渡あまねさんです。よろしくお願いします。
沢渡あまね氏(以下、沢渡):よろしくお願いします。沢渡あまねと申します。
物書き、作家をしています。サラリーマン時代から物を書いていまして、ちょうど画面に出ている『業務改善の問題地図』11月発売の新刊が30作目ですね。今も常に書いている人間です。
日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社などを経験して、2014年から今の顔ですね。私は2つのハイブリッドで活動をしています。
1つ目が“顔のハイブリッド”。作家・フリーランスをしながら、浜松市の株式会社NOKIOOの顧問、金沢市のなないろのはなというベンチャー企業の取締役兼浜松ワークスタイルLABOの所長、ワークフローシステムのベンダーであるエイトレッドの顧問をしています。
さらにもう1つは“場所がハイブリッド”ですね。今、私はずっと浜松にいて、今日も浜松から参加していますが、浜松と東京での二重生活をしています。
これまで企業、自治体、官公庁など300を超える現場で、いわゆる“大企業病”と向き合いながら働き方、組織、マネジメントをどう良くしていくかと。アドバイザー、講演などを手掛けています。そんな人間です。
斉藤:改めまして沢渡さん、よろしくお願いします。ずっと、ご一緒できるのを楽しみにしておりました。
沢渡:よろしくお願いします。
斉藤:さっき事前の打ち合わせで1時間お話していたんですけれども、盛り上がりすぎて、喉が枯れそうなんですけれども。
沢渡:まだ早いです(笑)。
斉藤:本番もしっかり盛り上げていければと思います。では2020年、組織で何が起こったのか? というところから入っていきますが、せっかくウェビナーです。
ふだんオフラインでやっていたセミナーとは違って、発言しやすい環境が整っていると思います。ぜひ、みなさんからもご意見をいただきながら、逆にこちらから問いかけもさせていただきながらディスカッションしていければと思っていますので。ちょっとインタラクティブな場もご用意させていただいております。
では2020年、組織で何が起こったのか? ですが、シンプルに働き方が変わりましたよね? 変わらなかった人もいるかもしれませんが、組織の一部がこうなった、新しいツールが導入された、新しい働き方が求められるようになった、新しい権限が付与された。いろんな働き方の変わり方があったと思います。
「オンライン元年」なんて、リクルートワークスさんの機関誌ではおっしゃっていたりしますけれども。ビデオ会議の打ち合わせが増えました。こうやってウェビナー……「ウェビナー」という言葉も生まれましたよね?
沢渡:そうですね!
斉藤:オンラインセミナーのことですが、こういうウェビナーに参加するなんてことも、これまではあまりなかったんじゃないでしょうか?
沢渡:去年までは「オンラインでやりましょう」などと言うと「こいつ、楽したい手抜きの奴だな」みたいに思われた空気がありましたね。「そんな不精せずに来いよ」みたいなね(笑)。
斉藤:そうですよね。でも結局、この新しい時代になってポジティブな変化もあったと思います。さっきも話していたところでいうと「社内の打ち合わせを1時間して、その直後に別のところで講演する」なんてこともできるようになったのは、このオンライン化する波の中で……。
沢渡:そうですね。私なんて昨日もね、午前中は霞ヶ関へオンラインで登庁してたんですよ。その直後に、こちらの湖西市という、浜名湖に近いエリアの中小企業で講演をしました。そんな掛け持ちが可能という、いい時代になりましたよね。
斉藤:そうですね。働き方に起こった変化をどう捉まえているのか、ぜひみなさんにもお伺いしたいと思います。
働き方に起こった良い変化って、どういうものがあったでしょうか?
沢渡:お二人、投稿していただいていますね。
斉藤:ありがとうございます。例えば、テレワークの拡大により柔軟な働き方が浸透した。会議の時間が短くなった、などが挙げられるかと思います。あ、続々コメントいただいていますね。
沢渡:ありがとうございます。「逆にリアルの会議がはばかられる」「在宅になり、このようなセミナーにガンガン出席できるようになりました」。ありがとうございます。
「通勤がなくなった」「通勤の無駄がわかるようになった」とかね。「自宅の庭仕事ができるようになった」。いいですね~。やっぱり通勤とか会議っていう言葉が目立ちますね。
斉藤:「成果重視で余計な気遣いがなくなりました」。なるほど、コミュニケーションが減った中で、余計な気遣い、無駄に必要だったものがなくなって気が楽になったというお言葉もいただいていますね。
沢渡:そうですね。「沖縄からなので、県外のセミナーにたくさん参加できてうれしい」。これね、私も浜松にいて、よく聞くんですね。浜松にいながら東京、大阪、名古屋、札幌の講演が受けられるようになったという声があったりしますね。
斉藤:「変えられない人と変える人が二極化した。特にマネジメント」という声もいただいていますね。
沢渡:二極化! 今日ね、この話したいんですよね。まさに格差が広がっています。二極化はもうすでに始まってます。
斉藤:「オンラインセミナーの講師の質が良くなった」。これは、講師がいろんなところに参加できるようになったからなんですかね?
沢渡:そうですね。あ、いい意見がありますね。「ほかの人の様子や部署全体の様子はわかりにくくなった気がします」。確かにね。ネガティブな側面もあったりしますね。一方で、ある大企業の方なんかは、むしろ他部署とのコミュニケーションが良くなったなんて言っている人もいますね。
これおもしろい話で、私も納得感があるんですけれども。他部署などほかのフロアって、わりと行きにくかったりするんですよね。セキュリティが厳しかったり、あるいは他部署の人がウロウロしていると、なんか不審な目で見られたりだとかで。
ところがオンラインになったことで、チャットで他部署の人とお昼食べながら雑談したりとか、あるいは「ちょっと聞きたいんだけど」というような。むしろ他部署の人とコミュニケーションしやすくなった、なんていう大企業もありますね。
斉藤:まず最初に「起こった良い変化は何ですか?」とお聞きしたんですけれども、さまざまな思いが出てきたかと思います。そしてもう1つだけ、質問をご用意させていただいております。
2021年に向けて、組織マネジメントで不安に思っていることって何でしょうか? テレワークによる、受け身体質が強くなってしまうのではないか。一体感をどう向上させるか難しいな、などなど。
これまた、続々いただいていますね。「孤立している若手が見えにくい」。
沢渡:あ~、若手や新入社員のフォローは問題よく聞きますね。
斉藤:「セレンディピティ、偶発性の確保が難しくなってきた」「異動したばかりの人へのフォローが難しい」なんて声もいただいていますね。
沢渡:「雑談の吸い上げが減っている」「本質的な課題の抽出に工夫が必要」。まさにおっしゃるとおりですね。
斉藤:「意思決定に時間がかかるようになった」というのもいただいていますね。
沢渡:なるほどね。この辺りは格差が出ていますね。オンラインですぐつながって、すぐ意思決定できる会社とそうでないところのね。
「エッセンシャルワーカーの地位向上の機会になればいいが」そのとおりですね。「意思決定が早くなった」っておっしゃってる方もいますね。
斉藤:本当ですね。
沢渡:やっぱり二極化してるな。意思決定が早くなったところと遅くなったところ。「変化に対応できないが職位が高く、そこに気づいていない組織の衰退」(笑)。
「IT格差。年配の方々がITツールについてこれない」う~ん、それはありますね。
斉藤:こっちの二極化も挙げていただいていますね。「各自のタイムマネジメント、生産性が高い人と低い人の二極化」。
沢渡:間違いないですね。
斉藤:管理が難しいですね。
沢渡:「謎マナーが横行し始めている」確かにね。Twitter見てても「失礼クリエイター」なんて、職種が揶揄されたりしてますけどもね。「ZOOMで先に退出するのは失礼」みたいなね(笑)。
「リアルがいいに決まっているという変な風土」。あと「自宅のIT環境の質の違いによる業務効率、デジタルデバイド」。これは間違いなくありますね。集中できる環境がないとか、音が漏れてしまうとかね。
斉藤:たくさんコメントいただきありがとうございます。あとで全部お読みして、しっかり解釈したいですけれども、次に進ませていただければと思います。
2020年はいろんな変化がございました。ただ2021年になって、これがいきなり元の働き方に戻るかといわれると、残念ながらそうではなさそうだというのも見えてきております。これが果たして残念なのか、もしくはいいチャンスと捉えるのか。そもそもこの2021年かけてに起こっていく変化って、コロナがきっかけのテレワークだけではないですよね。
いろんな世の中の変化があった中で、急に変化したタイミングであったことは間違いないです。だからこそ2021年、我々はどういう組織づくりをしていくべきなのか。どういうマネジメントをしていくべきなのかについてお話をしていければなと思いますし、ディスカッションを深めていければと思っております。
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