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プレゼンが上手くなる!5つのポイント|話し方のプロ・資料のプロが解説【カエカ 千葉様】(全2記事)

社内プレゼンは時間のムダ パワポ資料のプロが重視する、「ペライチ資料」で意見を通すこと

クリエイティブカンパニー「シリョサク株式会社」が運営しているチャンネル『シリョサクTV』では、パワポ資料の作り方から仕事をもっとおもしろくするポイントまで、さまざまなコンテンツをお届けします。本記事では、資料作成のプロが語る、本末転倒な「伝わらないプレゼン」についてお届けします。

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プレゼンするなら、これだけはやめて!

豊間根青地氏(以下、豊間根):ということで、3つ目のお題に行ければと思います。3つ目のお題が、「プレゼンするなら、これだけはやめて!」。では、千葉さん、お願いします。

千葉佳織氏(以下、千葉):これだけはやめて! 「時間超過」。

豊間根:なるほど。

千葉:自分が伝えたことは、相手に100パーセント伝わり切っていると思う方が、非常に多いんです。ただ、意外と伝わっていない状況がありますよね。

ちゃんと伝えられない時って、「この情報もあの情報も、どんどん組み込もう」と思われる方がすごく多い。5分と決まっていたのに、結果的に10分とか15分もお話しされてしまうことが多いです。

5分と決めたら、言いたいことをむしろ削ぎ落としていくと、相手にも分かりやすくなります。だから、長く話してはいけませんよというところです。

豊間根:なるほど。ちなみに千葉さんの考えるプレゼンとかスピーチって、どういう場が多いんですかね?

千葉:そうですね。プレゼンの定義は恐らく一緒だと思うんですけれども、資料を使いながら人や物などをアピールするところで考えています。なので、経営者の方ですと、総会でお話しする時とか、新作発表をされる時とか、いろんな場面がありますね。スピーチに関しては、生身1つで話をするというところの定義でやっています。

豊間根氏と千葉氏が想定する「プレゼン」の場面の違い

豊間根:お聞きした意図としては、シリョサクが対峙するお客さんのプレゼンをする機会って、明確に時間が区切られていないことのほうが多いと思うんですよ。

例えば社内で、毎月部署ごとに月次定例会議で発表をするとか、あるいは上司に「こういう企画をやりたいです」と上申する。それで課長の許可は得たから部長にも話す時に、部長の時間を30分もらって、会議室で3人に対して話すぐらいの感覚なことが多くて。

明確に5分とか10分と決まっていないことのほうが、むしろけっこう多いなと思っているんですよね。

千葉:なるほど。

豊間根:千葉さんはどっちかというと、それこそIVSとかB Dashみたいなビジネスコンテストのような明確に時間が区切られているものとか、もしくは役員会議でも、「この会議は発表は5分まで」と、厳格にルールが決まっているみたいなところのほうが、接する機会が多いのかもしれないですね。

千葉:そうですね、その機会は多いかもしれないです。ただ、例えば上司にプレゼンをするとなっても、30分のミーティングの中で、だいたい5分ぐらいで説明したいと考えていたりすると思うんですよ。

豊間根:ありますね。

千葉:その仮の時間も超過してしまうと、その後の交渉に時間が使えなくなってしまったりすると思うので、私はすべてのシチュエーションに当てはまるんじゃないかなと思っています。

社内でプレゼンするのは時間のムダ

豊間根:間違いないです。あと、僕は「社内ではなるべくプレゼンするな」と言っています。社内でプレゼンするって、基本的にけっこう時間のムダだと思っています。

千葉:そうなんですか。どうして?

豊間根:シリョサクはどっちかというと、ドキュメンテーション文化なんです。プレゼンって、若干自己満足になりやすいんですよね。「俺ががんばって作ったこれを、みんな見てくれ」みたいなことにけっこうなりやすい。そうじゃなくて、ちゃんと仕事を前に進めるために、ペライチの資料を作って、事前に配って読んでもらう。「内容がわかるならそれでいいじゃん」という発想です。

だから「社内でのプレゼンの時間をなくそう」というのを言っているんですよ。

千葉:それで言うと、ここは違うかもしれないです。おもしろい!(笑)。

豊間根:(笑)。そうですよね。だから、僕と千葉さんって近いところもありつつ、けっこうポジションが反対の部分があると思います。

千葉:そうなんですよ。私たちはむしろ、「声で伝えよう」ということをやっていたりするので、全社会でもみんなでスピーチを書いて、全員が3分持って発表したりするんですよね。

豊間根:へぇ、なるほど。

千葉:というぐらい、テキストよりも、むしろ思ったことを動画で伝える文化とか、生身の言葉でというのが多かったりします。これは企業文化ですね(笑)。

プレゼンに慣れていない人がやりがちなこと

豊間根:おもしろいですね。僕はこれはけっこうわかりやすいです。「背中を向ける」。

千葉:へぇ。どういうこと?

豊間根:プレゼンする時って、スライドじゃないですか。「そんなことする人いる?」という感じかもしれないですけど、プレゼンに慣れていない人って、スライドを見ないと、今自分が何の説明をしなきゃいけないかわからないから、スライド側を見ちゃうんですよ。

そうじゃなくて、目線は必ず聞き手側にあって、時々スライドを確認するというのが正しい。これをするだけでも意識が変わるので、僕は一番良くないのはここかなと思っています。

千葉:私たちは、背中を向けるというところの対処法として、まず開きましょうというところから始めたりもしますね。

豊間根:ここの(脇を開く)角度が変わるわけですね。

千葉:豊間根さんとお伝えしていることは一緒だと思うんですけれども、いずれもやはり、「メインは聴衆である」というところを意識してくださいというのを徹底しているので、わかります。

一番効果があるプレゼンの練習法

豊間根:そこは近いところはありますよね。4つ目は、「一番効果があるプレゼンの練習法は何でしょうか?」というところですね。これはいかがでしょうか。僕は、明確にあるんですよ。

千葉:私も明確にあります。

豊間根:本当ですか? もしかしたら同じかもしれないですね。じゃあ、千葉さん、お願いします。

千葉:「録画」。

豊間根:おお、被った!(笑)。

千葉:あはは、被った(笑)。うれしい(笑)。

豊間根:要はメタ認知だと思うんですよね。自分の視点じゃない、他者の視点になるということが結局一番大事なので、それが一番いいのは録画ですね。

千葉:そうです。自分に聞こえている声やプレゼンは、ある意味うそみたいなもので、実際に動画で見たもの、客観的なものが本物なんですよ。

豊間根:間違いないですね。ここにきて、完全被り(笑)。これはもう間違いないですね。

千葉:これは本当にスマホ1つできるんですけど、やはりみなさんやらないですよね。

豊間根:やらないですよね。カエカさんでも、けっこうトレーニングの中でそういうのをするんですか?

千葉:はい、ほぼ毎日動画を撮っていただくところもあります。それぐらい第三者がいないと、「録画なんてしたくない」というお客さんが多いので、私たちは強制力として使っていただいているんですよね。

豊間根:基本的に自分の声を聞いたり撮影して見るのって、ちょっと嫌ですものね。

千葉:本当に嫌だと思います。でも私たちのトレーニングをやっていると、だいたい2〜3ヶ月ぐらいで「見慣れてきました」とおっしゃるので、これも結局できないではなく、できるようにするというところ。

豊間根:確かに。僕も自分のYouTubeなんかは普通に見れますもの(笑)。

千葉:おお。豊間根さんは、ご自分のアウトプットをかなりご覧になるんですか?

豊間根:けっこう見ます(笑)。

千葉:おお、偉いですね。私もよく見て反省しています。

パワポが下手でも伝わる話し方

豊間根:そうなんですね。じゃあラスト。これは根本に立ち返ります。「すばり、プレゼンで一番大事なことは?」。

千葉:難しいですね。

豊間根:じゃあ、千葉さん、お願いします。

千葉:「心から語る」と「客観性」。すごく悩んだんですよね。と言うのも、プレゼンで一番重要と言われるのって、マインドって言われることも多いんですね。「本当に思っていることを、気持ちを込めて語る。最終的にはそれが重要です」という話はよくありますし、私もすごく大事だと思います。

ただ、心から語ったものが全部相手に届いているかというとそうでもなくて、話し方がわかりづらかったり、資料が見づらかったりすると伝わらなくなってしまう。

だから、このマインドと、やはり客観性。先ほどの録画なども含めたものの両立が大切だと思いますね。

豊間根:「心から語る」はめっちゃわかります。僕も最近、資料がわかりづらい根本的な原因は、その人の気持ちだと思っています(笑)。

千葉:資料もですか。へぇ、おもしろい。

豊間根:気持ちがある人って、パワポがめっちゃ下手で見づらくても、なんか伝わるんですよ。でも「伝えたい」と思っていないと、伝わらないんですよね。

千葉:そうですよね。なので、あまりに(プレゼンを)スキルだと捉えすぎて、それが空回りして気持ちが込もってないというのは本末転倒です。

プレゼンは対話である

豊間根:一応フォーマットにはのっとっているんだけど、「これはいったい何なの?」みたいの、ありますよね。僕のほうは、「対話」とさせていただきました。

千葉:え、意外! どういう理由ですか?

豊間根:僕はプレゼンって対話だと思っています。というか、何ならこのYouTubeチャンネルも対話だと思っているんですよ。カメラの向こうにいる「シリョサクTV」を見てくださっている視聴者の方々を想像しながら、その人にお手紙を書くような気持ちで伝えているんですよね。それって1対Nなんですけど、あくまで1対1の対話が積み重なったものだと思っています。

千葉:すてきな言葉ですね。私の心に響きました。

豊間根:そうですね。でも基本的には1対1の対話なんですよね。人と人とが話す時に、先ほどの「背中を見せる」じゃないですけど、千葉さんと話すとなった時に向こうを向いて話す人はいないじゃないですか。

目を見るし、千葉さんが何を考えているかとか、「何を話したら理解してくれるかな」と考えながら伝えますよね。

千葉:確かに私たちがやっているものの形態って、どちらかというと一方向だと思われるかもしれないんですけれども、根本はコミュニケーションですよね。

豊間根:そうなんですよ。だから本当にお手紙なんですよね。僕はTwitterがバズったのが、キャリアのある意味きっかけなわけですけど、あれも基本的にはスマホの向こうにいる人全員を、1人の人間だと思って投稿しています。リプライをもらっても、基本的には絶対に返します。

千葉:すばらしいですね。

豊間根:だからクソリプが飛んでくるとれるとめっちゃムカつくんです。

千葉:(笑)。豊間根さんは、ちゃんと対話をしているから。

豊間根:そうです。向こうは本当に便所の落書きみたいな感じで、特に気持ちを込めずに書いているんですけど、こっちは人間だと思っているので、「お前、ふざけんなよ!」って毎回なるんです。

千葉:すごい。本気度が伝わってきます。たくさんフォロワーがいらっしゃる中で、豊間根さんみたいに対話をするってなかなかできないですよ。私も本当に学ばせていただきます。

プレゼンがうまくなる5つのポイントまとめ

豊間根:とんでもないです。ありがとうございます。じゃあ、ちょっと内容を振り返りましょうか。今日見てきた5個のポイント。1個目の「よくある誤解」は、「資料から作るはNG」と、「プレゼンはセンスと小手先じゃない」ということですね。2つ目。「最低限これだけ押さえろ!」は、「言葉と音声と動作」。

3つの要素に分解できるよということですね。僕は聞き手・メッセージ・変化の「キメヘン」でした。「これだけはやめて!」は、千葉さんが「時間の超過」。僕は「背中を向ける」ですね。

千葉:あるあるですね。

豊間根:4つ目の、「一番効果がある練習法」は、「録画」。これは満場一致でした。5個目、「一番大事なこと」が、千葉さんが「心から語る」と「客観性」。僕は「対話」ということで、5個を見てまいりました。やっぱりおもしろいですね。

千葉:共通点もあり、相違点もありましたね。

豊間根:「伝える」という部分においては、やはり考え方が近いところもありながら、やはり「話し方」という部分に着目されている千葉さんと、あくまでドキュメント、文字化された資料に軸足を置いている我々とで、またちょっと違いがあるところがすごくおもしろかったですね。

千葉:むしろここがタッグを組んだら最強ですね。

豊間根:そうですよね。ちょっとなんか提携しますか?

千葉:はい、ぜひ。ここで提携が決まりました(笑)。

豊間根:ということで、みなさんもぜひ、この5個のポイントを意識しながら、ふだんのビジネスプレゼンテーションにも活かしていただければと思います。

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