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C Channel代表 森川氏が語る「組織拡大に伴う光と影」(全3記事)

「やる気がない人に時間を使うのは無駄」C Channel森川氏が考える、成長企業のマネジメント論

急成長企業の経営者が組織を強くする秘訣を語る、トークノート主催のイベント「CEO MEETS UP〜急成長企業の経営者が語る、組織を強くする秘訣〜」が開催されました。基調講演「組織拡大に伴う光と影」では、C Channelの森川氏が登壇。経営者と社員の人間関係を構築するリスクや、評価制度について語りました。

冷静な判断をする人はなるべく人間関係を断ったほうがいい

小池温男氏(以下、小池):ありがとうございます。あと、この会場の中にいらっしゃる経営者の方々にも、役員や社員の方とよく飲みに行くという方と、基本はまったく行きませんという方と、様々だと思います。森川さんはどうされてますか?

森川亮氏(以下、森川):創業時はよく行ってましたけど、最近はあまり行かないというところでありまして。人間関係は本当にどこが重要なのかということは、考える必要があるのかなと思うんですよね。もちろん人間関係が信頼関係に繋がって、それが仕事のスピードアップとか仕事の効率化に繋がればいいんですけど。会社が大きくなったりとか古くなると、むしろ人間関係が判断を狂わせる場合があると思うんですよ。

例えば「あいつとは付き合いが長い」とか、「あいつとはこんないいこと・悪いことあった」とか、過去の感情的な記憶によって本当に判断しなきゃいけない時に身をあやまるかなと思ってまして。なので、本当に冷静な判断をする人はなるべく人間関係は断ったほうがいいんじゃないかなと思いますね。

それはたぶん、社外もそうですよね。いろんな業者の方とお付き合いする方でも、人間関係がよくなってしまうと冷静な判断ができなくて、むしろ「こっちはコストが高いんだけど、ここについつい頼んじゃうんだよね」みたいなことが当然あるでしょうし。それもそれで業界の慣習もあると思うんですけど、1番経営者として大事なことというのは、なるべく正しい判断をするということだと思うんですよ。

正しい判断をするためには、客観的に見られる環境にいかに自分を置くかということが非常に重要だと思うんで、そのためにはあまり距離を近づけないほうが悩みは増えないんじゃないかなと思いますね。距離が近づくと、むしろ悩みが増えるような気がします。

相談が増えるということは、甘えが増えるということなんですよね。相談すればなんとかなると思うから、相談するわけですよね。相談してもダメだと思えば相談しないじゃないですか。なので、社員全員から相談されたりすると、社長は倒れると思うんですね、おそらく。

小池:(笑)。

森川:ある程度、そこは線引きをしたほうがいいんじゃないかなと私は思います。

小池:ちなみに、現在は月に何回くらい社員さんと飲みに行かれたりしますか?

森川:社員とは月に……1回あるかないかくらいじゃないですか。

小池:それは、全員でのパーティーみたいな感じでしょうか?

森川:全員でのパーティーはないので。個別に呼ばれた時とか、接待に一緒に行ったりする時以外はほとんど行かないですね。

上場を目指す場合、監査役はどんな人に頼むべき?

小池:わかりました。ありがとうございます。用意してる質問はこれで最後です。

この中に上場準備中や上場したいという方はけっこういらっしゃるのではないかと思っておりますが、上場しようとした場合、常勤監査役の方が必要になってくるので、僕らも今探してるところです。そこで、「こんな人がいい」だったり、もしくは「こんな人は絶対ダメだ」というのはありますか?

森川:そうですね。今日はメディアの方がいるので、あまり無茶なことを言うとマズいかなと(笑)。私もいくつか上場企業の社外役員なので、あれなんですけど。

基本は、監査の方というのは冷静に会社の課題を監査して株主のために仕事をするという部分があると思うんですよ。小さい会社の場合はそうも言ってられないでしょうから、その部分も残しながら、営業の支援とか事業の支援をやってくれる方が1番、経営者としてはやりやすいような気がしますね。

上場しようとすると、監査役にお願いするのがだいたい元金融出身の方とか、あとは会計士、弁護士の方にお願いする場合が一般的なのかなと思うんですけど。そういう部分はむしろ業務委託でお願いすることもできますから、監査役では事業経験があって、業界に人脈があって、困った時に相談にのってくれる方のほうが、社長としては安心感があるんじゃないかなと思いますね。

小池:C Channelは今、常勤監査役の方はいらっしゃるのですか?

森川:今、いますね。

小池:どんな方ですか?

森川:もともと証券会社にいた方で、いろいろ我々に社員を紹介してくれる方にお願いしましたね。

小池:そうなんですね。LINE時代はどんな感じだったのですか?

森川:LINE時代は、もともとある会社の、いわゆる副社長をやってた方で、その業界にお詳しい方にお願いしました。

評価制度を作る難しさ

小池:ありがとうございます。ご用意した質問は以上です。これから5~10分くらい会場の方からのご質問をお受けして、森川さんにお答えしていただこうと思っております。ご質問したい方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

質問者1:今日はありがとうございます。森川さんにご質問があります。5人の人に率直に「その人がいたほうがいいか・いなくても大丈夫か?」という質問をすると言ったと思うんですけど、例えば「5人中3人が……」とかいう言い方のなかで、「誰が『いなくても大丈夫』と言ってるよ」と、具体的にまで言いますか?

森川:「誰が」は言わないですね。

質問者1:そこは言わないんですね。

森川:そうなると、選挙じゃないですけど、お互い統合して入れようみたいなことになっちゃう可能性もあるので、あくまでぼんやりとそれを表現するというところですね。

でも、これ会社の文化にもよると思いますよ。お互い率直に言い合うことがベストだということが徹底してる場合には、おそらく個人名を出してもいいのかもしれないですけど。日本的な文化でいうと、そこまでいくとお互いギスギスしてしまうと思うので、あくまでシェア、割合で繋ぐみたいなかたちでやってましたね。

質問者1:ありがとうございます。もう1個いいですか? そのなかで、例えば男女比率があると思うんですよね。LINEさんの時はどんな感じでしたか?

森川:女性は確か3割くらいだったと思います。

質問者1:その3割の女性にもストレートに言うんですか? 「5人中何人」と。

森川:そうですね。男女の差別は、とくにしてなかったですね。あと、外国人も多かったんですけど、外国人と日本人の差別もしてなかったですね。とくに外国人が多い会社は、率直に言わないと伝わらないんですよね。日本の方は遠回しに言うので、外国人がいる会社だからこそ、そういうものを徹底したというのがありますね。

質問者1:わかりました。ありがとうございます。

森川:ちなみにですけど、評価制度は私もいろいろ迷ったんですけど、当時いろんな仕組みをやりまして。1番課題だなと思ったのは、評価に時間をかける(かかってしまう)ことですね。

どうしても評価制度を一生懸命やろうとすると2~3週間かかって、とくに中間マネージャーとかがものすごく高いという状況がありました。やっぱり、どんな評価制度も穴があるんですよね。悪い社員ほど、その穴をついてくるわけなんですよね。

例えば、目標管理してもなるべく達成しやすい目標をなんとかつけて、忙しいマネージャーだと細かく見られないので、「目標は達成してるんだけど、その人の仕事はそんなに評価できないよね」という人たちとのフィードバック面談がけっこう負荷が高くて。それによって業績に影響を与えるということが実際にあったので、なるべく評価は早いスピードで、かつ言いわけが起こらないような仕組みにしなきゃいけないなという課題認識はありましたね。

やる気がない人に時間を使うのは無駄

小池:ありがとうございます。その他にご質問ある方いらっしゃいますか?。

質問者2:本日はお話ありがとうございます。人材教育系の事業展開をしているんですけども、非常に前向きな従業員さんとかポジティブな方、自分で伸びようとしてる方というのは非常にいいと思うんですが、どうしても組織になると一定数、「ちょっとダメだな」じゃないですけども、伸びようとしない方というのは出てきてしまうと思うんですが、その方々への対応というか、考え方などお話いただけたらうれしいです。

森川:私の考えとしては、やる気がない方とやる気がある方だと、圧倒的にやる気がある人にお金も時間も使うべきだなと思ってます。やる気がない人は、そっとしのぐのが1番かなと思いますね。あまりそこに負荷をかけると会社の無駄なので、それでダメだったら自然に辞めてくんだと思うんですよね。私はあんまり、やる気がない人にやる気を出させることに時間を使うのは無駄だなと思ってまして。

なぜかというと、その人自身に課題があるんですよね。それはもっとやりたいことがあるのか、それとも本質的に仕事が嫌いなのか、はたまた別の理由があって……。それは、会社はもう解決できないと思うんです。自分で解決しなきゃいけない。なので、放っておくと自分なりに考えて悩んで自分で結論を出すので、ある意味そっとしておくのが1番かなと思いますね。

質問者2:ありがとうございます。

小池:ありがとうございます。その他にご質問ある方いらっしゃいますか?

質問者3:先ほどの360度評価についておうかがいしたいんですけど、360度評価よし悪しで、「いい」という企業と「悪い」という企業があると思うんですけど。下から上司を評価するというのがあんまり受け入れられない会社もあると思うんですけど、それは全部の階層で360度評価を行うんですか?

森川:そうですね。

質問者3:役員まで?

森川:はい。私もやられました。

質問者3:じゃあ、森川社長も?

森川:はい。けっこうダメ出し、よくされてました。

質問者3:わかりました。ありがとうございます。以上です。

日本は会議とレポートが多すぎる

質問者4:本日は貴重なお話ありがとうございました。先ほど組織文化を変えるためには、ポジションを入れ替たりされるということだったんですが。なかなか私の会社は古い会社でして、そういった文化が馴染まない文化だったんですけども、古参の社員とかそういった人間に対しても、どのようにしたら変えていけるようなかたちで仕組みを作ればいいのか、もしくは諦めるのか、どちらがベターだと思いますか?

森川:私の経験上なんですけど、無理に変えるのはすごく難しいと思うんですよね。なので、変わる人と変わらない人を区別するといいですね。変わらない人はそっとしておくと。変わる人だけで仕事をすると。そうすると変わらない人たちは、「なぜ自分のところには話がこないんだろう?」ということでさみしくなるわけなんですよね。

そうすると、自分なりになにか改善しようとするというところがありまして。変わらない人を変えようとするとなにが起こるかというと、抵抗が始まるんですよね。でも、そっとしておくとなにも起こらないので、そうしたほうが無駄は少ないような気がしますね。

小池:その他にご質問ある方いらっしゃいますか?

質問者5:昨今、「働き方改革」というのが今年の流行語くらい言われてると思うんですけども。だいたい残業時間がトピックになってると思うんですけど。森川さんのC Channelでの考え方というのをお聞かせいただきたいです。

森川:1番大事なことは、「生産性を上げる」ということだと思ってまして。日本人は、世界の中でも本当に生産性が低いと言われてます。

私なりにそれを分析すると、会議とレポートが多すぎるんですよね。ほとんど仕事ができる人は会議かレポートをやってるということで、実際の仕事は夜やらなきゃいけないので残業増えるという。なので、まず圧倒的に会議とレポートを減らすべきかなと思ってます。

会議も、定例会議をやめるということ。なぜかというと、会議が仕事だと思ってる人がけっこう日本には多いんですよね。じゃあ、実際会議をやってみるとお互いの悩みを言い合って、結局なんの解決もせずに「来週また検討しましょう」みたいになっちゃって、その時間が……。例えば、時給1万円の人が5人いたら5万円の損じゃないですか。それを1日中やってたりすると、けっこう無駄ですよね。

また、レポートもけっこう細かく書かせる会社が多いんですけど、それの負荷も多いんですよね。マネージャーの人は決済もしなきゃいけないし、評価もしなきゃいけないし。

最近いろんなクラウドの仕組みがありますし、なるべくレポートと会議を極端に減らすと生産性が高まるので、残業しなくてもスピードが早く仕事ができるようになります。そういう時はTalknoteを使って、効率的に仕事していただければと思います。

小池:ありがとうございます。それでは、質問を受けつけるといくらでもいただけるのではないかと思いますが、お時間になってしまいましたので、以上で森川さんのお話を終了させていただきます。この後の交流会にも森川さんにご参加いただきますので、なにかお聞きしたいことがある方は名刺交換とともにご質問していただければなと思いますので、よろしくお願いします。それでは森川さん、ありがとうございました。

森川:ありがとうございました。

(会場拍手)

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