
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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佐野一機氏(以下、佐野):最初のコンテンツですけれども、「HR Techってそもそもなんだろう」ということですね。篠田さんとお話していきたいと思います。篠田さん、どうぞよろしくお願いします。
(会場拍手)
篠田真貴子(以下、篠田):ほぼ日の篠田でございます。今日はよろしくお願いします。
(会場拍手)
篠田:すみません、座ったままで失礼します。よろしくお願いします。
佐野:ほぼ日ではCFOという役割ではございますけれども、ほぼ日自体はわりと縦横無尽に役割にとらわれずにやる会社ということを伺っております。篠田さんのことはご存知の方も多いかと思いますが、一応、まずは自己紹介をお願いできますか。
篠田:ありがとうございます。ほぼ日のCFOをやっていて、今9年目です。それまでは、ここにあるように、いろいろな会社で仕事をしてきました。HRは実は3社目のノバルティス ファーマ株式会社の人事部で1年ほど在籍したことはあるのですが、別に人事のプロではありません。
もう1つは、ほぼ日に入社したときに、いわゆる管理部門的なものが事実上ない状態からのスタートだったので、人事の仕組みをどうするんだと、わからないながらに人事制度をつくった経験があります。どちらかと言うと、経営コンサルティングの経験も含めて、経営者とか会社全体を見る視点から人事や組織を考えてきていることが多かったかなと思います。
佐野:ありがとうございます。簡単に僕の自己紹介もさせていただくと、株式会社タレンティオというクラウド型の採用支援システムを開発している会社で代表取締役社長をやっています。
今年の4月、フリークアウト・ホールディングスのグループ入りをしまして、今日はフリークアウトのイベントスペースで開催しております。
僕と篠田さんの関係としては、4年くらい前からのお付き合いで、朝ごはんを食べたり、定期的に2人でおしゃべりをするという関係性ですね。
篠田:人前に2人で出たのは初めてです。
佐野:2人だけは初めてですね。
篠田:はい。だからなんだという話ですね、進めましょう。
佐野:はい。今日のお話のテーマですけれども、まずは、そもそも今、人材に関する大きな流れはどういうところなのかという話をさせていただきますね。
人口全体に関してはご存知の通りどんどん減ってきているわけですが、労働人口に関していうと、人口どころではないわけです。どんどん高年齢層が増え、かつ、若い世代がどんどん減っていくわけですから、労働人口というのは人口以上にどんどん減っていくわけです。
統計の中でも、特に人口のデータというのは確信性が高いと言われていますが、日本の将来は間違いなく、(スライドを指しながら)こういったグラフに出てますけれども、減っていく運命にあるわけですね。
この点に関して、篠田さん、補足的なことはありますか?
篠田:ちなみに私はバブル期に社会人になったので、たぶんこういう求人倍率は当時以来の高水準で……。
佐野:そうですね、いまはバブル期以来の高水準と言われていますね。当時もかなり雇用者側よりは労働者側に力があった時代ではあると思います。
この有効求人倍率も、全体の数値なので、例えば今日IT系の方ってけっこういらっしゃいますよね。いらっしゃいます?
(会場挙手)
あ、けっこういらっしゃいますね。「うちはエンジニアの採用、全然困っていませんよ」という方、いらっしゃいます?
(会場では手が挙がらない)
やはりみなさん苦労されているのですが、エンジニアの求人倍率がどれくらいかというと、これは6倍とか7倍とか、そういうふうに言われているわけです。
篠田:へぇ。
佐野:確かな数値というのは前提によって変わるのですが、全体的に人材が足りていない。局地的には、ITだけではなくて、サービス業などでも圧倒的に足りない。いずれにしても、人材が不足している時代になってきているわけです。
今回、「HR Techってそもそも何だろう」と考えるときに、例えば他の業界はテクノロジーでどう変わっていったのかとか、こういった人口や労働環境の中で、HR Techってそもそもどういうふうに定義したらいいのだろうとか、人事側はどのように変わっていけばいいのだろうとか、こういったことを2人でおしゃべりしたいと思っております。
篠田:はい。私はTechも何も専門性もないので、そういった意味ではこのなかで一番素人かもしれず、「そもそも何ですか質問」をいっぱい繰り出すかもしれないです。さっき、紹介で佐野さんがモデレーターで私がスピーカーのような紹介をされましたが、間違いです。ご了承ください。
佐野:篠田さんがスピーカーということで、みなさんが楽しみに来ているので。
篠田:え……わかりました。だとしたら、HRではなく経理の話をしましょうか。
(会場笑)
佐野:経理とテクノロジーの話をしてみましょうか。
篠田:はい、経理のほうが私の専門性に近いので、そうします。ちなみに私は49歳なんです。おそらくこの会場のなかでほぼ一番歳上ではないかと思います。
はじめ私は銀行に就職したのですが、当時、銀行に就職してディーリングルームに配属になりましたが、パソコンはまだありませんでした。ないんですよ。デリバティブとかを手がけ始めた部署に2、3台あったのかなというぐらいです。
その頃、じゃあ経理はどうやっていたのか。みなさん、いまの会社の経理部門には必ずPCの中に経理ソフトウェアがあって、エクセルを併用しながら経理業務をされてますよね。しかし当時の経理部門には、PCはまったくないんですよ。銀行なので伝票などを取り扱うんですけれども、同じ部署にいた先輩は、机の薄い引き出しがありますよね。この一番手前にソロバンが入っていて、計算をするときは、そのソロバンで、こうシューってやって、伝票に書く、という時代です。
佐野:いまだと開示とか当たり前のようにやってますけれども、そんなのできないんですよね。
篠田:当時は四半期決算とかなくて、基本は半期だったんですね。開示するのも単体がメインで連結というのは補足の位置づけです。とにかく、思えば、四半期決算なんてできるはずがないんですよ、当時の技術的インフラでは。
四半期決算って、もちろん投資家の力が強くなって、その要請があって、会社の状況をもっと早く知りたい、頻繁に知りたいというニーズから現在の仕組みに変わっていったんですけども、それを可能にしたのは、IT、テクノロジー。言ってみれば、会計ソフトであったり、PCを経理をやる人一人ひとりに渡せるぐらい低コストになったということが、間違いなくドライバーになっているわけです。
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