2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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パット・ゲルシンガー氏:ご紹介どうもありがとうございました。私自身も40回以上、日本には来ているのですが、こうやってソフトバンクのすばらしいイベントに参加することができて大変うれしく思っております。
20年以上、私は友人であり、またビジネスパートナーということで孫さんや宮内さんとお付き合いをしてきたのですけれども、ビジネスの関係だけではなく本当に深い友情で結ばれている感じがして、今日は本当にありがとうございました。お話しの本論に入る前に、少し手短に、ITの第三の時代に今我々が入ろうとしているという話をしたいと思います。
最初の時代というのはメインフレーム、それからミニコンピュータの時代でした。そして、そのときには多分1,000人ぐらいのユーザーしかいなくて、そして特別な場所にコンピュータは設置されて、専門家だけが近づけるものでした。その次に第二世代が来て、今度はクライアントサーバ時代になってきたわけです。私たちはほどんど、その辺からキャリアを積んできた人間だということになります。
最近、私はルーブル美術館で講演をする機会があったのですが、ここに実はITの過去という区間がありました。メインフレーム、ミニコンピュータ、それからまた特別なオラクルのデータベースの機械、またディスク時代の残りみたいなものもあり、これはもうITの博物館です。しかしながら、これが今度はモバイルクラウドへと今、急速に変わりつつあります。
これはコンピューティングという時代の中では、何十億人という人たちがコンピュータを使い始め、アプリケーションも何百万という感じで分散されるということです。そして、まさにこれが我々が突入しようとしている時代になります。
CIOであれば、あるいは実際にテクノロジーの意思決定権をお持ちの方々であれば、この二つの問題を同時に対応していかなければいけないと思います。ほとんどの投資、ほとんどのリソースは実はジェンツーといわれる第二世代のものに投資されています。しかしながら何とかして経費を削減し、そしてジェンスリーの世代へと投資を仕向けていかなければいけません。
そこでこの10年間の仮想化はどうなったのでしょうか? 実はより効率性をアップさせ、そしてアジリティを担保し、そしてコストも削減したのです。ITのどんなツールよりもそういったものをもたらしました。しかもモバイルワールド、モバイルクラウドの土台をも培ってきました。
これまでの旧態然とした世界ではだめなのです。今までどおり、従来どおりこの10年間やってきたことを、またこの10年間やっていったのではダメなのです。まさに次の時代へのシフトが必要になっています。さて、本日、私の講演は未来に向けていきますけれども、ちょっとここで一旦25年前ぐらいに歴史をさかのぼっていきたいと思います。
ちょうど89年は世界がいろいろな変革をもたらしていたときでした。ベルリンの壁が崩壊し、そしてヨーロッパの境界が変わり、そして地政学的な変化がありました。昭和が終わり、そして89年には平成元年を迎えました。冷戦も終結したのが89年。さらには消費税導入が日本でも行われた年でもあります。いまだにいろいろと物議があるかと思います。
そしてサンフランシスコでは大地震が発生した年です。ちょうど私はこのときはベイエリアに住んでいました。ちょうど壁に時計がありまして、壁から落ちてきたのです。4時46分にちょうど地震が発生したときに、ワールドシリーズのときに時計が落ちてきたのですが、思い出に私はまだ壊れた時計を持っております。
いずれにしても89年というのは移行期でもありました。テクノロジーの世界でも移行期でした。地政学的な変革だけではなく、技術面においても変革がありました。このビルを覚えていらっしゃる方がいると思います。
クロックタワー、かの有名なクロックタワープレイスです。かつてのDEC、ディジタル・イクイップメント・コーポレーションの本社でした。私も何度も足を運んだことがありました。89年当時、DECは実はもうまさにトップに上りつめていたときだったのです。IBMに続いて世界第二位、最も力を持っているIT企業のひとつでした。
そして時価総額も多く、また社員数も多く、さらに1位のIBMの座を奪おうと躍起になっていた時代だったのです。DECは革新的で、まさにこの業界のパイオニア的な存在だったのです。
しかし、ちょうどその年は、(同社創業者の)ケン・オルセンが「PCはおもちゃだ」という有名な発言を残した年でもありました。DECがまさに頂点に上りつめていたときに、もう既に失敗に向けて種がまかれ始めていたのです。
なぜならばクライアントサーバの時代が始まっていたのです。そして約7年後に、コンパックという会社によってあっという間に買収されてしまいました。
そして、そこでまさにこのIT業界の境界が塗りかえられたのです。そして2014年、あれから25年が経ってから、あの当時以上の変革が起きようとしています。まさに我々が立つ土台そのものが崩れようとしている、そしてまさに技術のあり方そのものが抜本的に変わろうとしているのが今です。
さて、二つの分岐点があると言っていいかと思います。
まずはデータセンター。今のデータセンターはハードウェアありきです。かなり労働集約的な環境になっています。そして運用面で考えても、例えばハードウェアにシックスとかそういったものがまさに未来の魔法だといわれているようなところと整合性が取れている。
その一方にあるのがソフトウェア的なアプローチ。ハードウェアは全部拡張できて、なおかつコモディティ化されて、そして差別化はインテリジェンスにあると。つまりソフトウェアレイヤーにこそ差別化がある、という二つの分岐点があるかと思います。
そしてこれこそがSDNのきっかけとなりました。もうハードウェアありきの世界から、まさにソフトウェアありきの世界へと今、動きが変わろうとしています。私は個人として30年、ハードウェアの人間、シリコンの人間として働いてきたのですが、私はこのスライドを決して喜んで見せているわけではありません。
ただし、時代は変わったのです。もうハードウェアの時代は終わり、そしてソフトウェアディファインドの時代に入ってきたのです。SDN、あるいはSDエンタープライズへの世界に入ったわけです。さて、VMwareはこのちょうど真ん中に位置しています。私どもは三つの優先的な戦略をうたっております。まずはソフトウェアディファインドデータセンター。
サーバーの仮想化を進めた、そしてデータセンター全部の仮想化を進めています。続いてはハイブリットクラウド。これは恐らく本日の議論の中心になってきますけれども、ハイブリッドクラウド。そしてエンドユーザーコンピューティング、つまりデータセンターの仮想化からデバイスへとつながっていくところです。
ではもう少し、ソフトウェア・ディファインド・データセンターを掘り下げて考えていきたいと思います。もちろん出発点はサーバの仮想化です。VMwareがまさに誕生した場所です。
それまで我々がやってきたもの、例えばハードウェアとOSの切り分けという魔法をやってきたわけですけれども、お客様に最初に販売したときに、一体全体どうやってこの抽象化ができるのだろうか、従来のハードウェアサーバを一体どうやって一本化するのだ、ワークロードをどうやって移行させることができるのだといったような売り込みだったわけです。
ただ、結果的にはコスト効率が上がって、そして自動化が進んだわけです。そして、我々自身、70パーセントのワークロードはほぼ仮想化されています。ただ我々は100パーセントを目指すまではこの努力はやめません。この追求は手を緩めることはありません。
続いてネットワーク。やはり、今日のデータセンターの運用の制約値というのはネットワークなのです。アプリケーション自身がネットワークの機能、例えばファイアーウォールのルールやアックルール等物理的な何かハードウェアとひもづいているので、制約がある。
処理能力は柔軟で、そして簡単にスケールアップ、ダウンできるのにネットワークの制約があるので、続いてはNSテクノロジーでネットワークをいかに仮想化していくかということが鍵です。当然ストレージのバーチャル化もしていかなければいけません。今までは非常に高いレジリアンスのためのものが必要だったけれども、この領域すら仮想化が始まっています。
そしてこの全ての要素が、やはり管理ソフトを使って見ていかなければいけないわけです。つまりは自動化ソフトです。例えば現代のクラウドデータセンターを見ていきますと、それまで、オペレーター単位で10台だったものが100台、1,000台まで管理できるようになる。となると、その裏にあるのは自動化なのです。機能を自動化しないとできないのです。
データセンターの全てのオペレーションを自動化する必要があります。クラウド、オペレーション、ビジネス、財務全てポリシーにのっとって自動化をしていくことが必要です。
これこそがソフトウェア・ディファインド・データセンター、この4つが全てかみ合ってコンピューティングもストレージもネットワークも、それから管理の自動化が全て相まってソフトウェア・ディファインド・データセンターが構成されます。
さて、このSDDCというのは基盤となるハイブリッドクラウドの技術ということになります。そこで、やはりソフトウェア・ディファインド・データセンターをオンプレミスと、あわせてオフプレミスでも対応していかなければなりません。したって我々は世界最大級のハイブリッドクラウドコンピューティング環境をビジネスエンタープライズのお客様向けに提案していきます。
まずは50万社のお客様が、400万台余りのバーチャルマシンを使いながら、ビジネスエンタープライズの半分以上がこの仮想化のソフトウェアに乗っかってくる。それを実現させるためにはやはり橋渡しが必要です。パブリッククラウドへの橋渡し。ですからこの二つの融合された世界、ハイブリッドの世界にこそ、チャンスがあると我々は考えています。
掘り下げ見ていく前に、まずパブリッククラウドの市場がどうなっているかということを見ていきましょう。どちらが早く伸びているかという議論があります。オンプレミスなのか、それともパブリックなのか、社内なのか、外部なのか?
今のところ、パブリックなのです。オンプレミスはゼロから4パーセント、一方で外部、パブリッククラウドは25パーセント前後です。当然のことながら、成長率はどちらが明らかに大きいかというのがここでわかります。しかしながら投資額はどうでしょうか? 全く違った視点でこの同じストーリーを見ることができます。社内投資のほうがはるかに大きいのです。
皆様がまさにここに目を向けていると思います。ですから、将来はパブリックなのかオンプレミスなのかということよりも、真の意味でのハイブリッド、これはガードナーの調査結果の一つをごらんいただいていますけれども、中にはプライベートだけ、中にはパブリックだけを選ぶところもいます。しかしながら大半はハイブリッドだと答えています。
もちろんこれは理にかなっているということだけではなく、例えばセキュリティの面でもコストでも、ガバナンスでも、プライバシー、データ、あるいは法規制等々を考えてもやはりアプリケーションによっては、パブリックでも構わない。しかしながら、中にはどうしてもプライベートでしか展開できないものもあるということを皆がわかっている。
ですから、その二つを融合させるハイブリッドクラウドこそに未来があると我々は判断しています。
さて、アジアはどうでしょうか? 年率で24パーセント以上成長しています。
その大半を占めるのが、実はここ日本にあるのです。これがクラウド、全体のアジアの中では最大の市場です。そして私たちにとっても、これは非常の期待が持てることでもあります。
というのは、クラウドのオポチュニティがこの日本市場では非常に大きく期待できるわけです。私たちにとってはさらにソフトバンクとの協業によってこれに大きく期待しております。グローバルではどうでしょうか?
クラウドというのはトッププライオリティに位置づけられていて、この日本では3位につけています。
ということで、日本の企業にとってはクラウドがより大きな興味になっているといえると思います。ということでCIOのグローバルでのトップのトピックに入ってくるわけです。今日、VMware、vCloud、ハイブリッドサービスを日本に展開するということでアナウンスをさせていただきます。ソフトバンクとのパートナーシップをベースにしております。
このジョイントベンチャーでのパートナーシップに大変期待をしております。現在ではまだベータです。ジーエー版は今年の後半に出る予定になっています。VCHS、ハイブリッドクラウドサービスはアメリカで今使える状態になっております。ヨーロッパでも提供しております。そして、アジア太平洋地域でも提供していきます。
ということで、3地域をこれでカバーできるということになります。非常に急速に成長しております。普及率も、このサービスにおいては非常に高くなっております。インフラストラクチャーアズ・ア・サービスがコアになりますけれども、コンピュート、ネットワーク、ストレージ、マネージメント、さらにはバックアップの機能を提供するものです。
それに加えましてサービス、最も即自的な興味として、とにかくクラウドに乗っかるために必要になるものが、先ほど宮内さんがおっしゃいましたDR、ディザスタリカバリになります。そして、残念ながら大災害がこの日本でも起きました。ということで、もっと、こういった災害に対して耐性力があるシステムをつくるということが非常に重要になってくるということをわかっていただけたと思います。
この未使用のキャパシティを使うことによって、サービスとしてもっと簡単に始められるようにする。これから先はほかのサービス、例えばデスクトップ、さらにはクラウドファンディングも提供していきます。
そしてまたこのローカルマーケット、データサイバー、そしてビジネスのデータ、さらにはオペレーション、この日本ならではの要件も満たしていきたいと思っております。
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